2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
IoT、その先にあるもの(全1記事)
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ウィム・エルフリンク氏:皆さんこんにちは。「IoT(インターネット・オブ・シングス)を超えて」というテーマのプレゼンテーションをこれから行いたいと思いますが、その前に、このIoTがすでに非常に大きなインパクトをもたらしているという話をしたいと思います。
150億のデバイスがもうすでにインターネットに接続されているという、まずはこの愕然たる数字を私たちは理解しなければいけないと思います。IoTの重要なコンポーネントでもあるわけでございますけれども。
そして、30万のこのデバイスが1時間ごとに繋がっています。そして、1週間あたり100万、本当に指数関数的に、どんどんこのインターネット接続というものが増加しているわけでございます。
これは線形的な成長ではなくて、指数関数的な成長でございます。そして、2020年までには500億のデバイスが繋がっていくというふうに考えています。今回の重要なテーマは「起業家精神」でございますけれども、このIoTのマーケットはグローバルで2.3兆ドルという数値が出ています。
ベンチャーキャピタリストといたしまして、昨年、実際にスタートアップ企業に16億ドルものお金が投資されています。200社以上の企業が実際にサービスを展開するようになりました。そして、3つの、このIoTのスタンダードボディがあります。そしてスマートレギュレーションが今、オンゴーイングでおこっております。そしてこの業界でも、今は7つの団体ができておりまして、間違いなくIoTが成熟産業になりつつあります。
さて、一番大きな阻害要因は何かと言いますと、すなわちIoTの阻害要因というのは、セキュリティではないかと思っています。セキュリティには、非常に大きなリスクがあります。
まずこの点について、冒頭に申し上げないといけないと思います。でもこのピンチは、逆にチャンスというふうにとらえることもできると思います。このセキュリティというピンチを逆に、いかにサイバーセキュリティという現状をいかに、次の10億ドルの業界に仕上げることができるのか。逆にチャンスとしてとらえるべきだと思います。あらゆるものがインターネットに通じて、繋がることによって、データがどんどんうまれてきます。
ここで重要なのは、いわゆるデータは決して私たちのゴールではありません。データを通じて所有することによって、今後、更なる期待があるわけですけれども、世界中で16エクサバイトのデータというものが、今、インターネットを通じて流れています。
エクサバイトという単位を皆さんはご存知ですか? 10の18乗という単位でございます。そして、2~3年前の状況ですけれども、物理的なこの世界をDVDに直しますと、実はボーイング747一機全体にDVDがあるような状況でございます。
そして、1万5000のディスプレイがあって、そしてそこにもDVDのデータが一緒になりますと1エクサバイトの単位になっていきます。毎月のように、60エクサバイトのデータがうまれていくわけです。
ここで面白いのは、37%が産業のアプリケーションからうまれています。そして、一番大きな成長がそこにございます。3年後、イントラシーの部分とコンシュームの部分とで、どんどんデータの消費がうまれてきます。
さて、データがいろんなセンサーからうまれます。昨年この世界では、240億ものセンサーがうまれておりまして、この数がどんどん増えてきています。BMWは、日本車ではないので申し訳ないのですが、1テラバイト分のデータを1時間あたり生成しています。さて、これが自動運転手になりますと1ギガバイト分のデータが、なんと1秒ごとにうまれます。
これはいったいどのような意味を持っているのでしょうか。例えば、シンガポールのような町は、数テラバイトのデータを毎日のようにうんでいます。そして私たちは、このような世界に生きているということ、ここで重要なのはデータでして、もっと重要なのはインフォメーションであるわけですね。
すなわち、データをきちんと分析し、いかにそれをインフォメーションから知識に変え、知識から英知に変えていくことができるのが、このデータ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムのピラミッドの上にいくことが非常に重要であると考えています。
そして世界の都市の中でも、このモデルをきちんと意識し、それを経済政策に展開をし、そして社会的にも環境的にも展開できることが重要であると思います。データ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムというのが、今後データの10年になっていくと私は考えています。
