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行動承認マネジメント ~褒める・叱るじゃない若手社員の育て方~(全5記事)

人間の行動は「97%」が無意識で行われている 仕事上の“なんとなく時間が過ぎていた”を変える目標設定のコツ

部下の力を最大限に引き出す育成をするためには、どのような関わりをすればよいのか。褒める・叱るではない「行動承認マネジメント」のノウハウを、株式会社シンプルプランの丸茂喜泰氏が解説します。本記事では、人間の行動の9割以上は無意識で行われているという状況を踏まえて、仕事における目標設定の重要性を語りました。

「褒める」「叱る」じゃない若手社員の育て方

丸茂喜泰氏:本日のセミナーの講師を担当させていただきます、株式会社シンプルプランの丸茂と申します。私から一方的にお話するシーンが多くなるかと思いますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

スタートに先立ちまして、途中、私からみなさまに投げ掛けをする内容がございます。その際にメモ、もしくはパソコン等で打っていただきながらお考えいただけると、より効果的なお時間になるのではないかと思いますので、もしよろしければご準備をお願いいたします。

本日は「行動承認マネジメント~褒める・叱るじゃない若手社員の育て方~」というテーマで話をさせていただければと思っております。この内容は、かれこれ7~8年前に私が初めてスタートしたものです。

今日ご参加のみなさまにおかれましては、企業さまの中でリーダー的な役割の方、もしくは人事の方、または経営者の方であったり、それぞれのお立場があるかと思います。

先にお伝えしますと、今日の内容について、参加した方の3~4割の方は「それは無理でしょ」「とはいえ、そんなことできないでしょ」と思われる方がいらっしゃるのも事実です。また、残りの6割のうちの半分くらいの方は、「とはいえ現場でやるのは難しいですね」と、実際に(研修後に)言われることも非常に多いです。

なので今日聞いていただく内容について、もしかすると今までのみなさんの価値観の中では適合しない内容もあるかもしれません。ただ、少子化で若者がどんどん減っているというのもありますが、時代が大きく変わっていく中で、この考え方を持ってやっていくことは大事なのではないかなと思っております。

もしかしたら(みなさんの)価値観と異なる点があるかもしれませんが、それはそれで新たな1つの考え方として、引き出しの1つとして持って帰っていただけると幸いです。

「知っている」ではなく「できている」ことが大事

今日の内容は「オリエンテーション」から始まりまして、「生産性の高い組織とは」「気持ちを育てる」、そして「最後に」というまとめの流れで進めていければと思っております。

先ほど触れたように、本日はもしかしたら理解しがたい内容もあるかもしれませんが、今日の内容で大事にしていただきたい点について、あらためて確認です。本日のセミナーは「知っているかどうか」ではなくて、「日頃できているかどうか」を確認しながら、ご参加いただきたいと思っております。

今日、私がお話する内容について、「共感できるしわかっている」という方においては、わかっているかどうかではなくて、日頃そういうことができているかどうかを押さえていただきたいと思います。

じゃあ「できている」って何なの? という観点について。これはどんな業務でも一緒だと思っているんですが、見直す点は大きく2つです。それが「思考」と「行動」だと考えております。「考え方」と、実際の「行動」の2点が、習慣として持てているかどうかがすごく大事だと考えています。

なんで習慣が大事なのか。「知っているかどうかじゃなくて、できているかどうか」という話をしているのはなぜかと言いますと、人の行動には習慣がすごく影響しているということはよくご存じかと思います。

人間の行動のほとんどは無意識で行われている

じゃあ人の行動は、その人の日常の成果であったり、もしくは人間関係であったり、仕事における役割にどれくらい影響してくるかという観点です。そもそも人の行動のうち、「意識して行っている行動」と「無意識に行っている行動」の割合って、みなさんお聞きになったことはございますでしょうか。

意識的に行っている行動とは、例えばみなさんは今、画面を見ていただいていると思うんですが、「ちょっと一瞬目を閉じていただいていいですか?」と(言われて目を閉じるなど)、自分で意識的に行う瞬間のイメージです。

