2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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石川義樹氏(以下、石川):ありがとうございます。次、千葉さんのところへいきたいと思います。
コロプラの場合、「働きがい」もしくは「働くことの価値」は、どういうふうな仕組みで回されていますか?
千葉功太郎氏(以下、千葉):では、(私の)PCに変えていただいて。
さっき出てきた「Great Place to Work」。残念ながらうちはやっていないので全く外部評価がなく、うちが良いのか悪いのかわからないまましゃべっているので、皆さんには我々のものが役に立つかわからないんですが、ちょっとご紹介します。
うちは昨年3月末時点で、平均年齢が30.8歳です。4月に新卒がたくさん入ってきているので、直近は29歳台になってきています。社員が480人くらい、3:1くらいの男女比の会社です。
創業してからまだ7年なので、期間が短くて、文化・組織がこなれていない現状があります。ただ元々の発想は、最初にやっていた我々の創業のゲーム「コロニーな生活☆PLUS」という島を育てるゲームです。水と酸素と食料があると、人口が増えるというゲームだったんですね。
なので、単純に我々の会社の施策も「水」と「酸素」「食料」です。酸素は環境、オフィスとか。そして食料、ごはんをしっかり出しておけば、きっと働きがいがあるのではないかと、6年間ずっと走ってきました。
ちょうどこれは前回(のIVSで)12月の健康経営のセッションのときに使った資料のおさらいなんですけれども。
ゲーム会社なのに健康を意識しようというところから始まって。我々はクリエイター会社、ゲーム会社ですので、「クリエイター」として一生良いゲームをつくり続けなければいけない。
千葉:一生良いクリエイティブをし続けなければいけないので、それを長くマラソンのようにやるためには、健康は心身ともに必要だろうなと考えています。
さっきの「水」と「酸素」と「食料」の話ですね。フルーツビュッフェ、ランチビュッフェみたいなものをやってみたりとか。
あと飲み物もしっかり気を配り、そして住むところも近くとか、この辺は普通(どの企業も)やっていますよね。
ちょっと変わっているところは、立ちミーティングというのを基本にしていて、これはオリジナルでつくった机なんですが、社内ミーティングはほぼ立って書く机でやっています。これは大人気ですね。
キッチンは創業の頃からあったりとか、マッサージルームがあったりとか。
あとは部活か。部活はいろいろあります。結構やっているほうだと思います。普通にいろいろ考えて、必要そうなものはやってきたというのが入り口です。
今回のセッションでこの資料をつくらせていただいて、うちにとって「働きがい」って一体なんだろうと思ったときに、答えはやっぱり、ヒットゲームをつくる環境づくりかなというふうに我々は解釈しています。
我々の会社はゲーム会社でございまして、ゲームしかつくらない。社員は全員でゲームを生み出すために集まり、頑張って、日々努力していく、修行していくと。
そういう会社なので、ヒットゲームが生まれると、うれしいんじゃないかなということを考えています。
そうすると働く上で個人にとって一番大切なことは、当然よく言われる「個人の成長」。これにはいろいろなアプローチがあると思うんですが。
我々にとっての成長で一番大切にしていて、社員にずっと言っているのは「素直さ」ということですね。
人は一生成長し続けていかなくちゃいけない。ただ、環境の変化は激しく、めまぐるしく変わっていくので、データだったり数字だったり、たまには人だったりに対して、素直さを持って自分を変えていくような能力というのが、一番人を成長させるのではないか。
もう1つ一番重要なのは、成功体験を短期間に積むこと。逆を言えば、「失敗体験からは成長にあまりつながらない」というのがうちの社内の考え方で、失敗するくらいだったら小さな成功でもいいので積み上げていったほうが、人はそこから次の道が見えてくるのではないかと。
例えばゲームの運営チームにいて、本当に小さな工夫・改善でもいいので、それで何かのKPIが1パーセントでも改善したらそれは成功体験だよね。じゃあ次は、5パーセント改善するような案を考えてみよう。その行き着く先には、大ヒットゲームを生み出すみたいな成功体験になっていくので。
会社として社員の働きがいを促進するためには、結果大ヒットゲームをいっぱい生み出さないといけなくなってくる。なので、素直にヒットゲームをいっぱいつくっていこうと。
