2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
リンクをコピー
記事をブックマーク
三木アリッサ氏(以下、三木):どうぞよろしくお願いいたします。本日のスケジュールはこちらです。まず、私たち発起人より、この会の趣旨をご説明させていただきまして、そこから澤さんによる神様のプレゼンをお送りいたします。いいですか、みなさん。心に刻んで、救われると思って聞いてください(笑)。
今日はあくまでもプレゼン道場です。単に聞くだけでは終わりませんので、澤さんの講演をしていただいたのちに、ぜひみなさんにアウトプットをしていただきたいです。そして最後、もし興味がある方2名いらっしゃいましたら、ここに立っていただいて、みんなの前でプレゼンをし、さらに神様よりご加護をいただけるという。
(会場笑)
はい、そういう流れとなっております。それではまず、私たち共同発起人より、ごあいさつをさせていただきたいと思います。まず、そちらにいます、青木優と私、三木がイベントを開催することとなりました。テンションを上げるために大きな拍手をお願いいたします。
(会場拍手)
ありがとうございます。気持ちいいですね。あとで一人ひとりチューをしたいところなんですけど、さすがに100人くらいだと、ちょっと筋肉痛になりそうなんで、やめときます。
スタッフ:それはやめておきましょう。
三木:やめておきましょう。
(会場笑)
三木:冗談はここまでにしておいて、なぜこんなイベントをやるようになったのか、その趣旨をご説明させていただきたいと思いますが、実は今回サブテーマがあったんです。それはこちら。「常識から離れてみよう」です。ということで、さっそく、常識から離れていただきたいと思います。
今日は私のこと、アリッサと呼んでください。いいですか?アリッサです。三木とは呼ばず、アリッサです。この空気、重いけどもう1回言おう。アリッサですよ!
(会場笑)
というのも、実はこう見えて、私はアメリカで生まれ育ちまして、本名がアリッサ・クリスティーナ・三木なんです。これほんと。名古屋出身の母が、ミーハーで、せっかくアメリカで生まれたから、ちょっといい名前つけたくない? ということで、クリスティーナがついちゃった(笑)。
でもクリスティーナって、日本にいると書かないんですよね。だから、パスポート申請のたびに「あれ、スペル何だったけ?」ってチェックをして…… こんなアリッサ・クリスティーナ・三木なので、ぜひ今日は常識にとらわれず、三木さんではなく「アリッサ」とお声がけください。これ私よく日本人の方にお願いするんですね。でも、みなさんだいたい「三木さん」って遠慮されるんですよ。いいですか、空気読んでよ~。
(会場笑)
アリッサでよろしくお願いいたします。
参加者:アリッサ~
三木:ありがとう~。他も言っていいんだよ。
参加者:アリッサ~
三木:もうチューする。それは決定。
参加者:いい。
三木:いらない? 失礼しました。さぁ、こんなアリッサですが、単なるハイテンションな女の子じゃございません。ご安心ください。実はこう見えて私、2018年の7月に発売された『Forbes JAPAN』で「地球で耀く女性100人」に最年少で選ばれました。イエ~イ!
(会場拍手)
なんで『Forbes JAPAN』さんに選んでいただいたかと言いますと、このプレゼンの道場以外に立ち上げた、イスラエル女子部の活動を認めていただいたからなんです。
実はイスラエルというのは、出生率3人を超えていて、OECDナンバーワン、さらに女性の社会進出ランキングもトップテン入りと、まさに家庭も仕事も両取りをしている国なんです。こういった働き方改革の考え方を伝授するであったり、あるいはイスラエルのハイテクの情報を簡単にわかりやすく解説していたり、と面白いことをしているということで、認めていただきました。
このイスラエル女子部自体は、2018年の1月に発足しましたが、おかげさまで延べ1,000名の方に講演をさせていただきまして、もともと最初は自分からアピールして、「私に講演させてくれよ~。お~い」みたいなことをやってたんですけど。途中からそうではなく、芋づる式のようにどんどん呼ばれるようになったんです。
なぜ、どんどん呼ばれるようになったかと言うと、実はこう見えてアリッサはプレゼン歴10年以上。中学校の時にスピーチを始め、高校の時にはプレゼンテーションの勉強を始めました。
そして、おかげさまで日本代表として国際会議に出たり、あるいは学生のときにプレゼンテーションコンテストでたくさんの賞をいただいたりと実績を積んできました。ちなみに、今日そのプレゼンテーションコンテストで優勝したメンツもここにいまして。非常にやりづらい。なんで聞きに来た?
