2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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高野葉子氏(以下、高野):続いてなんですが、コロナ明けの質問ですね。「コロナ明け、大多数がワクチンを接種した後の働き方がどうなっていくか、登壇者のみなさんの企業の方向性があれば知りたいです」というお話ですね。
石井穣氏(以下、石井):基本的に、STUDIOはもうずっとリモートかなと思います。先ほど言ったように、海外の人や地方の人とかもけっこう採用しているので、(働き方を)なかなか変えられないし。逆に世界の動向を見ても、今後リモートでうまくやる方法を模索していけたらなとは思ってます。
高野:これを機にシフトされるということですね。
深津貴之氏(以下、深津):個人的には、コロナでリモートワークを2年も経験しちゃうと、(出社に)戻れない会社や戻れない人がいっぱい増えてくると思うので、社会や働き方が大きくは4等分されるかなと思って。
横軸が、リモートできる人たちとリモートできない人たち。縦軸が、仕事がめっちゃできて熱量のある人と、仕事がそこまでできなくて熱量の低い人で4等分されて、それぞれでぜんぜん違うカルチャーが生まれるんじゃないかなとは思います。
例えば、mountさんは近いと思うんですが、仕事大好きで熱量高く、そういうめっちゃ強い人たちがリアルで集まって、すごいものを作るチームが一番強いところの1つです。
深津:もう1つは、同じように強い人が遠隔で働ける、物理的な制約を超えられるので、良い会社にめっちゃ集まる。つまり、今までだったら東京のめちゃくちゃ優秀な人が集まるだけだったのが、世界のめちゃめちゃ優秀な人が集まるという、総取り的にリモートワークを仕切れる会社が出てくる。
逆に悪いほうとしては、リモートになってくると、そういう位置とか調達コストが変わってくるので、一度出ちゃうと消費されちゃう人(が生まれる)とか。あるいは交換可能な仕事、交換可能な立場から出れない人になってしまうと、リモートでちょっと不利な立場になってしまって、疲れてしまう人が出たり。
逆にその立場に行かないために、自分は自信がないんだけれども、「今いる会社に永遠に物理でしがみつこう」という感じの戦略が生まれたりとか。
4種類のところにけっこう極端なクラスターができつつ、その真ん中にどっちつかずができて、そういう分かれ方をしていくのかなと。どれも生き方だと思うんですが、それぞれに向けた適切な生き方とか、行きたい会社があるんだったら、意図的な動きをしたほうがいいのかなと思います。
高野:4事象の人たちが1つの組織にいるって、イメージがなかなか付きにくいので、会社のカルチャーも分かれていきそうな。
深津:たぶん、どんどん分かれていっちゃうと思うんですよね。リモートだったら超すごい人たちがいて、仕事ができなかったら即座にクビになるけど、世界中のすげーのが集まってるところもできたりとか。
あるいは仕事がそんなにできなかったりとか、サボりながらやっちゃう人たちだけで集まったリモート(ワークの)会社が、めちゃめちゃ低パフォーマンスになったりとか。そういうのは起きていくんじゃないかなとは。
高野:これまで顕在化しなかったものが、顕在化しそうになっていくという。
イム・ジョンホ氏(以下、イム):コロナ後というか、さっき「リモートワークはしない前提で」という話をさせていただいたんですが、自分で話しといてはしごを外すような話しちゃうんですけど、たまに僕がスタッフに話す話があって。
「仕事から自由になってほしい」という話をよく言うんですね。わかりやすい例で言うと、仕事をコントロールできるようになるということなんです。
基本的にmountとして思ってるのは、まずど真ん中に「良いもの」の価値基準があって。その「価値基準を超えられるものを作る」っていうことだけを外さずに、それぞれが自分の振る舞いや仕事の仕方だったり、コミュニケーションの仕方も含めて、最適解な動きができるようになれば一番いい組織っていうか。
さっき深津さんが「4つに分類されるんじゃないか」って言っていて。要は、自由に「じゃあ今はこの状態だとここ」っていうのを、組織全体というよりは、個々が判断できるようなスキルや経験を積んで。僕が先ほど話してるような、その先にあるべき姿っていうのが、そういう感じなのかなとは思ってますけどね。
深津:たぶん、人によってはすごく優位になる人もいて。一番大きな例でいうと、女性の社会参画とかにはめちゃめちゃポジティブだと思うんですよね。
すごく頭が良くて、実力があって仕事もできた人が、結婚・子育ての後にはしごが外されちゃったりとか。子育てが大変で(仕事に)戻れなくなるシナリオって、フルタイムだとけっこう多かったと思うんですけれども。
逆に、フリーランス性の高い専門知識や専門職とかは、特にそういう方々(結婚・子育て後の女性)が、限られた時間だけどものすごいバリューを発揮できるんだったら、複数の会社で引っ張りだこになる人が出てきたりとか。あるいは限られた時間だけど、フルタイムの人以上に稼げる人とかが出てくると思います。
イム:お互いにストレスがないからね。前はそういうのがぜんぜんできなかったけど、今は逆に堂々とそういう雇用形態を自分から提案できたりとか、会社からも提示できるし。
僕らみたいなもの作りをする会社でも、最近はなかなか聞かないけど徹夜したりとか。過酷にやっていくことだけじゃなくて、ちゃんと定められた範囲の中で、今は自宅でできることが非常に増えてるから、そういった意味ではすごくポジティブだよね。
深津:特に住んでるところもそうだし、子育てもそうだし。あるいは足が悪かったりとか、健康的なこともそうなんですが。物理的ないろいろなネガがあって、実力が発揮できなかった人にとっては、逆にものすごく良い環境にはなるのかなとは思います。
イム:こばかなさんは?
