
2025.02.12
職員一人あたり52時間の残業削減に成功 kintone導入がもたらした富士吉田市の自治体DX“変革”ハウツー
テーマ「沖縄のホンネとタテマエ」について(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
堀潤氏(以下、堀):続いて木蘭さん。テーマの発表をお願いします。
(テーマ「沖縄のホンネとタテマエ」について)
脊山麻理子氏(以下、脊山):アメリカ軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市の市長選挙が17日に告示されました。基地の早期返還などを訴える現職と政府が進める名護市辺野古への移設計画に反対する新人の2人が立候補しています。
堀:さて、宜野湾市長選。対立の構図は。
現職の佐喜眞淳氏は、辺野古移設を進める政権の支援を受けていて、政権与党の自民・公明の両党が推薦しています。一方、新人の志村恵一郎さんは、辺野古移設阻止を掲げる翁長知事と民主党など、翁長知事の県政与党の全面的な支援を受けていると。
沖縄の場合、与党というと。自民は野党、そして、対する革新を含む政党が与党になってきますからね。国政の与党野党とは違うので、混乱なきようお願いします。さぁ、木蘭さん。
泉美木蘭氏(以下、泉美):沖縄の基地問題が出てくると、いろんな主張が飛び出してくるんですけれども。今回の件で。
まず「基地はもうイヤだ!」。いろいろな今まで我慢してきたことがあって、基地はもうイヤだ。
それから、辺野古を埋め立てるのかということになると、「海を守ろう、ジュゴンを守ろう」という人が出てきたり。
一方で、基地に関する振興資金がすごく必要だと。これのおかげで教育も成り立ってきているし、町も作られてきましたというのを必要とする人もいる。
とにかく早く土地を返してほしいという人もいる。
今回の2人の候補者の場合は、はっきり2つに分かれていますよね。現職の佐喜眞さんは、はっきりと「お金」を前面に出していて、「これだけの交付金で今までこれだけの道路を作って給食費を半減してきました、医療費も無料化してきました」ということを、ものすごくアピール。とにかく「お金」。「基地によってこれだけお金を得てきましたよ」というアピール。はっきりしている人。
一方、翁長さんをバックに付けている志村さん。はっきり「新基地の建設は反対だ、県外から出て行ってほしい、できれば海外に出て行ってほしい」というアピールで、こちらは、「沖縄を取り戻したい」という「精神性」。この「お金」か「精神性」かで対立しているんですけれども。
ところがこの2人の候補者の話を最後まで聞いてみると、お金を前面にアピールしている現職の候補であっても、「今まで基地でお金をこれだけ我々は得てきました」って言っていたにも関わらず、演説の後半になると、「それでも『基地のない宜野湾』を目指します」とか、「普天間への固定化にはNOを突きつけます」と、なぜか最後に基地反対を訴えるわけですよ。
そうすると、「あれ? 基地でお金を得てきたって言うのに、でも最後は?」
堀:「必要だ!」って言うのかと思いきや。
泉美:思いきや、最後は「基地はいらない」と言ってしまうという。
本音としてはお金が必要なんだけれども、一方で、普天間の昔あった沖縄の国際大学にヘリが墜落したり、米兵が婦女暴行をはたらいたということで、沖縄の人たちは根本的に基地とか米軍に対する嫌悪感を持っているわけですよね。
それが、何かのきっかけで、バッと吹き出してきたときに、「お金のために沖縄を売りやがって!」と言われてしまうのではないか? それを恐れて、本音の部分を建前で補完して、言っている主張がすごくねじれてひっくり返ってしまうんですよね。
堀:僕も実際取材をしていると、地域の方から聞くのは、政治の現場は県民の皆さん冷静に見ている方もけっこう多くて。
「『反対』って言わないと、国会議員になれないからね」なんて言って。本音の部分と選挙戦の建前というのは、皆さんシビアに冷静に見ているものだと思いましたよ。
泉美:一方の、「沖縄を取り戻そう、誇りを守りましょう、基地に全部出て行ってもらおう」という沖縄の精神の部分を大事にする候補者のほうに関して、翁長知事にも同じように思うんですけども。
もし本当にそうやって基地を出て行ってほしいと。こっち側の候補者の言いたいことは、「日本の政府が無理やり辺野古の基地を作ろうとしている。私たちは犠牲になっている。沖縄は差別されている」ということを前面に出してくるんだけれど。
