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「時間の使い方で人生が変わる」元サッカープロフェッショナルレフェリー 家本政明さんに聞く “もったいない時間の無くし方”(全4記事)

あと5分だけ寝たい…シャキッと起きられない自分を変えるには 強制的に自分を動かすための「3秒ルール」

活躍中のビジネスパーソンをゲストに招き、日々のコンディション管理やメンタルヘルスについて語るgoodcho live now!。今回は、元サッカー国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏をゲストに迎え、人生が変わる時間の使い方についてお話しします。本記事では、家本氏が実践している、時間を有効に使うための習慣を明かしました。

前回の記事はこちら

時間を有効に過ごすための考え方

鈴木啓太氏(以下、鈴木):今回「もったいない時間の無くし方」ということなんですけれども、やはりもったいない時間を過ごしてしまっている人って、けっこういると思う。だから先ほどのレフェリーの話もそうだと思うんですよ。

家本政明氏(以下、家本):そうね。

鈴木:「本当はもうちょっとこうやったほうがいいのに」と思っていても、「こういう理由があって」「家族があって」「他の仕事があって」みたいなことがあると思うんですけれども、そんなことを言っている時間がもったいない。

家本:そう。その通り。

鈴木:「そんなマインドでいるなよ」という話じゃないですか。今日はちょっと家本さんの哲学と言いますか、そういったところをうかがっていきたいなと思うんですけど。トークテーマ①番に移りたいと思います。「時間を有効に活用するための日常的な習慣」について。実際に家本さん、今どんな生活をされているんですか?

家本:暇しているよ。

鈴木:(笑)。

家本:すごい暇。もう老後みたいな生活してる。

鈴木:あ、そうなんですか?

家本:うん。仕事もそこまでだけど、宣伝がてら言うと、10月11日に本(『逆境を見方につける 日本一嫌われたサッカー審判が大切にしていた15のこと』)が出るのね。それがついこの間やっと書き終えたので、その間はすごい忙しかったかな。書いた後の編集がどうのこうのって、出版社との調整が忙しかったんだけど、ここんとこ最近、本当に暇で何やっているか(わからない)。

そもそもの話で言うと、うちの両親がよく言っていたのは「時間はお前の命だ」と。「命が惜しいのか惜しくないのか」「惜しいです」「じゃあ有効に使え」と。

「サボるといっても、休憩とかリラックスするためであったり、睡眠や食事とかちょっとボーっとするとかそういうのも大事だ。でも意味もなくダラダラゴロゴロするとか、ゲームするとか、今だったらYouTube見るとか、それで何か生み出されるんだったらいいけど、それは本当に意味があるのか考えろ」みたいなことを言われてたのね。

鈴木:ふーん!

家本:なのでけっこう小さい時から「時間は命」という考え方がずっとあって、どちらかというと時間を無駄に過ごすことを「もったいない」って言われてきたし、自分自身もそう思ってきたから、わりとせっかちな人間かな。

午前と午後に30分、予定を入れない時間を作る

家本:どちらかというとワーカホリック的な、忙しいのが好きなんだけど、でも忙しすぎると心も体も頭もオーバーヒートしちゃうから、必ず今だったら午前中に30分、午後にできるだけ30分何も予定を入れない時間を設けている。

鈴木:へえ! 逆に入れない!

家本:そう。ここは何もしない。その30分で散歩するとか、ちょっと仮眠するとか本を読むとか、妻と話をするとか、そういうフレキシブルなリラックスタイムを、必ず(取るようにしていて。午前と午後の)両方ともこの間は絶対に仕事を入れない。

鈴木:自由時間を入れるということですね。

家本:そこで1回必ずホッとする。

鈴木:はあ!

