IoTは成熟産業になりつつある

ウィム・エルフリンク氏:皆さんこんにちは。「IoT(インターネット・オブ・シングス)を超えて」というテーマのプレゼンテーションをこれから行いたいと思いますが、その前に、このIoTがすでに非常に大きなインパクトをもたらしているという話をしたいと思います。

150億のデバイスがもうすでにインターネットに接続されているという、まずはこの愕然たる数字を私たちは理解しなければいけないと思います。IoTの重要なコンポーネントでもあるわけでございますけれども。

そして、30万のこのデバイスが1時間ごとに繋がっています。そして、1週間あたり100万、本当に指数関数的に、どんどんこのインターネット接続というものが増加しているわけでございます。

これは線形的な成長ではなくて、指数関数的な成長でございます。そして、2020年までには500億のデバイスが繋がっていくというふうに考えています。今回の重要なテーマは「起業家精神」でございますけれども、このIoTのマーケットはグローバルで2.3兆ドルという数値が出ています。

ベンチャーキャピタリストといたしまして、昨年、実際にスタートアップ企業に16億ドルものお金が投資されています。200社以上の企業が実際にサービスを展開するようになりました。そして、3つの、このIoTのスタンダードボディがあります。そしてスマートレギュレーションが今、オンゴーイングでおこっております。そしてこの業界でも、今は7つの団体ができておりまして、間違いなくIoTが成熟産業になりつつあります。

IoTの一番大きな課題は「セキュリティ」

さて、一番大きな阻害要因は何かと言いますと、すなわちIoTの阻害要因というのは、セキュリティではないかと思っています。セキュリティには、非常に大きなリスクがあります。

まずこの点について、冒頭に申し上げないといけないと思います。でもこのピンチは、逆にチャンスというふうにとらえることもできると思います。このセキュリティというピンチを逆に、いかにサイバーセキュリティという現状をいかに、次の10億ドルの業界に仕上げることができるのか。逆にチャンスとしてとらえるべきだと思います。あらゆるものがインターネットに通じて、繋がることによって、データがどんどんうまれてきます。

ここで重要なのは、いわゆるデータは決して私たちのゴールではありません。データを通じて所有することによって、今後、更なる期待があるわけですけれども、世界中で16エクサバイトのデータというものが、今、インターネットを通じて流れています。

エクサバイトという単位を皆さんはご存知ですか? 10の18乗という単位でございます。そして、2~3年前の状況ですけれども、物理的なこの世界をDVDに直しますと、実はボーイング747一機全体にDVDがあるような状況でございます。

そして、1万5000のディスプレイがあって、そしてそこにもDVDのデータが一緒になりますと1エクサバイトの単位になっていきます。毎月のように、60エクサバイトのデータがうまれていくわけです。

ここで面白いのは、37%が産業のアプリケーションからうまれています。そして、一番大きな成長がそこにございます。3年後、イントラシーの部分とコンシュームの部分とで、どんどんデータの消費がうまれてきます。

IoTという言葉がうまれたのは1998年

さて、データがいろんなセンサーからうまれます。昨年この世界では、240億ものセンサーがうまれておりまして、この数がどんどん増えてきています。BMWは、日本車ではないので申し訳ないのですが、1テラバイト分のデータを1時間あたり生成しています。さて、これが自動運転手になりますと1ギガバイト分のデータが、なんと1秒ごとにうまれます。

これはいったいどのような意味を持っているのでしょうか。例えば、シンガポールのような町は、数テラバイトのデータを毎日のようにうんでいます。そして私たちは、このような世界に生きているということ、ここで重要なのはデータでして、もっと重要なのはインフォメーションであるわけですね。

すなわち、データをきちんと分析し、いかにそれをインフォメーションから知識に変え、知識から英知に変えていくことができるのが、このデータ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムのピラミッドの上にいくことが非常に重要であると考えています。

そして世界の都市の中でも、このモデルをきちんと意識し、それを経済政策に展開をし、そして社会的にも環境的にも展開できることが重要であると思います。データ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムというのが、今後データの10年になっていくと私は考えています。