なんで成長したいのか? うちの社内の考え方ですが、当然社員の一人ひとりでいくと、自分のスキルや実力を高くしていきたいなという当たり前のところ。
なぜ? ゲームをつくりたいから。
なぜ? 大ヒットゲームを生み出したいから。シンプルですね、考え方が。
なぜ? クリエイターとして1人でも多くの人が楽しむゲームをつくりたい。やっぱりここばっかりなんですね、ずっと。いろいろ議論していて、単純にヒットゲームが生まれるとすごくうれしい。
千葉:1年前かな? ここで前に登壇させていただいたときに、ちょうど「役員合宿をはじめてします」というのを話して、そのあと役員合宿をやりました。
役員含めてうちの会社は「何が働きがいで頑張っているんだっけ?」というのを1泊2日議論したときに出てきた答えが、「ドヤ顔」だったんですね。
(会場笑)
電車に乗ってるときに、ふと隣りを見たら「(クイズRPG魔法使いと)黒猫(のウィズ)」をやっている人がいたと。心の中で「それ俺や」みたいな気持ちで、横目でチラチラ見ながら心の中でドヤ顔できるっていうのが、快感。
それまではずっと修行なんですけれども、その瞬間のために頑張れるみたいなところがコロプラのモチベーションだな、というところに合宿をして行き着きました。
なので役員もそうだし、社員にとっても同じかなと思っているので、我々はクリエイターとして、一生細かいドヤ顔をし続けたいなと。
1個終わったら、新しいチャレンジをして新しい表現をしていかないとドヤ顔がし続けられないので、同じものをつくってもドヤ顔はできないので。常に新しいチャレンジをしなくちゃいけない。
千葉:昔の調査の引用なんですけれども、仕事の満足度って内容よりもコミットメント、重要度かなというところはその通りだなと思っていまして。
ちょうど今日、偶然僕も「価値」というのが気になっていて、「自分の価値」がどれだけ認識が高い重要性があるかというところが、働きがいにつながるのではないかと。
そこから整理をすると、働きがいに関して、偶然我々ができていたことというのが、「集中・コラボ・健康」という3つのキーワードです。健康に関しては先ほど話した通りです。
集中に関しては、IT業界ではけっこう珍しいんですけど、社員がプロジェクトに対して完全専任性なんですね。エンジニアもデザイナーも掛け持ちをしないんです。「黒猫のウィズ」であれば、黒猫のウィズに全員属している。
いつ来ていつ帰ってもいいんですけど、基本的には全員で朝なるべく集まって、10分間だけミーティングをしたあとは集中をしてやっていくと。無理やり「ノー残業デー」とかもつくらないようにしています。
クリエイターですから(気分が)ノるときとノらないときのムラが激しいので、ノるときはしっかりとやってください。ノらないときは早く帰ってください、というコミュニケーションをすることにより、集中と発散を意識してます。
少人数のコラボというのを意識していて、これも昔から変わらないんですが、社内にプロデューサーがいないんですね。ゲーム会社ではけっこう珍しいんですが、企画の意思決定をする絶対権限者というのがいなくて、デザイナーもエンジニアも企画の人もディレクターも、ある意味全員が並列で企画を出し合う。
そのために仕様書と企画書をつくらないということを、ずっと昔から徹底しているので、「白猫プロジェクト」も全く仕様書がなくて、みんなでつくりながら、話しながらつくると。
これがさっきのコミットメントだと思っていて、社内では「我ごと感の醸成」と呼んでいます。例えばデザイナーの若い子でも「自分の作品をつくっているんだ」という気持ちを強く持つことで、意見を言っていくというところを意識して、かつ少人数でやっていくのがいいのかなと。
あとは先ほども言った健康のところですね。
最近ちょっと頑張っているのが、6月1日から巨大キッチンを用意して、社員で管理栄養士を7名採用して、全部社内で料理をつくっております。これは健康の行き着くところかなと思っていて。
朝6時頃からキッチンで(食材を)切ったりして、管理栄養士の方が1ヵ月分の我々の健康管理を気遣ってやってくれるというのを内製化しています。今までずっと外製でやっていたんですが、自分たちでつくるといいなということで。
今、この3つを意識して取り組んでおります。すみません、長くなりました。
石川:いえいえ、すばらしい。ありがとうございました。
石川:今回、改めて整理をされたということですが、こういうことをやるときに、他の会社の施策を参考にされてつくっているのか、それとも自分たちで考えてつくられているのかというのは、どちらですか?
