
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
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佐藤裕美氏(以下、佐藤):はじめまして、こんにちは。MAMAPLA編集部の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。
みなさん、先ほどのお話はどうでしたか? 最後がとくに胸にグッとくるものがあったのではないでしょうか?
最初に、私どもMAMAPLAの紹介をさせていただければと思います。働くママと子供の毎日をもっと素敵に、というコンセプトのもと立ち上げたWebサイトでして、昨年6月からちょうど1年が経ちました。
一口に働くママと言っても、その働き方はいろいろですね。会社に属してフルタイムで働いておられるはバリバリのキャリアを思い浮かべる方も多いかと思います。
しかし、例えばご自宅でお子さんが幼稚園に行っている時間を使ってハンドメイド作品制作し、オンラインショップで販売されている方や、パートやアルバイトなど限られた時間だけお仕事をされている方も働くママです。また、今はちょっとお休みをしていても、お子様が小学校に上がったら働きたいと思っておられる方も含めて働くママの仲間だと考えております。
今日、イベントにご参加の方の中で、実際にお子さんをお持ちでお仕事もされているという方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
(会場挙手)
あ! ほとんどの方ですね。今現在、お子さんをお持ちの女性の方でも半数以上の方が働いておられるとの統計がありますが、みなさんそうなのですね。
佐藤:そうはいっても、職場の環境やそれ以外のサービスでも、まだまだ働くママのニーズに届いていない部分もあり、働きながら子育てすることを大変だなと感じていらっしゃる方も多いと思います。みなさんがどのように工夫をされて、子育てとお仕事の両立をしているのかとが非常に気になるところだと思います。
まず、今日は働き方改革が進んでいる企業で働くママさんをお迎えいたしまして、そのあたりの知見についておうかがいできればと思っております。
それではゲストをご紹介させていただきます。全日本空輸株式会社人財戦略室人事部ダイバーシティ&インクルージョン推進室の角亜紀子さんでいらっしゃいます。みなさん拍手でお迎えください。
(会場拍手)
角さん、全日本空輸といいますと、ちょうどMAMAPLAが立ち上がった昨年6月くらいから東京都が推し進める「働き方推進事業」において、働き方改革企業第1号として宣言された会社であり、毎年『日経ウーマン』が発表する「女性が活躍する会社ベスト100」でもかなり上位にランクインされている会社です。
やはり働きやすさ、またはやりがいといった環境作りを積極的にやっておられるのでしょうか?
角亜紀子氏(以下、角):そうですね。弊社では、「人財こそが最大の資産であり、差別化の源泉」との価値概念があり、社員一人ひとりが宝であると考え、そのため人材の「材」を財産の「財」としております。
そういった意味でも、一人ひとりの成長があってこそ企業の成長があるのだとの思いから、社員が働きやすい環境を作るということや、働きがいを持って働けるようにしていくということが非常に大切だと考えております。
働きやすさで言うと、フレックスタイムやテレワーク制度も導入されており、時間や場所にとらわれない多様な働き方が増えています。それから、女性社員においては懐妊・育児休職を経て活躍されている方も非常に多いですね。
育児と両立しながら働く中では、30段階的に制度がどんどん整ってきております。今は短時間勤務も複数の勤務時間帯の中から選択することができますし、適用期間もお子さんが小学校3年生修了時まで利用が可能です。
また弊社は、公共交通機関として飛行機を飛ばすことが主な業務となりますが、客室乗務員においては、短時間勤務ではなく短日数勤務制度を導入しています。
1日の働く時間はフルタイムでも、お休みの日が増えることになりますので、そこでお子さんと触れ合う時間を持つことができます。「働きやすさ」という点では、これからもさまざまな施策を実施していこうと考えております。
また、「働きがい」の部分では、社員の自らの成長を応援していくための環境も整えています。新しい業務や新しい役割を担う時に様々な教育研修を受けることがあると思いますが、弊社では、オープンセミナーといったかたちで、自分が学びたいものを自分でチョイスして受けられるような機会を設けています。
語学の習得に直結するものもあれば、心理学やアンガーマネージメントといったプライベートも含めて役に立つような研修もありますので、そういった学びの環境を整えることによって社員の成長を支援しながら、いくつになっても成長し続ける人を応援していきたいと考えています。
佐藤:すばらしいですね。単に休みがとれる制度があってもなかなか取りにくい環境であったり、帰るのも言いだしにくい空気感がある職場もまだまだ多いかと思います。しかし、ANAさんはまず制度があって、さらに環境としても文化としても、両輪で一緒に回っていきやすい文化をきちんと育てていらっしゃるのだという感じがいたします。
角:ありがとうございます。
佐藤:しかも、単に会社の1人としてではなく、1人の人間としての成長に即しているところが、まさに人財の「財」ですね。材料ではなく宝として育てていくスタンスが、非常に素晴らしいと思います。人間として人を育てていくといったところで、なにか特徴的な制度があるとうかがったのですが……。
角:それでは、「わくわく休職制度」をご紹介したいと思います。
ライフとワークの充実となると、みなさん日々の生活の中で仕事をしながら資格取得やスキルアップに励む方も多いと思いますが、海外留学や大学への編入など、仕事を続けながら専門的に学ぶことが難しい環境もあると思います。
「わくわく休職」では、仕事を一度休職するかたちで、語学の勉強や留学、ボランティアや福祉に携わる方が大学に編入して勉強するといったことを認めております。
休職中は会社を離れることになりますが、会社の中では得られない貴重な経験を積み、新しいスキルを蓄えた上でまた会社に戻ってきて還元してくれると考えておりますし、個人の成長が会社の成長に繋がると考えています。
佐藤:留学などですと、資格を取るためにも長期間お休みする……?
