結局は母親の勘がいちばん--経営者やアスリートらが語る、スランプからの脱出方法

健康経営のススメ #5/5

IVS 2014 Fall Kyoto
に開催
コロプラ副社長・千葉功太郎氏、一般社団法人アスリートソサエティ代表理事・為末大氏、宗教法人春光院副住職・川上全龍氏と、異業種の面々が「健康経営のススメ」について意見を交わしたセッション。自分の健康状態を客観視するための方法として「母親など身近な人に意見を出してもらう」「朝起きたときの感覚を見る」「複数のコミュニティに属する」など、登壇者たちが日々実践していることが語られました。(IVS 2014 Fall より)

自分が正常な状態なのかはよくわからない

石川善樹氏(以下、石川):ちょっとここで一度、会場の皆さんから質問を受けたいなと思うんですけれども、このお三方に聞いてみたいこと、質問してみたいことっていうのを。

質問者:こんにちは。伺いたいのは、ご自身で頭、体、心が今どういう状態にあるかっていうのを、どういう方法でモニタリングしてるかを聞いてみたいと思いました。

為末大氏(以下、為末):僕こないだ競馬の調教師の方に話を聞きにいって、凱旋門で2番になったオリフェーヴルっていう馬を調教されてる方だったんですけど、すごく深いことをその人がおっしゃったのが「馬の調教をするには、馬の正常な状態が何かを知らないと異常がわからない」って言ったんです。

僕が引退してみて思ったのが、世の中の人の結構な割合が、自分が正常な状態がどの状態なのかよくわからない。だから異常になってもそれがよくわかってない。

わかったときには、結構異常値が増えてる状態でわかるんで、ちょっと帰ってくるときリカバーするのに時間がかかるか、ないしはもう帰ってこれないような何かを抱えてしまうっていうのは多い気がするんです。

実際にモニタリングどうやってするのかっていうと、選手の場合は多少体に敏感になるんで、自分の体がいつもより可動域が何かおかしいってなってくると「これはいつもと違うな」っていうのがあるんですけど、もうひとつはやっぱり自分が考えていることが、それまでと違った考え方をしてるときって人間あると思うんです。

僕はそれですごく興味を持ったんですけど、その状態で下される意思決定ってもうずれちゃってるんですよね。だけど正常がわからない人っていうのは、ずれてる状態でずっと意思決定しちゃっていくんで、やっぱり自分を上から若干客観的に見ながら……。

何の具体的な答えになってないかもしれないですけど「いつもと自分が違っていないかどうか」っていうことをよく知っておくって大事かなと。

母親は小さな変化に気付きやすい

為末:あと個人的な体験からすると、僕がスランプに入り際のときに僕の母親に「あんたいつもと何かが違う」って言われた瞬間にハッとしたんで、そういうふうにいつもの自分を知っていて、いつもと違うことを指摘できるような人を周辺に置いておくっていうのは重要なことかと思います。

石川:お母さんってすごいですね(笑)。

為末:はい(笑)。どう違うかは教えてくれなくていいんですよね、それは勘がいい人はわかるんで。だけど違い始めがわかって教えてくれるっていうのは、すごく重要なことだと思います。

石川:ありがとうございます。

千葉:同じだ、僕も母。月1回くらいで会ったときによく言われるんですよね、顔色とか目つきとか、太ったとか、暗い顔してるとか。それ結構「あ、そっか」みたいな。

確かに仕事で悩んでると思ってるときに母と会うと「オーラが全然ダメ」とか、ズケズケと言ってきて「ああそっか、オーラがダメか」みたいな(笑)。常に昔から定点観測してる人が、客観的にしかもズケズケと言ってくれる環境って大切ですよね。

為末:案外その経験値からくるものって正確ですよね、量がたまってるから。そんな気がします。

千葉:あとは普通に、僕はFiNC。このIVSでも大流行りの、小林さん大好きなFiNCをやらさせていただいていて、体重計に乗るようになりましたね。

当たり前すぎる話だと思うんですけど意外と我々できてなかったんで、体重計に乗るっていうことと、FiNCの栄養士に骨抜きにされて健康志向の食事をするようになってしまいまして、野菜からご飯を食べるようになってしまったんですが。

バロメーターのひとつである、年に1回やってる人間ドックの健康診断でお恥ずかしながら35歳以降BとCとDがいっぱい出始めていたんですけど、こないだFiNC効果かオールAだったんですよ。20代の前半以来初めてなんですけど、やっぱり内面から変えていくのって重要だなと。

オールAとったら自信がついてきて「よっしゃ、俺は万能感に満ちてるかも」みたいな気持ちになって、結構仕事が前向きにできるようになったってことを実感したんで。

ABC、いつも馬鹿にしてたんですけど内面からちゃんと変えて、1年に1回健康診断で目標を持ってAにするぞみたいなのは、ひとつのバロメーターとしてあるのかなと思いました。FiNCいいです。

朝起きたときの感覚を客観視する

石川:オンラインダイエットをやられてると。川上さんどうですか?

