2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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佐藤将高氏(以下、佐藤):そうですね。ChatGPTとかにも聞いてみたことで、「フィードバックで大事なことは何ですか?」みたいなところとかもあって、これも6つぐらいポイントがあります。まずは、明確で具体的な部分であるかどうか。
あとは建設的な話になっているかどうか。それで定期的にちゃんとフィードバックができているかどうかと、先ほど一方通行の話をしたような双方向のコミュニケーションという観点。それと成長のために提供できているかと、目標を設定するためのフィードバックであるかどうかみたいな部分。
だいたいこの6つの話をフィードバックの中で大事にしたほうがいいですよとは、ChatGPTに言われたりしたんですけれども。広木さんのお話とか、そういった観点も含めてゆのんさんにちょっとおうかがいしたいなと思うんですけど。なにか感じる部分はありますか?
湯前慶大氏(以下、湯前):そうですね。今おっしゃったような明確で具体的で、建設的だという話は、そうだなと思うんですけど。実際にそれを心がけてやるのはメチャクチャ難しいなみたいな(笑)。そんなに話をしながらリアルタイムに構造化して考えるのは、僕の頭ではけっこう難しいなと正直思っちゃうんですよね。
先ほどの広木さんのフィードバックのやり方は、すごく示唆深いなと思っています。結局自分がどう感じたかというところと、相手に対しての課題を理解してもらうというので思ったのは、人対人じゃなくて白板で課題について話し合っているみたいな構図をどう作れるかがけっこう大事なのかなと思うんですね。特に、改善を促すとなった時に。
その時に自分の中でけっこう大事だなと思うことは、自分はすべてを知っているわけじゃないということを理解しているか。「無知の知」という言葉かもしれないですけれども、そのスタンスであることがけっこう大事なんじゃないかなと思っていて、自分のことは自分がわかっている。だから自分はこう感じたというのを思うようにする。
だけど相手のことはなにも知らないから、とにかく教えてくれという、どういう行動によってそういうことが起きたのかみたいなことを理解しようとするということを示す。その態度を示すことがけっこう大事なのかなと、聞いていて思いました。
それが結果的に建設的な議論になるとか。その課題に対して「じゃあ、ちょっと定期的に見直ししたほうがいいよね」となった時に、「じゃあ定期的に見直す場を設けましょうか」みたいなHowが導かれるのかなというのを聞いていて思っていて。そういう、自分は相手のことをなにも知らないということを理解して話をするということが、もしかしたら大事なのかなと思いました。
佐藤:そうですね。相手は自分のことについて知らないという話でもあるかなと思うので、お互いがお互いの感情を引き出し合いながら話せる状況をどう作るかみたいな、心理的安全性に近いようなお話でもあるかなと思うんですけど。そうですね。
その感情の言語化みたいなところを、イヤだと思ったら簡単に「イヤだな」と言えるような状況と、実際に言うことも大事だと思っています。それによって相手がどう感じるかみたいな部分も気をつけながら話を進めようねというところが、このフィードバックの大事なポイントなのかなとも思いました。広木さん、このあたり追加であったりしますか?
広木大地氏(以下、広木):フィードバックで一番難しいなと思うのはタイミングというか、速度だと僕は思っていて、溜めたり次に見送った時点で効果は半分ぐらいになるなと思っているんですよ。特に、すごくネガティブなことをやりました。その瞬間に注意するのか、その中間で「止めて」と言うのか。しばらくしてから「あれはイヤだったんですよね」と言うかでいうと、その瞬間に言ったほうが効果は大きい。
いいことをやってくれた瞬間に「ありがとう」と言うのか、「うれしい」と言うのか。しばらくしてから「あれは、やはりうれしかったんだよな」「君はがんばってたよね」とか言われても。だから、よくそのフィードバック用の面談・面接みたいなものを作って、そこのタイミングだけちゃんとフィードバックしようみたいな感じになっちゃうと、あまり効果がないんじゃないかなという感じがしています。
むしろ「これからフィードバックをします」と言われたら、ちょっとギョッとするじゃないですか。なんか注意されるんだろうな、みたいな感じになるじゃないですか。そういうのはしんどいんだろうなと思うので、やはり速さが大事。速さを阻害している要因は何かあるかというと、人間の気持ち的なものだけじゃなくて衆人環境であったことみたいなものもある。
