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ひろゆきだけど何か質問ある?(全5記事)

「記憶に残る人」はなぜ評価されるのか? ひろゆき氏が語る実績の見せ方

技育祭2024【春】に登壇したひろゆき氏が、地方と東京の格差、キャリア形成、就活戦略について語りました。オンラインでの実績作りの重要性を説き、海外経験から得た知見も交えながら、プログラミング言語の選び方や中小企業エンジニアとしての生き方まで、実践的なアドバイスをしました。

地方は言い訳にしない

司会者:では、続けて拾います。「地方のエンジニアの就活生なんですが、情報や人脈の格差を痛切に感じています。東京との格差を埋めるために意識すべきことがあれば教えてください」とのことです。

ひろゆき氏(以下、ひろゆき):うーん。たぶんコミュニケーション能力が低いことを、地方ということを言い訳にしている気がするんですよね。例えば僕は東京にいないじゃないですか。別に東京にいなくても、オンラインで「Zoom」で仕事をしていますみたいな人って、世の中ザラにいるので。なので、別にリアルで会う必要って、あまりないと思うんですよね。

もちろんそれなりの能力があれば「じゃあ、こういうことをやってください」って頼まれるしというのがあって。なので、能力もなくて、別に人に頼まれるようなこともなく、やれるようなこともないみたいな人だと、誰も話しかけないじゃないですか。それは地方にいようが東京にいようが変わらなくて。

なので、人にコミュニケーションを取ってもらいたいのであれば、じゃあ「このサイトを作っています」とか、オープンソースの何か「GitHub」に置いているプロジェクトのコミッターになるために、こういう場がありますよ、ドキュメント書けますよというのを自分から言って、じゃあ「ドキュメントを書いて」って言われたら、ドキュメントを書いて。

それで「じゃあ、もう権限をあげるよ」みたいなかたちでだんだん仲良くなるみたいな。自分自身が動くことで、その結果、「GitHubのそのプロジェクトの何かコミッターをやっています」みたいになると「あれをやっているんだ。へー」みたいになるわけじゃないですか。なので、実績をちょっとずつ作れば、別に自分がどこに住んでいるかは関係ないと思うんですよね。

なので「地方に住んでいるせいなんだ」と思い込んで、自分自身に能力がないというのを見ないようにしているほうが良くないんじゃないかな、というふうに僕は思いますけど。

司会者:グッと胸に刺さっている人も多そうですね。コメントが来ていますね。

ひろゆき:(笑)。

海外経験で広がる可能性

司会者:では、ひろゆきさんからもコメントのピックをお願いします。

ひろゆき:はい。「ひろゆきさんの大学時代のアーカンソー州での思い出を1つ教えてください。現地での経験や、今のひろゆきさんにどんな影響を与えていますか?」というのなんですけど。僕は大学の3年生の9月から4年生の9月までアメリカのアーカンソー州というところに行っていたんですけど。

日本人はチョコチョコいたんですけど、別に日本語をしゃべる環境でもなくて。そこでちょっとバイトをしてお金を稼いだ時に「あ、僕はアメリカでも暮らせるよな」と思ったんですよね。学生として普通に大学の寮に入ってアメリカ人と一緒に生活をするというのをやっていたんですけど。別に生活に困ることはないと。

あとはお金さえ稼げれば、別にそこは日本じゃなくてもアメリカでもいいよねというのがあって。アメリカでもお金を稼げるというのがわかったので、じゃあ僕は日本にいなくても大丈夫だと。例えばこの会社を辞めたら自分の行き先がないかもとか、なんか大学のこれを落ちたら、あとが大変かもとか。親に嫌われたら生きていくのがツラいとか。友達がいないと大変とか。

なんか日本にいなきゃいけないと思い込んでいる人って、けっこう多いと思うんですけど。他の国でも暮らせるよねという実感があるので、別になんか日本中から嫌われて日本に戻れなくなっても別に困らないよねというのが、わりとアメリカで生活できるというのがわかった時にあったので。

なので、別に僕は今でもフランスにいますけど。別に僕はフランス語がしゃべれるからフランスに来たわけでもなく、要はアメリカに行った時に英語でなんとなくできるようになったというのがあったので、「住めばなんとかなるっしょ」というので、フランスに来た。結局なんとかなっているので、そんなもんだよねという感じで生活しています。

司会者:ありがとうございます。じゃあ続きまして、いきましょう。これ、いきましょうか。

ひろゆき:ちょっと今コメントで気になったんですけど。「英語がしゃべれればなぁ」と言っている人、「英語ができるようになりたい」と書いている人は、できないです。

(一同笑)

司会者:その心は(笑)?