川上:私も最近、やはり母親っていうのありますよね(笑)。

石川:皆同じ(笑)。

川上:やはり小さいときから自分をずっと見てるわけですよね。そういうところで細かいところ言ってきますね。何かの小さい変化っていうのよく気付いてくれてるなっていうとこあるんですけど、でもやっぱり客観的に自分を見るっていうの非常に大切ですよね。

客観視できる自分を作る、自分の時間を持つことが重要になってきて、体重とかそういうところは人間ドック行けばわかると思うんですが、精神的な疲れっていうのを母親でも身近な人に客観的に意見をズケズケ言ってもらうって大切ですし。

あと、朝起きたときの感覚ですね。すごく重要だと思うのが、朝起きたときによっしゃ、今日も頑張るかみたいに思えなくなってるときって自分が疲れてるときでもあるし、その感覚ですよね。

石川:朝疲れてるのが普通と思ってる人多いと思うんですけど、それは異常なんだってことですか?

川上:精神的に追い込まれてるっていうか、疲れてるときってストレスが絶対たまってるって思うんですね。朝起きたときにスッと起きられて「いつものルーティンだけど楽しんで頑張ろう」みたいに思える自分がいるときってやっぱり絶好調ってことですよね。為末さんが言われてるような絶好調。

ただそれがだんだんできなくなってくる自分っていうのが出てくるんですよね。例えば私なんか観光産業なんかも入ってるんで、京都のハイシーズンなんか終わりくらいになってくるとヘトヘトになってきて、今日は人と話すのも嫌だみたいになってくるんです。人と会うときはもう放っとこうかなみたいになってくるんで。

石川:お坊さんも人の子なんですね(笑)。

川上:そうですね、人間ですから(笑)。そうなってきたときに、あ、休まないとってなってきますよね。

石川:その感覚を持つことがすごく大事と。お母さんがそんなに大事だったんですね、3人とも。答えになってたらありがたいです。もう1問くらい行きたいんですけども。

不健康になってしまった人をどう救うか

質問者:不健康にならないような健康経営ということなんですけど、不健康になっちゃった人を経営者とかアスリートとか和尚さんとしてどう救うのか、やり方を伺いたいです。

石川:不調とかスランプに入った人とか、病気になった人をどうするのかっていうことなんですが、川上さんから行きましょうか。

川上:とりあえず、一歩引いてみるっていうことが大切だと思うんですよね。自分がスランプになってくるとネガティブ思考っていうのが出てくると思いますし。

あと焦りがどんどん出てきて、やはり客観視ができにくくなってくる。人間ってどっか崩れてくると主観的にしかものが見れなくなってくるんですよね。視野がだんだん狭くなってくる。

だからそれから脱却するってことが必要になってくるんで、やっぱり何もしない時間をむりやり作ってみて、そこでどういうふうに自分の状態があるかっていうのを客観視して、そこから理論的な回復の仕方っていうのを持ってくってことだと思うんです。

健康だけじゃなくて、そういうとこでビジネスにもつながってくると思うんですよね。

石川:余白の時間を持つということですよね。千葉さんどうされてますか?

千葉:まったく同じですね。自分もそうですけど、他人が言ってあげないと調子が悪いときは狭いループに入っちゃうので、多分第3者が強制的に休んだほうがいいとか、ちょっとリフレッシュで旅行行ってこいよとか。

必要な場合は1ヵ月休んだほうがいいんじゃないか、ていうのを客観的にいろんな役割の社内の関係者が当人にケアしてあげるっていうのが効くなと。おっしゃる通りだなと。

石川:為末さんは?

