お金を払ってコミットすれば、それはもはやエンターテイメント

平田麻莉氏(以下、平田):箕輪さんの著書(『死ぬこと以外かすり傷』)のなかですごく印象的だったことに、副業はノーリスクでギャンブルできる、フルスイングで打てるというお話がありました。

会社員として守られた基盤がありながら、箕輪編集室というプラットフォーム上でいろんなチャレンジできるのは価値だなと思ったりするんですけれども。

箕輪厚介氏(以下、箕輪):ノーリスクって言ったかな? 僕はどっちかというと、サラリーマンの方がノーリスクだと思っていて。

平田:あ、ごめんなさい。サラリーマンとして副業をやることが(ノーリスク)、ということですよね。

箕輪:あー、そうか。自分でなに書いたか忘れちゃったな(笑)。オンラインサロンに大きなリスクはないと言っているのも、ぶっちゃけお金もらってないからなんでね。だから無責任でいいってわけじゃないんだけれども、ある種好きだからやってるというとこがあって。

これのおもしろいのが、逆転現象で皮肉な話なんですけど、正直会社員として仕事するより全然やる気があるんですよ。

それというのも、お金をもらってると「やらされてる感」がなぜか出てしまって。仕事の量が100で、月30万円と決まっているところに、追加で20ぐらいの仕事をいきなり振られると、「20損した!」と思っちゃうんですよ。

なんで残業しなきゃいけないんだよと思うんですけど、逆にお金を払ってコミットメントしてると、もはやエンターテインメントで習い事なんです。

お金をもらった瞬間、「楽しさ」が「労働」に変わる

箕輪:例えば「落合陽一のインタビューの文字起こししたい人!」と声をかけると、みんな手を挙げるんですよ。しかもがむしゃらにやるんです。それで、落合陽一さんもそれにリアクションしたりするわけですよ。「ありがとう」みたいに。そりゃもう、楽しくてしょうがないんです。

もし幻冬舎内で「落合陽一の文字起こししてください」と言ったら、絶対みんな仕事が増えたって思いますよね。これってお金が絡むことによっての不幸で、もらうってことになってしまった途端、労働だと思ってしまうんですよね。

モチベーションが高い状態って、多くの仕事にとってはベストなことですよね。とくにクリエイティブなコンテンツを作るというのは、正解がないから、ぶっちゃけ30くらいで諦めても出版できるし、120までがんばってもいい。そこの差ってはっきり言って自分のこだわりで、上司が判断するものでもないんです。ただ、自分のこだわりが強いものが結果的には世間にウケるんで、やっぱりやらされ仕事でやっているようなコンテンツって世間の人は気づくんです。

平田:そうですね。見抜いてしまいますよね。

箕輪:そう。だから「やりたいからやってる人」が集まっていると非常に強いですよね。

平田:そうですね。本当におっしゃる通りです。よく「will・can・must」とかって言いますけど、日本人ってどうしても、仕事だとmustの感覚だけでお仕事してる。そこにwillがない。実際、人事制度的にも、本人のwillに関係なく異動させられたり転勤させられたりするので、致し方ないかもしれないんですけど。サロンとかの副業って、willしかないというか、始まりがwill以外になにもなかったりするので、だからこそ熱狂的になれる。

副業がお金をもらう仕事なのは、本質的ではない

箕輪:そうですね。だから僕は「副業を推奨する」とか「副業した方がいいですか、しない方がいいですか」って、クソどうでも良い話だと思っていて。「勝手にしろ!」なんて思うんですよ、大人なんだから。

平田:自己責任(笑)

箕輪:でも、僕が「いいなぁ」って体験として思うのは、オンラインサロンだろうがボランティアだろうが、趣味だろうがなんでもいいんですけど、お金をもらわずにやる好きなことが、お金をもらうことに変わる段階ってすごい滑らかだってことで。

さっき言った話なんですが、うちのオンラインサロンに入っている人って本業が別にあるんですけど、僕にお金を払ってデザインをやったり、僕にお金を払って動画をやったりするんです。好きだし、楽しいからやるんですね。でも、それが評価されていくと、逆にお金をもらえるようになる。これがすごく滑らかな気がしていて。

副業と本業だけだと、両方ともお金をもらう仕事で、単純に場所が増えるだけ。それって本質的なものではない気がしています。自分の好きなことで、お金に関係なくやってるものが結果的に「お金を払ってでもやってほしい!」に変わってハマるというのが大事で。それが結果的に本業になったら、それって幸せな人生じゃないですか。

平田:いやあ、まさにそうですね。この前のセッションでも、会場からの質問で、副業を始められたきっかけがけっこうみんな趣味とか、飲み会とかだったんで。線引きはどこですかという質問があったんですけど、線引きってあんまり意味ないよねと。

箕輪:超意味ない。

平田:シームレスで楽しければいいじゃん、という。楽しいことこそ、やっぱり結果が出るから、人の目に留まることも出てくる。

箕輪:だって、楽しいことだったらぶっちゃけお金を払ってでもやりたいし、お金をもらえなくてもやりたいじゃないですか。

やりたくない仕事は倍額で見積もりを出す、というテクニック

箕輪:こういうと「楽しいことなんてないんですけど」と言われたりするんです。それね、本当はめっちゃ楽しいってわけじゃないんですよ。でもこういうイベントだったり、TOKYO MXなんかのくだらないテレビ番組に出るのとかは楽しいですよ。タダでもやります。

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