クラウドワークスのファイナンス状況って?

武田純人氏(以下、武田):おはようございます。スピーカーの方から会場に向けて最初にヤジが飛ぶっていう、ちょっと珍しいセッションだと思うんですけど。今日はどうぞよろしくお願いします。

朝早くからビールの香り漂うこのセッションに、お金の好きそうな皆さんに集まっていただいたので、ぜひ上の階のセッション(グローバルモバイル市場の今後の展望)のメジャー感に負けないような、資金調達に関する有益な情報満載のセッションにしたいなと思っております。

ご存知の方たちばっかりの、スーパースター達の登壇なので必要ないかもしれませんが、一応、今回のお題でいただいているのが、「スタートアップのファイナンス戦略」ということで、これまでどれくらいの資金を集めたのというところなんかを織り交ぜていただきながら、それぞれ自己紹介をお願いします。

あと、ヤジが最初から飛んでいますけど、ヤジ大歓迎のセッションなので、インタラクティブにやりたいなと思っていますし、逆にまたこっちからヤジが飛ぶかもしれないので、そのときは返してくださいね。ちょっと収拾がつかなくなるので……国光さんところにもビールをちょっと一杯お願いしますね。あと、とりあえず飲みたい人、手を挙げて下さい。というわけで、吉田さんから自己紹介をお願いします。

吉田浩一郎氏(以下、吉田):ちょっと普通に紹介していいですか。3分? じゃあ3分たったよっていう(合図を)お願いします。

クラウドワークスやっています。クラウドワークスとはクラウドソーシングという非常にブルーオーシャンで競合が1社もいない(笑)、大変楽しい市場だということをリブセンスの村上さんに言えと言われました(笑)。

今3万社突破して16万人と、発注リピート率で50%超えてまして。最短15分で仕事開始という実績で、今3万社で経済産業省とかソニーとかヤマハとかTBSとかにご利用いただいております。

月間の契約額でワーッと伸びてまして、業界1位ということですね、言ってしまいました(会場笑)。不動産が持たざる経営になったように、サーバがクラウドになったように、人材・アイデア・技術っていうのをオンラインから調達する時代が来ていますと。

そのために今、サイバーエージェント、電通、デジタルガレージ、伊藤忠から14億円ほど出資していただいております。盛り上げていますけど、もう一つのセッションの方が全然ファイナンスしていますよね。セコいやつですね、むこう(笑)。

(会場拍手)

今ですね、結構メーカーさん、製造業の方々の引き合いが増えていて、R&Dだとオープンイノベーションとか、企画だとコンテストみたいな形で、グローバルでは、ドミノ・ピザとかVolvicとかNASAとか、GEとか、そういうのがクラウドソーシングを活用して、コ・クリエーションしている、共創している。このいろんな話の事例を6月8日にダイヤモンドから出る『クラウドソーシングでビジネスはこう変わる』という本を出しますので、ぜひ買ってください。

(会場からヤジ)

2周年経ってですね、ユーザーさんが、オンラインでつながっている人たちが、この前200名くらい集まって、グリーの会場を貸していただいて、「ありがとう、やっています!」と。ということで働く人々の笑顔を目指して頑張っています、クラウドワークスでした! ありがとうございました。

(会場拍手)

武田:はい、ありがとうございました。プレゼン資料3枚とお願いしたんですけど、全く守ってくれないこのスピーカー(笑)。

資金ショートの危機を乗り越えたスマートエデュケーション

武田:でも、日下部さんからは、きっと(3分で)いってくれると思うので、日下部さん次よろしくお願いします。

日下部祐介氏(以下日下部):すごいプレッシャーなんですけど(笑)。スマートエデュケーションの日下部です。よろしくお願いします。

(会場拍手)

スマートエデュケーションは、2年前のLaunch Padで社長の池谷がプレゼンして優勝させてもらって、それからグイグイと伸びてきています。何やっているかというと、子ども向けのアプリケーション作っていまして、本当は写真で楽しく子どもたちがこうiPadの周りに集まって遊んでいる写真が……こんな感じですね。

今、保育園とか幼稚園にも導入し始めているので、こういう絵が撮れているんですが、これは実際幼稚園で使われてる様子になりますね。こういうふうに子どもたちが夢中になってiPadで遊ぶ、そういう未来をつくっていって、その中で教育から世界を変えていきたいなとそんなふうに思っています。

あと僕らの強みというところを話せればと思うんですけれど、まず、本当にナンバーワンです、うちは。日本ではですね(笑)。ナンバーワンです。実際にApp Annieのデータを見ると、全体のシェアの25%ぐらいを弊社が今日本だと持っていて、これから2番目に書いてあるグローバルに頑張って進んでいくために、今試行錯誤しながら一生懸命やっています。ここの資金を調達させてもらったと、そんな感じですね。

