2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会者:幹事社の読売新聞のキノシタから何点か質問します。盛り土の前に、端的に2問うかがいます。
昨日、都政改革本部の第2回会議のなかで、オリパラ調査チームの報告書が出まして、さまざまな抜本的な見直し案が盛り込まれていたんですけれども。それを受けて、競技団体や競技者の間に不安の声や反発するような声もあがっているんですが、それいついて端的にどのように受け止められますでしょうか?
小池百合子氏(以下、小池):オリパラ調査チームは極めて大胆に、そしてまた経営的な手法でいくつかの提言をしてくださいました。
とくに、大会が終わってからの利用頻度であるとか、それからそれによるロスが出るのか出ないのか、出るとしたらどれぐらいのものになりそうなのか、オリンピックを開いて、そして廃墟となった建物なりを、残っているそういった各国の例なども参考にしながら割り出した、客観的な報告書であります。
提言についてはたいへん重く受け止めております。なぜかというと、それは結局都民のみなさま方に負担をお願いしなければならない、その1点だからであります。
もちろんアスリートの団体でありますそれぞれの競技団体、これは国内、それから国際、そしてさらに全体的に申し上げればIOC、これが理事会等々を開いて、そして場所を決定する。
その過程については、私自身、競技の協会に携わって、さまざまなその流れについては存じ上げているつもりであります。ですから、みなさん、びっくりなさったことかと思います。各団体については。
しかし一方で、ベニュー、会場を作ることについては、今回分析させていただいたのは、都が関係している、都がまさしく主体となっている会場のことでございまして。とくにお金、金額が上のほうにある、上位3つの会場をチェックしたわけでございます。
これは報告書として、報告としてしっかりと受けて、検討していきたいと思っております。で、総合的に判断を下していきたいと思っております。
いずれにしましても、これまでの……これまでのというか、これからのですね。東京の次、2024年で各国・各都市が、例えば手をあげていたハンブルグとか、ボストンとか、それからローマですけれども、元気に手をあげてきたのがだんだん今手が下がりつつあって、もうwithdrawしてしまっていると。
その理由というのは、財政、それから環境に対していろいろと会場を作ったりすることに対しての問題点ということで、だいたい市民・国民からの反発ということで、手を下ろしたということでございます。
ですから、やはりこのお金の問題というのは、作る部分と、そのあとの利用の話とがございますので、だからこそ総合的に考えて判断していきたいということでございます。
それから昨日の報告書のなかで、上山(信一)教授らが一番訴えていきたかったところはガバナンスの問題だとおっしゃっておられました。
「社長も財務部長もいない」などと厳しい言葉をおっしゃってましたけれども。ぜひガバナンスという観点でしっかりとした方向性というものがより見えていけばよろしいのではないかと思っております。
司会者:2点目なんですけれども、昨日、青果棟の近くの3ヵ所でベンゼンとヒ素が初めて環境基準を超えたと。知事も延期の判断をする時に最重視したモニタリングで初めて出たということなんですけれども。
モニタリングを今後も継続していくというお話をされていると思うんですが、9回目、最終回が1月に出るんですが、その後も続けていくんでしょうか?
