インスタカート、パーソナライズ、ドローン配送 - Eコマース革命の今後はどうなる?

Eコマース革命! #2/2

IVS 2014 Spring
に開催

「商品は玉石混交であるべし」。その分、パーソナライズによって商品価値を向上させる方針なのはヤフー小澤氏、メルカリ山田氏ともに同じ。今後のEC業界において、日本版インスタカートは成功するか? コンビニがEC進出したらどうなる? といった議論が交わされた。(IVS 2014 Springより)

「商品は玉石混交であるべし」 パーソナライズで対応する

光本:お二人にご質問なんですけれども、eコマース革命されて無料にされて今度もっとこう幅広く、いろんな方を囲まれようとしていると思うんですね。ヤフーさんもそうですし、メルカリさんもCMとか打たれて。マスの人たちを囲い込んでいこうとすると、商品のクオリティも下がっていってしまう懸念とかもあると思うんですけれども、ヤフーさんとかどうですか? こんな商品出されたら困るよみたいなものも実際結構登録しようとしてる人とかも出てきちゃっているんじゃないかなと思うんですけれども。

小澤:これは、多分全員そうだと思うんですけれども、とある人にとってのいい物は、とある人にとってのいい物ではないと。とある人にとっての迷惑な物は、とある人にとってはいい物だと。結局見る人によって、いい物は変わってくると。もちろんその特定の商品において相場が300円の物を8000円で売るというのは、あり得ないと思うんだけれども、価格帯の多様性というよりは、消費時の多様性というのは、最終的には検索結果なり、見るときのフロントのつくり方でいくらでも変えられるので、検索結果に対して同じものを今検索結果として出しているわけです。

けれども、見る側の趣味趣向、購買履歴、閲覧履歴に応じてパーソナライズをかけていくということによって、これで解決できると。本当にだれにも意味のないものというのは、結局出てこないようにしちゃえばいいだけであって、そこの商品の多様性というものは、玉石混交であるべしと。それをね、例えば我々は……。

山田:それは、全然ウェルカムな感じなんですね。

小澤:そう、全然ウェルカムですというのが我々の立場であると。キュレーションECとかというのを我々自体が、そういう立場ではないので、何でもあるよという場の意味というのは、同時に必ずやらなければいけないのは、レコメンドとパーソナライゼーションですと。そうじゃないと場が荒れると。逆にそれができさえすれば、すばらしいここにしかないものが、ドンズバでボーンと、その人にとって手に入れられることができるというのは思っているんです。

光本:では、結構もうバッと開けられて、いろんな方が来てると思うんですけれども、その方々は特に制限はしてないような感じなんですね。

小澤:そうそう、法律に反してなければとか、我々が決めているレギュレーションに反しない限りは、もう何でも売ってよしと思っているわけですよ。だから、 僕らが仕入れて売っているとか、キュレーションの役目を僕ら自体がやっていないのでね。テクノロジーで解決しようとしています。

光本:なるほど。メルカリさんはいかがですか? 

だれが買うんだよという物にも買い手がついている

山田:僕らも同じですね。やっぱり商品が多様であればいいなと思っていて、本当にとんでもなく、僕らが想定していないものとかがいろいろ出ていて、でもそれを買う人がいるんですよ。何か例えばで言うと、これジャニーズさんにとってはどうかわからないんですけど、ライブとかで、嵐とかのライブとかでテープが最近投げられるらしいんですね。そのテープを、銀テープという、銀テというんですけれども、銀テープを10センチとかで切ってあるやつが売られてるんですよ(笑)。

光本:(笑)。

山田:だから、要するに全国のライブのやつを集めたいファンとかがいて、 そういうのとか、要するにファンの交換の場みたいな感じで使われてるみたいで(笑)。そういうところを全く当然想定しなかったけれども、何かまあ、いいことかなと僕は思っていて。ジャニーズさんどう思っているかわからないですけれども、何かそういう、本当にさっき小澤さんが言ったみたいな、だれが買うんだよという物にも買い手がついているという感じです(笑)。

