2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
Why Do Things Look Blurry Underwater?(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ローズ・ベアドントウォーク氏:正常な視力の持ち主なら、泳いでいると、水中では視界がボヤけてしまうことにお気づきでしょう。ところが魚をはじめとする水中の生き物は、水の中でもまったく問題なく物を見ることができます。
ではなぜ私たち人間は、水中では正常に物を見ることができないのでしょう。人間の目は、魚より性能が劣るのでしょうか。いいえ、決してそんなことはありません。人間の目は単に、空気中で焦点を合わせることに適しているだけなのです。
目は、入って来る光が曲がること、つまり屈折することにより見ることができます。通常であれば、ある密度の物質の中を進んでいた光が、異なる密度の物質にぶつかると速度が落ちます。速度の落ちた光が、屈折するのです。
物質の中での光の速度を示す値が、屈折率です。密度の高い物質は、屈折率が高くなります。ある物質の中を進んでいた光が、異なる物質にぶつかった時に曲がる度合は、屈折率と進入時の光の角度により異なります。
例えば、水の入ったグラスに入れたスプーンを思い出してみてください。空気と水では屈折率が異なるため、スプーンは曲がって見えるでしょう。
物を見る時に、進入してくる光が最初に当たるのは、目の一番外側にある角膜です。角膜の密度は高いため、光は屈折します。屈折と角膜のカーブにより、光は角度を変え目の中心部へと進みます。角膜の次に光が当たるのは、水晶体です。水晶体の密度はより高く、光はさらに屈折します。こうして光は、眼球の後ろの壁に小さく像を結びます。
しかし、水は空気よりもはるかに密度が高い上、人間の角膜とほぼ同等の屈折率です。そのため水中で角膜にぶつかった光は、ほとんど屈折できません。屈折できるほど、光がスピードを落とすことができないからです。水晶体に当たった光は少しは屈折しますが、目の構造自体はまったく変わらないため、水中で人間の目に入った光は、屈折する力を半分以上失ってしまうのです。
適切に絞られた光は、眼球の後ろの壁に焦点が当たりますが、うまく絞り込めない光は、ぼんやりと広がってしまいます。そのため、脳は目が見ている像をうまく解析できません。
しかし、これを簡単に解決できる手段があります。目の前に空気の塊があれば、光は屈折する力を取り戻すことができます。つまり、ゴーグルをかければ、水中でもはっきりと物を見ることができるのです。
ところで、光が水からゴーグルに当たると、屈折率が変わるので少し屈折します。すると、これが拡大鏡のような作用を起こします。ゴーグルをかけると、物が実際よりも少し近く見えるのは、このためです。
では、魚はゴーグル無しでどのように物を見ているのでしょうか。人間が空気中で物を見ることに適応したように、魚も水中で物を見ることに適応しています。魚は、角膜よりも水晶体の方で主に焦点を絞ります。魚眼の水晶体は、人間のそれよりも高い屈折率です。さらに人間よりも丸みを帯びているため、屈折する力も非常に高いのです。
しかし、この裏には苦労もあります。何百万年もの昔、水から最初に陸上へ上がった魚は、空気中ではうまく物が見えなかったに違いありません。水棲生物に特有の強力に焦点を絞り込む水晶体を持っている上に、空気中では角膜の働きが強くなり、より強く焦点が絞られたからです。焦点は、うまく絞り込めなくても過剰に絞られても、ぼやけて見えづらくなるのです。
人の目は水中ではうまく見ることができませんが、決して劣っているわけではないのです。何百万年もの昔に発生した問題を、見事解決したのです。
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