残業時間をどれだけ減らすことができるか?

千葉俊輔氏(以下、千葉):みなさんこんにちは。Dropbox でメディア業、それから宿泊業を担当させていただいております、千葉と申します。

今日はこちらの「メディア・宿泊業様必見」ということで、みなさまの仕事においての生産性、効率をどうやって上げていくか。それから1日10分という小さい数字ではありますけども、「残業時間をどれだけ減らすことができるのか」についてお話しさせていただきたきます。

今日こちらのセッションが終わったあと、もうひとつ(セッションを)聞いて帰られるかたも、このまま帰られるかたもいらっしゃると思うんですけども。「今日このまま直帰します」っていうかたどれくらいらっしゃいますか。

(会場挙手)

あ、なるほど半分くらいですね。残り半分のかたは1回会社に帰らなきゃいけないとか、まだお仕事があってということだと思うんですけど。やっぱり18時過ぎとか19時とかに(会社に)帰られて、そこからお仕事に取り掛かるということは、すなわち残業するということになるかなと思います。

私どもはですね、できるだけそういう(残業の)時間を削減していくことのお手伝いができればと考えております。

生産性が高い・低いの基準はどこにあるか

今日のアジェンダとしましては、まず「生産性が高い」とか「低い」というのはどういうことなのかというお話。それから、「Dropbox Business」をご利用いただいてるお客様、メディア業のお客様、それから宿泊業のお客様が、具体的にどういうワークフローで、お仕事のなかでDropboxを使っていただいてるのか、ご紹介させていただければと考えております。

最後は、社員一人あたり1日10分の残業削減ということで、その根拠はどこにあるのかというところ。それから1日10分削減できたとして、じゃあ「その費用対効果ってなんなんだろう」ということのご紹介をさせていただきます。残りあと35分ぐらいお時間をいただいてお話をできればと考えております。

ではさっそくですね、「生産性が高い低いとはなんなのか」というところからお話を始めさせていただければと思います。

内閣府が挙げる、働き方の3つの課題

「働き方改革の情報収集をしてこい」と言われてる立場のかたなんかは、もう耳にタコができるぐらいお聞きになってるかもわかりませんけれども。あらためてベースラインを揃えさせていただければと思います。日本の労働制度、それから働き方にある課題ということで、内閣府のほうで3つ課題を挙げておられます。

ひとつが正規・非正規の不合理な処遇の差ということで、例えばちょっと前なんかですと、派遣切りなんて話がありました。契約社員ですと、一所懸命に何年も働いて、社員さんよりスキルが高いにもかかわらず、契約期間終了で切られてしまって、再契約もされないなんてことがあるそうです。

弊社の社員も見習わないといけないところなんですが、正社員がですね、タラタラ9時半とか10時に出社してきてる一方で、契約社員のかたは9時ぴったりに仕事されていて、冷たい目線を浴びるとかですね。ちょっと格差があるんじゃないかという話があったりするかも知れません。

あとは長時間労働ですね。先ほど「このあと会社入られるかたは?」とお聞きしましたけれども、朝早めに時差通勤で7時8時に出社されて、朝のあいだにワーッと仕事されて、さらに積み上がってくる仕事を午後からこなされて、場合によっては22時23時まで仕事されてるかたも多くいるかと思います。

あと同じ会社の中でも、「この部の人はなかなか早く帰れない」「こっちの部の人は早く帰れる」とか。それはそれで、格差じゃないですけども、あっちはずるいなみたいな。(同じ会社内で)精神的な壁ができてしまうこともあるんじゃないかと思ってます。

(スライドを見て)あとは、「単線型の日本のキャリアパス」という一見わかりにくいようなフレーズもひとつ入ってました。よくあるのが、日本だと「キャリアパス」ですね。はしごを一段ずつ登っていくけど、なにかミスをしてしまうともう出世できなくなる、みたいなことがあるかと思います。

例えば、女性のかたなんかですと、ご結婚、出産をされて、復職されて「キャリアアップをもう1回見直したい」というチャンスがなかなか得られないということがあったりとか。あるいは、技術系のかたが一所懸命キャリアアップされようとしても、やっぱりマネージャークラスで止まってしまって、なかなか技術を突き詰めて経営層に入っていくところも難しいといったことがあるかと思います。