広木:例えばミーティング中に良くない所作をしている人がいてとか、ちょっと眠っちゃっていてみたいな感じの人がいました。そういうのがあった時に、みんなの前で「おいお前! 居眠りをするな!」と話をしたら、ちょっと圧がかかるじゃない? だけど、なんだろう。終わったあとに個別に「寝ていたけど、どうしたの?」みたいな話をしたら、まぁ圧をかけずに言えるじゃない? なんかそれをやっている間に見送っちゃう部分があると思うんだよね。
僕はその速度を維持するためにコミュニケーション方法を学ぶほうが、目的と手段が叶うなと思うんですよね。伝えたいことを伝える。できる限り速く伝えることが最上位の目的。
それはなぜかというと、自分がそれをしてほしくなかったり、その人にそれをしてほしいと思っているから。その速度を得るために今急にそれを言ったら伝え方によってはイヤに捉えられちゃったりネガティブな効果があるといけないので、ネガティブな効果がないがポジティブに作用するのをできる限り速く言うためには、どんな言い方がいいのかなぐらいで、考えすぎないほうがいいんじゃないかなと思っているんですよね。その所作はたぶん咄嗟なので、慣れないと出ないじゃないですか。だから、むしろ時間をかけてやるとかではなくて、できる限り速くという感じかなと。
佐藤:確かにそうですね。僕もすごく考えちゃって遅くなることがちょくちょくあったりしたんですけど。やはりコードを書き続けてきていると、そもそも対話の仕方がわかっていなくて、聞いていただいている方とかもやはり「エンジニアをやってからEMになりました」というほうが圧倒的に多いんじゃないかなと思うんです。
だけど、コードとの対話の仕方はわかるが、普遍性がある人間に対してどういうふうにフィードバックをするといいのかは「うーん」と考えて、「あ、機会を逃した」ということが、僕はちょいちょいあって。みなさんももしかしたらあったりするんじゃないかなと思ったんですよね。どういう言葉で即時性を持って伝えるかを訓練するのは、やはり話し続けたりとか、もう本当に場数を踏むしかないのかなと思ったりはするんですよね。
広木:EMを始める前に、人間ですからね(笑)。
湯前:そうだね(笑)。
佐藤:そうそう(笑)。
広木:完全に生まれてからこのかたプログラミングしかしてこなかったんだったらともかくとして。僕はけっこう他人に気を遣うから言わないほうがいいとかの視点が1回入り込むことによって、難易度がすごく高いことのようになってしまう。
僕が見てきたエンジニアの方がそうなっちゃいがちな一番の要因は何なんだろうなと思うと、すごく良いものを出そうとする。すごく良いフィードバックをするためには、ちゃんと裏を取らなきゃいけないんじゃないかとか、他の理由があるんじゃないかとか、この場で言ってもみんなへの配慮が欠けているんじゃないかとか。そういういろいろなことを考慮した結果、見送って、溜まりに溜まってバッと言ったことがちょっと強い言葉になってしまうとか。そもそも溜めちゃダメなんだというのが僕の言いたいポイントです。
思った瞬間に少し昔から思っていたりするから、ちょっと皮肉っぽく言っちゃったりとか、意地悪な感じに言っちゃったりとか。そういうのをするから、どんどんそれが「ちょっとあの人には、あとでちゃんとしてから伝えよう」となる。ちゃんとしてから伝えようとなると、「なんですぐに教えてくれなかったんだ」みたいな感じになったりして、またフラストレーションが溜まるわけです。
そうじゃなくて、その瞬間に思ってイヤだったことを「イヤだな」と言うことをまずは訓練をすることのほうがやはり大事で、それは、たぶんその学生時代とか、そういうところがあると思うんですよね。そのイヤだなと思っていることを「イヤだ!」と伝えることが遅れちゃって、学生時代も爆発しちゃうタイプの人はいたと思うんですね。
広木:それは、その1回溜めるということを経験して、そこからちゃんと「なんか言わなきゃな」とか、そういうところの積み重ねです。エンジニアだからというよりも、その前の段階からのコミュニケーションの部分で溜めやすいタチになっていると、そうなっちゃうなと思っています。
フィードバックをするほうの心理の話で言えば、僕はまず言いたいことを言うんだけど意地悪に言わないとか、それぐらいは意識しておいたほうがいいと思っています。それで自分の感情を大事にするとか、そういうことが本当は処方箋になるんじゃないかなと思っています。
逆に世の中のマネジメント向けの情報のありかたは、メチャクチャ言えるタイプの人がもっとソフトに言おうよという話がたぶん多いんじゃないかと思っています。それをそのまま「もっとソフトに言おうよ」のメッセージだけをEMの人がマネジメントの本だと思って読んで勉強すると、もっと言わなくなっちゃう。
