2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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角田陽一郎氏(以下、角田):6原則について1個ずつ読ませていただくと、「AIの発達」、「個人のつながり」、「新技術の登場」、「道具の進化」、「ネット販売の普及」、「生活習慣の変化」という状態があると。
例えばAIの発達によって、この仕事ができなくなり絶滅するとか。個人のつながりが大事になるから、代理的な仕事がなくなるとか。そういうことが書かれているということですね?
七里信一氏(以下、七里):そうですね。まあ、職業がなくなる理由は、この6つでほぼ当てはまります。これ以外のものはほぼないと思います。私も相当これのデータを取ったので。
角田:他にないし、あったとしても1の1.5とかそういうことですよね。2の派生形とか。ちなみにね、これ個人的な感想ですけど、絶滅する職種65があるんですけど、そこにテレビディレクターがなかったんですよ(笑)。
最初これ読んだ時に、ディレクターがあったら、今日どういう感じで聞けばいいのかなと思ったんですけど。見てみたらテレビディレクターもなかったし、一応僕はプロデューサーなんですけど、プロデューサーもなくてちょっと嬉しかった(笑)。
七里:よかったです。
角田:あったらドキドキだなとか思いながら見てたんですけど。例えば65種の中で1個ぐらいこれって例で出すなら、どれが一番話しやすいですか? 例えば、「AIの発達」でなくなるものだと。
七里:「AIの発達」だったら、気象予報士。
角田:ああ、気象予報士。お天気お姉さん、お兄さん。『森田さんのお天気コーナー』みたいなのをやってる人ですよね。
七里:もちろん説明はしますよ。わかりやすく説明するかもしれませんけど、天気を予測するっていうのは、これはもう近い未来ほぼすべてAIがやりますよね。これ一番得意分野ですから。
角田:だってビッグデータですもんね。
七里:しかも今もすでに(天気を予測する)ヨーロッパのAIとか出ているじゃないですか。ヨーロッパのAIが日本の天気とか、世界各地のAIがどんどんどんどんやってるんで、これは間違いなく消えますよね。
角田:そうですよね。あと「個人のつながり」がおもしろいなと思うんですけど。簡単にいうと、今までは個人ができないことを中間でやってた会社が全部なくなると。
七里:そうですね。問屋さんとか仲介業者とかが(なくなる)。個人同士が仲良くなるから。逆に個人同士が仲良くなるから、ここでおもしろいのが、詐欺師がいなくなるんですよね。絶滅する職業の中に詐欺師が入ってるので。
角田:そうか。詐欺って個人じゃできないから、あの人がこう言ってたんですよって判断できないんですよね。
七里:個人同士の情報共有がきちんとされることによって、詐欺できませんよね。極端な話が、すべてが電子マネーになったら厳しいですよね。
角田:実際パクれないですよね。なるほどね。七里さんはそうやって、職業を変えていったっておっしゃったじゃないですか。それってどこかで止まるのかなって思ったんだけど、この本を読んでわかったのは、この「AIの発達」や「個人のつながり」、「新技術の登場」というのは常に新技術が出てくるんですよね。
だから生き残る職業も、絶滅する職業も流転していくというか、どんどん変わっていくということじゃないですか。
新技術の登場って永遠に続くわけだから。だからある意味、安泰の仕事はないとも言えるということですね?
七里:この本でも書いてますけど、今職業の寿命は約5年です。
角田:おお!
七里:5年で職業は衰退していくので。成長のSカーブといって、導入期、成長期、成熟期、衰退期があるので。導入期、成長期、成熟期がだいたい5年なんですよ。昔はこれが7年だったんですよ。あるいは14年だったんですよ。今はどんどんいろんな要因で衰退するのが早くなってるので、昔みたいに一つの職業を身につけたら、一生食べていけるということはもうありえないですね。
角田:今日来ているみなさんを代弁して聞いちゃうんですけど、自分の今やってる仕事以外はできないなって思ってる人は、どうすればいいですか? その人が20歳だったらもう1回やればいいじゃないですか。でも、なんとなく20歳じゃない人が多いような感じがするので。
七里:まあ、寝ない。
角田:寝ない? 寝ないというのは、寝ないで自分の仕事以外のあいてる時間で、ネクストのものを身につける?
