出澤剛氏の経歴

出澤剛氏(以下、出澤):こんにちは。LINEから参りました出澤です。今日はよろしくお願いします。こういった場でお話する機会をいただいて、非常に光栄に思っております。今、IPOの話もちらっとありましたけれど、今日は特にその件についての新しい発表はありませんので、事前におことわりさせていただきます。

まず私のご紹介を、ちょっと重複しますけどもさせていただきますと、インターネット関連のキャリアは2001年から始まりまして、ライブドアの前身であるオン・ザ・エッヂという会社からインターネットの仕事を始めています。

その後ライブドア事件が2006年にありまして、その後のライブドアというインターネットの事業部門を分社をしたんですけども、そこの社長をやりまして、経営再建をして、結果的にNHNのグループに入るという中で仕事をしてきています。

その後、2011年の6月にLINEが生まれて、そのときからLINE事業に関しては関わってきているということと、ご紹介にあった通り、今年の4月からCEOになりましてLINE全体を統括しているという立場でございます。

ではLINEについて、LINEの今までとこれから考えていることについて、少しの時間お話をさせていただければと思います。

さきほど司会の方から皆さん使っていると手が上がるんじゃないかとおっしゃっていたんですが、私非常に不安でして、念のため聞かせていただいていいでしょうか? LINEを使っていただいている方、挙手いただいていいでしょうか。

ありがとうございます(笑)。

非常に日本にいらっしゃる皆さんということで、予想より多い方が使っていて、非常にうれしく思います。

LINEの開発の決め手

簡単にLINEのスタートの、始まった時のお話からさせていただこうと思います。

まずは我々の先程ちょっとご紹介した我々のNHNという会社なんですけども、その会社ではハンゲームというゲームポータルだったりとか、あるいはNaverまとめというサービスだったりとか、あるいはライブドアのポータルサイト、こういったものを運営している総合インターネット企業でした。

非常にPCインターネットの時代は日本において強い会社だったんですけれども、フィーチャーフォン、いわゆるガラケーの時代になって、他のSNS、ゲーム外者が非常に伸びる中で、我々は非常に苦しい戦いをしていたというのが、2010年前後の状況でした。

その中で経営陣として、会社をあげて他の事業、他のサービスを一旦忘れて、スマートフォンだけに特化して新しいサービスを作っていくんだというふうに考えたのが2010年のことでした。

その中で2010年の末に3人の企画者がアサインされて、スマートフォンでコミュニケーションをする何らかのサービスをつくろうということで、まずはチームが立ち上がりました。

その中でいろいろなディスカッションがあった中で、最終的に候補となったのがLINEの前身となるメッセージングのアプリと、もうひとつは写真共有と、写真でコミュニケーションするというアプリケーション、この2つが最終候補で考えていました。

そんな中で我々が迎えたのが、2011年の3月11日、東日本大震災というところになります。

その中で携帯電話の回線が使えない状況になり、身近な人とのコミュニケーションがまったくできない状況が、東京においても、あるいは被災地においては非常に長い間つづきました。

そういった状況の中で我々がやるべきところはメッセージングアプリだろうということを決定しまして、決め手からは非常に速いスピードで開発をして、2011年の6月のリリースにたどり着くという背景を持っています。

LINEの3つのコンセプト

そういった背景を持っているので、我々のLINEの最初の開発のコンセプトは3つありまして、1つはスマートフォンに特化するということ。

もうひとつは、人と人とのクローズドな関係性、そのクローズドな関係性でのやりとりにフォーカスすること。

そのクローズドなコミュニケーションで一番やりとりされるのは感情であろうということで、スマートフォン特化、クローズド・コミュニケーション、エモーショナルなコミュニケーション、この3つにフォーカスしてサービスをリリースしたというところであります。

リリースした後からも非常に順調にユーザーは増えていったのですけど、特に2011年の秋にスタンプ、我々の今非常に代表的な代名詞となったスタンプというサービスと、あとは無料通話というサービスを秋に追加して、そこから爆発的にユーザーが伸び始めました。

リリースした後から非常に順調にユーザーは増えていったんですけど、2011年秋にスタンプ、LINEの代名詞になったスタンプと、そして無料通話を秋にリリースして、そこから爆発的にユーザーが伸び始めました。

国外での展開状況

そして国内だけでなく世界のいろいろな国でLINEが使われるようになりました。現状、月間アクティブユーザーは2億人を超えています。LINEで一日にやりとりされているメッセージの量は170億回です。いまスライドでお見せしているのがLINEの各国での登録者数の図でございます。

現状230の国と地域で利用いただいてまして、日本、タイ、台湾の3カ国では圧倒的に利用されています。インドネシアでも非常に良い伸びをしていまして、トップグループに入ってきたところです。

登録者数で1000万人を超えている国の数は13カ国になります。もう一方で売上についてコメントしますと、これは「AppAnnie」というアプリ情報サービスの統計データで、左が会社単位での2014年での売り上げランキングです。ゲームアプリも含みます。

そこでいうと、去年LINEは世界で4位のトータルでの売上を誇っています。右側が特徴的でして、こちらはゲームを除く同じランキングです。こちらは世界のトップ10のなかで3つのアプリでランクインしているという状況です。セールスに関しても非常に堅調に推移しているのが現状の足元です。

LINEはもうすぐ4年目になるんですけど、いまのところスマホの変革期のチャンスに乗るかたちで、スマホのエントリーとして成長することができたと思っています。ただ、これからが本当に我々にとって重要な挑戦になると考えていまして、今後の2つの方向性について述べさせていただきます。

グローバル展開の方向性

その2つの方向性はグローバルと、プラットフォームとしての成功。その2つになります。グローバルに関して言うと、非常に強いキーワードを持っていて、それは「ローカライズ」を徹底してやっています。

いろいろな方法でローカライズしていますが、一例をあげると、マーケテイングのキャンペーンになります。一般的には同じトーン、同じクリエイティブを全世界で使うのが多いかと思います。

我々はいままで数十カ国でTVCMを含むキャンペーンを展開していおりますが、スライドの通り、各国に合わせた形で現地化、ローカライズをしているところです。

もちろんLINEの重要な機能であるスタンプ、ステッカーに関してもローカライズし、グローバルな有名人についてもスタンプ化を進めています。いま紹介しているのはグローバルで有名な方ですが、各国ではよりローカルなセレブや行事などを取り入れて展開しています。

あとは1年前に「クリエイターズマーケット」という、世界中の誰もがスタンプを作って、販売できるという取り組みを始めました。そうすることによって世界中のクリエイターがLINEのスタンプを作るところに参加できて我々もそこに収益を配分することができています。現地に特化したローカライズしたスタンプの提供も可能になっています。

また現地企業とのコラボも強力に進めています。一例を挙げますとエアーアジアさんとLINEのラッピング飛行機をやったり、そんな取り組みを世界中でやっています。