家本:あとは家のこととか片づけ。家の周りがガチャガチャしているのが嫌いだから、朝早く起きて窓開けて換気したり、家中掃除機を掛けたり、玄関先を拭いたり、洗濯機を回したり、子どもを送ったり、そういう感じかな。

それを朝早いうち、6時前くらいからやって9時ぐらいまでに終わらせて、ちょっと体を動かすのもその間にやる。現役中も辞めてからも、(この生活を)もうずっと10年くらいやってるかな

鈴木:(笑)。だから午前・午後で30分時間を空けてフリーにしないと。

家本:ずっとやっちゃうの。

鈴木:(笑)。

家本:俺ダラダラできないんだよね。

鈴木:へえ! そうなんですか。ダラダラしているところ、想像つかないですもんね。

家本:苦手だね。だからダラダラYouTubeとかゲームやっているうちの子どもを時々問い詰めるんだけどさ。「それやって頭が賢くなるとか、友だちと仲良くなるとか、宿題が終わるとか、何か解決するの?」って必ず聞くの。そう言われると、それは「パパがちょっと怒っているな」という合図になっているから、1回止まるよね。

鈴木:(笑)。

家本:宿題とかママに言われている約束ごととか、やること全部終わってるんだったら、別に本を読もうがYouTube見ようがそれはご自由にって、もともと約束しているんだけど。それで終わっている時は即答で「終わっている」って言うんだけど、終わっていない時は、すげぇ嫌々YouTubeを閉じてやり始めるみたいな(笑)。子どもに関してはそんな感じかな。

惰性で使っている時間を見直すには

鈴木:ふーん。でも日常的な習慣って、やはり長い期間やり続けているから、そうなっているとは思うんですけど。

家本:そうね。今聞いてくださっている多くの方は、おそらく僕みたいな自由業じゃなくて、会社に勤めていたり、9時18時とか勤務時間が決まっていて、僕みたいに「(午前と午後で)30分ずつなんて時間取れないよ」という人も、たくさんいるとは思うんだけど。でもわかんないけどよーく見てみたら意外と、「本当にこれって必要なんだろうか」(という時間がある)。

例えば、仮に通勤時間を30分とするんだったら、30分間電車の中で寝ていないか、無駄に音楽を聴いていないか、YouTubeを見ていないか、ゲームをしていないかとか。そこで例えばその30分のうち15分間だけ身になる本を読む。俺は今、暇つぶしに簿記2級を取ろうと思って2ヶ月くらい前からずっと勉強していて、大学院にも行き直しているのね。

そういうお金のかけ方、投資の仕方、時間の活用の仕方って、結局自分に返ってくるじゃん。さっきも言ったけど、寝るのもいいかもしんないけど、だったら前日に早く寝ればいいじゃん。寝れない状況もあるかもしれないけど、もしかしたら無駄な時間をダラダラ過ごしている可能性もあるじゃん。あるいはお酒を飲んでいるんだったら、お酒を飲まなかったら朝スッキリするとか。

そういうのは時々だったらいいと思うんだけど、デイリーのスケジュールを1回見直すって、けっこう自分の人生において意味があると俺は思っているから。「自分にとって意味のある行動や時間の使い方って何だろう」と常に探しているかな。

理想の自分や未来像に対する「危機感」を持つ

鈴木:おもしろいですね。それはまさに「時間のマネジメント」とよく言われると思うんですけど、僕はやはりそこのプランニングが大事だと思うんですよ。要するに、マネジメントはあってもいいと思うんですけど、じゃあ何のために管理しているんだと言ったら、結局はプランがあるからそれを管理するだけの話だと僕は思っているんです。

家本:プランとか自分が在りたい姿とか、未来像みたいな。例えば僕だったらもっともっとたくさんの人を喜ばせたいっていう思いがあるのね。そのためにはやはりもっと自分の心や能力、行動を高めたほうがいいなと。「今のままじゃぜんぜん足りない」「このままじゃ家族さえもぜんぜん喜ばせられない」というある意味の危機感をずっと持っているのね。

だから足りないところを磨こうとするし、時間を無駄に過ごすことをもったいないと思っちゃうんだよね。貧乏性なんだろうね(笑)。

鈴木:そんなことない(笑)。みなさん、何か家本さんに質問があれば、チャットにどんどん投げてください。私が読ませていただいて、おもしろそうな質問に関しては家本さんに答えていただきたいなと思っております。