無意識というのが習慣なわけですので、座られている姿勢であったり、表情、手の位置とかは、全部無意識でされるはずなんですよね。

(意識して行っている行動と無意識に行っている行動の)割合はどれくらいかと言いますと、起きている時間の割合は3パーセント対97パーセントと言われていて、実はほとんどが無意識の行動なんです。

人の行動は、無意識=習慣でできているということなんですよね。仮に今日やる内容で「わかっている」「知っている」ということがいくらあったとしても、日常で起こった出来事を考えようとする思考と、それを行動として移そうとする行動習慣の2つの習慣がなければ、そもそも知識を持っていたとしても実行することができないんですよね。

なので、ここで大事にしていただきたいのは、いくら自分が今日の内容を知っていたとしても、日頃の思考習慣でその習慣を持っていなかったり、日頃の思考習慣で今日の考え方が発揮できていなければ、たぶん使えていないです。もし同じように、日頃の行動習慣や発言も持っていなければ、見直す必要があるんです。

じゃあ、どう見直すんですか? と言いますと、自分の習慣にない意識や自分の習慣にない行動は、意識して取り組むことで初めて無意識のレベルに変わっていきますから、初めて自転車に乗れた時のように、まずは意識的に乗るトレーニングが必要なんです。

過去の成功体験にとらわれるベテラン社員

今、お話している内容は、「意識」「無意識」の話だけなんですが、今日は「部下のマネジメント」というテーマになりますから、ここで重要になってくるのは、シンプルに言うと「人間関係」なんですよね。

対人の中ではうまくいく・いかないは別として、我々は幼少期からずっと、当たり前のように人間関係を構築してきているんですよね。だから、それをわざわざトレーニングをして身につけるという感覚を持っていない方が意外と多くて。

これは余談ですが、なんでそうなるかというと、どうしても過去の成功体験が邪魔をするというか、影響しているところがあります。

仮に40代、50代の方が組織にいた場合に、その方々が変わるのが難しいと言われる1つの要因は、過去の成功体験がどうしても邪魔をしてしまって、「今までこうだったから」という思考の習慣と行動の習慣があるから。

上司や社長から「こうしたほうがいいですよ」と言われても、その瞬間は「はい」と思う。これに嘘はないんですよ。ただ、そう思ったとしても、持っていない習慣を変えるということは、自転車の乗り方を覚えるのと同じくらい、イチからやらないといけないんですよ。

そのぐらいのポジションに上がってきた方は、どうしても今までやってきた経験が先に出てしまって、「今までのやり方でやれなくもないから、やろう」という感覚になってしまうんです。

だから本質的には、その人自身が自分の課題として「(自分には)こういう課題がある」と認識したら、意識的に取り組むことにチャレンジしていくのが非常に大事なのではないかなと思います。

意識的にやった結果、意識しないでも考えられるようになったり、意識しないでも行動できるようになることを「習慣化」と言いますので、ぜひ今日の内容を聞いていただきながら、考え方と行動の2軸で、日頃の自分と重ね合わせて聞いていただければ幸いです。

本セッションでは、実際の研修内容をそのままレクチャー

申し遅れましたが、あらためまして、私どもは株式会社シンプルプランと申します。主に社員教育、研修を行っている会社でございます。

従業員299人までの人事教育サポート「ブレーン」というかたちで、現状把握から計画立案、研修の実施、教育の実施や効果測定のお手伝いと、実際にその中で今日のような研修やセミナーの実施を行っています。

またちょっと変わったところで、特に新入社員向けの電話応対ですね。受電と言われるように掛かってきた電話を取ったり、クレーム対応を含めて、携帯を使ってカラオケ形式でできるトレーニング「ホスヴォイ」というサービスなどを提供している会社です。私は、そちらの代表をさせていただいております。