角:そうですね。
佐藤:例えば学校に編入するとか?
角:そうですね、休職制度を利用される理由は、語学の習得のために海外留学される方も多いですが、語学の種類も、英語、中国語、韓国語、スペイン語などさまざまです。また、ビジネス学びに大学に編入される方もいらっしゃいますし、そのほかボランティアに携わられる方など、本当にそれぞれの目的でそれぞれが希望して制度を利用しています。
佐藤:とくに期間などは決まっているのですか?
角:基本的な休職期間は1年ですが、状況に応じて最大2年まで休職することが可能です。
佐藤:すばらしいです。これまでは大学時代で学ぶ時期はおしまいといった風潮が今まであったような気がしますが、「こんなスキルや知識があればもっと仕事の役に立つのに」ということは社会に出てから初めてわかることなので。
角:逆に気づきがすごく多いですよね。
佐藤:そうですよね。自分に足りないもの、こうしたちょっとした技能や、能力・知識といったところは、社会に出てみて気づくことが多いです。学びたいなと思っても、なかなかそうした時間をとれないという方がいらっしゃると思いますので、大変すばらしいケースですね。
佐藤:ANAさんは365日お休みなく飛行機は飛んでいるわけですが、社員の方々が滞りなく勤務される体制を整えるのは非常に大変だと思います。そのために社員の方同士のチームビルディングやコミュニケーション上の工夫をしておられるのですか?
角:そうですね。飛行機を1機飛ばすためには、本当に様々な役割を持った人が集まって、みなそれぞれの役割を担ってはじめて飛ばすことができるので。チームを意識しながら仕事をすることはとても重要です。
チームを意識するというのは、自分以外の人に必要な情報はどんなことか、自分の後に対応する社員の方にとってどのような情報があれば仕事がしやすくなるのかといったことですね。
社員同士のコミュニケーションが円滑に行われなければ、お客様にも良いもサービスを提供することは出来ません。そういった意味では、周りとのコミュニケーションやチームビルディングが非常に大事だと考えています。
コミュニケーションやチームビルディングについては、職場のみならず、家庭それぞれにおいても重要だと思います。ここで、弊社のセミナーの様子(写真)をご紹介させていただきます。弊社には7,000人以上の客室乗務員がおります。
佐藤:7,000人もいるんですね!
角:そのうち約1割の方が現在は懐妊・育児休職を取得しています。飛行機は24時間365日休みなく運航しておりますので、復職後は早朝に出勤しなければならなかったり、宿泊を伴う勤務もあります。そういった中では配偶者やパートナー、ご家族を含めて働き方について理解してもらうこと、各家庭での役割分担がとても重要となります。
こちらは、「育児と仕事の両立支援セミナー」といって、主に懐妊・育児休職中の社員向けに実施したものです。お子さまはもちろん、配偶者の方もご一緒に参加いただき、先輩社員の経験談や家庭での家事や育児の分担の様子を聞く。そして、復職後に向け、配偶者と一緒に考えてもらう機会となっています。
昨年から実施しておりますが、参加した社員や配偶者(パートナー)の方からはとても好評です。
佐藤:なるほど。復職セミナーにご家族の方が来ていただけるのは、非常にありがたいですね。
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