七里:そうですね。そもそも女性の人は別なんですけど。私、よく言うんです。男は死ぬまで稼がなきゃいけないんですよ。残念ながら。まあ、女性もあるかもしれません。男は死ぬまで稼がなきゃいけないし、もし稼がなくても死ぬまで、一族もそうだし、奥さん子どももそうなんだけど、男というのは自分が生きてる間は、すべてを守るために稼がなきゃいけないわけじゃないですか。今の職業しかできないんですというんだったら、もう寝ないで頑張ってください。
角田:今のこの本を読んで、6原則に当てはまらないようなスキルを身につけるってことなんですね。
七里:そのためには本を読むことです。
角田:おお。
七里:小説はダメですよ。ダメっていってもカウントしないということですけど。ビジネス書やノウハウ本は最低でも300冊は読んでほしいです。300冊読めば、たぶんいろんな技術をチェンジできるだけの能力がつきます。本って素晴らしいですよ。百歩譲って100冊です。
角田:そうすると、今の話を「運の技術者」的に解読すると、自分の職業どうなんだろうと不安だったり、落ち込んだりしているなら、そんなヒマなく本を読めと。それが本を読んでて、本当に解決するのかと思いながらも、100冊超えたあたりから、たぶん自分の中でなにかが変わってるということですよね。
七里:はい、そうです。
角田:それってありますよね。卵が先か鶏が先かじゃないんですけど、自分に最終的に不安があると、不安という卵が鶏を産むと不安からしか生まれないんだけど、不安じゃないものの卵からだと不安じゃないものが生まれるじゃないですか。ということは、最初になにを持つかというのが大事だなと思ってて。
最初になにを持つかって、当然最初だからたぶんなんの根拠もないし、不安じゃないですか。だから、たぶんそこって先人の知恵というか、本とかを読んで経験する。そして読んでみて、スキルとして経験する。そうするとなにかが見えてくるということを、やるしかないんでしょうね。
七里:自分で考えられるものって限界があるので。やっぱり本を読んで、もう一つが情報をアウトプットすることですね。
角田:アウトプットすること?
七里:せっかくこうやって来てくれているので、最近してなかった話をすると、自分の人生の分岐点のひとつがあって、それはなにかというと、15年前にあった広告学校って知ってます? CMを出してる学校。あれに通っていたんですよね。
そこで週2回、6時~8時に東京タワーの下で、CMの作り方や広告の作り方を勉強するんですけど、それを2時間受けたあとに、夜の10時にメルマガを発行していたんですよ。
それはなぜかといったら、その日のセミナー内容をメルマガで読者に流していたんですよね。これがすごくよかったのが、まずセミナーを受けながら、今日2時間後にメルマガを発行しようと思いながらセミナーを受けるのが、非常に効率的だったんですよね。
角田:なるほど。インプットしたものをすぐアウトプットしなきゃいけないので、どうアウトプットしようと考えながら受けるから。
七里:しかも実際にアウトプットするじゃないですか。週2回きちんと。それに対して反応もあるわけなんで。
角田:リアクションもある。
七里:実をいうと本を読むだけももちろんいいんですけど、アウトプットするというのを非常に意識してもらいたいなと思いますね。
角田:たぶん今日来ている方は、多かれ少なかれそういうことに興味ある方だと思うんですけど、みなさんアウトプットされてます? 僕はテレビマンなので基本的にアウトプットが仕事だから言うんですけど、本当にアウトプットって大事なんですよ。
要するになにが言いたいかというと、まずアウトプットするとトーク力が増しますよ。単純に。雑談が雑じゃなくなるんですよ。だから、会社でもいいし、ミーティングでもいいし、商談でもいいんですけど。なにがいいですかね。ブログでもいいんですか?
