2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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辻庸介氏(以下、辻):お時間が近づいて来たんですが、ご質問の時間を取らせていただけるということなので、FinTechに関することでも、起業家のみなさんに起業に関することでも、なんでもけっこうなんですけれど、もしご質問があれば挙手いただければと思います。いかがでしょうか?
ありがとうございます。そちらの方、お願いします。
質問者1:今、アフリカだったり、中国、アメリカのほうが進んでるよというお話だったんですけれど、逆に、日本はここだったら勝っているというところはないんでしょうか? 世界で日本だけしかやっていないことがもしあればご紹介いただきたいと思います。よろしくお願いします。
佐々木大輔氏(以下、佐々木):例えば、会計ソフトのクラウド化というのは、僕たちが取り組んできた時に、日本は世界から見ても圧倒的に遅れていたんですね。ただ、逆に、この状況をどうしたらいいんだというと。
例えば、会計ソフトをクラウド化すると、「セキュリティが問題なんじゃないか」と言われて、やらない理由っていっぱいあるんですけれど、なぜ僕たちが乗り越えて来れたかというと、そういうことじゃなくて「圧倒的に便利なものを作ろう」と。
そこで実現したのが、銀行とかクレジットカードのデータを使って、会計帳簿を作る。補助をするというソリューションは世界中どこにでもあったんですけれど、そうじゃなくて、そこから完全に自動で帳簿まで作ってしまうというソリューションは、その当時、世界になかったんです。
だから今、日本はテクノロジーが進んでいない状態にあるとか、クラウド化しきれていないとか、キャッシュレスが進んでいない。そこには逆に、イノベーションの余地が大きくあって、それを進めるためには一歩先の利便性を実現しないといけない環境だと思うんです。
それをどうすれば実現できるだろうかということを考えていくのは、すごくおもしろいテーマだし、そのイノベーションを作れれば、日本は非常に強みのあるマーケットになるんじゃないかなと思っています。
佐俣奈緒子氏(以下、佐俣):決済の分野でいくと、日本は現金が強いと言われつつ、すごく強い部分があって、やはりおサイフケータイというものが日本には15年くらい前から普通にあるということ、これは圧倒的に強いと思います。
今、ApplePayが来るとか、AndroidPayが来るとか言われていますけれど、あれは要はおサイフケータイなんですよ。アメリカ人が新しいと言っているものの、おそらく日本人の大半はもう使っているものなんです。
実は、決済に関しては、日本は新しいものがたくさんあるので、本来ここはもっと海外に持っていくべきだと思いますし、強みを活かせるところなんじゃないかなと思っています。
辻:あと、個人向けのアプリの領域は、アメリカの一番進んでいるIntuit(イントゥイット)という会社に行ってきたんですけど、実は僕たちのほうが進んでいて。
「どうやってるんだ」「アドバイスをくれ」みたいな感じだったので、日本はゲーム業界のアプリも進んでいますけど、アプリの領域は日本人が得意ですし、けっこうチャンスがあると思います。
ほかにご質問ありましたら。はい、そちらの方。
質問者2:お話どうもありがとうございました。起業家としての質問をお三方にしたいんですけれど、先ほど、なぜこういうビジネスをしたのかという想いをお話いただいたんですけれど、もちろん、そのビジネスを選ぶ理由も大事だと思うんですけれど。
ビジネスをやられる上で差別化というポイントがすごく強いのかなと思うんですが、お三方がそのビジネスをやるときに、「これだったら俺は絶対勝てる」と思ったポイントがあったかと思います。
どうして勝てると思ったのか、実際起業してみてどうだったのかという、そのあたりのお話をお聞かせ願えればと思います。
辻:はい。じゃあ、佐俣さんから、逆にいきましょうか。
佐俣:そうですね。これだと勝てる。私、決済、すごく好きなんですよ(笑)。
辻:けっこうマニアックな女性ですね。決済好き(笑)。
佐俣:決済って世の中でみなさんどんな商売をされる時も必ず必要なものだと思うんですけれど、その仕組みも含めて、本当に好きな人ってたぶん少ないと思っていて。