今日は、私どもが提供している研修のコンテンツをほぼそのままお伝えする内容になっておりますので、もしかしたら人によっては知っている内容も多くあるかもしれません。

とはいえ、人によってはそれなりに価値のある情報を提供できると思いますので、よろしければ最後までお付き合いいただければと思います。

私が会社を立ち上げて9年になりますが、現在はサービス業さま、食品メーカーさまさん、通信・IT企業さま、税理士法人さま、不動産営業の企業さまなど、あまり業種に偏ることなく研修・教育のお手伝いをさせていただいている会社です。弊社についてご関心があれば、またあらためて何かの機会に見ていただければと思います。

先ほどお伝えしたように、今日は私が日頃行っている研修と同じ内容になっております。ただ、今日はセミナーというかたちですので、私とみなさんとの双方向のやり取りはしないかたちで進めていきます。投げかけはさせていただきますが、リアクションはいりませんので、ぜひご自身でアウトプットしていただければと思います。

目標を持つと、物事の見え方が変わる

ということで、通常研修でやっている内容をそのままお伝えいたしますので、今日の目標設定から取り組んでみていただけますでしょうか。「軽い気持ちでセミナーに来たのに、目標なんてと言われても」と思われるかもしれませんので、軽い気持ちで考えていただければけっこうです。

そもそも、なんで目標が必要なのか。「ただセミナーに参加しているだけなので、別に目標なくてもいいじゃないか」というのはいいんですが、セミナーどうこうではなくて、仕事をする上でなんで目標が大事なのか、あらためて確認していただくことからスタートしていければと思っております。

ちょっと見ていただきたいものがあります。10秒間、ぜひじっくりとご覧ください。では行きます。問題です。

(画面にイラストが投影される)

木は何本生えていたでしょうか? 手元で書いていただいてもけっこうですし、頭で想像していただいてもけっこうです。何本だったかおわかりになりましたでしょうか。

余談ですが、これは研修の導入でけっこうやることが多いんですけど、以前研修の導入でやった際に「これが当たったら、今日の研修はここで終了にします」と言って、実際に当てられたことがあったんですが、意外とパッと出てこないんじゃないかなと思います。

実際の数字を確認していただければと思いますが、16本ですね。いかがでしたでしょうか? 問題を出さずにいきなり取り組んでいただいて申し訳ございません。たぶん、目的・目標を持つと見え方が変わります。

要するに、「木が何本か確認してください」といったら、当然木を数えたと思うんですよね。何が言いたいかというと、これが目標の重要性で、最初の10秒間でみなさん何を数えましたでしょうか。もしくは何を見ていたでしょうか。

例えば、何の動物がいるかを見ていたり、花がいくつ咲いているかを見ていたり、「動物の色が変わるんじゃないか?」と見ていたり、とりあえずボーっとしていたとか。

なんとなく時間が過ぎていた……を回避するために

ここでもう1つ重要なのは、たった10秒ですけど、目的を言わずに「絵だけ見てください」と言っても、人は何かを考えて勝手に行動するんですよね。

これが仕事において、上司が部下に目的や目標を明確に伝えないでも、なんとなく時間が過ぎる原理なんですよね。だからまず上司は、自分の部下に対して「何のためにやっているか」をきちんと伝えないといけない。伝えたところでパッと見たら、ついついクマに目が行っちゃう、とかあるんですよ。

なので重要なのは、上司は常に自分の部下に「こういう目標でやっているんだよ。何のためにやっているかというと、こういう目的なんだよ」ということを、日々二人三脚で伝えていく。また、部下もそこを意識して取り組んでもらうことが、非常に大事なのではないかなと考えております。

目的・目標を持つというのも、組織の風土、または上司の考え方にもよって大きく影響するものではありますが、日々習慣として持つと行動も変わってくると思っております。

ですので差し支えなければ、今日の目標について、お手元に書いていただくか、ご自身で想像していただくでもけっこうですので、ちょっと考えてみていただけますでしょうか。1分ほどお時間を取りますので、考えてみてください。

では時間となりましたので、ご自身が立てられた目標を頭の片隅に少し置いていただきながらご参加いただけると、またより良いのではないかと思いますので、片隅に置いて参加していただければと思います。

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