さて、IoTという言葉が最近、好まれていますが、この言葉ができたのは1998年のことだと思います。現在は2015年です。どうしてこんなに時間がかかったのでしょうか。
IoTが実際にこのように大きく、そして勇敢な存在感を持つために、なぜこんなに時間がかかったのかということなんですが、間違いなくインターネットそのものが進化しています。
また子供たちの教育、そしてヘルスケアにおきましても、実はIoTによりまして、この収益化のチャンスがうまれています。マネタイゼーションでございますけども、これはアプリケーションを通じた収益化ということになります。
こちらもこの数字を出しておりますけれども。携帯電話がどんどん爆発的に好まれています。そして、クラウドと繋がっています。これも、やはり指数関数的な状況をもたらす要因になっています。
さて、これをグローバルで見てまいりますと、100本の映画が毎週リリースされています。250冊の本と15000の新しいアプリケーションが毎週のようにリリースされています。このような状況がうまれます。
また、スタートアップをスタートするのにコストもかなり下がっていました。2~3人の友人が集まって、アイデアをシェアしながら、それを10億ドルのビジネスに2~3年後にすることができるようなチャンスがあります。ウェブベースの世界からアプリケーションベースの世界に変わっていっていること。
さて、いろんな数字が出ておりますけれども、インターネットに繋がっているマシンは1日にアプリケーションを2時間使っているということです。株価だったり、教育だったり、情報ということで。私には15歳と18歳の2人の息子がいるんですが、当然彼らは2時間以上、アプリケーションを使っています。彼らは寝ているか、または起きているときは、いつもオンラインです。
皆さん、私が何を言っているかわかりますか? きっとおわかりいただけると思いますけれども、彼の話し方も、彼の学習の仕方も、私たちの時代とは違うわけです。彼らはインターネットそのものに生きているわけですね。物、データ、アプリケーション、この3つのエレメントによって社会が変わると私も考えています。すなわちIoTを超えて次に何が来るかというのが重要です。
30年前に、シスコは創業されました。当時、私は30歳と若かったわけなんでございますけども、私たちはコネクティビィー、デジタル情報に関するアクセスのデジタル化をすることでスタートいたしました。今、3万のデバイスが接続されています。そして、150億ドルの世界に変わってきているわけです。
次はネットワーク化されたエコノミー。すなわち、ビジネスプロセスのデジタル化です。セルフサービス、そして、自分の旅行は自分で予約する。かつては、そういうことは考えられませんでした。
こうした大きな変化というものがうまれ、いわゆる中抜きという現象がうまれたのが、当時のことだったと思います。でも、同時に新しい雇用がうまれました。そして知識ベースの経済というものが、さらにその上で展開してきたわけです。
ネットワークエコノミーが現在、インタラクションのデジタル化、ネットワーキングのFacebookやGoogleいろんなものが出ていますけども、これらによって、臨場感のある世界というものが生まれています。
さて、IoTを超えて、なにが次なのか。私はそれを「IoE(インターネット・オブ・エブリシングス) 」と呼んでおります。すなわち、世界そのものがデジタル化していることです。これは、物を接続するだけでなく人々も繋がってきます。
3年先、5年先にスマートドラッグというものがあります。お薬を飲みますと、実際に体の中に入って、そして、そこからデータが送信されます。ただ単に、Webで繋がるだけではなく、スマートフォンを使っていろんなものが見られる。
また、アプリケーションをローンチして繋がっていくだけでなく、ヘルスケアの観点で話しても、体も繋がっていきます。これが次のフェーズだと考えております。やはり、自分達に最も重要なのは、私達の体なんですね。
でも、自分達のこのボディのことはわかっていない。だからこそ、ヘルスケアの分野におきまして、プリアクティブなデータというものをきちんと集めて、そして自分の健康、先手を打ってきちんと健康維持を進めていくということが、長寿命化につながっていくという考え方です。色々な国、色々な都市、色々な企業、色々な家庭、または個人の体、こうしたものが全てデジタル化していくという考え方でございます。
さて、こちらのスライドでございますけれども、私は実はオランダで生まれて、ロッテルダムで成長しました。彼は建物を作っていた専門家でした。学校を作ったり高校を作ったり、実際に彼は建築の専門家だったんですけれども、実際にロッテルダムのキッチンテーブルで一緒になって、彼が当時自分で作ったものをスケッチしていました。
実際に1つの都市を作るということは、非常に時間がかかったわけでございます。さて、今はどうでしょうか。私達はデータの世界にいるわけですね。シスコのような大きな企業で、デジタルアーキテクトとして活躍しているわけですね。