小池:その件につきましては、私も昨日報告を受けまして大変驚いたところでございます。今、水の点でいうと、例の地下空間からのたまり水と、今度はまた別の水の話ですから、ここは間違えないようにしていただきたいのですが。
これは決められた観測井戸から採水した地下水で、定期的に行ってきた地下水のモニタリングの一環でございます。環境基準を超えたということは初めてでありまして、ベンゼン、ヒ素が検出されてきたわけでございます。
豊洲市場の用地には、設置している観測井戸が201ヵ所あるわけですが、今回が5街区の2ヵ所からベンゼン、1ヵ所からヒ素が検出されております。5街区というのは、青果棟になります。
今回、一部の井戸から少しではありますけれども、少量ではありますが環境基準を超える物質が検出されたわけでございまして、昨日発表されたので、図表に出るのはこれだけになりますけれども。
これまで8回モニタリングしておりますが、これは前回もご説明するときに使ったものですけれども、この検出の値は、単純な時間が経れば……経時変化ではないということを前回申し上げたところなんですね。
これを見ていただいても、だんだんおさまったかなと思ったら、今回このような高い数値と言いますか、基準値を超えてしまっているということでございます。
結論から申し上げると、モニタリングは続けます。今回、(モニタリング期間が)2年間ということですから、まず2年間をきっちりやります。それは11月に採水をして、その結果が1月に出て、その時点での……2年間をきっちりやると。
今回私がこだわっていたのは、まず2年間きっちりやりましょうよと。決められていることでしょうと。
それをオリンピック・パラリンピックの道路をつくるために、逆算して早くしましょうよと、切り上げみたいな話だったので、それは違うという話を申し上げてきたわけです。
今回このように(環境基準を超える数値の物質が)出てしまったことに驚くわけではありますけれども、今後も2年間のモニタリングは引き続き続行していくということで、9回目、11月に採水して、1月にその結果が出る、ということのモニタリングを継続していくということと、そのあとどうしますか、ということについては、まず平田(健正)先生が座長の専門家会議、それから市場問題プロジェクトチームによる検証も行ってまいります。
それから細見(正明)先生もおられますので、こちらは土壌汚染対策工事と地下水管理に関する協議会、こちらも細見座長などに専門家の見地からのご判断をいただくことになろうかと思います。
司会者:2年間の9回、全体で判断すると。
小池:そうです。そこは専門的に、科学的に判断していきたいと思っております。
司会者:盛り土の話について、1点だけなんですが、結局段階的に集まっていったと。ピンポイントで特定することは難しくて、流れのなかでということなんですが……。
一番関心があったのは、「誰が、いつ」というところだったんですけど、これ以上は詰め切れないというご認識なのか。誰がというのは決めきれないので難しいかもしれませんが、今後職員の処分も考えていらっしゃるのか。その2点を教えてください。
小池:「誰が」ということについては、明確な答えにはまとまっていないと思います。だからこそ、これからも公益通報制度も活用して、情報収集をさらに進めていくということであります。処分については、もう少しそれらの情報を確認しなければできないものだと思っております。
司会者:幹事社からは以上です。質問のある社は挙手の上、指されてから名前と所属を述べてから質問してください。
記者1:ジャーナリストのイケガミと申します、お疲れ様です。豊洲で基準値を超える汚染が出たことについてなんですけれども、今後、土対法(土壌汚染対策法)上の汚染区域の指定解除を行なうのであれば、汚染が残っているかの周辺調査をした上で対策が必要になると思うんですけれども。
今後も指定解除を行うことを目指すのかどうか、ということを都の方針として、知事としてはどうお考えなのかということをお聞きしたいです。
小池:土対法の観点からいたしますと、2年間のモニタリングをしてきたわけですね。それで、形状変更時の届け出区域の指定解除、そのために2年間続けるということでございました。豊洲の市場用地というのは土対法上、これは土壌汚染対策法上でありますけれども、土壌汚染の摂取経路というのが、そもそも土壌とか地下水の飲用利用というのはない。
そして、健康被害が生じるおそれがない区域というものでございます。ただ、これらについては自然由来のものが含まれるということですから、そもそも解除というものにはならないのではないでしょうか。対象としてね。その土地、そのものが。ということで、台帳からは消えないということになろうかと思います。
記者1:汚染区域の指定解除というのは、市場の人たちが求めている安全宣言の前提になるものではないかなと思うのですけれど、その辺についてはどう思いますか?
