2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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記者:あなたの発表を受けてとても感銘を受けました。結局今回の件はどういう問題を打ち出しているかというと、ひとつ目として、男性と女性の間に、明らかに性器や性表現におけるダブルスタンダードの問題があるということ。あともう一つは、今回の事件というのは国際的に注目を集めていて、日本が世界からどう見られているか、という点において影響を与えています。
ご存知のとおり日本では、いわゆる性表現産業、ポルノグラフィの産業というのは非常に大きなもので、女性の身体の商品化というのはものすごくたくさんあるんですが、そのなかで、あなたが今回このような手法をとって、女性の身体、性器への捉え方について問題提起をした、ということについて、深い敬意を表したいというふうに思っております。
質問としては、例えば女性の性、つまり女性のヴァギナ、マンコというものを買うことが出来る現状にも関わらず、それの型をとってスキャンしてデータとして配るのはいけない、というのは明らかな矛盾のように思えるんだけれども、その点についてろくでなし子さんはどう思われますか?
ろくでなし子:私もすごく日本が矛盾しているな、と思っていまして、例えば電車の中吊り広告とかでは、子どもやいろんな人が見る場で、すごくワイセツな文章などで煽っていたりするものが堂々と出ていたりして、それこそ、そういう物を見たくもないのに見させられるほうが不愉快というか。
一方で、こういう活動でマンコというものそのものに悪いイメージを与えて、それをイケないものみたいにしている、その見方がとても男性目線的で、女性の主体性が全く無いんです。それがおかしいと思って、ずっと活動してきております。
1つめは、なぜ今この時期にあなたが摘発されたのでしょうか? 事前になにか警告のようなものがあったんでしょうか?
2つめの質問は、安部首相はアベノミクスだったり、女性の社会参画というものを盛んに推しているんだけれども、その流れに対して、今回の摘発というのはどのような影響を与えるのかとお考えでしょうか?
ろくでなし子:まず1つめの質問について、なんの警告もなされず、突然逮捕されました。去年から大手出版社の週刊誌では、しょっちゅう「女性器特集」という変な特集を組まれてまして、そのなかで私の活動を取り上げてくれた雑誌もあったんですけれども、私の作品以上にその週刊誌のほうでマンコをテーマにした、いろんなものをやっていて、そのなかで3Dスキャンをしたっていう特集もあったんですけれども、なぜか私が逮捕されてしまいました。
また、安倍政権になってからとても右傾化しているように感じまして、80年代の日本の女性はもっと元気だったと思うんですけれども、どんどん保守的になっているように感じます。今回の件も、そういうのに少なからず影響されたんじゃないかなと思います。
私は、43年前からゲイ・ムーブメントに携わっていた東郷健という人の本を英語と日本語で出したことがあります。そして東郷さんという人は、わいせつ関連の法規で何回も逮捕されまして、それを最高裁まで争ったりとか、あるいは選挙に出て訴えたり、政見放送にてその事(逮捕や裁判)に反対するよう訴えたりしました。
質問を端的に申し上げますと、東郷さんのように、例えば選挙に出て訴えるとか、あるいは最高裁まで徹底的に争うとか、あるいは芝居において自分のアートで逮捕の不当性を訴える、ということはするおつもりはあるのでしょうか?