すなわち、デジタルオーバーレイとありますが、物理的にその上にデジタルが重なってまいります。これによって、今までになかった新しい世界があります。そしてオペレーションセンターが繋がっています。
データ、情報、知識というものが英知と共にどんどんプラットフォーム化していきます、これによってスマートホスピタル、スマートハイウェイ、スマートファクトリーというものがうまれると私達は考えておりますし、これによって持続可能性というものがうまれます。社会的にも経済的にも環境的にも重要な方向に行くと考えてます。クラウドは未来永劫だという表現が先ほどあったと思いますけれども、本当にそうだと思います。
さて、今後どうなっていくのか、毎月あたり60エクサバイトのデータが出るわけですから、それをどこまできちんとクラウドを通じて、クラウド以外でどうやって処理することができるのでしょうか。
すなわち、私達はもちろんシリコンバレーやサンフランシスコで、いろいろやっておりますけれども、実はデータの40%はうまれて保存されて処理されて、そして別のところでアクチュラブルなものに変わっていく。
すなわちデータアーキテクチャーの分散化がおこるというふうに私は考えています。日本は間違いなくこの分野で全てをクラウドではなくて、分散化。例えば、数ヶ月前に東芝とアライアンスを組んで、イノベーションセンターをスタートしました。
すでに東芝は、フォグという考え方を前面に出してやっていこうということで、いつでもどんな場所であっても、エッジのところ、クラウドのところで、きちんとつなげていこうと。
そして、そこに走っているアプリケーションの見える化というものが起こっていくというふうに考えています。すなわち、コンピューティングというものがIoTを超えて、そしてクラウドを超えていくというふうに私は考えています。分散型のデータアーキテクチャーが重要なトレンドになっていくというふうに考えています。
さて、そこには色々なビジネスプロセスがありますが、時間の関係がございますので、これらのケースを全て紹介することはできませんが、UberにLyftが左上に出ておりますけれども、Uberはアメリカの企業として、はじめて実際にリムジンサービスを提供した企業でございます。
色々と規制の問題もあったと思いますけれども、実際にUberがスタートしたことによって、本当に素晴らしい拡張性で、2~3年で世界中の集約都市でサービスが大成功しています。
さて、写真はどうでしょうか。写真は100%デジタル化しています。今フィルムで写真を撮っている人なんていないと思います。これは一般だけでなく、病院といったプロフェッショナルのサービスでも同じような状況が行われています。
全てのオペレーションがデジタル化しているということ。さて、実際に写真はコダックが破産いたしました。すなわち、新しいものに勇敢に挑戦しない限り、結局次のコダックがうまれてしまうという危惧があるわけです。
何か新しいものに挑戦しなければ、結局取り残されます。99%が繋がっていく、繋がってないのは1%、今後全てのものがデジタル化によって、あらゆるものがあらゆるものと繋がっていく。
そして、これは19兆ドルということになり、向こう10年間はアメリカのGDPと同じ額です。そして、新しい売り上げになる、色々なチャンスになると。例えば、市民向けのサービス、これも全く新しいチャンスであります。
これが大体3兆ドルくらいの市場と見られております。サプライチェーンのほうは2兆7千億ドル、更に資産の活用等も大きいわけです。今は2%くらいしか活用できていないということになります。
こういった資産を皆に共有財産として使えるということは、ものすごく生産性の向上になるわけです。日本にとっても同じです。日本は、合計でIoEの持ちうる価値というのは、8700億ドルというふうに見ております。
特に一番大きい2つは、公共分野、さらに製造です。ドイツなども2500億ドルという非常に大きなチャンスがあり得るわけです。このためにスマートな規制、そしてイニシエーション、スタートアップ企業なども必要になります。
シスコ社としても、20年間にわたってこの分野を日本でもやってまいりました。そして、1200人の従業員、そして47000人くらいの人達が、シスコに認定を受けております。スタートアップなどもサポートしてきております。
私たちは1億ドルの投資ファンドを持っております。フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3、フェーズ4といったところまで育ってきておりまして、あちら側からアプローチをしてくるようになりました。そして、スタートアップを、このIoEの分野でも、ぜひとも支援していきたいと思います。IoEはただ、色々なことを全く新しくやり直す必要があると思います。
バルセロナ市がひとつの例になります。92年にオリンピックをやりました。その時から、新しいルネサンスが始まったと。都市自体を革新するということで、西暦2000年くらいから、IoEとか、都市化などに直接取り組んでまいりました。