あともう一つ特長としては、サブスクリプション(月額課金)が非常にうまくいってます。結構スマホってサブスクリプションがうまくいっているところは少ない。ゲームとかはもしかしたらあるのかもしれないですけれども、課金がどういうふうに走るのかっていうのが、結構課題だと思っています。

その部分は、教育という強みを生かして、お父さんお母さんは子どもたちのために月額で払うのは全然痛くないと、やっぱりかわいい子どものために払いたいなということで払っていただいているのかなというふうに思っています。ここは安定したビジネスをつくっていけるかなというところです。

あと最後に信頼ということもすごく大切にしています。さっきの保育園とか幼稚園に採用されるというのもそうですし、やはり新しいデバイスを教育に使うとなると、結構、それは良くないんじゃないかみたいに、批判とか受けることもあるので、きちんと提言を出したり、そういったこともすることで社会的に認知されて、しっかり使っていただけるようなサービスを心掛けているので。すごくまじめにやっています。

一応自己紹介を……吉田さんは有名人なのでなかったんですけど、僕は今回登壇初めてなので。最初にアクセンチュアっていう外資系のコンサル会社に入りまして、1年ですぐ辞めちゃいました。その後でシーエー・モバイルというサイバーエージェント系列のモバイルコンテンツをやっている会社で10年間やらせてもらいました。ここで、現IVPの小野さんの部下で7年間めちゃくちゃしごかれる……すごく厳しかったです。2011年にスマートエデュケーションを創業しまして、今に至るという形ですね。

最後にファイナンスの履歴ですけれども、2012年4月に創業して、1年経たないくらいのところでシリーズAで1億ぐらい集めさせていただいて、その1年後に、さらに飛躍をさせようということで、3.5億集めました。

その年にですね、月額課金への切り替えを頑張って進めたんですけど、その過程でちょっとバタバタして、売上が想定以上に落ち込んだのでお金が全然足りなくなって、ヤベー資金ショートする、みたいになりました。ヤベーってことで、今年の2月にまた5億5千万円出してもらって、しっかり海外も攻めています。そんな状況でございます。

株主は、結構幅広くて、インフィニティさんから最初から出してもらって、実は2回目も3回目もしぶとく出してくださるという非常にいい株主なんですけれども、そのあと金融系だと三菱さんとか、新生銀行さんとか、そういったところから出してもらったり、事業系だとフジテレビさんとか、あとサイバーエージェント本体の方から出していただいて、事業の連携なんかも今進めている。そんな状況でございます。以上になります。

武田:はい、ありがとうございます(会場拍手)。きれいにまとめていただきました。こういうのを求めていたんです。

吉田:えっ。

武田:まあいいです、吉田さんにはもともと時間厳守を期待していなかったので……。

Launch Pad優勝、会計ソフト「freee」の資金調達は?

武田:次は佐々木さん、よろしくお願いします。

佐々木大輔氏(以下、佐々木):発言はフリーじゃないです、3番目のLaunch Pad銘柄「freee」です。僕たちはスモールビジネスに携わる皆さんにですね、創造的な活動にだけフォーカスできるようにしたいと、そういう思いを持って創造的でない部分をテクノロジーによって、すべて自動化する効率化する、そういうことに取り組んでいこうとしています。

そういう中で特に会計という分野はあらゆるスモールビジネスの中で、必ずやらなくてはならない分野ですし、さらに面倒くさい分野だということで、ここを自動化するというところに最初、取り組んでいました。

まず全自動のクラウド型会計ソフト「freee」ということで、すべてブラウザから利用できるタイプの会計ソフト、これ実は今まで無くて、Macを持っている人は実は会計ソフト使えないということが今までの問題としてあったりもしました。さらにそれに加えて消費税増税ですとか、XPのサポート切れみたいな、そういったニュースが続いて非常にクラウドというところにも、需要が高まった1年だったと思っています。

そして、次の大きな特長として、簡単であること。会計ソフトというのは簿記の知識を前提としているものがほとんどでして、簿記の用語は全くインターフェースに置いていないという斬新な取り組みをして、簡単に使えるといったことを実現しました。あとは自動で使えるということで銀行やクレジットカードの明細と同期して、自動で会計帳簿作成するという、こういったところがこの「freee」の特長になります。

最近はこの会計というところを超えて、給与計算ソフト「freee」というものをリリースしまして、社内の給料事務を1クリックで終わらせられるようにするといったことにも取り組んでいます。