弁護士:あのー前提として、今回の件はまだ裁判になっていないので、最高裁までいけるかどうかわからないということがあります。
記者:ああ、書類送検という……。
弁護士:書類送検というか、不起訴になってしまえば最高裁にいくまでもないので。一応、前提としてそれは。
ろくでなし子:起訴されたら最高裁まで信念を貫きたいです。選挙とは……「マンコ党」で、ですか?(笑)
(会場笑)
詳しくは弁護士さんと相談します。
ちょっとこれは噂で聞いたんですけれども、あなたは自分の女性器に整形手術を施した、という話を聞きました。なぜご自分の性器に整形手術を施したいと考えたのか、差し支えがなければお答え下さい。
ろくでなし子:先ほどの方の質問のなかでもあったように、日本では性器にモザイクがかけられて、どういうものかが分かりづらい……分からないのですが、私はだから、ずっとモザイクをかけられているので、他の人がどういう形かもわからなかったんですね。
で、ネットで検索すれば出てくるという知識がちょっと無かったので、自分の形が人より変なんじゃないか、という悩みを抱えていたんですけれども、それで整形手術をしたんです。けれどもした後で、私に形は特に異常じゃなかったっていうことに気付きました。
ろくでなし子:はい、逮捕されたときの罪状を読んだところ、この人達はクラウドファウンディングを理解していないなと思って、私のほうから説明したんですけれども、何回説明してもわかってなくてですね、2回目の供述書くらいでやっと理解していたみたいです。
記者:送った人は30人くらいと報道されていましたけれども、送った人の人数と、送るにあたっての条件というか、例えば、いくら以上寄付してくれた人に送るとは、あるいは希望した人に送るとか、どういう人に送ったのか、っていうことについてもう少し正確に教えてください。なにを送ったのかも。
ろくでなし子:3000円以上募金をしてくださった方へのお礼として、3Dマンコデータのダウンロードが出来る7日間限定のURLを、キャンプファイヤーというクラウドファウンディングのメーラーから、3000円以上の方に一斉送信することが出来るんですけれども、それで送りました。
ですので、データそのものを送ったということでもなく、また、キャンプファイヤーの私のプロジェクトに賛同してくれた方がお金を入れてくださったので、私のこの主張通り「マンコはわいせつではない」という考えに賛同してくれている方に私は送ったつもりですし、向こうもそのように思っていると思います。
記者:クラウドファウンディングで募金をする時に、「3000円以上募金をしてくださったらこういう物を差し上げますよ」ということも、事前に告知していたのですか?
ろくでなし子:はい、事前にそのキャンプファイヤーのプロジェクトページがありまして、そこに「500円以上の人はコレ」など、リターンが全部書いてあります。
記者:そのダウンロードは、してもしなくてもいいわけですね? 個人の判断に任せると。
ろくでなし子:そうです。7日間の間に開かなかったら見れません。
記者:ロイター通信です。第一の質問としては、あなたの今の法的な状況というのは、一体どのようなものなのでしょうか? 保釈されているとかそういった状況なのでしょうか?
第二の質問は、あなたが釈放されるにあたって当局から「なにか騒ぎを起こしたらもう一度ブチ込むぞ」とか「また逮捕するぞ」というふうに脅された、ということはあるのでしょうか?
それから第三としては、結局あなたはこの事件がどのように終わって欲しいか、またこの事件を通じて世の中なにか変わってほしいことがあるか、ということについての意見をお伺いします。
ろくでなし子:圧力は特にありませんでした。ただ、供述の時、取り調べの時はそういった話をされました。
やっぱり私は、誰にも阻止されずに自分のマンコアートをまた続けていきたいので、それが出来るように、不起訴となることを祈っております。ただこの事件をキッカケにこのように海外の方だったり、日本でもtwitterなどを通じてかなり議論になったことが、今までずっとマンコは無視されてきたので、とても有意義なことになったなと思いました。
ろくでなし子:(今回の容疑である)3月時点でのお話は、クラウドファウンディングで募金をしてくれた人が、7日間限定のURLを開かなかった人もいて、後ほど「もらってない」みたいになった人が、直接私のホームページのお問い合わせから来たんですね。
で、アカウント名だったするのでその方のお名前は私もちゃんと把握してないんですが、クラウドファウンドに出資した1人なんだけれども(データを)もらってない、という人には(再度)送るようにしてたんですね。実際、3Dマンボートプロジェクトは9月にサクセスしましたので、(最初に)データを送ったのは10月とか11月とかだと思います。
記者:つまり今回の事件というのは、あなたが再送信した件について、ということで宜しいんでしょうか?
ろくでなし子:恐らくそうなんですけれども、警察は最初からメールでデータを送っている、という体で逮捕してたっぽいので、最初は話が全然噛み合わなくて、私が全部警察に説明し直した形です。
記者:あなたが拘束されていたのは6日間ということで宜しいですか?