スマート照明、スマートバス、スマート駐車場、スマート水道など色々なことをやっています。1500社の新しい会社、企業がうまれ、そして44000人分の雇用がうまれました。こういった様々な投資を市長さんがチェックしております。全く新しいビジネスモデルで対応しております。
バルセロナは世界で最もスマートなシティということで賞を受けました。この市長さん、政治家でありながら、世界で最もビジネスに影響力がある人に選ばれました。
可能性はあります、なぜならまだ1%しか繋がっていません。全てをつなぐ、IoEの概念が、今まさに手元にあるわけです。シスコは特にこのバルセロナで大きな役割を果たしています。
色々な人々や色々な物事を繋げて、バスとか新しいWi-Fiのサービス、今までなかったような経済的なチャンスが人々にとって、そして、企業にとってうまれてきております。バルセロナは社会的なひとつの実験であります。技術が、夢をかなえようとしております。
世界中で同じような課題を都市がもっています。そこにテクノロジーを導入することによって、共通のソリューションをあらゆる都市に共通な形で埋めたいと思います。特にパーキングスペース、なかなか見つかりません。しかし、このシステムを使うことによって、どこに置けばいいのかがすぐにわかるようになりました。
これによって車の数も少なくなりました。皆もより幸福になります。そして、都市自体がより住みやすい場所になりました。私達、人々がインターネットに繋がって、そして実際の生活を変えるということ。そして、皆様がバスを待つ、こういった無駄な時間をなるべく少なくするということになっております。
どういった道路状況になっているのかなどの色々な情報を、商業ベースでも色々な形で活用することができます。バルセロナの市民の人達は、スマートバス停留所だけじゃなくて、バスに乗ったとき、そして地下鉄の時により接続を得ることができます。
自宅と同じように繋がっているわけです。この街のエネルギーは、照明でかなり無駄になっているということがわかりました。そして、それは実際に必要な時に点滅する、また保守もできるということで、エネルギーを節約するということになっております。
都市全体にかかるセンサーによって、様々な情報をベースにして、リアルタイムデータを使いながら、判断ができるようになっています。これによって、騒音や汚染、そして、交通量、こういったものをすっきりと合理化することができて、世界で最もスムーズなシステムにする。社会的にも経済的にも環境的にも持続可能なシステムになります。
バルセロナ市というのは、まさに色々なことが行われております。人のための技術です。そして、皆の生活を改善するためのテクノロジーです。また、今よりも更に素晴らしい生活にしていきたいと思っております。
スマートシティというのは、まさに皆が住みたいと思う都市を作るためにあります。そして、その後シティは全くそういったことを意識しないで、こういった様々な利便性を得ることができます。まさにIoEを体験する都市となろうとしています。
どういったチャンスが日本にもあるか、考えてみてください。オリンピックがもうすぐきます。例えば、スタジアム。これも小さな都市だと見ていいと思います。
スタジアムの中でWi-Fiをつないで、ビールも注文できるし、食べ物もオンラインで注文できるし、更に都市とのやりとり、人の行き来、駐車場の利用なども素晴らしく向上できております。
日本はスマートオリンピックを目指せますし、最も接続性が高いオリンピックにすることができると思います。それから、どういったことが必要になってくるでしょうか。
先ほどのスピーカーも言っておられましたけれども、1番の失敗はトライしないということです。失敗というのは許されるべきだということだと。これからの10年間、色々な実験がされるべきだと思います。
何かをやったときに、成功するのはわずか5%しかありません。ところが、20回色々なことをやると、50%の成功するチャンスがあります。50回色々なことをやりますと、90%成功の可能性があります。
そして、50回も色々やると、40回は失敗になるわけですよね。じゃあ、この失敗をどのように受け入れるのか、そしてそこから学んで、その先に進むことができるのか。失敗というのはそれでもう終わりではないのです。どんどんと一緒にイノベーションをして、ラピットプロトタイピングで、色々と実験をして、何がうまくいくかを見ていくということを繰り返すことが重要です。
そうしますと、10億ドルのチャンスが手にできるわけです。したがって、このようなテクノロジーを使うことは、より良い生活を手にするための重要な要素です。イノベーションを爆発的に伸ばすための重要な要素になるわけです。ご清聴ありがとうございました。
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