私自身の経歴なんですけれども、大学時代は今をときめくデータサイエンスというのを専攻していて、今だと引っ張りだこなんでしょうけれども、当時はどうやったら、どこにデータがあるんだろうという状態だったんですね。なので、どうしてもデータが触りたくて、インターネットでアンケート調査をしようという形で、今だとマクロミルさんというのがあるのですけれども、当時は3社ぐらいが拮抗していて激しく争っていた。そんな時代がありました。

その中の一社のインタースコープというところで、僕は集計システムの開発ですとか、あとは新しいマーケティングリサーチの手法の開発みたいなことを行っていて、このインタースコープという会社が実は、インフィニティ・ベンチャーズの小林さんの最初のころの投資先だったんですよね。そのときから私は小林さんのことを知っていて、かれこれ10年以上の知り合いということになります。

そのあと僕は、いわゆる新卒というところでは博報堂に就職をして、最初はマーケティング仕事をしていて「ちょっとテレビとかのCMの仕事はフワッとしてるな、もうちょっとカチッとしたROI(投資利益率)みたいなところを追求する仕事がしたい」ということで投資ファンドですね、当時流行ったバイアウトのファンドに入りました。

ですので、資金調達をする立場に今はあるのですけれど、逆に資金を供給する側、ベンチャーキャピタルとはちょっと違った角度になるんですけれども、そういうところにいた経験もあります。

次にALBELTというレコメンドエンジンの会社。これは当時のインタースコープの山川さんが立ち上げた会社でして、そのつながりでALBELTに入って、「ファンドにいたので資金調達は任してください」ということで、CFOをやる傍ら、レコメンドエンジンの開発というのも率いていて。

当時、僕はレコメンドエンジンの開発のほうにより興味があったので、何とか社内の経理財務の業務というのは自動化できないかと、いろいろ研究をしたんです。そのとき、「結局今の会計ソフトというのを置き換えない限り、これ以上の効率化は難しいな」というふうに思ったのが、実は「freee」という事業を始めるきっかけになりました。

その後に、Googleに移って中小企業向けのマーケティングというのを立ち上げてですね、これが日本でうまくいったので、アジアパシフィック全域に広げていこうということで、アジアパシフィック地域での中小企業向けのマーケティングの利用というのをやっておりました。

その後、2012年7月に「freee」という会社を創業して、最初は自宅の居間を使って共同のco-founderのもう一人と、二人で日々コーディングをし続ける、外には一切出ないという生活を半年ぐらい続けて、大体プロトタイプみたいなものができて。ベータテストを始めたころにDCMからシードラウンドとして5,000万円を調達しました。

そのうちやっとプロダクトが完成してLaunchできるタイミングになったのが去年の3月です。そのあと5月にLaunch padに出場をして優勝できた。そのあとすぐにシリーズAの資金調達ということで、2.7億円を集めました。

このシリーズAのときは非常に面白くて、Launch padで優勝できたおかげもあって、そのあといろいろVCさんにお声掛けいただいて、引きが良かったので、もうすぐに資金調達してしまおうと思ったんですね。

資金調達するんで説明しますというふうに集まっていただいて、早く決めていただけるベンチャーキャピタルに決めますということ僕は言ったんですけれども、そこで小林さんたちは、なんと説明をした翌日にタームシートを持って来てくださって。なんと素早い意思決定ができるベンチャーキャピタルなんだろう、というところに感銘を受けて、シリーズAはインフィニティーベンチャーズパートナーズさんとさせていただきました。

その後、事業も順調に進捗をして、今では登録の事業所数が7万を越えるようになりました。グラフは、事業所数の推移みたいなところを書いてみたんですけれども。そして、先月4月にシリーズBということで、DCM及びIVPから8億円の調達をしたというのが大まかな資金調達の概要になります。こんな感じでよろしいでしょうか。

(会場拍手)

武田:ありがとうございました。本当に僕がお願いした通りの資料で、お願いした通りのプレゼンでした。やっぱりこういうプレゼンするとLaunch Padで優勝するんだなと、あらためて思いました。

メルカリ小泉氏が調達した金額は累計45億円!

