2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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司会:先ほどのこちらの男性の方お願いします。
記者1:○○と申します。こちらの協会の名誉会員です。私たちはもちろん政府にしっかりと仕事をしてもらうために当選させているわけです。
メディアがある意味でそれを監視するような役割を果たしているんですけれども、現在あるリスクというのは政府、選挙、国会からメディアなどが買われることがあるのです。お金等の関係なんですね。
私の質問ですが、メディアの自由をどういうふうに保障するのかについてお聞きしたいと思います。
デビット・ケイ氏(以下、デビット):ご質問ありがとうございます。一番はじめに重要だと申し上げたいのは、メディアの中での変化を起こすのであれば、それはもちろん日本市民がやらなければいけないことだと思います。
私たち、国連人権理事会の方からの役割としては明確なんですが、表現の自由に関する状況、世界中の状況を調査し、人権法とどういったところで問題があるのかを指摘し、そしてそれを今回のような訪問を通して提言などを作っていくことが私の役割です。
そしてその提言はその国の社会、その国の政府が表現、または人権の自由を十分に保障されるような仕組みを作るということです。
私が今回の訪日にやろうとしていることというのは、そういうったようなことを指摘することです。しかしその変化を起こす、または実際に行動をとるのはもちろん日本の問題になってくると思います。
日本の政府、日本の活動家、日本の専門家の皆様が、たとえば日本国憲法の第21条からの権利を保障することが日本の仕事になっていると思います。
私の役割としては、それについてハイライトしていくことなんですね。国際人権法に基づいて日本の市民にそれを提示していくことが私の仕事です。
司会:ありがとうございます。
記者2:○○と申します。2つ質問がございます。1つ目です。なぜ去年キャンセルしたのかという理由はわかりましたでしょうか。昨年の訪日調査がキャンセルされた理由は今回わかりましたでしょうか。
2つ目の質問です。先程のお話の中で、メディアとジャーナリストと政府の間に緊張感があることは普通であるとおっしゃっていましたけれども、具体的に、絶対的に何が違うのでしょうか。日本の緊張感と海外の緊張感、具体的に何が異なるのでしょうか。
デビット:まず外務省からのキャンセルについてなんですけれども、日本国政府からのキャンセルは聞いたことからしか私は申し上げることができません。
何を聞いたかといいますと、もちろん最初に招待があったわけです。そしてスケジュールが決まりました。そして国会は予算審議中であったということでありましたね。
国会が予算を変えていましたと。そういったところできちんと対応ができない可能性があると言うふうに聞いております。それが理由であると聞かされております。
そのようなことでキャンセルがありまして、実際にその時のほうの訪日調査をぜひとも叶えたいと言う多くの方々の力があって今回実際に実行することができたわけですけれども、本当の理由を聞くには政府に聞いていただく必要があるかと思います。
12月の訪日をなぜキャンセルしたのかということについては直接聞いていただくしかないと思います。
デビッド:2つ目の質問ですけれども、緊張感の種類なんですけれども、まずジャーナリストの役割として私はガードドッグであると、ウォッチドッグであると、見張り役であると言うふうに役割を位置づけることが可能であるというふうに思います。
ですから情報をオンラインに出したり、新聞に出したり、テレビで流したりということをするわけですけれども、政府から聞いた話をそのまま報道すればいいということではなくて、それに対して議論を呈するわけですね。
これでいいのか、こうあるべきなのかと言うことを、その議論を含めて記事にするわけですけれども、日本においてこれは非常に深い伝統があると言うふうに思います。
どういう伝統かというと、そのようなことがここ数年間においてなかなか難しくなってきているということです。つまりその政府に対していろいろ異論を呈す。そして疑問を呈すといったことが最近弱体化していると言うふうに思われます。
先ほどもお話しした通り、政府がプッシュバックをしてジャーナリストが報道した内容に対して「これは違う」とか「これはこうではない」とか政府が記事を読んでそれに対して反対をするということはよくあることであり、それは合理的であるわけです。
ただ、それに対してさらにメディアが、いや違う。そのような議論を行うということが必要であるわけです。法律的な、構造的な問題があって、それがされていないということが最近の問題であります。
政府が記事を見て「これはこうである。違う」と言ったことに対して、メディアが「いや違う」と言うことを力強く言い返す力が弱体化しているというふうに考えるわけです。
これは最終的には日本市民のみなさんにも関係していることであり、いわゆるその政策の選択がありますね。これは直接日本の市民に対して関係のあるところです。
例えば今回の震災が起きた話であります。ロサンゼルスでもよくこのような懸念があるんですけれども、断層の真上に原発があるわけです。