千葉:両方ですね。ゲーム会社なので、ゲームから学ぶことが半分くらいと、他社さんから学ぶことが半分くらいでミックスしてつくるんですけど、人事制度などもゲームっぽい考え方ですね。
ギルド戦の仕組みが人事評価に入っていたりとか、なるべく言葉もゲームに近い用語を入れるようにしています。
石川:今お話を伺っていて一番おもしろいなと思ったのは、「なんでゲームつくりたいんだっけ?」ということを昨年度初めて深く考えられた、というところだったんですね。
それで、「ドヤ顔」という言語化に成功したと。なぜ去年というタイミングで、「そもそもなんでゲームをつくりたいんだっけ? という本質のところを考えようというふうになったんですか?
千葉:ちょうど1年前のセッションで話したかな? 創業から7年近く経つのに、1回も役員合宿というのをしたことがなかったんですね。役員の飲み会というもしたことがなくてですね。それなら噂に聞く、IT業界で有名な役員合宿というのをしてみたいと(笑)。ご相談させていただいたところ、いろいろレクチャーをいただいて。
どちらかというと、やってみたいという僕の欲求でやってみたと。せっかくやるんだったら何かテーマを決めようという話です。ごめんなさい、すごいレベルの低い話で(笑)。
石川:本質を考えたいということではなくて、とりあえずやってみたいというところから始まったということなんですね(笑)。やってみて、佐藤さんのところみたいにだんだん言語化されていくわけですよね。それで何か、自分たちなりの意義とか効果とか感じられましたか?
千葉:すごくあったんですよ。我々、常勤の取締役が6人いるんですけれども、「自分コロプラ歴史」をつくったんですね。
自分がコロプラにジョインしてから現在に至るまで、年表ごとに◯年◯月にどんなトピックスがあったか、というのを書き出しましょうというのをワークにして、全部取りまとめて全員分の1個の一覧表にしてやったんですけど。
そこから見えたのが、さすがに役員合宿を1回もやってこなかっただけあって、全員バラバラだったんですね。要は、自分が感動した2011年のトピックスが全員バラバラだったんですよ。これだけ違う感動ポイントがあるんだな、とそのとき見ながらも、じゃあ一番重要な社長はどこを見ていたかというと。
「GooglePlayでフィーチャーが取れた! 2011年10月」みたいなのが年間MVPに入っていたりとか、一方でマザーズで鐘を鳴らしたのは入っていなかったりとかですね(笑)。また「iPhoneでランキング1位になった、うれしい」とかがやっぱり年間ランキングに入っていたりとか。
よくよく見ると、一般的に経営者としてうれしそうなポイントがことごとくなくて、「ゲームで何々があった」「KPIではじめて1日100万円売り上げが上がった」というのが、年間の中のキーチャートに入ってきていて、それをみんなで話し合った結果、そこに行き着いたという感じですね。何だったんだと。
石川:役員の中でも働きがいとかうれしいポイントがとにかく違ったんですね。
千葉:総合すると、つまりそういうことかと。サービスが認められる瞬間が小さくても一番気持ちいいので、そのために頑張っていて、たまたまそこにめでたくも上場が入っていたりとか、いろんなケースがはさまっていた。
石川:なるほど。そういうことの繰り返しが秘伝のタレになっていくということなんでしょうね。佐藤さんがおっしゃっていたような。ありがとうございます。
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