為末:2つあると思うんです。ひとつは本人がそのことにすら気付いてない場合と、気付いているんだけど、やる気がない場合で、後者のほうはある種自己責任のとこもあるかなと思うんで、僕はやり方わからないです。

前者のほうは、とある金メダリストのアスリートなんですけど、彼が視野がすごく狭くなって、オリンピックの前に強迫症みたいなことになったんで。結構実はアスリートってなる人いるんですけどね、特にオリンピックみたいなものの前に。

そのときにその人がどうやって改善したかっていうと、手をものすごく洗っちゃうようになったんです。トイレ行ったときに10分くらい手を洗っちゃうようになったんですけど、どうやって直したかっていうと、自分が手を10分洗ってる映像を撮ってそのあと見せた。

さっきおっしゃってた(視野が)狭くなってるとか思い込んでることに「自分の行動は今異常である」ということに自分が気付いた瞬間、思い込みは解かれるんですけど。

多くの思い込みは思い込んでることにすら気付いてないことが一番の問題なので、その気付きを与えるシステムをどうやって組み込むかってことが重要なのかなと思います。

コミュニティは複数あったほうがいい

石川:お話を伺ってると、不調のときって自分では気付きにくいし、例えばしゃべるスピードが速くなってたりとか、顔色悪いっていうのは意外と周りの人が見てることも多いっていうことなんですかね。

川上:先ほど千葉さんのやられてる、同期の人のグループと部活のグループとあとプロジェクトでしたっけ。あの3つのグループを作ってるってすごいなと思うのが、やっぱり誰かが第3者の目で、監視体制っていうと変ですけど誰かが見ててくれてる。

千葉:そうですね。

川上:そういう感じって重要ですよね。つながりっていうところってあると思いますね。

千葉:人ってどうしても狭いコミュニティで普段生きていると思うので、コミュニティは複数あったほうが絶対いいと僕は思ってるんですね。

さっきの不調とかも、いくつかのコミュニティに属していて、かつ定期的に定点観測がそこで行なわれているっていうのが、毎日会ってるグループ、月1回活動するグループ、2ヵ月に1回活動するグループみたいなイメージなんですけど、我々の3つは頻度別なんですね。

なので毎日だと気付かないけど2ヵ月に1回のチームは気付く、みたいなのはあるんじゃないかなと思ってます。

石川:会社の中とか外にいろんな付き合いを持つっていうことですよね。その中でもお母さんっていうのは月1回くらい会うと抜群であるということですね(笑)。わかりました、ありがとうございます。

最後に今日お三方にやってもらった、体・心・頭っていうのは、これ非常に客観的な指標で作ってみたものなんですけど。

皆さんも20問くらいの質問に答えるだけで自分の状態っていうのがわかりますので、ぜひちょっと1回試されてみてから自分の状態を把握してみてください。

これやると、今後どういうことをしたらいいのかっていうアドバイスもいただけますので、ぜひ試してみたらなというふうに思います。

自分を定点観測するには「余白」となる時間が必要

石川:最後にお三方から一言ずつ、今後の自分の健康に向けて抱負をいただければなと思います。千葉さんからお願いします。

千葉:毎日体重計に乗って野菜をしっかり食べて、運動もするということを意識的にしっかりとやりたいなと思っております。

石川:1年後の定点観測に向けて。

千葉:そうですね、1年後の健康診断に向けて(笑)。ありがとうございます。

川上:(調査結果は)中ということなんですけど、私今36歳になって、やっぱりガクッときたっていうのがわかるんですよね。自分の体力が衰えてきたとか、そういうところを見据えて運動もやってかないとダメだなと。最近ちょっと運動がおろそかになってるところもあるんで、やっぱり徐々に健康面でも上位が取れるようにやっていきたいですね。

石川:ありがとうございます。最後為末さん、超健康優良児ですが。

為末:健康優良児ですけど、元気で頑張ろうと思うのと「余白」って今日出ましたけど、すごくそれって大事だなと思うので。

そもそもなんでこんなことをしているのかっていうことに気付くには、結構暇が重要だったなって現役時代に思うんですね。

自分を自分で定点観測するには、これだけは時間がないとお母さんもうまく使えないと思うんで、そういうことをうまく組み込みながらこれから頑張っていきたいなと思います。ありがとうございました。

石川:ありがとうございました。ということで、あっという間でしたけど健康経営のススメということで、特に今日は自分自身の健康作りとか、人生をどう生きていったらいいんだっていう話が多かったなっていうふうに思います。

ぜひ、またこういうことやりたいと思いますので、皆さん今日はありがとうございました。

制作協力:VoXT

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