小池:それについては、土壌汚染の対策法上とすれば、この土地がそうであると今申し述べたとおりなんですけれども。それについては、土対法という観点と、それから全体的な観点と、いつも私は「総合的」と言うんですけれども、農水大臣の方に、「この土地は市場に適していますから、指定をお願いいたします」ということをお願いする。そういうポイントがございますから、このときは総合的な判断になろうかと思います。
それこそが、市場が求めておられることではないかと、このように考えております。
記者2:ニコニコ動画のナナオと申します。よろしくお願いします。東京五輪についてです。昨日、上山教授がこれまで国と組織委員会、いずれも東京大会の総費用を積算していないことを指摘されたと思います。
それぞれがそれぞれの立場で、「2兆円を超えそうだ」あるいは「3兆円になる可能性」と言われても、都民としてはなにかごまかされているという印象を持ちますし、そもそも、東京五輪にいくらかかるか、その情報共有がない。ここが大きな問題であるという指摘がございます。
方法としては、例えば国と組織委員会が共同で総費用を積算して、都民・国民に示すことはできないのか。三者が共同で総費用の積算作業をする中で、相互理解も進みますし、今後のコンパクト五輪を現実的に進めていく上での共通のマイルストーンになるのではないかという指摘がありますが、この点いかがお考えでしょうか。
小池:昨日、リオのオリンピック・パラリンピックのほうが無事終了し、それぞれ視察等をし、そしてその上での調整会議が開かれたわけでございます。そしてその後に、改革本部の方から「総予算は場合によっては3兆円」という話が出て、そしてまた問題点として、ガバナンスについて、さらに社長や財務部長がいないという大変手厳しい分析をされておられた。
1つの企業が事業をする際に、予算というものを組み立てて、そのためにはなににどれくらい使われるのか。国や都についても事業を行う際は同じように予算を組み立てて、承認いただいて、ということであります。
ひと言で言えば、やはり調整会議の調整という言葉が示すように、いくつものステークホルダーが組織委員会であったり東京都であったり、それからJOC、JPC、そして国、文科大臣がいて、オリパラ大臣がいてということで、船頭はたくさんいるわけです。
それで、それぞれがそれぞれの感覚で、お財布で、もしくはお財布がないからいろいろ知恵を出して、ということで、寄せ集めという言葉は使いたくないですけれども、そういう状況になってしまっている。だからこそガバナンスという言葉が使われている。
私は、リオのオリンピック・パラリンピックも終了いたしましたので、まさしくこれから本腰を入れるところ。改革本部によります大胆な報告というのは、もう一度改めてワイズスペンディング、本当になにが必要で、なにが国民にとってプラスで、都民にとってプラスで、そして楽しみにつながっていくかというポジティブな部分を出していく。
これからチャンスにするためにも、そういった本当に必要なことについては話し合おうということだと、このように思っております。
もっとも調整会議も時間も短く、また、みんな遠慮し合うようなところもあって、なかなか本音で話すような状況にはならないのが実情かなと思っております。
1つ、昨日は改革本部から爆弾を頂戴いたしましたので、むしろこれを起爆剤にして、もう一度原点に立ち戻る。
もちろん現実がございますので、相手があることでございますので、それらを総合的に判断して、都としてどうするかというのは、これからさらに詰めるところは詰めて、そして進めていきたいと思っております。
記者3:テレビ東京のモリモトと申します。築地市場についておうかがいします。豊洲市場が東京の台所として安全性が確保できないとなった場合、移転自体を白紙撤回するという可能性はあるんでしょうか。さらには、築地市場を再び改修して使うというようなことも選択肢としてあるんでしょうか?
小池:それについては、先ほど申し上げましたように、安心安全、これを確保する。それなしに市場というのはそもそもありえないと思っております。
よってこれから、モニタリングも続けますし、市場プロジェクトチームもスタートいたしましたし。それからこれまでの平田座長による専門家会議、そしてまた土壌対策等の細見座長の会議、いろいろともう1回動かしております。そういった総合的な判断を待っていきたいと思っております。
仮定の話かとは思いますけれども、今はこれらの科学的なデータをもとにした判断ができる、そのタイミングを計っているところであります。
記者4:時事通信のサイトウです。豊洲市場の盛土の問題についてお聞きします。都の今回の調査結果というものをこれからも深掘りしたいと知事はおっしゃていますけれども、職員の手による調査でこれ以上の結果が望めるのかということを1つお聞きしたいです。
例えば、先日の都議会の経済港湾委員会でも、延期や今回の問題について、A4、1枚で報告を済ませようとしているようなこともありました。なので、市場問題PT(プロジェクトチーム)だとか、それから外部の人による調査っていうことは考えていらっしゃらないんでしょうか?
小池:今のご質問は、先ほど私が「ホイッスルブロワー」の話をさせていただいたわけでございまして。匿名・実名を問わず、今回のこの報告・検証の対象にはならずとも、それになんらかの関わりをもった方々などから、一報をいただくという、そのような装置を作らせていただいたということで。まもなくそれが稼働するということを申し上げたわけでございます。
まあ仲間でございますので、職員同士のなかで、やれ「あいつがこうした」とか、なかなか言いにくいのは、私はよくわかります。というか、なかなか難しいものだと思いますけれども。
しかし、そういうコミュニティとしての都庁と、それから機能体としての都庁は違いますので、その機能体を確保するためには、そうやっていろんな情報をこれからもいただきたいと、こう思い、そのチャンネルを作ったということでございます。
記者5:東京新聞のサカキバラです。今の質問に関連しまして、その豊洲の盛り土問題の最終的な報告、所信表明では「責任の所在を明らかにする」とおっしゃっています。これはいつ頃までに終えたい、責任の所在を明らかにしたいとお考えですか?