光本:なるほど。人それぞれですものね。

山田:あともう一つパーソナライズがすごい僕も重要だと思っていて、やっぱり今はすべてがあらわれてるんですね、僕らのタイムラインというのは。あれはちょっと何とかしたいなと思っていて、もうちょっとその人に本当に関心のあるカテゴリーだったりとか、ブランドだったりとか、そういうものを出していきたいなというふうに思っているんですけれども、ただ結構難しいですよね。

余りにも広げ過ぎちゃうと商品が多様になり過ぎちゃうし、なり過ぎてパーソナライズされている感じがしない。それで狭め過ぎちゃうと特定の物しか出なくなってしまうという問題があって、そこは非常に何か、パーソナライズされたものをまたパーソナライズするみたいな、何か広いジャンルのものがいい人には広いジャンルのものを見せてみたいな、そういうわけのわからない世界なのかなという感じがしていますね。

光本:結局はやっぱり小澤さんが今言われていたみたいに、メルカリさんもテクノロジーの技術で出し分けをしながら解決していこうと、その問題に対してはということですね。

山田:それはできるかなと思っていますね。ただ、やっぱり前提としてすごい多様な商品というのが必要だというふうに思っているので、それができるのというのは結構、ある程度商品数がないとできなかったりとかすると思うので、まずそこをやるというのが相当大変だと思うんですよね。僕らもまだそうは言ってもよくわからないものが数万点出ているという状態なので、これをもっと本当に何十万点とか百万点とか行くとこまで目指していきたいなというふうに思っています。

2013年のEC業界は「売り手の革命」だった

光本:そうしたら、今度もうちょっと大きな話になるんですけれども、2013年というのは私個人的には、本当にまさにeコマース革命、第2次eコマース革命期だったんじゃないかなと思っていまして、eコマースの世界で言うと楽天さんがずっと巨人でリードされてきたんじゃないかなと思うんですけども、楽天さんも10年とか15年くらいビジネスされていらっしゃって、こういう言い方をするとすごく失礼かもしれないんですけれども、ざっくり言うと、余りこの10年とか15年はeコマースの仕組みというのは変わってきてなかったんじゃないかなと思うんですよね。

お店がテーブルの上に商品を並べて、これを買いますか、買いませんか、買いたい方は買うし、買いたくない方は買わないと。市場もできてきたり大きくなっていくから、楽天さんとか、eコマース市場自体は今まで成長してきたと思うんですけれども、それに対して2013年というのはものすごいeコマース 周りで動きがあった。

私たちもその中で一般の方に簡単にオンラインストアがつくれるというようなサービスを開始させていただいたりとか、メルカリさんみたいにだれでも簡単に気軽にオンライン上でフリマ感覚で物が売買できるようなプラットフォームができたり、まさにヤフーさんみたいに今まで当たり前だった費用をゼロ円にしたりとかというので結構話題になったと思うんですけれども。今年というのはどう思われますか? すごい大きな変化が2013年にあったのに対して、引き続きそういった変化が今年動いているんですかね?

山田:先ほどの小澤さんの話じゃないけれども、浸透するのに時間はかかるんじゃないですか、何事もやっぱり。だからそれが徐々に今進行しているという状態なのかなというふうには思っていて、だからそれぞれのサービス自体も月単位で伸びているみたいな。僕らも伸びているみたいな感じだと思うので、時間はかかるだろうなと、じりじりというふうには思っているので、ことしはそういう意味では成長していく。

光本:ヤフーショッピングさんにとって2014年はどんな年として見られていらっしゃいますか?