まさにこういった議論が日本の市民をまじえて議論するわけです。私は日本語が読めませんので、日本の記事で実際にそういうふうな議論が起きているのかどうかということを、この目で確認することができませんでしたが、実際、いい健全な緊張感というのは、本当にメディアがまず自体を報道し、それに対して議論をし、日本の将来がどうなるのかということについての意見を述べると言うことが健全な役割であるというふうに思うわけです。
それが起きているのか、あるいはそのような声が弱体化しているのかというところが、私の懸念があるわけです。例えば震災、原発といったところで電力がどうなるのか、上下水水道がどうなるのかということを含めて市民は興味関心があるわけですけれども、それに対する情報を的確に入手しようとしているのか。
そして政治的判断がそれに影響及ぼす場合は、それに対してしっかりと議論をしているのかということを確認する必要があるわけです。
繰り返しますが、私は日本語が読めませんので実際にそういう議論が起きているのかどうかわかりませんけれども、どういったレポートがなされているのかどういった報道があり、それに対して政府が何を言い、さらにメディアがそれに対して何をいい返すのかというところが、これからしっかりと見ていかなければいけないところだと思います。それがジャーナリズムの真髄だと思うからです。
記者:○○と申します。フリーランスジャーナリストです。先程の話の中では、日本のインターネット上、またオンライン中がトップクラスであると言うふうな発言がありました。日本にはリーダーであるということを申し上げるんですけれども、私の理解では残念ながらそうではないと思います。
なぜかといいますと例えばブロガーのことなんですけれども、例えば政府を批判するようなブログを書いたブログが急にインターネットプロバイダー、サーバからブログが急にキャンセルされると言うような事例があります。
例えばアメーバ―ブログという会社(※サイバーエージェント)があるんですけれども、その社長が安倍総理大臣の仲間であるというようなケースがあるんです。そういったいようなブログなどの問題があるということがあります。
どのようなブログプロバイダーが自由に発言できるのか、どういったサーバーで自由に書けるのか。ですので、私の質問なんですが、ぜひそういったようなネット上にインターネット上の自由などについてもう一度調査お願いします。
これは質問とは聞こえないかもしれませんが、アドバイスみたいなことですね。質問としては、そういったようなことについて何か聞きましたか? ご存知のことはありますか?
デビッド:私はその具体的な事例について初めて聞きました。しかし、もし理解が正しければ、世界中の問題にもなっていると思いますが、とくにインターネットの会社、ソーシャルメディアなどの会社がどういう時にあるブログやメディアなどをキャンセルする必要があるのか判断することは、今世界中でも問題になっています。
各国でも異なることがありますし、各国の政府などによってやり方などはかなり異なってきます。でも、それぞれの会社がたとえばセクシャルハラスメントなどのような決まりなどがありますよね。それはまだ会社によっては曖昧な状態になっているというようなものもあります。ぜひこの状況について、また情報などがあれば提供していただければと思います。
日本におけるインターネット会社、メディアなどのやり方について、またぜひ情報などを提供していただければと思います。
司会:ありがとうございます。では次、まだ質問をしてない初めての方にお願いしたいと思いますが、奥の方で手を挙げられている男性の方お願いします。○○さんご質問ありますでしょうか。
記者:フリーランスの○○と申します。日本語で失礼します。日本の政府は紛争地取材をするジャーナリストに対して、「マスコミ、フリーランス問わず現地に行くな」というようなことを言ってきまして、ときにはそれ以上のこともすることがあります。
具体的に妨害してきたりとか、そういうことに関して今回いろいろお話を聞かれたと思うんですけれども、そういったご感想、あるいはご意見がありましたらよろしくお願いします。
デビッド:今回の訪日では、今申し上げられているケースについてが聞く機会がありました。これはフォトジャーナリストのケースだったと思うんですけれども、シリアから取材をしようとしていたジャーナリスト、紛争地のジャーナリストだったんですけれども、シリアとイラクに行こうとしたときに政府のほうが「シリアに行ってほしくない」ということで、そういったような事例がありました。
それは日本のジャーナリストが殺されてしまった直後だったと聞いておりますが、これは非常に問題だと、私も認識しています。細かい話について省略していますが、パスポートが取り上げられたと言いうようなことになったと思います。それで新しいパスポートを入手したとき、パスポート中にはシリアとイラク以外の国への渡航ができるというようなことが書かれていたということがありました。
これについて具体的に外務省と話すことがありました。多くの国ではそういったような制限があるかもしれませんが、そういったようなことは決してジャーナリストに適応されるべきではないということは、私の方から指摘しました。
とくに日本のジャーナリストが殺されてしまったあと、日本の市民はシリアについてもっと情報を得ようとしていたというようななかで、ジャーナリストが自分のリスクを背負ってそれで取材をしようとしている。そのようなジャーナリストがいれば、それはできるような環境を作るべきだと思います。それはジャーナリストが果たす役割の1つです。