ひろゆき:要は結局「プログラマーになりたいな」と言って、どうやったらプログラマーになれるんだろうって、プログラマーのなり方を調べている奴はプログラマーになれません。プログラムを書いた奴がプログラマーになるんですよ。なので、英語をしゃべっている人が、英語を話せるようになるので。「英語ができるようになりたいな」と言っている人が、英語をしゃべれることはありません。

なので、英語もプログラムも使えるようになりたいんだったら使ってください。

司会者:とのことです。

言語選びより大切なこと

司会者:じゃあ先ほどの続きですけど。「中学生です。Rustを使っているんですが、Rustはメジャーになると思いますか?」。

ひろゆき:なんか、言語がメジャーになるかどうかって、残るとは思うんですけど。どうだろうな。例えばじゃあC#とかが「そんなに使われないんじゃない?」と思っていたら、けっこうソコソコ使われる業界があるとか。最初のほうで話しましたけど、COBOLを未だに現役で使われているみたいなのがあったりするので。なので、メジャーになるかどうかというのは、あまり関係なくて。

それがきちんと残るかどうかと、どこかの業界でそれがデフォルトとして使われ続けるかどうかというだけなので。なので、あまりメジャーになる言語を覚えよう、メジャーにならない言語は止めようみたいなのは、そんなに考えなくていいんじゃないかなと思うんですけどね。

なんか、1個の言語をそれなりに使えるようになると、別に「新しい言語です」といっても結果として、コンピューターというのは変数にモノを入れて、それで関数で表示したり、計算したりというのをやるよね、という構造がわかっているので。なので、言語が変わったとしても「この言語はこういう感じで書くのね。ふーん」となって、なんか、メチャクチャ目新しい言語って、僕は見たことがないんですよね。

書き方が特殊で「ふーん。おもしろい」は、あるんですけど。プログラム言語としてやれることというのは、基本的には変わらないんですよね。枯れている言語のほうが、バグが少ないとか、いろんな関数が落ちているので使いやすいとか、トラブルが起きた時にググって、いろんなものが見つけやすいみたいなのはあるんですけど。ただ、言語として何か自分が好きというものがあれば、それを使い続ければいいんじゃないかなと思いますけどね。

司会者:ありがとうございます。じゃあ次、ひろゆきさんからも拾ってください。

ひろゆき:はい。

司会者:もうあと残り4分ほどになって参りました。

ひろゆき:はい。

中小企業エンジニアの生き方

ひろゆき:「新卒でSES系企業から内定をいただきました。そこでWebアプリケーションの開発に携わりたいと思っているのですが、技術面を鍛えることができたら転職をしようと考えています(4、5年ぐらいで)。ひろゆきさんが考えるWebエンジニアとして生き残るためのキャリアは、どのようなものなのでしょうか」。

たぶん何のために働くのかというのによってきちゃうと思うんですけど。Webエンジニアをやりたいという人って、自分のサービスを作りたいというわけじゃなくて、なんかデータベースまわりやインフラまわりとかは大変そうだし、Webは見えるところだから、わりと簡単にできるよね、みたいな感じでたぶん言っていると思うんです。

それであれば、Webエンジニアが1人しかいない、それなりに利益が上がっている会社に行くとクビになることはないので、ダラダラと楽しく暮らせると思います。逆に優秀な人が多い会社とかに行くと「こいついなくても、うちの会社は回るよね」となって、ひどい目にあったりすると思うので。

なので、マイナーな中小企業の、例えば地方にあるお菓子屋さんみたいなもので、通販でチョコチョコ日本中にお菓子を売っています、みたいなお店は、利益率がけっこう高かったりするんですが、でも別に通販のサイトを維持できればいいだけなので、エンジニアは1人でいいよね、みたいな。

そういうところに就職しちゃったりすると、死ぬまでそこでずっと食べられたりします。なので、スキルを上げて生き残るということじゃなくても、別に他のライバルがいない環境に入ってしまって、のんべんだらりと暮らすというのもあったりするので、僕はそっちのほうが人生楽なんじゃないかなと思うんですけどね。

就活での差別化戦略

司会者:さて、続いての質問です。これもね、今はそのタイミングなので、たぶん多いと思います。「2025年卒の就活生です。お祈りをたくさんされて心が少し折れそうです。そんな僕に喝をください」ということです。たぶん今は就活シーズンの真っ最中なので、たぶんへこんでいる人は多いと思うんですよ。

ひろゆき:うーん。まぁ、その、何だろうな。喝を入れられても、落ち続けるという事実は変わらないと思うんですよね。

司会者:(笑)。落ち続けている人はどうしたらいいですかね。

ひろゆき:会社が採りたいと思わない理由は何だろうという原因を考えて、そこを改善すべき。誰かに喝を入れられても、受からないものは受からないんですよ。

司会者:なんかそれを勘違いしている人が(いますね)。こういうところをそもそも改善していくみたいな就活生の勘違いあるあるみたいなのって、ありますか?