そこの違いが僕はけっこうあるなとは思うんですよ。なので、僕はまずはその言いたいことを意地悪じゃないかたちで言うことの訓練をしようという気持ちになるだけでいいんじゃないかなと。それだけでフィードバック慣れをするんじゃないかなと思っているので、そんな感じですかね。
最近のコンパイラは、どんどんフィードバックをしてくれるじゃないですか。リアルタイムだし、あれが何時間後かに「やはりこのコードはシンタックスエラーでした」とか言われたらすごく困ると思うんですよね。
佐藤:(笑)。
広木:でも、そういうふうにちゃんとわかった瞬間、思った瞬間、違うなと思った瞬間に、「ちょっと理解ができないんです」とか、「こうなんです」と言ってくれたほうがいいよなと僕は思うというところですね。
湯前:それはそうですね。あれかもしれないですね。自分はこういうフィードバックをされたら、なんかうれしかったみたいなものを理解しておくとかもいいかもしれないですね。「これは絶対に怒られるなと思ったけど、あまり怒られずに、むしろいい気持ちになれた」みたいなのが、たぶんあるんじゃないかなと思っていて、そういう時に相手はどういう配慮をしてくれたんだろうということを考えるようにする。
マネージャーの立場だと、そういうことを考えるのもとても大事かなと思うので。そうやって自分が受けて良かった体験とか、逆に悲しかった体験を客観的に見てみる。もしかしたら、わざわざ場に行かないと経験できないことじゃなくて、すでにあった経験を血肉に変えるという意味でも、そういうやり方もあるんじゃないかなとは思いましたね。
佐藤:そうですね。ネガティブフィードバックの仕方みたいなところとか、あとは逆にポジティブにどう伝えるかみたいなところもいいなと思っていて、それで「あ、誰か褒めているから一緒にスタンプを押しておこう」みたいなやつとかむしろたぶんすると思うんですけど。自分からまず積極的に発言して、「これいいよね」とかを思った瞬間に伝えるというところが、やってこなかった場合だと確かにぜんぜん、なんだろうな。
伝え方がわからなくて、「あ、そのポイントで伝えていいんだ」とか。体系というか自分の中でフィードバックをするというところまでいかなくて、感情を思って終わりみたいな状態にけっこうなりがちだなと思うんですよ。僕はけっこうそういうパターンだったりして、感情を自分で抑えようとやってきちゃったので、ここらへんはものすごく苦労して、今は進化途中かなと思っています。
佐藤:そうですね。こういったフィードバックの仕方をすごく気をつけていても、やはり先ほどあったように相手がどう感じるのかとか。事前に「たぶんこういう傾向があるから、こういう感覚かな? じゃあ、こういうふうな伝え方をしよう」という予測はできたとしても、実際に違うことを思っていて、それによって「なんでそういうことになるんですか?」みたいな。
「え? そんな感じになっちゃう?」みたいなものが発生するのは、やはり先ほど広木さんからもあったように、相手は人間だというところもあるので不確実性がすごく高い部分かなとは思ったりもします。やはりフィードバックが個人個人に合っているのかとか、はたまた自分の中に改善すべき伝え方があるのかは、やはり自分もフィードバックをもらうことも大事かなと思ったりしています。
自分がフィードバックをうまくできたなという回数はまだまだ少ないので、自分に対するフィードバックを、例えば先ほどあったように360度フィードバックみたいなかたちで評価をしてもらうとか。率直に「俺のマネジメントはどうだと思う?」と、ストレートにぶつけてくれるんだったらぶつけてもらいたい、聞きたいなと思うし、まだまだなにか取り入れられそうなこととか成長の余地はあるなというのを今日話しながら感じました。
やはり自分のイケていないところを改善するというのでマネジメントのケーパビリティを上げていくことが大事なのかなと思うので、エンジニアリングマネージャーとしてフィードバックを設けて改善していきたいなとあらためて感じた次第です。
広木:すばらしい!
(一同笑)
佐藤:がんばります!
湯前:(笑)。というわけで、今回は「適切なフィードバック」の話というところで話をしました。考えてくださった佐藤さん、どうもありがとうございます。
佐藤:それもフィードバック(笑)。ありがとうございます(笑)。
湯前:(笑)。
佐藤: もし聞いていただいている方もフィードバックがあれば、ぜひ「Twitter」というか「X」のほうにください(笑)。
湯前:ありがとうございます。それでは、今日はどうもありがとうございました。
広木:ありがとうございました。
佐藤:ありがとうございました。
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