2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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高野葉子氏(以下、高野):では、次のテーマである「リモートワーク導入後、組織にどのような変化がありましたか?」という問いに入っていきたいと思います。先ほど自己紹介で、コロナ禍中に組織を立ち上げられたという、こばかなさんからお話をうかがっていきたいなと思います。どのようなかたちで組織を立ち上げたとか、詳しくお聞かせいただけますか?
小林かな氏(以下、小林):これまでリモートワークをあまりしたことがなかった中で、リモートワークでの起業を行ったので、けっこう壁にぶつかることが多かったように思います。よく言われることですが、やはり雑談が少なくなりますよね。今日はみなさんがそのあたりでどうしているのかを聞きたいと思っています。
逆にメリットもたくさんあると思っています。今、深津さんが言っていたとおり、移動時間がなくなるので、すごくストレスが減っていますよね。それぞれの環境で、集中するための部屋などを作れるのは、すごく良い面だと思います。
あとは、良くも悪くも働く時間がより曖昧になっていると思うので、ご飯に行く代わりに「Zoom飲み」じゃないですけど、夜にフラッと「Zoom会」をすることで、意外と対話の量は確保できると思っています。
高野:ありがとうございます。リモートワーク中に立ち上げられた組織ならではの工夫だと思います。
小林:石井さんと深津さんは、ビフォアコロナでも組織を運営されていたと思うんですが、そのあたりはどのような変化がありましたか?
深津貴之氏(以下、深津):一番大きいのは、やはりメンバー間のつながりが薄くなりがちなところですね。放っておくと、どんどん薄くなってしまうのが悩みどころです。
特に僕たちの場合、それぞれがある程度フリーランスや個人事業主として成立しているプレイヤー同士ですので、強制的に会う場所があることで、いろいろ情報交換やノウハウの共有ができていました。「新しくこれを一緒にやろうか」というふうに起きていた偶発的なトリガーが、オンラインでやるとなくなってしまって。
オンラインオンリーだと、仕事の事後報告的な話が多くなっちゃったり、お互い作っているものを、積極的に聞き合わないとわからなくなっちゃったりするので、そのへんが課題ですね。
やはり意識的に「オンラインでたまには飲み会やろうや」「勉強会やろうや」ということはしています。また、GUILD全体のお金で社員講習を開いたり、講師を呼んで授業したりして、参加を呼びかけるように気をつけています。
高野:へえ。
イム・ジョンホ氏(以下、イム):前はどういうつながりでやっていたんですか?
深津:前はリアルオフィスがあるので、なんとなく行けば(人が)集まる。オフィスに行けばいいのと、毎週火曜日に全体定例をやっていたので、そこでも交流のトリガーが発生していたかなとは思います。
イム:なるほど。
高野:けっこうスピーディに「(リモートワークになったから)これを取り入れよう」みたいな変化があったんですか?
深津:いや、そうでもないですね。
高野:へえ。
深津:油断しているとだんだん(つながりが)薄くなっちゃうぞ、みたいなのが、中盤以降に危機感として出てきた感じです。
高野:ありがとうございます。石井さん、いかがですか?
石井穣氏(以下、石井):もともとは全員出社が前提でした。新しいオフィスに移行したばかりでコロナ禍になって。でも、エンジニアが多いのですぐにリモートへ切り替えて、けっこう難なく作業的な面ではこなせていたかなとは思います。
でも、深津さんが言っていた偶発的な会話や、会話のセッションから出てくるアイデアは、やはり生まれづらくなってきています。
高野:ありがとうございます。「偶発的」を生むために、何か工夫はされていましたか?
石井:今だと月1で、集まれる人はオフラインで集まるようにしているんですが、やはり月1で決まった会だと、緊張じゃないんですけどカジュアルな感じではなくなっちゃって、そこは今、まだ模索中ですね。
高野:オフィス空間で偶発的に(生まれる)というところを、仕組みで解決するってなかなか難しいですよね。
石井:そうですね。例えば前は会社が渋谷にあって、帰り道も方向が同じだから一緒に帰って。そこでの会話で何か生まれることもあったんですけど、最近だとそういうのがないなと感じていますね。
高野:ありがとうございます。
高野:イムさんはどのようにリモートワークを導入されて、対応されているのか、お聞かせいただいてもよろしいですか?