これだけ好きだったら、まず飽きないだろうというところと、飽きなかったら、絶対がんばるので、いつかちゃんと大きいことが成し遂げられるだろうと思ったのが、一番最初のスタートで、それはあまり間違っていなかったかなと思います。
やっぱり決済ってインフラビジネスなので、10年単位で作り上げるものかなと思っています。その間に自分のモチベーションが下がるということが、一番怖いことだと思っていたので、決済が好きという単純な想いが強くあるということが、一番源泉にあると思います。
佐々木:今の話に非常に近いんですけれど、僕もたまたまGoogle時代に中小企業向けのマーケティングをする仕事に出会って。中小企業のテクノロジー化を進めていくことは、すごく意味のあることだし、僕、実家も両親ともに自営業だったりするので。
そういうところからも、これはすごくやっていて意味があるなと思っていて、たまたまGoogleで、オンライン広告のマーケティングをしていると、広告を使うビジネスって限られているんですけれど。会計ソフト、これだったらあらゆるビジネスをテクノロジー化するきっかけになるだろうと。これはめちゃめちゃおもしろいし、確かに日本で、過去にうまくいっていない事例っていっぱいあるんですよ。
けれど、みんな、本当にインターネットで会計ソフトを提供しようとしているのに、先行事例は、誰もインターネットの力を信じてないんですよね。
例えば、インターネット上でマーケティングをしようとしていなかったり。あるいは、先進的なインターネットユーザーをターゲティングしてプロダクトが作られていなかったり。
そうじゃなくて、徹底的にインターネットユーザーのためのイノベーティブなサービスを作ったら、うまくいっても、うまくいかなくてもいいんだけど、実験として絶対やってみるべきだ、みたいなことを思って。
そのあたりのパッションから、やったことはなかったんですけど、まずは自分でプログラミング始めてみようみたいなかたちで、作り始めたのが今の会社です。
辻:よろしいでしょうか。ありがとうございます。そろそろお時間ですので、(大阪での)新経連はじめてのイベントとして、たくさんの方に来ていただいていますので、最後にお二方からみなさまにメッセージをいただけたらと思います。
佐々木:大阪はフィンテックでいうと、世界ではじめてデリバティブ取引が生まれた街というところですので、ぜひ関西のみなさまとも、ファイナンス分野でのイノベーションを起こせていけたらと思っています。
そのために、新経連というビークルもぜひ活用していただきたいですし、僕たちも政策提言みたいなものもやっておりますので、そういったところもいろいろ活用できればなと思っております。これからもよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
佐俣:大阪はやはり商売の街というところで、それに加えて今、海外からのお客様がどんどん来られて、東京よりも大阪のほうがリピーター率が高いというのを、最近目にしたんですけれど。
そんななか、キャッシュレスであることはすごく重要なメッセージと体験になると思います。そこに対して、我々含めて、一緒にサービスを提供しながら街を育てていくということに、少しでも助けになることができればいいなと思っています。今後ともよろしくお願いします。
(会場拍手)
辻:私も関西出身なので。当社も、北九州市さんや福岡市さんなど、地方の都市と一緒に創業を増やそうとか、中小企業の生産性を上げていこうということをやっているんですけれど。すごくイノベーションに対してオープンな都市だなと思っていて。
そういう意味では関西はもっと稼ぐのが上手ですし、もっとオープンにいろんないいものを取り込んで、試してみて、駄目だったらしょうがない、よかったら伸ばしていくといったような。もっとイノベーションを起こせるんじゃないかなと思っていまして、東京にいても、それがまだまだ悔しいところです。
今日来ていただいたみなさまは、イノベーションへの志をお持ちの方が多いので、ぜひみなさんと一緒に関西の経済を盛り上げていければと思います。ぜひ今後ともよろしくお願いします。
今日は、どうもありがとうございました。
(会場拍手)
司会者:パネリストのみなさま、辻さん、どうもありがとうございました。どうぞ拍手でお送りください。ありがとうございました。
(会場拍手)
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