2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
人材マネジメント領域(全1記事)
提供:株式会社リクルートホールディングス
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古野庸一氏:みなさん、こんにちは。リクルートマネジメントソリューションズの古野と言います。リクルートマネジメントソリューションズは企業に対してトレーニング、コンサルティング、そしてアセスメントを提供しておりまして、本日は人材マネジメント領域のお話をさせていただきます。
そのような私たちが提唱する2018年のキーワードは「ボス充」です。生活を楽しんでいるボスが周りの人々にいい影響を与えていく、そういう現象を私たちは「ボスが充実している」という意味で「ボス充」と言っています。
昔から生活あるいは趣味を楽しんでいるボスというのは、たくさんいたかと思いますが、違う点が2つあります。1つは若者がそれを支持するようになってきたこと、もう1つは企業がそれを歓迎しているということです。
ボス充の話をもう少ししますと、例えば、ボス充太さん。43歳、妻がいて子供が2人います。平日はがんばって週2回、夕食を共にします。休日は息子のサッカーのコーチをやっている。会社ではメンバーを家族のように扱って、大切にしている、という状況です。
そのように趣味、家族、 勉強、そしてボランティアや副業などの社外活動を充実させているボス。そして、それが部下から支持されている、こういった現象を「ボス充」と呼んでいます。
「社外活動が充実している上司のほうが若い部下から見て魅力的に映っている」。これは本当かと調査をしてみました。実際に見てみると、左側が20代一般社員、右側が40~50代の管理職です。管理職よりも一般社員のほうが、そう思っていると。
また、若い人にとっての理想の上司というのは人間的な幅が広くて、早く帰る人。これも管理職よりも若者のほうがそう思っている。
さらに若い部下は上司の社外活動の話を聞きたいと思っている。62パーセントと微妙な数字ですが、意外とそう思っているということです。
「なぜそう思うか」ということも若者に聞きました。
「今の50代、60代の人とは、働き方に対する考え方は違うか?」と聞くと、およそ8割の人が「違うよ!」と言うんですね。なにが違うかと聞いてみると、「50代の人たちは仕事の比重が重い」という話だったり、「ほかに自己実現の場がある」という話がありました。
あるいは「仕事ばかりして家族を大事にできない人が部下を大事にできますか?」という話をいただいてるんです。つまり若い人にとってみると、仕事というものは生活の一部である、ということだと思ってます。
同時に多元化、多元的な自己を持つ若者が増えている、とあります。「社内だけではなく社外でも充実したい」という話なんですけれども、それは経年で見ても、年代的に見ても、そういう傾向があります。ということで、社外活動をしているボスのほうがより若者の理解者だと、彼ら自身も理解しているのだと思っています。
今のものは若者の話ですけれども、一方で企業はどうかという話で言うと、3つの観点から歓迎されていると思っています。
1点目は働き方改革です。労働時間削減についてはけっこう進んできていますが、そのような状況のなかで、第2フェーズとして、余った時間をどう使うかというところです。
2つ目は教育研修の場、学びの場が社内から社外へ移ってきているということです。教育研修プログラムもそうですが、それ以外に最近出てきたのが副業です。「副業によって外で学ぼう」という話が出てきて、これは今年もそうですけれども、来年はもっと続々と出てくると思っています。
3つ目の観点として、「ワーク・ライフ・エンリッチメント」 があります。ワークとライフが「コンフリクト=対立」するのではなく、「エンリッチメント=充実」という考え方をしています。
相乗効果が注目されはじめていて、この研究が今ますます進んでいるという状況で、企業側からも歓迎されているということです。
まとめますと、社外経験は仕事で活かすことができる。一方で仕事経験も社外で活かすことができると思っていまして、そしてそのことを部下は「おお、いいな」と思って、信頼に繋がっているという側面がある。いわゆる「ボス充」現象というのは、このように起こっているのではないかと思っております。
では、「具体的にどういう人がいるんだろう?」と、みなさんの周りにもおそらくいらっしゃるかと思いますが、私どもも増えてきていると思っていまして、実際にインタビューをしてみました。
その結果、この4象限に現れるように分類されて、先ほど学びの方向として「社内」「社外」とありましたが、それ以外に社外活動に「着手しやすい」「着手しにくい」という要素があります。
着手しやすいというのは、例えば会社で企業研修があってそこに強制的に行かされるということもありますし、お子さんがいてPTA活動をやるという話もあります。一方で、難しいというのは、自分で手を挙げてNPOを立ち上げたり、あるいは副業を探すなどです。
実際の事例を7社ほどあげておりますけれども、時間の関係上1名だけ、NECの網江さんという方についてご紹介いたします。彼は事業部長で、会社の企業研修プログラムでいわゆる介護の現場を見ました。
そのときに「自分ではわかっているようでも、ぜんぜんわかっていなかったな」ということを感じ、それからビジネスを見る目が変わって、「自分たちのビジネスは社会にどう役に立ってるのか」ということを見るようになりました。そして、それを部下に語ることによって、彼らから「意味や価値で考えされられるので、やらされ感がなくなりました」といったコメントをいただいております。
こういった事例が、男女を問わずいろいろな会社で起こり始めていると思っています。
いわゆるボス充というのは、これから注目されていくと思っています。上司の方に対するメッセージとしては、「隠れボス充」がいるかと思います。要するに「(社外活動を)やっているんだけれども、メンバーには言ってない」という話があるのかなと思っています。もしかすると、それをオープンにすることによって、よりよいコミュニケーションができるかなということが1つ。
もう1つは、それをまだ行っていなくても、身近なところからはじめられるのではないか思っています。私たちは来年、「ボス充」に注目していきます。
ということで、私からの発表は終わります。どうもありがとうございました。
(会場拍手)
株式会社リクルートホールディングス
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