そういった時の日本の政府の行動が不適切だったと認識しております。それは具体的に外務省にも要求をしました。とくに紛争地で取材をされているジャーナリストが自由に報道できるような環境を作るように、政府に呼びかけました。
司会:次、○○さんお願いします。
記者:ありがとうございます。フジタと申します。フリーランスです。夕刊フジの記者です。私の仲間――日本に40年間ほど在住されているケント・ギルバードという仲間がいるんですけれども、日本の自由はアメリカよりもいいというふうに彼は評価しています。いわゆる先進国7カ国の中で日本の報道の自由というのは、どういうふうに評価されますか。
デビッド:残念ながらこれは私が答えられる質問ではありません。いい質問ではあると思うんですけれども、私の立場として答えることはできません。どの国もそうなんですけれども、これは日本のような民主国家でもそうなんですけど、完璧な国はどこにもないです。
たとえば私が個人的に各国の政府とのコミニケーションを数年やってきた内容を見てみますと、たぶん読めばなり深刻な問題が多くの国に存在している。民主国家でもそういったような問題が存在しているということがわかると思います。
ですので、私としてはランクをつけることはできません。懸念事項を指摘して、それでメディアの独立について懸念を示すということはしております。その懸念は実際に存在しているものです。そして具体的にできるステップがあるというふうには評価しております。
しかし私の報告書の中で、またはこの来日の中で、「ある国は他の国よりも良いです」とかそういったようなことを評価するつもりはありません。もちろん違う強み、そして違う弱みがどの国にもあると思います。それは法的なこと、メディア組織のこと、あらゆる面で違いがあります。
司会:○○さんの後ろの方お願いします。
記者:TBSの○○です。日本語で失礼します。ヘイトスピーチの状況についてケイさんは調査したと思うんですけれども、日本ではどのような状況があると考えたでしょうか。それと今、国会で法案について審議しています。
これは罰則のない理念法を今審議しているんですけれども、ヘイトスピーチを規制するための法案は必要でしょうか。もし必要であると考えるのであれば、どういうものであるべきだとお考えでしょうか。よろしくお願いします。
デビッド:その話を出してくださったその話を出してくださって良かったと思います。確かに私はその話をいたしました。国会の法務委員会の皆様と話をいたしまして、一般的な話から入りまして、まずどのように考えているのか、ヘイトスピーチをどういう考えているかを教えていただくことができました。
また、市民団体のみなさんの懸念についてうかがうこともできました。ますますヘイトスピーチが増えてきているということが問題になっているそうです。
聞いたところによると、今、韓国の特定少数民族に対するヘイトスピーチがかなり高まっているという話を聞きました。こういった懸念についてまず意見を申し上げたいと思います。
まず1つ、まずは反人種差別法を持つべきであるということ。これはどの国についてもそうです。ヘイトスピーチがどうということ以前に、人種差別に対する法律が必要です。雇用、住居、そしてその他の領域における人種差別を禁止する法律がまず必要であるということです。
人種差別を行ったら罰せられるというところを、きっちりと法律で制定する必要があると思います。あらゆる差別ですね。人種差別以前の問題です。とにかく差別は許さないという、そういったことを制定する法律が必要です。その中でヘイトスピーチが出てくるわけですけれども、ヘイトスピーチは、これもやはり合法性に関する議論が出る可能性があるわけです。
国会の審議がなされているということですけども、きっと国会のメンバーが議論してるのはヘイトスピーチに対するアプローチだと思うんですけども、価値のあるアプローチをしようとしてるんじゃないかってふうに思いたいと思います。もちろん具体的な根拠は何もありません。
つまり、その会話から得られた示唆としては、まずそのヘイトスピーチというのは政府に対するものなのかというところです。でもそれに対する教育をまず行う必要がある。差別人種差別を禁止するための教育を導入するということ。また政府の職員が、ヘイトスピーチに関する問題を声を大にして教育していくということが必要であると考えます。
その点については、少なくともこれは法律全体に対するコメントではありません。というのは、人種差別に関する日本の法律をしっかりと見たわけではありませんので、法律面についてのコメントはいたしませんけども、やはりこのようなヘイトスピーチの法律があったとして、その法律を逆利用してそのターゲットに不利益になるような法律が生まれる可能性があるということです。
そもそもヘイトスピーチというコンセプトは定義されていません。国際法においてはヘイトスピーチに関する定義もなければ、なんら条文もないわけです。つまりその表現がオープンであるということ。ヘイトスピーチという言葉は、日本語では「ヘイトスピーチ」とカタカナでいうそうですね。それくらい定義があいまいです。
なのでまずは非常に慎重に、まずは反差別法をしっかりと制定すること。その中でヘイトスピーチに対する対策も盛り込むが、表現の自由を制約するようなものではないということを確認する必要があります。
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