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テーマ「ガンバレ! ではなく 愛してるよ!」について(全1記事)

親の過度な期待が子供をつぶす お受験・就活シーズンに効果的な接し方

受験シーズンが本格化すると、親の過度な期待がプレッシャーとなって「やる気の喪失」や「食欲不振・過食」といった、「受験うつ」になる子供が増えるようです。メンタルトレーナーの田中ウルヴェ京氏は、こうした未成年の気分障害の増加を受けて、子供が失敗したときの親の接し方について語りました。(TOKYO MXとの共同企画でニュース番組『モーニングCROSS』を書き起こしています)

猛勉強を続ける学生の「受験うつ」

堀潤氏(以下、堀):さぁ続いて、京さん。テーマの発表をお願いします。

田中ウルヴェ京氏(以下、田中):受験シーズンです。でも、「受験うつ」になる子供たちが多い。けれど、ぜひ声かけは「ガンバレ! ではなく 愛してるよ!」

(テーマ「ガンバレ! ではなく 愛してるよ!」について)

脊山麻理子氏(以下、脊山):受験シーズンが本格化するなか、寝る間も惜しんで志望校合格のため猛勉強を続ける受験生たちの間で「受験うつ」になる人が増えています。

:「受験うつ」とは。

受験期に発症するうつ症状で、「受験勉強がはかどらない」「覚えたはずのことが思い出せない」「食欲不振・過食」といった症状が出る。周囲からの過度な期待や受験に対するやる気の喪失など、受験期間に起こるさまざまなストレスが要因になって発症すると。

少子化でね。実を言うと、その子にかかる期待というのは、一気に背負いやすい環境になったりしますからね。

田中:そうですよね。親御さんやおじいちゃま・おばあちゃまのプレッシャーを感じてしまうようなお子さんが増えているのは事実だというのが現状です。

未成年の気分障害、これはうつ症状も含まれている気分障害。未成年の患者数が増えているような現状ですよね。

:1回がくんと落ちている。これ、どうしたんですか。

田中:これも私、なんでかなと思って調べていたんですけど。確かにこの2011年は下がっているんですが、また確実に上がってしまっているというのが実情です。

未成年のみなさんは、頑張らなくてはいけないのは当然なんですけれど。

子供が失敗したときに親がやるべきこと

周囲の大人たちにやっていただきたいことが、私と同じスポーツ心理学を専門にしているテイラーさんという博士が「8つのポジティブプッシング」。ちょっとこれ長いんですけれど。

要は、「プッシング」って、まるで押し付けるみたいな、プレッシャーをさらにあげるみたいに聞こえますけれど、「ポジティブにプッシュする」ために必要な8種類というのがあって。実は、これ順序が大事なんですね。

:順序!? むやみやたらにやっちゃいけないんですか。1から順番にですか。

田中:1から順番に。簡単に説明すると。

一番最初。「私は愛されているな」って子供が思うことが大事。まずここから始めてください。どういう愛し方が大事かというのが一番重要なんですけれど。

ちょっと先に、なぜそれがやれるとうまくいくかというと。

「私は愛されているな」とお子さんが思い始めると、小さいことに挑戦するようになります。挑戦しながら、「できたわね」と親御さんに言ってもらいながら挑戦していくと。

これが3番目あたりですね。4番目、5番目で、親御さんたちはちょっと難しい決断に迫られるわけです。何かと言うと、挑戦すると失敗するんですよね。失敗したときに、どうしても小さいときってて、大した失敗じゃないので、親御さんがちょっかい出しちゃうんですよね。

「こうすればいいのよ」とか。「効率が良くなるよ」とか。でも、そこで頑張って、「この失敗どうしようか?」と言って、彼らに責任を持たせるというのが4番なんです。

:そうか。子供たちに解決を自分たちでするよう促すということが大事。

田中:小さいときにそれをやらせる。そうすると、最初のうちの失敗は大したことじゃないので、「どうしたらいいかな?」って自分で解決策を工夫するようになる。

:そうかそうか。

田中:小さい失敗を自分でいろいろ考えていくということができると、「失敗しても大丈夫!」と思えるようになり。6番ですね、間違っても修正できるようになり始め。そうすると、失敗ということ自体が、工夫ということにつながると楽しくなるんです。極端なことを言えば、失敗してもちょうどいい機会だと思えるようになる。小さい頃からやれる。

「机上の理論で言えば、それはそうだよね」って思われるじゃないですか。でも、「愛されている」って、「別に、子供愛しているけど」ってみなさんおっしゃるんです。

でも、愛しているというのが、実はどのときに愛していると感じさせてあげるのが大事かというと、失敗をしたときとか、親御さんの期待通りにならなかったときに、「失敗は残念だね、でも君のことは無償で愛しているよ」と言って、一番いいのはハグなんです。

:そうですか。

田中:抱っこしてあげる。小さいお子さんは特に。

:「大変だったねぇ!」

田中:「失敗はきつかったね、どうしよっか、これからママと一緒に考えようね」と言ってハグ、抱っこすると。

抱っこって、オキシトシンという脳内ホルモンが子供に出て。リラックスホルモンなんです。抱っこするって、すごく大事なことで。

:なるほど。

愛情の表現方法としての「ハグ」

田中:日本人ってわりと「愛しているよ」なんて言いにくいかもしれないし、ハグの習慣もないし、大人同士でのハグも習慣にないとは思うんですけど、愛しているという表現方法の1つで「触れる」ことはとっても大事なんです。

:ついつい親御さんも期待が大きくて、責任を持っているから、これはしっかりしなければいけない。叱咤激励。

「あなた、頑張りなさいよ!」「もっと頑張りなさいよ!」と思わずやってしまう。「なんでできないの!」

もしくは、ストレスが溜まって、ハグするどころかちょっと突き放してしまう。

田中:悪い意味で押してしまうというか。

ママたちもパパたちも、実はご自身が「頑張れ」と他人に言うんじゃなくて、自分が頑張るために失敗経験を増やすための挑戦をし続けてほしいんですよね。それから学んでほしいという。

:意識調査見ていきましょう。みなさんのストレス発散法どうですか? 聞いてみましょう。せーの、どん!

「趣味に没頭」294票、いいですね! 「飲食・飲酒」264票、次いで多いんだ。そして「睡眠」132票。

いかがですか京さん。

田中:趣味に没頭はもちろんいいんですけれど、交感神経の上がっているイライラなストレスのときは、没頭すると逆にもっと交感神経が高まっちゃうので。イライラしているとき、交感神経が上がりすぎているときは、ぼーっとするのがいいんですよね。

:あ、そうですか!

田中:副交感を上げたいので。

:なるほど、ありがとうございます。本日のオピニオンCROSSは以上とさせていただきます。

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