七里:なんでもいいと思いますよ。
角田:はい。例えばブログでもいいし、僕はTwitterでもいいくらいだと思うんですけど。悪口とかじゃなくて、本当に自分が思ったことというか、なんでもいいからつぶやくんですよ。最近見た映画についてでもいいし、最近読んだ本でも、最近見たテレビでもいいんだけど、なんかつぶやいとくじゃないですか。
そうすると、やっぱり140字でも、ちゃんとつぶやきたいと思っていることを1回やってるから、その翌日のぜんぜん違う商談のときのちょっとした雑談が、雑じゃなくなるの。ちょっと練られてるの。
例えば、ほら、芸人さんとかってトークが超うまいじゃないですか。あの人たちって実はそういうことを飲み会でやっているんですよね。飲んでこういうことを話して、そうするとリアクションが返ってくるから、この話はウケるなみたいなのがなんとなく身についてて、それをルミネtheよしもととかの舞台でやってるの。
そこで本当にヒットしたやつは、「これイケるなと」思うとレパートリーに入れて、テレビでやったりしてるんですよ。そうすると、一般の舞台に立たない人も普段日常でやっているだけで、日常の思考力も変わりますよね。アウトプットやって、インプットやってると、その技術的なスキルも上がるんだけど、結果的にたぶん、頭の中での考え方がちょっと論理的になるというか。
論理的になるということは、たぶんさっき言った感情的に、結局ずっと稼ぎ続けなきゃいけないっていう、メンタル的なある意味の強さが必要じゃないですか。そういうようなものもたぶん身につくので。感情だとブレるんだけど、論理的に考える能力がつくと、それってブレにくくなるなと思います。
僕は7冊くらい本を書いているんですけど、そもそもはメルマガの連載をはじめたくらいから、〆切があるから絶対書いてなきゃいけなくて、講演のあとすぐ書かなきゃいけないみたいな。それをやっているうちに、なんか文章とか書けるのかなと思いながらも、いつの間にか書けるようになっちゃってみたいな。そんなところってあるような気がしますけどね。
角田:6原則の続きの話をしましょうか。「新技術の登場」って、例えばなんですか?
七里:新技術の登場は、VRだったりドローンだったり。
角田:ああ、そうか。単純にあれか。でも、ドローンがすごく発達したら、もしかしたらロジスティクスというか、そういう運搬みたいなものも減るかもしれないし、そもそも、そのロボット的なものが出た段階で、たぶん力仕事みたいなものは相当減るということですか?
七里:まあ、そうですね。
角田:大工さんがなくなるというのは、まさにそうですよね。
七里:大工さんは新技術じゃなくて「道具の進化」なんです。
角田:そういう意味でいうと「新技術の登場」と「道具の進化」の違いってなんなんですか?
七里:新技術というのは、まったく新しい産業とか、まったく新しい技術です。
角田:あ、そうかそうか。産業自体が出てきちゃうから。
七里:産業や技術など、まったく新しいものです。道具というのは、今ある既存の仕事や職業がすごく楽になったり、簡単になることによって単価が下がったりして、それで稼げなくなっていく。職業がなくなっていくということですよね。
角田:ああ、そういうことですね。ということは自分が実際に学ぶとしたら、どうすればいいんですか? 新しい道具を身につけることも考えたほうがいいということですか?