さて、IoTという言葉が最近、好まれていますが、この言葉ができたのは1998年のことだと思います。現在は2015年です。どうしてこんなに時間がかかったのでしょうか。

IoTが実際にこのように大きく、そして勇敢な存在感を持つために、なぜこんなに時間がかかったのかということなんですが、間違いなくインターネットそのものが進化しています。

10代は寝ているとき以外、常にインターネットにつながっている

また子供たちの教育、そしてヘルスケアにおきましても、実はIoTによりまして、この収益化のチャンスがうまれています。マネタイゼーションでございますけども、これはアプリケーションを通じた収益化ということになります。

こちらもこの数字を出しておりますけれども。携帯電話がどんどん爆発的に好まれています。そして、クラウドと繋がっています。これも、やはり指数関数的な状況をもたらす要因になっています。

さて、これをグローバルで見てまいりますと、100本の映画が毎週リリースされています。250冊の本と15000の新しいアプリケーションが毎週のようにリリースされています。このような状況がうまれます。

また、スタートアップをスタートするのにコストもかなり下がっていました。2~3人の友人が集まって、アイデアをシェアしながら、それを10億ドルのビジネスに2~3年後にすることができるようなチャンスがあります。ウェブベースの世界からアプリケーションベースの世界に変わっていっていること。

さて、いろんな数字が出ておりますけれども、インターネットに繋がっているマシンは1日にアプリケーションを2時間使っているということです。株価だったり、教育だったり、情報ということで。私には15歳と18歳の2人の息子がいるんですが、当然彼らは2時間以上、アプリケーションを使っています。彼らは寝ているか、または起きているときは、いつもオンラインです。

皆さん、私が何を言っているかわかりますか? きっとおわかりいただけると思いますけれども、彼の話し方も、彼の学習の仕方も、私たちの時代とは違うわけです。彼らはインターネットそのものに生きているわけですね。物、データ、アプリケーション、この3つのエレメントによって社会が変わると私も考えています。すなわちIoTを超えて次に何が来るかというのが重要です。

IoT、その先にあるもの

30年前に、シスコは創業されました。当時、私は30歳と若かったわけなんでございますけども、私たちはコネクティビィー、デジタル情報に関するアクセスのデジタル化をすることでスタートいたしました。今、3万のデバイスが接続されています。そして、150億ドルの世界に変わってきているわけです。

次はネットワーク化されたエコノミー。すなわち、ビジネスプロセスのデジタル化です。セルフサービス、そして、自分の旅行は自分で予約する。かつては、そういうことは考えられませんでした。

こうした大きな変化というものがうまれ、いわゆる中抜きという現象がうまれたのが、当時のことだったと思います。でも、同時に新しい雇用がうまれました。そして知識ベースの経済というものが、さらにその上で展開してきたわけです。

ネットワークエコノミーが現在、インタラクションのデジタル化、ネットワーキングのFacebookやGoogleいろんなものが出ていますけども、これらによって、臨場感のある世界というものが生まれています。

さて、IoTを超えて、なにが次なのか。私はそれを「IoE(インターネット・オブ・エブリシングス) 」と呼んでおります。すなわち、世界そのものがデジタル化していることです。これは、物を接続するだけでなく人々も繋がってきます。

3年先、5年先にスマートドラッグというものがあります。お薬を飲みますと、実際に体の中に入って、そして、そこからデータが送信されます。ただ単に、Webで繋がるだけではなく、スマートフォンを使っていろんなものが見られる。

また、アプリケーションをローンチして繋がっていくだけでなく、ヘルスケアの観点で話しても、体も繋がっていきます。これが次のフェーズだと考えております。やはり、自分達に最も重要なのは、私達の体なんですね。

でも、自分達のこのボディのことはわかっていない。だからこそ、ヘルスケアの分野におきまして、プリアクティブなデータというものをきちんと集めて、そして自分の健康、先手を打ってきちんと健康維持を進めていくということが、長寿命化につながっていくという考え方です。色々な国、色々な都市、色々な企業、色々な家庭、または個人の体、こうしたものが全てデジタル化していくという考え方でございます。