イム:うちは去年の緊急事態宣言が発令されたあと、3ヶ月近くほとんどフルリモートで、本当に必要な人だけ出社することにしていたんです。
その間、先ほど申し上げたように、自分で非常にいろんなことを考えました。その上で、mountとしてはリモートワーク自体を推奨しないというか、スタッフのみんなに「社としては基本的には出社して、仕事をすることを前提にしたい」と(言いました)。完全に今日の趣旨から外れる話になっちゃうんですけど。
高野:(笑)。
イム:当然、感染対策はきっちりやりながらなんですけど。スタッフには「出社が前提だけど、自分の意思としてリモートワークをしたいのであれば尊重する」という話をしていて、最初はリモートワークをしている人もいました。
でも、今は全員出社していますね。うちは先ほど申し上げたように、コミュニケーションをすごく大事にしていて、全工程でコミュニケーションを密に行って仕事をするスタイルなんです。画面越しでコミュニケーションを取ること自体が非常にストレスだったり、逆にコストがかかったり、いくつか思うところもありました。
イム:あとは、感情を非常に伝えにくいと思ったんですよね。さっき深津さんと石井さんも言っていましたけど、「偶発的」とは、今この瞬間に自分が何かを投げかけて、それに相手が反応してくれて、「じゃあこういうふうにやろうか」というものですよね。
そういう、コミュニケーションにおける変数みたいなものが起こるから、ある意味おもしろいし、お互い絆みたいなものができると思うんです。そういったものが(リモートだと)とても希薄になってくるなと感じました。
深津さんがさっき言っていたように「帰属感」というか、自分たちの所属している感じや、その連帯感(も希薄になってくる)。特に新入社員はそうだと思います。3人採用したんですよ。
高野:ほう。
イム:正社員として6月に採用したんですけど、新入社員はそもそも会社に入った実感がないですよね。
深津:新入社員、かわいそうですよね。トレーニングがつらい。
イム:めちゃくちゃかわいそうなのよ。
深津:見て覚える、ができないですからね。
イム:(3人の新入社員のうち)2人とは、入って3ヶ月ぐらい画面越しでしか会話していないんですよ。過去の例と比べるとかわいそうなんですよね。何も教えられないし、試用期間なのに何も試用できないという。
深津:わかんないというね。
イム:そうそうそう。仕事もなかったんですね。帰属感もないし、成長スピードも遅くなる。直接会話したほうが早いというか。こうしたことが出社前提の話につながるんですが、緊急事態宣言以降にいろんなことが起こり、自分でよく考えました。そしてリモートワークじゃないほうがいいなと思い、基本的に出社にしました。
深津:なるほど。そうですね。
深津:全体傾向だと、僕もネガティブのほうが多いかなと思っています。たぶん、個人パフォーマンスとしては大きくプラスなんですけれども。
イム:そうね。
深津:個人の成長、およびチームのパフォーマンスとしては大きく低下というイメージがあります。自分だけで仕事を完結できる、能力のある人にとっては良い環境だとは思うんです。だけど、それ以外はマイナスのほうが大きいのかな。
イム:能力がある人だったら、ぜんぜん問題ないですよね。
深津:1人でできちゃうのでね。
イム:そうそう。
石井:僕も正直、リモートワーク賛成派じゃないですね。
イム:なるほどなるほど。
石井:さっき言ったように、スタートアップは、けっこう熱量高くやるんですが、それがなかなか上がっていかないという問題があるんです。僕はリモートワークに賛成ではないんだけど、もうそういう現象だと思って、完全に受け入れています。STUDIO社としては、今後もリモートワークをしていこうかなと思っています。
石井:チームも東京だけじゃなくて、地方はもちろん海外在住のメンバーもいるので。そういう人たちのことを考えると、リモートワークに賛成ではないけどしょうがない。リモート前提でうまく回していかなきゃいけないなとは思っています。
イム:僕たちは少人数だから。14年目で(スタッフが)14人ってめっちゃ少ないと思うんですよね。だから、もっとスケール感のある組織だったら、ハイブリッドでもオンラインだけでもいいと思います。スケールを広げるという意味では、リモートワークをうまく取り入れたほうが良さそうだとは思う。少人数でもそうなんですけど。
深津:そうですね。たぶん、さっき言ったようなメリット・デメリットがけっこうあるので、意図的にメリットに重心をかけたり、フォーカスできることが非常に重要です。
例えば、先ほどの「人が遠くなる」という話も、逆に言うと採用コストを抑えたり、採用範囲をグローバルにすることもできる。そう考えると、小さいスタートアップとか、採用で苦労している方々は逆にリモートにフォーカスして、世界中から人を集められるほうが有利ですし。
世界中から人を集める状態でしたら、カルチャーや時間がバラけていたりするのは、(リモートワークの)単純な前提要素の中で埋まってしまうので、そんなにネガティブにもならないのかなとは(思います)。
イム:「経営者」というキーワードだと、盲目的に「こういう決まりだからこうする」というのが一番危険ですよね。リモートワークだったり、一緒に仕事をしていく上でのスタイルだったりを幅広くしていきたい。さっき梅津さんが……梅津さんじゃない(笑)。
深津:梅津さんは(イムさんの)同僚。
(一同笑)
イム:パートナー、取締役(笑)。深津さんが話していたみたいに、メリットとデメリットも、(経営者である)自分たちできちんと昇華をした上でスタッフに伝えたいですよね。
深津:(これまでと)同じやり方のままリモートワークを導入したら、絶対にうまくいかないと思います。リモートにいくならリモートの良さを活かすべきだし、あえてリアルにいくんだったら、みんながリモートになって弱ったところを、逆に強みにするように調整が必要かな。
高野:そうですよね。組織の規模や、在籍している方のスキルや属性に合わせてうまく活用できると、組織にフィットしそうですよね。
小林:今、深津さんが言っていたこと、すごくわかるなと思って。うちはリモートスタートなので、全国各地や海外にいらっしゃる方も採用しやすいので、すごく窓口が広がったと感じています。
小林:在宅ワークをするということは、副業のしやすさも上がるので、結果的にメンバーの幸福度は総じて高いと思います。そういう意味では、持続可能性がけっこう出てきていますね。
高野:ありがとうございます。持続可能性、まさに私もリモートになってすごく感じているところです。私、リモート中に妊娠して出産をしたんですけれども、本当に無理をせずに出社をしなかったので、フレキシブルに長く働けるように感じました。(リモートワークは)個々の体に合わせた働き方にもなりますよね。
今、(こばかなさんが)おっしゃったように、個人に合わせてやっていけるので、すごく持続可能性を感じますね。
小林:そうですね。小さいお子さんがいる方を採用できて一緒に働けるのは、すごく大きいと思います。普通に出社していたら、こういう働き方はできていないだろうなと思うことがかなりあって。それが(リモートワークの)メリットだなと思います。
うちの会社はハイブリッドでやるのではなく、「リモートでやりきる」と決めていて。そうすることで疎外感も生まれず、組織の作り方もリモート専用になっていくのかなと思っています。
高野:ありがとうございます。
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