それだったら、今度は逆のことが言えて、こちらの候補者ははっきりと「自分たちは基地に関する振興費は、今後いりません」とはっきり言わなければいけないと思うんですが、それは言わないというところに、また1つ大きな納得のいかない感じが自分は出てくるんですよね。
堀:それだけいろいろ複雑な要因が合わさって現在の状況を形作っているので。もう0か100かというような議論はおそらく現実的ではないというところでもあるんでしょうね。
泉美:私個人としては、新しく基地を作る必要ないじゃないかと思うけれども、例えば、「辺野古反対」と言う人がいる一方で、沖縄にはまた辺野古に基地が来ることを望んでいる人たちもいるわけですよね。それによってお金が入ってきて助かるということがあるので、「辺野古」という言葉を言ったり言わなかったり。
堀:沖縄と言えば格差の象徴で、年収1,000万円以上の人がいる割合が全国トップ10に入る。一方で、県民の収入というのが最下位だと。
要は、「国から降りるお金はどこに集約されていっているの?」というところに、いろいろな不信の温床になっていたりすると。
開沼さん話聞いていていかがですか。
開沼博氏(以下、開沼):僕も原発立地地域のことを研究しているので、よくわかるんですね。似ている部分があって。「お金のために」と言ってしまうと、それイコール良くないことだって思われているんじゃないかと住民の方言ったりするんですね。
でも、彼らの言葉で言わせると、やっぱり「子や孫が地域で暮らしていけるような未来を守るために」というのが最初の言葉で。それが結果的に「地域振興策だよね」みたいになってしまっていると。
どうしても東京からだとそういう内情が見えてこないというところで、議論がかみ合わないというのは、とてもお互い不幸だなと思います。
堀:最終的な結論のところだけ見てしまう。
開沼:そうなんですよね。
泉美:結局、沖縄に対してお金を入れていくことで、沖縄が自分の力で立てないようにずっとしてきたというのがあるので、国と沖縄の戦いというよりは、こっちなんだなと。
「自立できない構造 VS 沖縄」
「自立できないような構造になってしまっていること」と、「沖縄」との対立になっているので。これがずっと続いたままになっていると、候補者の演説を見るたびに「またやってるよ……」という、ある意味茶番のように見えてしまうかもしれない。すごく危ないことだなと思いました。
堀:ありがとうございました。
2025.02.13
“最近の新人は報連相をしない”という、管理職の他責思考 部下に対する「NG指示」から見る、認識のズレを防ぐコツ
2025.02.06
すかいらーく創業者が、社長を辞めて75歳で再起業したわけ “あえて長居させるコーヒー店”の経営に込めるこだわり
2025.02.13
AIを使いこなせない人が直面する本当の課題 元マッキンゼー・赤羽雄二氏が“英語の情報”を追い続ける理由
2025.02.12
マネージャーは「プレイング3割」が適切 チームの業績を上げるためのマネジメントと業務の比率
2025.02.12
何度言っても変わらない人への指示のポイント 相手が主体的に動き出す“お願い”の仕方
2025.02.13
「みんなで決めたから」を言い訳にして仲良しクラブで終わる組織 インパクトも多様性も両立させるソース原理
2025.01.07
1月から始めたい「日記」を書く習慣 ビジネスパーソンにおすすめな3つの理由
2025.02.10
32歳で「すかいらーく」を創業、75歳で「高倉町珈琲」で再起業 「失敗したからすかいらーくができた」横川竟氏流の経営哲学
2025.02.14
報連相ができない部下に対するコミュニケーションの取り方 「部下が悪い」で終わらせない、管理職のスキル向上のポイント
2025.02.10
A4用紙を持ち歩いて殴り書きでアウトプット コクヨのワークスタイルコンサルタントが語る、2種類のメモ術
着想から2か月でローンチ!爆速で新規事業を立ち上げる方法
2025.01.21 - 2025.01.21
新人の報連相スキルはマネージメントで引きあげろ!~管理職の「他責思考」を排除~
2025.01.29 - 2025.01.29
【手放すTALK LIVE#45】人と組織のポテンシャルが継承されるソース原理 ~人と組織のポテンシャルが花開く「ソース原理」とは~
2024.12.09 - 2024.12.09
『これで採用はうまくいく』著者が語る、今こそ採用担当に届けたい「口説く」力のすべて
2024.11.29 - 2024.11.29
【著者来館】『成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない』出版記念イベント!
2025.01.10 - 2025.01.10