小澤:全体のeコマース、先ほど光本さんの文脈で言うと、そもそもeコマースにかかわりがある人というのは売り手がいて買い手がいて、商品があって、物流があって決済があるということですね。どのパラメーターが大きく動くかという話で、ヤフオクを中心とするメルカリがやっているようなところというのは、御社もそうかもしれない。売り手の革命なんですよ。

売り手を個人までおろしちゃうとか、簡単にという売り手をeコマース上でガーンと披露する。その結果商品が今まで見たこともないようなものが出てくるという。で買い手は徐々にふえてくる。ただ、デバイスの変化によってモバイルというのは買い手をふやすすばらしい、いいきっかけになるから。

山田:僕もそれはすごい思いますね。

小澤:そうそう。だから、PC開いてカチカチやるような正直特殊な人から、普通の人になってくるという意味において、買い手が。あとは物流と決済というところは、正直Alipayみたいな決済手数料がゼロみたいなのは、当分日本では法律上起きないから、リアルで買うよりいろんな人が、現金の受け渡しよりも効率が悪いというのね。これが一つボトルネックになる。我々ヤフーとしては、決済の部分は何とかしたいなと思っていると。売り手の解決は去年やりましたと。

光本:相当ハードルが下がりましたからね。

小澤:そうそう。買い手はモバイルを中心とした買い手を増やすところに対してどう食い込もうか、ヤフーとの連携を増やす。ただこれ革命というほどじゃない、じわりじわりと……。

山田:いやいや、でも確かにそうですよね。そういう視点で見ると、結構いろいろできそうなことはありますね。

小澤:あとは物流で、これはもう物流は単純に、本当にトラックがあって倉庫があってという話だから、ものすごい革命的なことをやろうとなると、電子書籍ぐらい商品を電子化して物流をなくす、これ革命的なことなんですよ。

光本:そうですね(笑)。

小澤:少なくとも本という商材においては。ゆくゆくはですよ、3Dプリンターみたいのがあったら、図面だけをやりとりして、オリジナルじゃなくて、コモディティを家に1台ある3Dプリンターからデータがここに、ここででき上がってくると。コップとかはね、十分あり得るんですよ。

光本:確かに。

小澤:そう。というように手元に再現する、物ができ上がる、音楽もそうなんですよ。手元でデータのやりとりだけして、ここで聞けるようになって、つまりメディアという何かを介在しない、物を介在しないで、物流をなくすという方向における革命というのはずっと起きつつある。これはあると思っているんですね。

だからそういうeコマース、物の売買というものに対してプレーヤーがそれぞれにあって、それぞれに対してどでかい変化がバンと起きるタイミングがいつなのかというと、今年に関して言うと売り手はさらに増えますと、買い手は引き継ぎじわっと。ただこういう曲線じゃないね。売り手は比較的こうかな、2014年は売り手がふえるんじゃない?

光本:2014年。

小澤:2014年はね。

日本版インスタカートは成功するか

山田:あと最近、日本だとbento.jpみたいな、ああいう、何というんですかね。

光本:ファストデリバリー。

山田:ファストデリバリーみたいな。アメリカだと僕もインスタカートとか使ってみたんですけれども、ああいうのとかはやっぱり革命的に便利で。

光本:ヤフーさんの「すぐつく」さんもそうですよね。

山田:そうですね。

小澤:ただ決定的な問題があって、絶対赤字なんだよ。

山田:はい(笑)。

小澤:絶対赤字なの。だってそもそも、「コズモ」という、2001年ぐらいにアメリカであって、70億ぐらい突っ込んで華々しく死んだその即時配達系があって、定期的に出てくるんだけれども、決定的にコストの問題というのはあって、我々はそれを広告でカバーしようとしたり、いろいろ考えているんだけれども、そこがね。

山田:買い手という意味で言うと、先ほどのPCだとやっぱり複雑じゃないですか。でも何かインスタカートとか、ものすごいポチポチやってぱっとやったらすぐ来るみたいな、アプリのbentoみたいなやつとかもそうなんだけれども、あの気軽さみたいなやつは売り手を結構ふやす可能性があるんじゃないかなと思っていて……。

小澤:コンビニのeコマースがやばいんだよ。結局全国に3万カ所、物流拠点があるようなものだからね。

山田:実店舗(笑)。

小澤:そこで注文が入って、ピュッと運ぶ。だから、やっぱりコンビニ各社はeコマースに本格的に参入してきたときに、あれは店舗と見るんじゃなくて物流拠点として見るはずなのですよ。

