料理と検索の関係性

さくら氏(以下、さくら):よろしくお願いします。検索をよくすることについて話す、さくらと申します。まず、この中で「料理をするときに検索したことがある」という人は挙手をしていただいてもいいですか?

(会場挙手)

その中で「クラシルで検索をしたことがある」という人?

(会場挙手)

ありがとうございます。私はクラシルで検索の仕事をしているんですが、検索が大好きで、本当にありがたいと思っています。

料理と検索はすごく密接な関係です。例えば、冷蔵庫を開けてキャベツが残っていたら、「キャベツ」って検索してそれで料理作ろうと思ったり。家族に「オムライス作って!」と言われて、「オムライス」って検索して料理を作ってみようとか。

今の料理体験ってけっこう“検索”が重要なキーワードになってくるんですね。なにをするにしても、検索をして、そのレシピを見つけて、そこから作る。すごく発見性に特化しているということです。

クラシルも料理サービスなので検索はとても重要な機能で、検索をよくすることは絶対に必要不可欠なことというのはわかっているのですが、「検索を良くするにはどうしたらいいのかな?」という疑問が思い浮かびました。

考えてみると、例えばマッチ度を上げるとか、検索の速度そのものを速くするとか、それももちろん検索を良くすることだと思います。

私がほかにやっていることは、「検索ログの分析」です。これは、例えば6月の検索ワードランキング、6月にこの検索ワードが何回検索されたか、というのをやっています。でも、ただ検索ランキングを作るだけじゃなくて、ちゃんとそれに意味を見出してあげることが大切だなと思っています。

例えば、これはダミーデータですが、「いきなり8位にメロンパンが入ったけど、なんでメロンパンなんだろう?」みたいなことがあるんですね。でも、そういうことをちゃんと裏側を知っていなくちゃいけなくて。例えば「『マツコの知らない世界』でメロンパン特集があったから、メロンパンが一気に検索された」とか、ちゃんと意味を見出してあげる。

あとは、5月と6月の検索ランキングで何のワードがどのぐらい上がったんだろうか? そういうワードに着目して、これから何の食のトレンドが来るのかなとか、そういうことも予測しています。

辞書・シノニムの改善

次は、「辞書・シノニムの改善」です。自然言語処理系をやっている人は聞き馴染みがあるかなと思います。

例えば、「かつお節」ってあると思うんですけど、かつお節って「かつお」と「節」じゃないんですよね。かつお節はほうれん草の上にパーってかけるようなものを想像するのであって、魚の鰹を想像するんじゃないんですよ。だからかつお節は「かつお」と「節」で分かれちゃうんですけど、それをちゃんと「かつお節」ってちゃんと辞書を登録してあげる。

シノニムというのは、韓国料理で「トッポギ」という料理があると思うんですけど、トッポギって料理は「トッポギ」がだけが正しい名称じゃなくて、「トッポキ」でも正解だし、「トッポッキ」でも正解なんですね。

ユーザーさんが「トッポギ」って検索したときに、クラシルの料理タイトルで『トッポギ』ってあって、「トッポギ」で検索して『トッポギ』にたどり着くのは、それはまぁそうだなと思うんですけど、「トッポキ」とか「トッポッキ」って正しい名称でやっているのに『トッポギ』の検索がヒットしないときは、ユーザーさんからしたら「えっ、なんか正しい名称でやっているのにな」って気持ちになると思います。

そこを、「トッポギ」「トッポキ」「トッポッキ」はすべて一緒ですよという、そういうシノニムを作って整備してあげるのも私の仕事です。

あとは「他部署との連携」です。検索データはいろいろなところに活用できると思います。開発部だけじゃなくて、クラシルには営業さんもいるし、マーケティングの方もいるし、いろんな部署の方がいるので、その部署の方とちゃんと情報を共有してあげることが大切です。

クラシルで検索されていないものを探す

ほかに私がやっていることがあるのですが、これは口頭で話したいと思います。今の辞書・シノニムとかはけっこう検索したら「クックパッドがやってるよ」という記事が出てくるんですが、ほかにやっていることとしては、「クラシルで検索されていない食材とかレシピを探す」ということです。

これはなぜかというと、例えば、新しくユーザーさんが来たときに検索結果が0件だと悲しいというのもあるし、レシピの網羅性が保たれていないからそこを担保するという意味もあります。

ユーザーさんがどう行動しているかは、クラシルだけではなく、今ならインスタやTwitterにも影響されるし、近くのスーパーに行って「これが安かった」って思うからほうれん草を買うとこともあります。

あと、実際にこの前は新大久保に生まれて初めて行って、今韓国の「ホットク」が流行っているんですが、それを自分で実際に食べに行って「こういうものがあるんだ」と思って知ったり。

あとは、ホットク行った時に、周りにチーズドッグがたくさん打っていて、「チーズドッグ流行っているんだな」ということを肌で体感したりとか。ネットもそうですが、ネットもまんべんなくやるし、リアルでもちゃんと体験しに行くということをやっています。

「検索を良くする」を実現するために

ここで、「検索」ってずーっと言ってるんですが、自己紹介すると、私は去年、公立はこだて未来大学を卒業しまして。ここは情報系の大学なんですが、私のなによりの特徴は、検索がものすごく好きということです。私は小学生の時から検索が好きなんですけど、「検索やりたい!」と思っていて。

でも、検索の仕事ってなかなかないんですよ。例えばエンジニア枠はあるけど、検索の仕事って……。まぁ、受け入れていただいたクラシルにはとても感謝しているんですが。

まとめなんですが、自分の将来の目標というか、最後にやりたいことというのが「検索を良くすること」なんですね。なので、クラシルの検索を良くすることは自分のためでもあるし、クラシルのためでもあるので2倍がんばれるんですよ。

なので、さっきもいろんなところで検索しましたが、私は検索するたびにものすごく快感だし、最高な仕事だなって思います。私は今日、ATNDで参加者全員検索させてもらったんですけど(笑)。

(会場笑)

IDだけなんですけどね。たぶん私より検索好きな人は見受けられなかったんですが、iOSのエンジニアさんだったり、ほかになにかが好きな人というのはちらほら見かけたので、もしこれが好きだというのがあったら、お話してみたいな思っています。

ありがとうございました。

(会場拍手)