同調圧力の強い日本の中で幸せに生きるコツ

松原嘉哉氏(以下、松原):ありがとうございます。じゃあ、さっそくみなさんから集めた質問をご用意します。

1個目です。「才能プロファイリング、強み発掘などのさまざまな手法がありますが、ジーニアス・ファインダーという手法を思いつかれたきっかけを語っていただけますか?」と。

質問の補足はございますか?

質問者1:人ってたぶん自分のことを自己分析したりする機会に、いろんな手法を取り入れると思うんですけれども。その中で、このジーニアス・ファインダーという手法をどういうふうに思いつかれて、これを使ってどういうふうに自己分析とかに役立てていってほしいという、そういう思いとかがあれば教えていただきたいなと思っています。

山口揚平氏(以下、山口):そうですね。いろんな解析ツールがあるんですけれども、先ほどの“トゲ抜き”という概念がないので、今の時点での評価になっちゃったりとか、自己評価になったりしているのかなというのが、違うところ。1回ピュアにして、洗い流しをしてから、ピュアな自分の「自分はどういうものなのかな?」というところを洗い出そう、というのと。

あとは接続ですね。結局は「自分のジーニアスポジションから、どうやって物理的な世界に接続していくか?」つまり「仕事とか生活をどうやって接続していくのか?」ということを考えようと。それが、同調圧力の強い日本の中で幸せに生きるコツなのかなと思いました。

松原:ありがとうございます。大丈夫ですか?

質問者1:はい。ありがとうございます。

「過去の状態から心を整えていく」のが、トゲ抜き

山口:どんどんいきましょう。

松原:はい。2つめですね。「最近、トゲ抜きをしました。そのトゲは確かに幼少期から持っていたものなのですが、大人になってある事件が起きたことでやっと気づいたものです。リフレクションや友達からの声がけで楽になりましたが、トゲが溶けたのかわかりません。気づくだけでも大きい気はしますが、もう1歩進むためになにが必要だと思いますか」と。何か補足ございますか? 

質問者2:はい。書いたとおりな感じなんですけれども。小さい頃のことを調べていく中で、自分のトゲみたいなものに気づくことがあって。私、けっこうそこら辺をやっていたつもりだったんですけど、気づききれなくて。

ある事件があって「トゲが刺さってた」ということにやっと気づいた、みたいなきっかけがあって。「自分でも気づきづらいトゲがあるんだな」っていう、1つの気づきがあったのと。あと、トゲって抜けたかどうか。気づいたけど、抜けたかどうかよくわかんないなと思って。そこら辺ってどうなのかなというのを聞きたいなと思いました。

山口:そうですね。今回は『ジーニアスファインダー』という本をきっかけにして、ちゃんと裏側にシステムを構築していっているんです。

ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方

トゲ抜きとか、仕事との接続のシステムも開発をしているんですけれど。つまりあの本は、教科書的なかたちで読んでいただいて。

トゲ抜きに関しても、やっぱり3ヶ月から6ヶ月ぐらいセッションしないと、なかなかできないのかな? と思っています。ヨガや座禅みたいなかたちで、みなさんマインドフルネスとかで「心を整える」というのが、いま流行っていますけれども。

トゲも同じで。「今の状態から心を整える」というのが、ヨガとかマインドフルネスだとするならば「過去の状態から整えていく」というのが、このジーニアス・ファインダーのトゲ抜きだと思います。

「どこまでトゲが抜けたのか?」というのは程度論だと思いますので、気にする必要がありません。「抜けてよかったな」ということもないというか。まぁ、よかったかもしれないですけど「抜けてないな」って気がついたのもいいかもしれないかな? と思いますが。

メンタルとフィジカルの両方を組み合わせていくのがいい

山口:質問者さんに関して言うと、まず自分の限界もあるのでワークショップとか、プロのメンターと一緒に話しながらやると、自分の中にある溜まっているものが出てきたりしますから。自分で気がつかないものだったら、そういうふうにやったほうがいいかなと思います。

これもなんか、スピリチュアルな話とかになっちゃうとあまりよくなくて。フィジカルフィットネスというか。例えばスポーツジムとか、みなさん行かれることが多いと思うし、一般化しているんですけれども。

フィジカルフィットネスなどと同じようなかたちで「メンタルデトックス」とか「メンタルフィットネス」が、これから増えていくと思うんです。フィジカルフィットネスにパーソナルジムとかあるように、メンタルフィットネスにもパーソナルメンターがいて。