小池:今回の自己検証報告書というのが、今日、みなさま方にお伝えしている部分ではありますけれども、今申し上げましたように、これだけでは「誰が」というところ、責任の所在はいったいなにか。
まあ、山本七平さん的に言えば、「日本の空気の研究」という、それでは大学の論文で終わっちゃいますので、それではなく、やはりもう1つ、もう1歩・2歩前に進めさせるために、さらに情報収集を進めていくということで、そのときには内部の情報、内部の通報制度を確立していくということでございます。
また、今なによりもメディアのみなさま方が、すさまじいスピードでいろんな調査をなさっているようでございますけれども、それが正確かどうかはまた別にしましても、いろんな調査が進んでいくんだろうと。それを総合的に判断してまいりたいと思っております。
記者6:読売新聞です。築地の関係で、(移転)延期の表明からまもなく1ヵ月経つかと思うんですけれども、今新たな問題が次々と発覚していて、移転時期の決断の時期ですとか、新たに市場関係者への補償など、今どのようなことを考えているのか、そのあたりを教えてください。
小池:時期につきましては、先ほども申し上げましたように、地下水のモニタリングについては引き続き行うということでございまして、その結果は年明けになります。
それから今、プロジェクトチームでそのほかの安全性、例えば建物、それから空間があったわけでございますが、それによる耐震性などはどうか、新たな検証も必要であります。
そういったことを含めて、安心・安全、これらが科学的に、みなさま方が感覚的にもわかっていただけるような説明の努力をしなければ、「ヒ素」とか聞くとそれだけで「え!?」ってびっくりされるわけですけれども、水のなかにも環境基準以下で入っているケースは非常に多い。
要は、ゼロリスクはないということなんですが、そこらへんがなかなか、国民のみなさま方からすれば、非常に敏感に感じとられる部分がございます。そこはきっちりと説明していかなければなりません。
それらのことをふまえて、どのような判断であれ、ファイナルな結論というのは、それらをベースにして進めていきたいと思っております。
記者6:市場関係者には……?
小池:重要な点ではございますけれども、市場関係者の方々には、本当にこのようなことにおいて、たぶん怒りを超えてがっかりされているんだろうというふうにお察しします。
今、私はこうやって職員のことを言ったりしますけれども、私自身、都知事でございまして、今おかけしている市場関係者の方へのご労苦・ご心労には本当に申し訳ないと思っております。
そしてまた、なかにはやはり、この11月7日(の移転)に向けて準備をされてきた方、もしくはそれ(移転延期)によって、もう廃業しようと決めた方々もおられるわけでございます。実際に、冷蔵庫や機材などのリース代が発生していることも事実でございます。
これについては、もともと東京都がつくっているわけでございますので、それについての補償にはしっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
結局、築地であれ、豊洲であれ、市場は市場関係者の方々が動かすわけでございますので、そのみなさま方が東京都と「引き続きやろう」という、そういう関係を作っていかなければ、築地のブランドにしても、豊洲の新天地にしてもうまくいかなくなってしまうというところで、大変懸念しているところでございます。
いずれにしても、市場関係者の方々、賛成反対いろいろな方を含めて、「やっぱり安心安全の確保が第一だよね」ということを言ってくださっている、とうかがっております。やはりその点をきっちりと確認するというのが、今の私にとりまして最優先すべきことであると、このように考えております。
記者7:テレビ朝日です。ちょっと話が変わるんですが、ホームページ上で、「希望の塾」が立ち上がったと思うんですけれども、これの意図と狙い、これが新党につながっていくのかどうかというところを教えていただければと思います。
小池:政治を学ぶ場としての希望の塾を立ち上げ、今募集をしているところでございます。私のFacebookとTwitterで発表したところ大変多くの反響を頂いているところでございます。一応、知事選の最中からも多くの街頭演説にお集まりいただいた方々から、「もっと政治について知りたい」というか、「街頭演説なんて一度も行ったことがありませんでした」という方が、本当にたくさん集まっていただきました。
そして、今もいろいろなイベントには、ご本人たちがどんなイベントがあるのか調べて、現在でも来られるというありがたい状況でございます。そこで、政治って意外と日本の学校の場では教えていないんですね。今、大統領選の真っ只中のアメリカなどでは、シミュレーションゲームみたいにそれぞれが民主党や共和党になって、ロールプレイングゲームじゃないけどそういうことをやったりして。
