2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
Why Do Things Look Blurry Underwater?(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
ローズ・ベアドントウォーク氏:正常な視力の持ち主なら、泳いでいると、水中では視界がボヤけてしまうことにお気づきでしょう。ところが魚をはじめとする水中の生き物は、水の中でもまったく問題なく物を見ることができます。
ではなぜ私たち人間は、水中では正常に物を見ることができないのでしょう。人間の目は、魚より性能が劣るのでしょうか。いいえ、決してそんなことはありません。人間の目は単に、空気中で焦点を合わせることに適しているだけなのです。
目は、入って来る光が曲がること、つまり屈折することにより見ることができます。通常であれば、ある密度の物質の中を進んでいた光が、異なる密度の物質にぶつかると速度が落ちます。速度の落ちた光が、屈折するのです。
物質の中での光の速度を示す値が、屈折率です。密度の高い物質は、屈折率が高くなります。ある物質の中を進んでいた光が、異なる物質にぶつかった時に曲がる度合は、屈折率と進入時の光の角度により異なります。
例えば、水の入ったグラスに入れたスプーンを思い出してみてください。空気と水では屈折率が異なるため、スプーンは曲がって見えるでしょう。
物を見る時に、進入してくる光が最初に当たるのは、目の一番外側にある角膜です。角膜の密度は高いため、光は屈折します。屈折と角膜のカーブにより、光は角度を変え目の中心部へと進みます。角膜の次に光が当たるのは、水晶体です。水晶体の密度はより高く、光はさらに屈折します。こうして光は、眼球の後ろの壁に小さく像を結びます。
しかし、水は空気よりもはるかに密度が高い上、人間の角膜とほぼ同等の屈折率です。そのため水中で角膜にぶつかった光は、ほとんど屈折できません。屈折できるほど、光がスピードを落とすことができないからです。水晶体に当たった光は少しは屈折しますが、目の構造自体はまったく変わらないため、水中で人間の目に入った光は、屈折する力を半分以上失ってしまうのです。
適切に絞られた光は、眼球の後ろの壁に焦点が当たりますが、うまく絞り込めない光は、ぼんやりと広がってしまいます。そのため、脳は目が見ている像をうまく解析できません。
しかし、これを簡単に解決できる手段があります。目の前に空気の塊があれば、光は屈折する力を取り戻すことができます。つまり、ゴーグルをかければ、水中でもはっきりと物を見ることができるのです。
ところで、光が水からゴーグルに当たると、屈折率が変わるので少し屈折します。すると、これが拡大鏡のような作用を起こします。ゴーグルをかけると、物が実際よりも少し近く見えるのは、このためです。
では、魚はゴーグル無しでどのように物を見ているのでしょうか。人間が空気中で物を見ることに適応したように、魚も水中で物を見ることに適応しています。魚は、角膜よりも水晶体の方で主に焦点を絞ります。魚眼の水晶体は、人間のそれよりも高い屈折率です。さらに人間よりも丸みを帯びているため、屈折する力も非常に高いのです。
しかし、この裏には苦労もあります。何百万年もの昔、水から最初に陸上へ上がった魚は、空気中ではうまく物が見えなかったに違いありません。水棲生物に特有の強力に焦点を絞り込む水晶体を持っている上に、空気中では角膜の働きが強くなり、より強く焦点が絞られたからです。焦点は、うまく絞り込めなくても過剰に絞られても、ぼやけて見えづらくなるのです。
人の目は水中ではうまく見ることができませんが、決して劣っているわけではないのです。何百万年もの昔に発生した問題を、見事解決したのです。
関連タグ:
2024.12.20
日本の約10倍がん患者が殺到し、病院はキャパオーバー ジャパンハートが描く医療の未来と、カンボジアに新病院を作る理由
2024.12.19
12万通りの「資格の組み合わせ」の中で厳選された60の項目 532の資格を持つ林雄次氏の新刊『資格のかけ算』の見所
2024.12.16
32歳で成績最下位から1年でトップ営業になれた理由 売るテクニックよりも大事な「あり方」
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
PR | 2024.12.20
モンスター化したExcelが、ある日突然崩壊 昭和のガス工事会社を生まれ変わらせた、起死回生のノーコード活用術
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.18
「社長以外みんな儲かる給与設計」にした理由 経営者たちが語る、優秀な人材集め・会社を発展させるためのヒント
2024.12.17
面接で「後輩を指導できなさそう」と思われる人の伝え方 歳を重ねるほど重視される経験の「ノウハウ化」
2024.12.13
ファシリテーターは「しゃべらないほうがいい」理由 入山章栄氏が語る、心理的安全性の高い場を作るポイント
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
Climbers Startup JAPAN EXPO 2024 - 秋 -
2024.11.20 - 2024.11.21
『主体的なキャリア形成』を考える~資格のかけ算について〜
2024.12.07 - 2024.12.07
Startup CTO of the year 2024
2024.11.19 - 2024.11.19
社員の力を引き出す経営戦略〜ひとり一人が自ら成長する組織づくり〜
2024.11.20 - 2024.11.20
「確率思考」で未来を見通す 事業を成功に導く意思決定 ~エビデンス・ベースド・マーケティング思考の調査分析で事業に有効な予測手法とは~
2024.11.05 - 2024.11.05