「こういうことがあって、こういうふうに感じて、こういうほうに知覚したんだよね」「あぁ、そっか。そのパターンですね」というのを、リフレクションしていくという。そういうふうにメンタルとフィジカル両方とも組み合わせていくと、いいんじゃないかなと。

しかも、それを習慣化するというのが、すごく大事です。それのパワーが、意外に知られていません。まぁでも、そのうちはやると思います。体も楽になりますので。

「国語力がある人」について

松原:はい。ありがとうございます。では次の質問。「気づいたら人に興味が向いているものの、向きすぎて辛くなることがある」と。

山口:うーん、辛いですね。

松原:「『人は自分に焦点を当て続けていると辛くなる』と(本に記載が)ありますが、自分に向きすぎているという辛さがある場合、国語をうまく使えていないということなのでしょうか」というところですけど。ちょっと補足いただいたほうがいいかなと思うんですけれども。 ちょっと補足いただけますか? 特性の向いているほうが、国語なんですかね?

質問者3:そうですね。個人的に見た時に「国語かな?」と思ったのですが。最近はそれが人に向きすぎて、それを経由して自分に返ってきて。自分の不甲斐なさとか、自責しちゃうみたいなところにくっついてしまうのかな? と思っていて。

そういう場合って、国語が弱みになっちゃってるのかな? とか考えて。どれが自分の才能性なのかな? というところに迷いがあったので、質問にあげさせていただきました。

山口:そうですね。国語という話の前に本当質問者さんは大変だなというのを思いました。辛い状態が少しでも和らげばと思います。

その上で、才能性が向いているのが「国語」ということの意味合いというのは「人を想う」ということです。「目の前の人に対して意識がぐっと向いていて、その人の考えていることとか感じていることを知覚して、適切な言葉をかけてあげられる人」っているんですね。

それは例えば「彼は・彼女はこういうふうに考えているんじゃないか?」ということが、頭で文章や言語になっていなかったとしても、モヤモヤとしたニュアンスをそのまままるごと認知できる人っているんですよ。

質問者3:はい。

山口:それで返すものは、具体的には「大丈夫?」といった言葉であり行動であり。「なにかで返す」ということは具体的なんですけれども。

認知する時というのは、モヤっとしたかたちの形容しがたいもので。それが得意な人を「国語力がある人」といいます。そして、相手のことがうまく知覚できたから辛くなるということは、必ず起こることではないと思うんですね。むしろそこから返ってくる、自分の中に湧き起こる感情が辛いんじゃないかな? と思いました。だからこれは「国語力」とは、違う話かなというふうに、思いました。

「いい・悪い」ではなく「ただ、そういうことがある」

山口:練習が必要だと思うんですけれども、自分が辛くなったり罪悪感を抱えた時に「自分がなにを感じているか?」ということを、普通に知覚することを続けてほしいなと思います。それで楽になります。

例えば罪悪感。「あぁ、私ちょっと罪悪感を感じているな」とか「『あの人に悪いことしたな』と感じてるな」というふうに「自分が考えたこと」「感じたこと」、それから「身体感覚」ですね。特に質問者さんの場合、感じたことを普通に知覚すればいい。

「私は今こういうふうに感じている」と。「なんか辛いと感じている」と。それはどういう意味であるか? というと「『辛いと感じているということ』を認知している人が質問者さん」だと思うんですね。これ、難しい話なんですけど。

「辛いと感じている」という感情は質問者さんではなくて、それをもし認知できたら、自分が「私は今、罪悪感を感じている」ということをもし認知して「私は辛いと思っています」と感じていたら、それを認知する人がいるというか。その(認知する人という)存在は質問者さん(自身)なので、その人は辛くないということだと思うんです。

とっても難しい話をしているんですけれども。「自分が考えていること」「自分が感じていること」、そして「自分の身体感覚」を丁寧に知覚するということが、まず大事かなと思っていて。責める必要はまったくないというか。結局「いい」とか「悪い」とかいうのはなくなって。「ただそういうことがあるよ」ということです。

「友達が離れていきました」そういうことがあります。「離婚しました」そういうことがあります。「誰かに詐欺に遭いました」まぁ、そういうことはあります、という。

「私はそう感じて、非常に辛いと感じました」「私は憤りを感じています」とか、そういうことが“ただある”という感じ。それ自身が「いい」とか「悪い」とかいうことに、評価する意味はないという状態が、一番整っている状態かなとは思いますね。

禅問答みたいで申し訳ないんですけれども。だから責めるべき相手ってあまりいないと思うんです。

質問者3:はい。ありがとうございました。