小泉:僕、実はトイレに行きたくなってきて、ちょっと……。

武田:次は、今をときめく、ベンチャー業界の資金調達請負人。

小泉:うるさい(笑)。

武田:小泉さんお願いします。

小泉文明氏(以下、小泉):小泉です。よろしくお願いいたします。「メルカリ」というフリマで、ブルーオーシャンのところなんですけども(笑)、おそらく僕らしかやっていないビジネスをやっています。会社は去年の2月につくって、サービスは去年の7月という、まだまだすごく若い会社です。

資金調達は過去3回やっていてですね、トータルで18億円くらい集めているといった感じですね。エンジェルで(松山)太河さんのところに5,000万円、そのあとユナイテッドさんから3億円、直近で14.5億円といった感じになっています。

僕の自己紹介としては、最初、証券会社にいまして、(モデレータの)武田さんも大和なので、僕の新卒の一発目の案件は武田さんと一緒にやって。武田さんにいつもしごかれるみたいなことがあったんですけども、その中IPOが多くて、DeNAとかミクシィとかもIPOをサポートしていて、そのあとミクシィでCFOをやっていました。

一昨年やめて、けっこういくつかのベンチャーを手伝っているんですけれども、軒並みけっこう調子が良くて、今年だけなのですけれども、トータルで45億円ぐらい。45億円くらいですね、今年で。なので、フリークアウトもIPOをしてきますので、比較的最近お金の回りがいいと。

個人的にはこれより、モンスターストライクの株価が上がっているので、こっちのほうが僕は重要なんですよ、実は。なので、武田さんがまだミクシィのレイティングがセルなんです。3,000円なんです、ターゲットプライスが……。

武田:本当にちょっとそういうのはやめてくださいね。セッションにまったく関係ありませんから……。

小泉:そっちのほうが大事かなと思ってます。僕としては以上になります。よろしくお願いします。

武田:ありがとうございました。これ、累計でいくら?

小泉:何ですか?

武田:資金調達累計で45億円?

小泉:一応そう、45。

武田:小泉さんだけで、45億。

小泉:いやいやいや。そんなことないです。

武田:すごいですね。

小泉:国光さんがFacebookでこれを「手数料を抜いている」と書いたので、めちゃくちゃ言われているんです。

武田:メルカリみたいな感じ? プラットフォームビジネスをやっている?

小泉:いやいや全部……答えづらいわ。

2度の経営危機を乗り切ったgumi

武田:はい、ありがとうございました。次は川本さんお願いいたします。

川本寛之氏(以下川本):CFOをやっています、川本です。私が入ったときに70人ぐらいで、今3年目くらいなんですけど、もう世界に8、9拠点で、700人みたいな感じになっていますので……。(会場拍手)

ヘッドクオーターしかなかったのに、なぜか福岡まで行くぞという話から始まりですね、資金調達をやったあとに海外だと言って、いっぱい立ち上げて大赤字をこいていたという……このころ、結構苦労したなみたいな感じです。

ゲームはもうこんな感じで、ずっとグリーのところでやっていて、ネイティブシフトだというのが2年ぐらい前から始まって、『ブレイブフロンティア』っていうのが出まして、ダーンと世界の55カ国で出ていて、軒並み上位ランキング奪取みたいな感じでやらせていただいています。

私自身はもともと、大学を出たあとはDBJ(日本政策投資銀行)に入りまして、国の銀行に行きました。10年勤めて最後4年ぐらいのところでDBJキャピタルという名前のベンチャーキャピタルに出向しました。それが2008年の3月で、2008年の夏ぐらいかな? 初めて国光さんと出会ったというところでした。そうですね、不幸の始まり。

当時3人ぐらいでボロボロのインキュベーションオフィスにいたころのgumiと知り合ったのがそのころで、そのあと投資したりということがあって、3年前くらいに、入社しまして、今CFOみたいな立ち位置でやらせてもらっています。特技は資金調達ということであとで話します。嫌いな言葉は「オールイン経営」ですね。国光さん私に「オールイン経営を3回ぐらいやれば世界が取れる」と言って、もう3回やったんですけど、まだ取れていないという。うそつきですね、完全に。

実は、その歴史を実際、国光さんがプレゼンしていることをよく皆さん聞かれると思うんですけど、定量データがあまりないという弱点があって(笑)、ちょっと真面目にそれをまとめてみました。俺も自分でまとめてみたかったので。創業が2007年6月から始まり、しばらくの間売り上げがゼロ。そして第1次経営危機が訪れるわけですね。(会場笑)

そのときちょうど私が、DBJキャピタルで入れたと。トータルで7,000万。これ実はDBJキャピタルで私がつくったっぽいのですけれど、私は完全フリーライドで、当時は大和にいらっしゃったインキュベートの村田さんとか、あとポケラボの社長やっている前田さんとか、当時ジャフコにいて、ジャフコとかエフルート、今のアクセルマークの尾下さんとかにつくってもらったところに、私がたまたま相乗りしたという感じでして。それが出会いの最初でした。