子供の頃からディベートなどに慣れているのは、日本とは大違いでございます。要は、意外と政治って学ぶところがあるようでない、ということで、塾と名付けて希望の塾とさせていただきました。日本に一番足りないのは、そして東京に今ほしいのは「希望」という2文字ではないかなと思いまして、自ら命名したものでございます。
ですからここで、私自らではありますけれども、そしていろいろな講師の方々をお招きして、例えば地方自治の在り方とか、今日の環境の問題と、それから豊洲の問題とか築地の問題等々具体例がいっぱいありますから、それらをいろいろな講師の方々に紐解いてもらうというようなことで学ぶという意欲に対して、私なりにお応えをしてまいりたいと思っております。
数はまだ存じておりませんけれども、ホームページというかFacebookには、数百のレスポンスなどがあったということでございます。新党になるかどうかというのは、私は新党を立ち上げるのがどんなに大変かよく知っている1人でございます。そしてその効果とその寿命についてもよく知っている1人でございます。
まずは、この希望の塾ということをベースにしながら、互いに、私はそこから塾生になる方々から意見を聞く場にもなり得るかと思いますので、そういったことも参考にしながらまずは希望の塾を進めていきたいと思っております。
記者8:インターネットのニュースメディア、THE PAGEのグシケンと言います。豊洲の問題に関連して、今回の報告の件で、いつ誰が判断したのか特定できない、ということなんですけれども。無責任に責任の所在がわからない仕事をしてしまうというのは古今、日本にわりと偏在するなと思うんですけれども。
個々人が責任を持った仕事ができないのは、単にシステムの問題なのか、それとも個々人の資質の問題なんでしょうか。また、個々人が責任を持った組織にするためにはどういったことが必要だとお考えでしょうか?
小池:本当いいご質問ありがとうございます。長年の仕事が、まあ先輩がそうだったからというか。やはり東京都というのは不交付団体ですしね、そういうなかで非常に豊かな財政をバックにして、ほかの地方公共団体とはまったく、まったくというかだいぶ違う行政を進めてこられたのではないかなというのが、知事になってまだ2ヵ月の私の率直な見方であります。
あと、やはり企業においても、もうぎりぎりのところの会社と、それから将来を見据えて、そして若い人たちにもどんどん仕事をさせるベンチャーのようなところは違いますよね。
ですから、その意味でいえば、豊かさゆえの、それから大組織がゆえの一種の甘えと、それから油断があったのではないかと。
最近、幹部の方々ともお話をするんですけれども、「都政大改革だ」とかいろいろ言ってますけれども。でも「これを改革のいいチャンスにしたい」とおっしゃってくださる方はけっこう多いんですね。とはいえ、勝手が違うといって、戸惑っている幹部の方も多数おられるとは思いますけれど。
だけど、ここで今のような無責任体質を今後も続けていくことは、私はありえないと思うし、なによりもメディアが都政にこんなに注目したのはこれまでにないことですから、だからもう無責任体制でやっていられない都政になったと、結果としてね、思います。
ですから、みなさんもしっかりこれからも都政をチェックしていただきたいし。また、そのことが都の職員を鍛えることになると思いますし。みなさんにそれをお願いするというのもどうかとは思いますけれども。
しかし、全体的な、まさしく山本七平的、空気の研究という観点からも、今回の都政のさまざまな課題というのは生じてきたようにも思います。しっかりウォッチを続けていただきますよう、お願い申し上げます。
最後にお1人いきたいと思いますけれども。それでは、後ろから2番目の。
記者9:TBSのスギヤマと申します。豊洲新市場もそうですが、見直しが検討されているオリンピックの会場に関しても、江東区にできる施設だと思います。
ただ、江東区議会のなかで、区議や区長から「変更の連絡がない」と不快感が示されています。この根回しなしや連絡なしというトップダウンについては、どのようにお考えでしょうか?
小池:これは都政改革本部によります分析の報告を受けたわけでございますから、これで決めたわけではございません。決めるときには、それをふまえて、しっかりとご連絡をするということになろうかと思います。
まずは報告を受けた、という段階でございますし、それによって必要なときには、実際にその会場が存在するといったところにご連絡するのは当然のことだと、このように思っております。
それでは時間になりましたので、失礼をさせていただきます。ありがとうございました。
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