「3秒ルール」で強制的に自分を動かす

鈴木:トークテーマ②に移りましょう。「“もったいない時間”を無くすための、優先順位付けやタイムマネジメントのコツ」を教えていただきたいんですが、先ほどの話と少し被るところがあるんですけれども、もったいない時間って何でしょうね。もしかすると惰性でやってしまっていたり(する時間でしょうか)。

家本:あるね。

鈴木:実はもう癖になっていることもあるじゃないですか。このあたりを無くすとか、ちょっとマインドチェンジするために、何かコツはあったりします?

家本:僕も、例えば「YouTubeやTikTokをまったく見ないの?」と聞かれると、そんなことはないんだよ。サラッと見るんだけど、3分なら3分、5分なら5分と見る時間を決めている。特に最近のショートムービーってどんどん変化するから惹きつけられるんだよね。

そうすると気がついたら10分とか15分が経ってたという経験もある。だからそういうのを見る時には、Apple Watchで「3分後アラーム」「5分後アラーム」と言って、必ずリミットをつけるようにしている。

鈴木:うーん!

家本:ダラダラが続くことは、お尻を決めちゃえばいいの。そういうダラダラに制限をかけることはやっているかな。

鈴木:ああ。なるほど。

家本:あるいは、今度は逆にダレてて「ああ、しんどいな」という時。「ダルいな。でもお風呂に行かなきゃ」「片づけしなきゃ」「メール打をたなきゃ」とかちょっと次の予定が頭の中でモヤモヤした時が誰しもあると思うんだけど。

俺は「3秒ゲーム」と言っていて、そう思った瞬間に「3、2、1、GO」と言って自分を強制的に動かす。「3、2、1、GO」で動かなかったらペナルティとして1,000円を妻に払うと決めている。

鈴木:ええ! おもしろい!

家本:自分との約束。

鈴木:「3秒ルール」おもしろいですね。よく床に落ちたやつを3秒で拾って食べるみたいな話、ありましたけど。

家本:(笑)。西は特にあるよね。3秒までぜんぜん大丈夫みたいな。そんなことないんだけどね。

ちょっとした運動で体にスイッチを入れる

鈴木:でもそれ、めちゃくちゃおもしろいですね。自分でカウントダウンするということですよね。

家本:そうそう。ちょっと名前忘れちゃったけどアメリカの有名な人(作家、講演家のメル・ロビンズ)は「5秒ルール」と言って5から数える。でも5秒って長いじゃん。

俺はけっこう昔から「3秒ルール」をやってたから、ある時にその本を読んで「5秒長いじゃん」しか思わなかったけどね。強制的に自分を動かす。1回立ち上がって動いたら、だいたいみんな惰性でそのまま動くから。最初に動くのが、一番エネルギー(を使う)。電気もスイッチをパチンと入れる時に一番消費電力を食うのと一緒だよね。

鈴木:なるほどね。僕も寝てて起きる時に、やはり時間がかかる時があるんですよ。

家本:あるね。

鈴木:「ああーちょっと今日ダルいな」「疲れてるな」とか。でもどうやって起きるかというと、もう1回アラームをセットしたりするんです。

家本:(笑)。アラームをセットするなら起きろよ。

鈴木:そうそう(笑)。3分後と5分後にもう1回アラームをセットして、それがカウントダウンなんですよ。それで起きると決めるんですけど、でも本来3、2、1で起きればいいんですよね。

家本:起きて1回体を動かせば、腕を回すとか屈伸するとかでも本当にいいの。起きてちょっと運動を入れるだけで、おもしろいことに体ってスイッチが入るんだよね。だから繰り返すけど、啓太と逆だけどダラダラしそうだったら3分から5分とお尻を決める。「ダルいな。でもやんなきゃ」という時には3秒でGOさせる。その2つを徹底してやっているかな。

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