光本:なるほど。そうすると驚異ですよね。

小澤:コモディティはね、コモディティは、だよ。だから、多分メルカリがやっているようなところだったり、その御社がやってるようなところ、ヤフーショッピングの中で言うと、コモディティはかなりきつい。

山田:でも、どうなんですか、楽天、ヤフーみたいなところでいうと、何かそのイメージ、食品のところというのはカニとか、すごいおいしい卵とか、そういうイメージなんですけど。

小澤:そうなんだけれども、EC化率を20%まで持っていこうとしたら、 通常の消費にどれだけ入れるかなんですよ。そうすると、生鮮を含めたところまで行くんだけれども、物流の問題でネットスーパーというのは各社赤字。では、これどうするねんといったら、コンビニとかそういうところに入ってくるのかなと思っているというところだね。

配送は5年後くらいにドローン化も?

山田:あと、僕やっぱりアプリの出来はすごい重要かなと思っていますね。

光本:アプリの出来?

山田:アプリの出来ですね。要するに、モバイルで簡単にできるということ自体が、ユーザー数を飛躍的に拡大することになると思うので、だから多分、いわゆる生鮮食品系のファストデリバリーも、アプリの出来というのはものすごい左右するんじゃないのかなというふうには思っていますね。

光本:何かそういう予兆もまさに、bento.jpとか「すぐつく」さんとかインスタカートの話もされていましたけれども、予兆も結構出てきてるような気がしますけれども、これだけ売り手がふえてくると、結局eコマースというのは届けなきゃいけないわけじゃないですか。そういった物を届けるのに対して、革命というか変化を起こそうとして頑張っているような企業さんもふえてきているので、今年後半、その辺の変化とか、革命までは行かないかもしれないですけれども、動きは結構eコマースにひもづいて起きてくるような気もします。

山田:多分5年ぐらいすると、本当にドローンになると僕は思ってまして……。

光本:そうですね、究極的には。

山田:何か人でやらなくても機械で運んじゃうという、この間僕初めて見たんですよ、飛んでいるところ。メーカーフェアみたいなところに行って。あ、一言ということ?

光本:(笑)。あ、済みません。では最後に……。

山田:時間を見てということですね。

光本:そうしたら、ちょっと簡単にまとめさせていただきますと、やっぱりeコマース周りというのは、引き続き、去年特に大きな変化があって、ことしは皆さんじわじわと頑張って育てられてたりとか、大きくなっていけるようにいろんな展開されていらっしゃると思うんですけれども、それにひもづいていろんな変化ですね、物流だとか決済だとか、あとはその売る場所だとかというのも多分起きてくると思うので、引き続きめちゃくちゃおもしろい業界なんじゃないかなと、私もかかわらせていただいてて思っていたりします。という中で、簡単に一言(笑)。

小澤:30秒ずつで。

光本:30秒ずつでお願いできますでしょうか?

小澤:もちろんだよ。

光本:では、小澤さんからお願いします。カメラ目線で(笑)。

小澤:(笑)。eコマースのマーケット拡大のために、先ほど申し上げた商品数だとか購入者だとか売り手だとか、物流だとか決済、それぞれの要素で、本当にこういう業界にいる人がみんな頑張ることで世の中必ずよくなると思いますので、一緒に頑張りましょう! (拍手) 。

光本:頑張りましょう。ありがとうございます。そうしたら、はい、お願いします。

山田:僕も同じなんですけれども、本当におもしろい業界だなと、僕はゲームから移ってきて思っているんで、ぜひ何か一緒にやってくれる人いたら、ホームページをチェックしていただいて、当てはまるものがあれば応募ください。よろしくお願いします。

光本:本当、業界が激しいので気が抜けない感じですよね 、動きが激しいので。というところで、札幌で開催中のIVS Spring 2014インタビュールームにゲストをお招きしてお送りさせていただきました。小澤さん、山田さんありがとうございました。

小澤:ありがとうございました。(拍手)

山田:ありがとうございました。(拍手)

制作協力:VoXT

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