七里:もう極端なことをいったら、これから職業をマスター、学ぼうと思ったり、いろいろな職業に就こうと思った場合は、どれだけ道具を活用できるかが重要なんですよ。
角田:どれだけ道具を活用できるか。
七里:極端なことをいったら、本で書いたんですけど、大工さんは正直、「電動ドライバー」1本で家が建つんですよ。
角田:ギュギュギュギューってやつですよね。ギューンって。
七里:もうあれだけで(できる)。ほとんどプラモデルですよ。プラモデルってパチッてやって、のり付けでペタッとできあがるじゃないですか。それと一緒でもう本当に簡単。道具が進化しちゃったから。昔は、電動ドライバーはなかったですよね。ドライバーをこうクリクリクリクリやってた。そもそも昔はプラスじゃなくて、マイナスしかなかったんじゃないですか。
それがだんだん普通のドライバーが出てきて、今度はこのガガガガーって強力なインパクトドライバーができて。しかも今は全部コードレス化じゃないですか。全部、充電式ですよ。昔はなんかこう金具をひっかけて、やんなきゃいけなかったのが、今はもう全部、充電式なんで。
そう考えると、道具が進化することによって技術が必要なくなる。そうすると長年の経験とか勘がなくても、23歳が家を建てられるんですよ。23歳って体力があるから、家を何戸も建てるじゃないですか。50歳、60歳って体力がなくなってくるから、やはり家を何軒も建てられないですよね。
そうすると、20代が家をめっちゃガンガン建てるから、単価が安くなるんですよ。50代、60代はお金を稼げなくなるんですね。そうなるとどうなるかといったら、大工の棟梁の力が弱くなって、発注元の工務店やゼネコンが強くなるんですよ。
角田:うーん、なるほどなるほど。
七里:でも20代、30代ってバカだから、ゼネコンや工務店に安くこき使われるんですよね。そうすると、業界全体がすごく衰退していくという。だから結局のところは、大手が強いってダメなんですよ。やはりその職人や職業をやっている人間が、常に対等にやっていかないと、その産業は滅びますよね。衰退していくんですよ。
角田:今の話でいうと、職人が衰退していってる職業ってけっこう今多いじゃないですか。ということはやはり、卵か鶏かは置いといて、なんとなくいろんな職業が衰退に向かっていることは事実ですね。
七里:極論を言ったら、数百年後はなにもしなくてよくなるんじゃないですか。
角田:そうですよね。ベーシックインカムかもしれないし。
七里:ラッキーなことに私たちが生きているあいだは、たぶんまだなにかしら職業はあると思うので。ぜひこの本をきちんと読んでいただき、とりあえずはこの系統の職業だけはやめましょうみたいなのだけ覚えてもらって。ある意味、自分の職業がこの系統に入っているんだったら、今すぐなにかしらの手は打ってもらいたいですよね。
角田:これ、答えられなかったらそれでもいいんですけど、七里さんはたしか45個でしたっけ、仕事をいろいろやったっていったじゃないですか。46番目を今からやるとしたら、例えばなんですか?
七里:今だったら、プロジェクションマッピングのディレクターとか映像技術ですかね。なぜかといったら、一番簡単に覚えられるんですよ。プロジェクションマッピングって、みんな難しいって思うかもしれませんけど、たぶん私は1週間で覚えられます。自信がありますね。それはもう私の過去の経験がありますから。ある程度映像もできるし、大工もやってたし、いろんなことがあるので。
角田:じゃあ、そんな経験がまったくゼロで、今30歳だとしたら?
七里:それでも1年あれば、そこそこ覚えられます。実は1年後にちょうど旬なんですよ。なんでもそうなんですけど、ライバルがいない職業が一番儲かるんですよ。そう考えると、プロジェクションマッピングが一番簡単だなと。私の中ではね。でも、私は今の職業のほうがおもしろいし。
あとは最近だと、ちょっとこれは言えないんですけど、ある新技術があるんですよ。
角田:ある新技術。超気になるけど言えなそうだな。
七里:節約技術なんですけど。
角田:節約技術。
七里:ちょっと言えないんですけど、これは間違いなくいけるなと。もう会社を作りました。それでも稼げるのは3年ですね。3年でいくらくらいかな。たぶん10億、20億くらいは稼げるんじゃないかな。
角田:へえ。そういう技術を思いついちゃったんですか。ちなみにそれは何年前に思いついたんですか? 最近?