そこで出したはいいけど、また売り上げゼロが続くわけですね。しばらくなくて、ちょっとだけ今(スライドに画像が)出たんですけれども、2010年のところにミクシィアプリとか、ちょっとだけ出た、『おにぎり』が売れた時代があって。それでちょっといって、おにぎり売れたあとに調子乗ってですね、グリーさんに提携して青柳さんにすごいお世話になりまして。それまでモバゲー、ミクシィ派だったgumiがいきなりグリーにくら替えするという(笑)。これ踏み絵で違うほう踏んだみたいな感じすですね。なんだそれはみたいな。

(会場笑)

私が100均で買い物しているとき、まだDBJにいたんですけれども、そのときに「川本さんグリーにしようと思うんやけど」って言って電話がかかってきて。「グリーですか、大丈夫ですか売り上げ」と言ったら、「いや、大丈夫」だと言っているから……。そこからアプリ出すものの、売り上げがずっと下方修正で、第2次経営危機が訪れるわけですね。

で、第2次経営危機が訪れたときに次のファイナンスが走りまして、オオッ、と来たときにここで新生銀行さんとかを中心に2億円ぐらいの増資をしていただいて。ぎりぎり4月に、資金ショート寸前にですね、実際は若干ショートしてたんですけど、2億円が入ってつながったみたいな。ちょうど『任侠道』とか、うちの最初のグリーのアプリがわりと売れ出したときに金をつないでもらったという、そんなファイナンスでした。

傘は晴れてるうちに借りておけ

川本:そのときに私がですね、裏側で結構走らせてもらって、わりともう大丈夫ですかこの会社は、みたいなことを国光さんに詰めだして、そこからしばらく、ちゃんとした人を入れたほうがいいよ、というふうになったときに私が入ってしまったという……。本当はそんなつもりはなかったのですけど、このときに私は実は、11月ぐらいにグリーに、gumiがFIFAのサッカーゲームを出すというインサイダー情報も持っていて。これはFIFAで上場やなと思って。私も、そこで一発FIFAで上場いけるし、やるかみたいな感じでジョインしたという背景がありました。

(会場:軽い!)

川本:そう、軽いんですけど、そうするとこうね、ここで一発増資20億円という、当時では結構大きかったみたいなんですけれども。いきなり入社3カ月で「10億ぐらい調達しろ」って国光さんに言われて。そんな感じのファイナンスをやって。

こんな感じで調達はしたんですけど、おかげさまでFIFAもあって、そこから売り上げは好調に推移してるわけですね。一番絶好調のおととしの夏かな、gumiベンチャーズと言ってベンチャーキャピタルを組成しまして。あとついでにお金も借りといたみたいな感じで、10億円ぐらい借りておきました。そうすると、その途端売上がヒューって下がるわけですね。

「FIFAショック」って社内で呼んでいるんですけれど。私銀行にいたから、晴れているときに傘を借りまくろうと思って。このとき、3.5億円と10億円の融資をいただいたとき、実は裏側で「FIFAショック」が起きるって情報をインサイダーでもってたわけですね。

8月の10日ぐらいに「やべえFIFAの契約が11月で切れるかもしれん」という話しが国光さんから来て、どうしようかなと思って「明日からちょっと資金調達に走ります」とか言って、9月末に融資を10億円引っ張ったという。かなりタイトなスケジュールでお金を引っ張った途端、売上がドンと下がっていって、赤字が最大3億円に。

そのあと、ぎりぎりのところで、『ブレイブフロンティア』がリリースされるという。これはgumiに金がなかったので、gumiベンチャーズを使って、変則スキームで買収したっていう、ありえない形で。人のゲームで何とか救ってもらったという状態です(笑)。

今は、ここ(2014年1月)でドンとフジテレビさんと提携をし、ズドンみたいな感じになっていると、こんな感じです。一応これでどこかの誰かがシンガポールにドンッと言っちゃったものですから、これどうするんだ、やばいなみたいなことで最近、監査法人、主幹事から怒られているというのが私でございます。以上です。

武田:ありがとうございます。とりあえず今の話を受けて、国光さんからも一言。

川本:一応IPOまでに100億円を調達するというのが目標でして、あと50億円いるみたいなので、頑張ります。

国光:100億調達するまでIPOしない。

川本:してください。

小泉:あれ? 国光さん、経営者としてイケてないんじゃないですか?(笑)

川本:でもイケてるのか、イケていないかでいうと、定量的にはイケてないんですけど、定性的にはイケてる(笑)。とりあえずなんか持っている。危機のときに生命力みたいなのはありますね。

武田:国光さん、いいCFOを持ったな~、という結論で。

制作協力:VoXT