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ボトムアップでつくるデザイン組織(全1記事)

クラウドワークスのデザイン組織ができるまで 現場のデザイナーが大切にした3つのこと

2018年8月30日、3331アーツ千代田にて、株式会社rootが主催するイベント「Service Design Night Vol.7」が開催されました。今回のテーマは「実践者から学ぶデザイン組織の作り方 」。IT業界で活躍する現役のCTOやデザイナーたちをゲストに迎え、「デザイン組織」をいかにして作り上げたのか、その軌跡を語っていただきます。プレゼンテーション「ボトムアップでつくるデザイン組織 」に登壇したのは、株式会社クラウドワークス、チーフデザイナー兼プロダクトオーナーの上田和真氏。経営層にデザインの価値を理解してもらうために行った3つのことを解説します。講演資料はこちら

ボトムアップでデザイン組織をつくる

上田和真氏:みなさんおつかれさまです。クラウドワークスの上田と申します。

先ほどクラシルの大竹さんからお話がありましたが、CTOや経営陣の方がデザインに理解があるって本当すばらしいよなと思います。

クラウドワークスの場合はどちらかというとボトムアップでデザイン組織を作ってきたので、今日は「ボトムアップでつくるデザイン組織」と、「現場で働くデザイナーとして大切にした3つこと」というテーマでお話しをさせていただければと思います。よろしくお願いします。

あらためまして、クラウドワークスの上田と申します。

2013年にクラウドワークスに新卒で入社をしまして、主にアプリのデザインを中心にやってきました。現在はチーフデザイナー兼プロダクトオーナーとして働いていて、副業でスタートアップのお手伝いなんかもしている者になります。

クラウドワークスという会社をご存じの方はどのぐらいいらっしゃいますでしょうか?

(会場挙手)

では私もサービスの説明は割愛させていただきます。

今日のテーマですが、あらためて、ボトムアップでクラウドワークスでデザイン組織を作ってきたのですが、僕自身がどちらかというと現場でずっと活動してきたので、現場のデザイナーとしてどんなことを大切にしたのかという話ができればと思います。

デザイン組織の誕生は2016年の10月と、2年ぐらい前になります。実はその当時はなかなか課題が多い状況でした。

今はおおむねこういったことは解決をできてきております。

具体的には、デザイン組織の進化ということで、2年前は3人ほどで小さく始まったんですが現在徐々に拡大をしてきて、今年の4月で10人ほどの組織になっています。

今回は詳細は割愛しますが、組織全体としてはこのようにいろいろなことをやってきていました。

弊社の体制としてはこんな感じになっています。

後方からメンバーを支援する組織マネージャーと前線で現場で成果を出すリードデザイナーというかたちでやってまして、私は現場なので、現場寄りの話をお伝えできればと思っています。

結果で語る

本題に移ります。ボトムアップでデザイン組織をつくるのは、結局こういった「そもそもデザインって大事なの?」とか「デザイナーって大事なの?」みたいな、経営陣やマネージャー陣、会社の空気といったモヤモヤをどう解決するかみたいなことかなと思っています。

そういった中で僕がなにをしてきたかというところです。

まず1つ目が「結果で語る」ということをやってきました。

具体的にはデザインの価値を数値で示すというところを意識してやっていました。

このあたりは実際に僕が担当して効果が出た施策の事例ではありますが、結局「デザインって事業的に役に立つんだっけ?」みたいな疑問はどうしてもあるのかなと思います。その中で、僕ははじめは、短期的な数値ではデザインの価値は割り切れないということは理解しつつ、数値的な成果を重視したというところがありました。あとは、実際ちゃんとどうなるんだろうという興味もありました。

では、何を持ってそれを証明できるのかというところなんですが、要するに開発チームの中で、デザイナーがチームの方向性やプロセス自体をユーザー中心になるように変えていって。

具体的には、定性調査をちゃんとやるとか、プロトタイピングをやることを通じて、最終的に数字的な結果が出るとすごく説得力が出てくるのかなと思っていて、そういったところを意識してまずやっていましたというところです。

プロセスで語る

次に、こういった疑問に対してどうしていくかということで、2つ目は「プロセス」で語るということをやっていました。具体的にはデザイナーだけでデザインしないというところでした。

これはどういうことかというと、結局、デザインの知識や経験がない人にデザインの価値を口で伝えてちゃんと理解してもらえた経験って、僕自身あんまりないなと思っていて。逆に、一緒にチームでデザインをするという経験を通して、デザイナーがいる場合とそうじゃない場合でどんな違いがあるのかを相手に実感してもらえるとすごく強いなと感じています。

具体的には、当たり前になってきている部分もありますが、こちらはエンジニアの方にインタビューに同席してもらった写真なんですが、このようにデザイナーじゃない人にインタビューに参加してもらったりとか。

こういったところで、デザインの完成形をただ共有するのではなく、デザインのプロセスに巻き込んでいくことで、「デザインって大事だね」という共感者を増やしていくという取り組みをやっていました。

評判で語る

最後の観点は、こういった課題に対して「評判で語る」というところをやりました。

どういうことかというと、積極的に社外に情報を発信をしました。

うちの組織も、立ち上がったばかりの組織だからと消極的にもなることもできましたが、そうはせずに、「失敗とか試行錯誤も誰かの役には立つだろう」ぐらいのスタンスで構えずにいろいろ発信してきました。

デザイン組織の誕生から2年弱ぐらいで、僕自身も6回ぐらい登壇したり、メディアに載せてもらったりして、あるいは、今は黒い髪ですが、認知を意識してインパクトのある白髪にしたりとか。

そういうことを通じて、社外の方に紹介してもらえると、社内にそれがフィードバックされたときに、社内でのデザイン組織のプレゼンスの向上につながるということがあったので、そういったところも重要だったなと思っています。

そんな感じで現場を耕しつつ、もちろん組織全員の努力もありつつ、会社の考え方も徐々に変わってきて、デザイン文化が生まれ始めてきているような状況なのかなと思っています。

大切なのは、デザインの価値を伝えること

これからの話では、今までチームの中でどう動くかという話が多かったと思いますが、もっと大局的な活動にカバー範囲を広げていくことができています。

例えばチームを横断したデザインシステムの構築であったり、あるいは僕自身、現在プロダクトオーナーを兼任しているんですが、プロダクト戦略みたいなものの上流からもっと関わっていく取り組みとかを、やり始めているような状況ですね。

ということでまとめです。

やはりボトムアップでデザイン組織を作っていくとなると、どうやってデザインの価値を伝えるかというのはすごく重要です。

僕の場合は結果やプロセスや評判で語って、デザインの存在意義をどんどん伝えていったところがありました。そういった活動を通じてより大きな取り組みにつなげられているという事例のご紹介でした。

最後に告知させていただくと、今クラウドワークスではデザイナーを募集しているので、もしよろしければご応募いただきたいなというところと、あとはデザイナーブログを運営していて、毎週ブログを更新しているので、ぜひ興味のある方は読んでいただきたいです。

というところで、ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

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