ろくでなし子:はい、そうです。
記者:あなたは今回クラウドファウンディングでやったけれども、今回摘発される以前にクラウドファウンディングでのプロジェクトというのはやったことがありますか? また、今後もクラウドファウンディングでご自分の芸術活動をやっていくつもりはありますか?
ろくでなし子:クラウドファウンディングを使ったのは、今回のマンボートプロジェクトが初めてです。今後もやっていきたいです。
ろくでなし子:留置場というのは人権を無視したとても酷いところです。
まだ犯罪者と確定されたわけではない人もいるのに、検察庁に行くときと裁判所に行くときに護送車に乗って行くんですけれども、その待ち合わせ場所っていうのが、ものすごく狭い部屋に10人くらい押し込めて、すぐそこはお手洗いなんですけれども、そこで手錠をずっとかけたまま、木の硬い椅子に6時間以上もずっと座っていないといけないんです。
で、ご飯を食べるときは、検察庁では(手錠を)片手にしてもらえるんですけれども、裁判所で待ってるときは手錠をつなぎっぱなしでパンを食べなければいけない。そしてその部屋っていうのは、クーラーがなくて扇風機しかないんですよ。なのでトレーナーなどを着て行くととても暑いんですが、脱ぐと怒られるんですね。
その手錠も限界ぎりぎりまでギッチリかけられて、「指が痺れていたい」って訴えても「我慢しろ」と言われて、なかなか緩めていただけなかったです。
あと、この夏の季節に、お風呂に週2日しか入れないんですよ。あと私は痔持ちなんですけれども(笑)、「痔がちょっと痛いんでボラギノールとかください」と言っても「そんなものはない」と言われ、「じゃあ痔の人はどうしたらいいんですか?」って言ったら、「月2回の健康診断の日まで待て」と言われました。
あとですね、いろんな病気を持っている方とも部屋が一緒になってしまうんですが、例えば水虫を持っている方とかと同じ部屋になったりとかして、伝染ってしまうんじゃないかととても不安な気持ちになりました。
まだいろいろあるんですけど、……マンガにします(笑)。
ろくでなし子:思いません。なぜなら、わいせつだったりイヤらしいモノというのは、性行為を彷彿とさせる、挿入とかセックスしているそのものとか、そういう欲情させるものだと思っているんですけれども、単に性器のいち部分を切り取ったものって、果たしてそれがわいせつかどうか、というのは、私は全く思っておりません。
記者:ありがとうございます。あともう1個。個展やマンガもすでに描いていらっしゃるのに、報道やニュースでは「自称アーティスト」とされたことをどう思いますか?
ろくでなし子:実は絶対「自称芸術家」とかって書かれるんじゃないかな、と思っていたんですよ(笑)。そのぐらい汚い人たち……というか、それぐらい酷いことはされてきていたので、そのぐらいは言うだろうな、とは思っていて若干諦めていたんですが、外に出てきた時に多くの方がそれについて怒ってくださっていたことに、逆に私がビックリして、嬉しかったです。
ろくでなし子:されたままです。
記者:それらについては、どうしてほしいんでしょうか?
ろくでなし子:ほとんど全て押収されてしまいましたので、早く傷をつけないで返してほしいです。
記者:要するに、人に見せる作品がネット上以外にもあったと?
ろくでなし子:例えばこれはわいせつじゃない、ということで持っていかれなかったんですけど、
ろくでなし子:後は全て持っていかれました。押収したときの梱包の仕方もすごく粗雑だったので、逆に私も手伝ったりしちゃって。プチプチでくるんだりとか(笑)。
ろくでなし子:はい、プロジェクトに募金を入れてくれたということは、趣旨に賛同してくれた方だと理解しておりまして、また、そのプロジェクトが終わった後に関係ない人たちが「マンコ見せて」「データ欲しい」みたいなメールもきたんですけれども、そういったものには一切返信していません。
記者:URLっていうのはなんのURLだったんですか?
ろくでなし子:データを預ける、オンラインストレージサービスのものです。
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