(会場笑)
嘘です。ありがとうございます。
三木:こうして学生の時から、いろんなプレゼンをさせていただいています。そんな私が2つモヤモヤする違和感を覚えていました。
まず1つ目。「日本に今、出回っているプレゼンスタイルは、はたして日本人に合っているんだろうか?」ということ。
確かに最近、澤さんを始め、いろんなプレゼンテーションを伝えていらっしゃる方がいます。ただ、そういった、今日本で溢れてるプレゼンテーションって、日本人に合うんだろうか…?と。例えば、TEDとか、1人がスポットライトを浴びて、強いワードを見て「フーーー!」ってみんなが言うパターン。個人的には大好きなんですけどね。
ただ、一応、私も日本で育ってきていて、はたしてこの強いワードを選ぶアメリカ式のやり方を私たち日本人は無理して合わせる必要性ってあったんだっけな~? と思ったのがまず1点。
そして2点目、未来の組織に、この今のプレゼンテーションのやり方っていうのは、本当に合うんだろうか? 確かに今、日本というのはトップダウンの時代です。上の人を説得したり、あるいは上から下にどう降ろすかということに関しては、アメリカ式の強いプレゼンテーションの仕方は合っているのかもしれません。
ただ、最近よく言われている働き方改革において、いわゆるアメーバ式とか、あるいはティール式とか言われている組織の中で、おそらくプロジェクトごとに、人が選ばれ集まり、そしてプロジェクトが終わったらたぶん離れていく、という働き方にますますなっていく。
そんな中で、今のアメリカ式って本当に合うんだっけ? (クレイジーケンバンドの写真が貼っているスライドをさして)今のアメリカ式の「俺の話を聞け~♪」のやり方で本当に合うんだっけ?と。
(会場笑)
こんなやり方、合うんだっけ? ずっとモヤモヤしてたんです。そんな中で、共同発起人の青木といろいろ話していて、さらに女性が今後、ますます社会進出する中ではこれは合わないよね、じゃあ、どういうのが私達にフィットするんだろうと。
(スライドを指して)そこで考えたのがこちら。思わず、味方になっちゃう。思わず味方になっちゃって、自分もそのチームも、みんなが楽しいプレゼンスタイル。もしかしたらこれって、今後の未来のプレゼンテーションなんじゃないかな?と。
そこで、私たちはファン(FAN)とファン(FUN)を掛け合わせて、「ファンぷれ!」というプレゼン道場を立ち上げました。例えばプレップ法とか、既存のプレゼンスタイルは、もちろん勉強する必要性があります。
三木:でも私たちはさらにオントップで、3つ身に付けたいと思っています。まず一つ目、内容。例えば感動するような内容。お涙ちょうだいでもいいですよね。あるいは最初からこう、私のプレゼンみたいにガハガハ笑うのだっていいと思うんです。そういう内容、見せ方。
2つ目は言葉のデザイン。日本語って、面白いことに4つでデザインできます。ひらがな、カタカナ、漢字、記号。無限に表現できるんですよ。
そして最後に、ボディランゲージ。手の動き1つで、怒っているように見せたり、あるいは悲しそうに見せることは簡単にできるんです。こういったことを駆使して「ファンぷれ!」を作りたい。そこで前回の1回目は、ボディランゲージについて勉強しました。
とくに、トランプ大統領やオバマ前大統領のボディランゲージを比較して、「みなさんはどっちの雰囲気が好きですか?」と問いました。そして今日は、内容・言葉のデザインを、ぜひ勉強していきたいなと。
そしたら勉強するなら、やっぱり神様に聞いた方がいいだろうと。
(会場笑)
実は裏話がありまして、澤さんとお会いさせていただいたのはたぶん2ヶ月くらい前なんです。澤さんと初めて会った直後に、澤さんがとあるイベントに登壇されたんですね。そのイベント会場の目の前で、あたかも今来ましたかのように「澤さん!」って声かけて近づいてこのイベントの趣旨を説明したと……。それくらい変態に、今日は準備しました。だからみんな、今日感謝してね。
(会場笑)
さぁ、この「ファンぷれ!」ですが、あくまでもプレゼン道場です。最初に言ったとおり、講演だけで終わりにしたくありません。ぜひ、みなさんに実践していただいて、今日持って帰って、明日からもできるようにしていただきたいと思っています。
そこで、今日このあと澤さんにレクチャーしていただきますが、こんなことをテーマに、みなさんに実践していただきます。今日、澤さんがお話しした内容を、もし家族にレクチャーするならどうしますか?しかも1分で。「1分で話す」をちょっと入れてみた。
(会場笑)
わかる人はわかるよねえ~。そうこの「1分で話せ」。1分で家族にレクチャーをしていただきたいと思っています。それではみなさん、大きな拍手でお迎えくださいませ。
(会場拍手)
澤円氏(以下、澤):じゃあ改めましてこんばんは。「圓窓」という会社。こちらは一応屋号だけなんですけれども、個人で活動するときの名前として使っています。そちらの澤を今日は呼んでいただいた、ということになります。
ということで、僕のほうでは「次世代のファン創り」プレゼンということで、みなさんがどうやってファンをつくっていくのかを念頭におきながら、ふだんやっているプレゼンの講座をサブセットでお送りしたいと思います。だいたい僕はプレゼンの講座をやってくださいっていわれると、マックスだと3時間なんですね。座学の講座だけで。