小林かな氏(以下、小林):うちの会社もフルリモートでもやる覚悟というか、その前提で組織を設計しているので、そこは変わらないかなと思いますね。メリットでいくと、従業員の幸福度が高い傾向はすでに見られるんですが、「これまで働いてる中で、今が一番充実してる」というふうに、何人かのメンバーに言ってもらったりとか。
それがどうしてなのかを分解すると、やっぱり子育てと両立できるとか、あとは自分がしているもともとのお仕事とか、自分が持っている会社と同時に働ける。そういったところが、幸福度にすごくつながってるんだなって思っていて。
移動・出社の概念があると、自分の人生の中の多くが、かなりその会社にマインドシェアや時間が取られていくかなと思うんですが、「自分の人生の中の活動の1つとして、仕事がある」と、リモートだとより捉えやすいのかなというふうに思っていて。
コーチングの企業というのもあって、私たちとしては、自分らしい働き方や生き方を実現することは大歓迎なので。いろいろあるうちの1つとして、THE COACHを捉える。幸福度が高かったりすると、結果的に生産性とかも上がったりするので。熱量みたいなところでいくと、悲観的になるのではなく、けっこう楽観的に捉えている部分はありますね。
高野:ありがとうございます。では、こちらで質疑応答を以上とさせていただきますね。最後に登壇者のみなさんから一言ずつ感想をいただいて、終わりにしたいと思います。では、イムさんからよろしいでしょうか?
イム:冒頭で申し上げたように、コロナの期間中、個人的にまいったりとかしていて。「このまま行ったら会社も潰れるのかな」とか、そういうネガティブな側面もたくさんあったんですが。
全世界的にそういった状態になる、ということを自分で認識した瞬間に、非常に冷静になる自分がいたというか。そういう意味でいうと、今日こうやって呼ばれて話していたら、さらに自分の中でその整理ができてきました。
一回谷間に入って、次の10年、20年がどのぐらい続くのか、自分たちもぜんぜんわかってないんですが、そういった準備ができたコロナ期間だったんじゃないかと思って。かつ、今日もすごく良い機会をいただいたなと思って。良かったです。
高野:ありがとうございます。深津さん、いかがでしたでしょうか?
深津:やっぱり、人さまの会社の制作を聞けるのはめちゃめちゃ勉強になるので、それがとてもおもしろかったです。
THE GUILDは、フリーランスかつ全員がわりと独自性を持ってるので、こういう環境情報だとつい離れがちなっていっちゃいます。逆にmountさんみたいに、あえて全集中することで得られるものとか、ノウハウが聞けるっていうのは、すごくありがたいことだなとは思います。
高野:ありがとうございます。石井さんお願いします。
石井:僕も今日、いろいろお話を聞けてとても参考になりました。確かに、リモートでメリット・デメリットがたくさんあると思うんですが、僕の会社のことで考えると、今後の海外展開とかも含めて、リモートだと採用とかもいろいろスケールとかができるかなと思ってるので。リモートならではの働き方をちゃんと活用して、今後がんばっていきたいなと思いました。
高野:ありがとうございます。では、最後にこばかなさんお願いします。
小林:ありがとうございました。リモートワークをテーマにこれだけ話したことがなかったので、すごく学びがたくさんあったなと思っています。みなさん、やっぱりそれなりに大変なことがあるんだなって実感できたので、これを機にあらためて組織作りを考えていこうかなと思える、良い機会でした。ありがとうございました。
高野:ありがとうございました。では、ご覧くださったみなさん、スピーカーのみなさん、ありがとうございました。またお会いしましょう。
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