七里:2週間前です。
角田:それでもう会社を作っちゃうんですか(笑)。
七里:もうピーンときました。それはなぜかといったら、過去の経験でこれとこれを組み合わせて、成功事例がいっぱいあるので、そこのマネをすればいいだけなんで。ビジネスって組み合わせなんですよね。それもやっぱり45のいろんな職業をこなしてきたから、組み合わせがうまくいってる。
角田:なるほどね。ちなみに、テレビの企画も組み合わせなんですよ。だから、期せずして、七里さんの職業の本と僕の企画の本『成功の神はネガティブな狩人に降臨する』で同じことを書いてておもしろいなと思うんですけども。
例えば簡単な例でいうと、みんな福山雅治さんを見たいじゃないですか。でも、福山雅治さんの「カッコイイ福山雅治」はもうあるわけだから。僕が本で例を出したのは、鼻血出した福山雅治さんなんですよ。
要するに、鼻血出してる福山雅治さんって見たことないから。ドラマのオープニングでいきなり鼻血出した福山さんが前から歩いてきたら、「なんだろう?」って少なくとも見るじゃないですか。見たことのないものをどう組み合わせて作るかが企画なんだ、という話はよくしてて。
結局、組み合わせでしかないというか。その組み合わせっていろんなことを経験する。僕がバラエティプロデューサーと名乗っていることも、根は一緒だと思うんですけど。さっき300冊のビジネス書を読みなさいとおっしゃってましたけど、そうすることで組み合わせが増えますもんね。
七里:そうですね。
角田:爆発的に順列組み合わせの数が増えるじゃないですか。そうすると、いざ自分に困難というか、なんかこう思いつかなきゃいけないなというときに、組み合わせの量が多い分、簡単に見つかるなって僕はすごく思うんですよね。
だから、自分の仕事がなくなりそうで、不安だなと思っている人は、むしろいろんなことを経験したほうがいいですね。
七里:そのほうがいいと思いますね。
角田:会場のみなさんに質問とかしてみます? どうですか? 質問ありますか?
七里:なにか質問があれば。はい、どうぞ。
質問者1:この職業をやってみて、きつかったなぁというのはありますか?
七里:職業をやっててきつかった。ちょっと待ってね。きついとあまり思わないんですけど。やっぱり自衛隊と内装職人ですかね。でも、すべての仕事は楽しかった。
角田:きつくない? 今の質問に関してはない?
七里:正直ないかな。ただ、今の自分がけっこう楽しいし、今の自分の状況にそれなりには満足しているんですよ。今の自分が好きだったら、過去の自分が全員好きっていう言葉があるんですよ。
だから例えば、自分が「まだまだだな」と思ったとき、過去の自分が原因じゃないかなと思うかもしれませんけど、今の自分が大好きなので。過去の自分がつらかったことも、過去の自分のどんな失敗も、別になんとも(思わない)。それも含めて今の自分なので、つらいとかそういうのはないかもしれませんね。
質問者1:ありがとうございます。
角田:ほかにありますか? じゃあ、後ろの方。
質問者2:自分の娘が絶滅危惧職種に入ってる弁護士になりたいと言ってまして。
角田:おいくつですか?
質問者2:えっと、まだ中学生で。
角田:中学生!
質問者2:まだこれからなんですけど、ちょっとそうことのを言ったら、家の中がシーンとしてしまったので。そういう場合にどう説得したらいいのか。
七里:あとでまたちょっと話そうと思っていたことなんですけど、そもそもこの本は、子どものために作ったんですよね。この本をリビングにポンって置いおくんですよ。読めとも言わないし、なんとも言ってないんですけど。もちろん「パパの本だ」というのもあるかもしれませんけど、チラチラ読むんですよね。イラストが多いから。
文字なんかきちんと読んではいないですよ。でも、なにがわかったかと聞いたら「あ、職業って選択しないとダメなんだね」と子どもたちが言ってきたんですよ。だから、ぜひこの本をリビングに置いておいてください。
要は、親から子どもになにか言ったとしても、たぶん効果がないので。間接的にそういう環境を作っていくということですね。例えば、弁護士がすごくつらそうにしている本や映像を見せるとか。私はそもそも絶対に子どもたちがいうことを聞いてくれないのをわかっていたので。小学4年生の子どもと5年生の息子から、ちょうど1年前に「パパ、YouTuberになりたいんだよ」と言われて、いやもう、どうやって止めようかなと。