ワークショップを入れるともう丸1日とかっていうのも、ザラにあるんですけれども。今日はそこのあたりもギュッと絞って、30分でみなさんにお伝えしたいなと思っています。まず、すごく大事なことを言います。これでもサラリーマンですからね。一応、会社勤めです。
(会場笑)
こないだ、Charさんが前に座っている状態で飛行機に乗ってですね。絶対にCAさんは勘違いしてますね。(僕を)バンドの関係者だと思ってます。
(会場笑)
この間、大泉洋さんが隣に座って、あいさつをすべきかどうかすごく迷いました。僕がただの一般人だということで、どうやって伝えようかなと(笑)。
僕は一般人は一般人なんですけど、人前に出ることは多いです。プレゼンテーションの回数は、昨年が年間で266回。2018年はたぶん300回いくんじゃないかなと思います。かなり機会は多いかなと。今日は、話し方についてはほとんどしゃべりません。ほとんどは考え方について、みなさんにお伝えしたいと思います。
まずなんですけれども、プレゼンテーションというのはすごく高いものなんですね。高いと言っているのは、僕の講演料の話をしているわけじゃありません。これはみなさんも含めてなんです。この場っていうのは、時間と空間を共有していますから、一番コストが高いんですよね。わかります? 最近「働き方改革」ってありますよね。このキーワードを出すと、なんか50人くらい押し寄せてきそう。
(会場笑)
「働き方改革」ってキーワードがあるじゃないですか。あれって残業なくせとか言ってるでしょ。でも、それはちがいますからね。あれって一番やんなきゃいけないのは、無駄な会議をなくすことなんですね。一番やんなきゃいけないのは、おっさん退治なんですけど。まぁ、それは置いておいて(笑)。
なぜかっていうとコスト意識がなくなっちゃうんです。人を集めるということに関しては。なんとなくみんな集まってきている。だけど、プレゼンテーションっていうのは、みなさんの移動時間や、この拘束時間を考えると一番高いんです。それを考えないといけない。
それからプレゼンテーションっていうのは、非常にリスクが高い。(スライドを指して)もうリスクと言ってこの人の顔(ドナルド・トランプ)が出てくると、非常に説得力があると思うんですけども。
(会場笑)
彼(ドナルド・トランプ)は、大統領である以前にビジネスパーソンなんですよね。だからビジネスパーソンはリスクを取ってなんぼなところがあるので、彼のプレゼンテーションはリスクを取りすぎて、だいたいアウトです。
(会場笑)
ただ、それによって大きなものを動かすということをやってる。それによって何をするかというと、要するにチャンスをつくるんですね。プレゼンテーションってチャンスをつくるものなんです。
澤:ということについて、もう少しくわしくお話をしていきます。(スライドを指して)この方が誰だかわかりますか?
参加者:マーティン・ルーサー・キング。
澤:マーティン・ルーサー・キング。有名なセリフは?
参加者:私には夢がある。
澤:私には夢がある。あえて日本語訳ね。
(会場笑)
というプレゼンテーションをしました。このことについて、もう少しあとでちょっと深掘りをします。私には夢がある。「アイ・ハブ・ア・ドリーム」というのが彼の非常に有名なフレーズ。
(スライドを指して)この人、わかりますかね? 若い世代に見せたら、本当に「チャップリン」って言う人がいるんです。
(会場笑)
ヒトラーさん。ヒトラーさんの有名なセリフというか、彼がプレゼンの時に必ず言っていた文章を知っている人っています? センテンスで。(スライドを指して)これ(「労働者に仕事とパンを」)をひたすら言っていたっていう。これ知らない人が多いと思うんですけど。
実は彼って、ものすごくプレゼンがうまいんですよ。やっぱり人類の黒歴史になっちゃってるんで、あんまりそういう紹介のされ方はしないんですけど、実際にはプレゼンテーションがめちゃくちゃうまいんですよ。ですので、あのポジションまで行ったんですけど。
彼が言っていたのは「労働者に仕事とパンを」。これだけを言っていました。これがキラーフレーズだったんですね。それはどういう観点で分析できるかを、あとでお話しをします。
それから、スライドのおじさんはわからなくても、横のげっ歯類を見ればわかりますね。ミッキーマウスね。ウォルト・ディズニーさん。ウォルト・ディズニーさんは100回くらい銀行に対して、プレゼンテーションしたそうです。なぜか? ディズニーランドをつくる時に、ぜんぜん融資を受けてもらえなかったから。
「そんな大人が来る遊園地なんて、できるだわけねぇだろ」というので、ぜんぜん出資をしてもらえなかったんです。それで必死になって、ずっとプレゼンをしていって、だんだん質を上げていって、最終的にはもうディズニーランドの模型をつくって持ってプレゼンして、ようやく融資を引き出した。
そのあとどうなったか? みなさんご存知のとおりですよね。もう世界中にディズニーランドがあるわけです。要はどういうことかというと、プレゼンテーションが世界を変えてきたんですね。
もっと言うと、もう一歩踏み込んで言うと、僕はプレゼンテーション以外で人類の歴史は変わっていない、と言い切れます。全部プレゼンで決まっているはずなんです。
関連タグ:
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