じゃあ「海外」がいいのか、我々のような「外資」がいいのかというと、そうではないんですね。ただ、選択肢が多いほうがいいということで、こういう課題が出てきております。

統計から見る長時間労働の原因

そこで我々Dropboxや、あるいはソフトバンクさんなりがご協力できるところってどこなのかと考えたときに、やはり「長時間労働」の部分になってくるのかなと思います。

雇用の体制ですとかキャリアパスというところは、外からとやかく言ってご支援さしあげられるものでもないですし、我々IT企業の者がとやかく言うことではございません。そこで我々は、ITの力を使って、この長時間労働をなんとか解決するためのご提案ができればと考えております。

ところで長時間労働を生み出す原因ってなんなのかということですが、こちらも同じように内閣府から統計が出ております。主なことを3つ、こちら(スライド)に挙げさせていただいております。

まず長時間労働の原因の1つ目。これは複数回答なので、いろんな回答をされてるかたがいらっしゃるだろうと思いますが、一番多いところですね。44パーセントは「管理職の意識・取り組み不足」であると答えています。これはもう、明らかに現場レベルの人からの意見かなと。「上司がぜんぜん見てくれていい」とか、「会社がぜんぜん体制を変えてくれない」とか。僕もそういうことを何度か言われたことがありますけども、そういうご意見が一番強いということです。

2番目は(リソース不足)。やっぱりどこの業界のかたもおっしゃいますね、とくにホテルさんなんかでも、最近は人の入れ替わりが激しすぎるということで。一方で、2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピックを見据えてどんどん新しいホテルが建っていますよね。

人が増えていないのに、なぜか新しいホテルにリソースが割かれてしまうっていう。いままで10人でやってた仕事を5人でやらなければいけないとか。まったく別の業者のかたも同じで、似たようなことがあるかと思いますが、人が足りないというのがあると思います。

それから30パーセントの人たち。3番目に多いところですが、これはどちらかというと部長クラス。現場より一歩ひいた、かといって経営層にまだ入っていない、中間職の人たちに一番多い意見だったんですが。社員の生産性、それからスキルが低いということです。現場がうまく動いてないから仕事が終わらないんだ、長時間労働に繋がっているのだということですね。

Dropboxは会社の「生産性向上」に焦点を当て、取り組んでいく

そのなかで、私どもがご協力ができるところはどこなんだろうと考えたときに、「管理者様の意識、取り組み不足があります」とこういうセミナーなんかを通じてインプットできればいいかなと思うんですが、なかなかDropboxを使って、管理者様の意識が変わるかというと、直接的なご支援はちょっと難しいかなと思います。

人手不足のところもやっぱりそうですね。効率化という観点ではご協力できるのかなと思いますが、直接的な話は難しいですね。雇用体制を見直して、なるべく社員が辞めないように、社員さんに優しい環境をつくっていただくというのがベストなんだろうと思ってます。

ここではちょっと焦点を絞って、「社員の生産性・スキルの低さ」といわれているところをどうやって改善できるのか。とくに生産性というところに焦点を絞ってお話をどんどん進めていきたいと思います。

じゃあ生産性とはなにか。これは定義がございます。労働による成果を「労働投入量」、つまり人数ですとか労働時間の観点から考えます。例えば、ひとつの仕事を終えるのに、2人かけてやるのがいいのか、5人かけてやるのがいいのか。あるいは2時間かけるのがいいのか、5時間かけるのがいいのか。母数が少なければ少ないほど効率がいいという話になると思います。これが生産性です。

ですから、より少人数で、より短時間で従来の業務を完了できるようになれば、それイコール生産性が上がっているということになると思います。

よく、残業代を減らすということで、20時になったら自動的にパソコンがシャットダウンするとかっていう荒業で残業時間を減らそうとする企業さんもいらっしゃるかもしれませんが、それでどういう成果が得られるんですかというところが問題です。

結局労働内容は変わってないですし、むしろ家に持って帰って仕事をしなければいけないとかで、(仕事を終えるのに)より長く時間がかかってしまうということがあります。本質的には、仕事をちゃんと終える時間をより短くすることがターゲットかと思います。