(会場笑)
角田:『絶滅危惧職種図鑑』の前書きに書いてありますよね。
七里:どうやって止めようかなと。YouTuberなんて今一番やっちゃいけない職業なのに。でも、子どもたちは目をキラキラさせながら「やりたい!」と。なぜやりたいかといったら簡単なんですよ。ゲームをずっとやっているような職業だと思っているんですよね。私が子どもの頃にゲームプログラマーになりたかったのと同じような感覚なんですけど。
角田:血は争えないですね(笑)。同じことですもんね。
七里:気持ちはわかるんですけど、でもなんとかしたいなと思ったので、じゃあもう絶滅する職業だよと言い聞かせたくて、この本を出しました。あとは子どもは勝手に気付くので、中学生だったら放っておいていいと思います。高校生とか大学生になって、もうちょっと自我が発達して、きちんと判断がつくようになったときに、もう1回言ったほうがいいと思います。今言うと逆効果です。
角田:僕も少々アドバイスじゃないんですけど。中学生で弁護士になりたいということは、たぶん相当優秀なお子さんでらっしゃると推察されるじゃないですか。ということは、今の七里さんと同じで、「なりなさい!」って言ってるほうが、それだけの頭脳があれば、むしろ気付くんじゃないかなというか。
そのときに、それでも「私は法の秩序を守る」とか思ってらっしゃるんだったら、司法試験を受けてもいいし。それはそのときの判断だから。中学生で弁護士になりたいと言っているのってすげーなとちょっと思ったんで。
七里:応援しないほうがいいですよ。なってほしくない職業は応援しない。私は応援しなかったら、いつの間にか離れたんですよ。
角田:ああ、なるほどね。
七里:毎日毎日「パパ、YouTubeの作り方教えてくれるって言ったじゃん」って言われるんですよね。「わあ、教えなきゃ将来恨まれるのかな」と思ってたけど、半年間ずっと無視したんですよ。毎日電話かかってきて、「パパ、YouTubeの作り方教えるっていったじゃん」って言ったら無視です。全部、無視。もう応援しない。
質問者3:自衛隊時代に、心が折れることはなかったんですか?
七里:私の自衛隊の人生最大の挫折の話、聞きたい?
角田:ぜひ聞きたいです。はい。
七里:自衛隊に入隊すると、まあ走らされるんですよ、鬼のように。駐屯地に宿舎があるじゃないですか。宿舎から1周だいたい3キロなんですよね。「じゃ走るぞ」といって、走らされるじゃないですか。おもしろいんですけど、最初から1周する、2周するというふうに、走る距離のペース配分がわかっていれば、あんまり疲れないんですよね。走る距離を最初からわかっていれば。でもこれが「今日1周するの? 2周するの?」ってわかんないと、めちゃくちゃ疲れるんですよ。
教育隊の班付になったときのエピソードなんですけど、走り終わったあと、終わるときは「全体、歩け」って言われて、「あー疲れた」なんて言いながら宿舎に入るんですよね。
それがそのときは、「全体、歩け」って言われた後に「よーし、走るぞ」ってまた走らされたんです。あのときが人生で一番つらかったです。極端なことをいったら、めっちゃトイレを我慢してて、家に帰ってトイレに行ったら、お母さんがすでに入ってたみたいな。
(会場笑)
角田:なるほど(笑)、ありがとうございました。じゃあトークショーはこんな感じで、最後にご感想だけ言っていただければ。
七里:みんなこれだけ真剣に聞いてくれているので、やっぱりいいこと言わないといけないなと思いますね。脳みそが本気になります。あと、やっぱり角田さんの引き出し方がうまいです。
角田:いやいや、そんなそんな。ありがとうございます。みなさんのその拍手は僕の本を買うことに代えていただければ。僕の本を買うことに代えていただければ、もう本当にこの上ない喜びで。
(会場笑)
ということで、1億円を稼ぐ元自衛官の七里信一さんと、私バラエティプロデューサーの角田陽一郎でございました。どうもありがとうございました。
七里:ありがとうございました。
(会場拍手)
■七里信一が絶滅する仕事を徹底解説:後編
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