ひろゆき:結局採られないという事実がわかりましたと。どうしたら採れるようになるでしょうという話で、じゃあそのどうしたらのプラスαを、どう作るかだと思うんですよね。なので、本当は実はサイトを作ったことがあるけど、そのサイトの説明というのがちゃんとできていなかったというのがあれば、こういうサイトですというのをきちんとわかりやすくするものを持って行くとか。

例えば面接ですといった時に、履歴書しか持っていかないという人はけっこう多いと思うんですけど、何を持ってきちゃいけないと書いている会社って、あまりないんですよね。なので、メチャクチャ資料を大量に持って行くと、「こいつ変わっているな」というので記憶に残してもらえるというのが、あったりするんですよね。

じゃあそれで10人面接して誰を採るとなった時、じゃあそのあとに人事と面接をやった人の3人ぐらいが「どうする? 誰を採る?」と言った時に、記憶に残った人から話って出てくるんですよ。「あ、これはああいう人がいたよね」「確かにあの人はおもしろいよね」とかで、記憶に残らない人って話題にも上らないで終わるんですよ。

なので、能力値が低かったとしても、記憶に残っている人は名前を出してもらえるんですよね。能力が高いから採用されるわけでもないというのはけっこうあって、要は会社って変わったことをやるおもしろい人が若手に1人ぐらいいたほうがいいよねとか。いろいろと頼むのに頼みやすいから、わりと人当たりが良さそうで体力がありそうな若手を雇ったほうがいいよねとか。

そのエンジニアリング能力以外の部分でも、若手って雇われる場合が多かったりするんですよ。なので、そこの「体力には自信があります!」で資料をいっぱい持っていって、「あいつはなんだかおもしろそうだし、体力もあるから採用したほうがいいんじゃね?」みたいなのになるかもしれないんですよ。

なので、ひたすらプログラム能力を鍛えよう、だとちょっと間に合わないと思うので。なので、今の自分が持っているものをどれだけ見せるかとか、あとはやる気があるかどうかは演技なので。なので、面接のなんか15分、20分の間に「俺はすごくやる気があって、体力があります」という演技さえできればいいんですよ。

実態として「マラソンなんか走れません」でも、「いや、長距離とかはぜんぜん得意なので」みたいなことを言ったら、その場で実演するわけじゃないので。なので、そこはもう見せ方、しゃべり方で何とかなるんじゃないかなと思います。

司会者:とのことです。ということで、すみません。もう時間が来てしまいまして。これでごめんなさい。いつもみなさんからメチャクチャ質問をもらっていて、たぶん10パーセントも答えられていないんですけど。すみません、もう時間とね、どうしてもコンテンツの都合でというところで。あとはちょっとスパチャで続きを、ぜひお願いします。

ひろゆき:(笑)。

司会者:というところで、では最後に、今回ITエンジニアを目指すエンジニア学生さんの数百名、600人ぐらいかな。今も聞いてくれていますが、そんなみなさんに向けて何かキャリア面で、最後に一言メッセージやアドバイスをいただいて終わりにしたいなと思います。ひろゆきさん、お願いします。

ひろゆき:でも大手に最初から入って履歴書を華やかにして転職するというほうが、人生うまくいきそうな感じはあると思うんです。中小企業で1回全部任される。だいたい中小企業って全部できる人しかいないんですよ。なので、入った瞬間に全部できる先輩に「これは、こうやってやるんだよ」みたいなのを逐一教えてもらって、ひととおりできるようになるというほうが(いいと思います)。

その後に自分でアプリを作りますとか、自分でサイトを作りますって1人で全部やって楽に暮らすほうが近いんじゃないかなという気もするので。なんか大手で有名なところばかりを狙うんじゃなくても、聞いたことがないという会社でも、上司になるその人が話をしやすそうだったら、この会社でいろいろと学ぶのもありかなという視点を持っても、人生が楽になるんじゃないかなというふうには思います。

司会者:はい。ということで、この言葉をいただきました。ではそんなわけでみなさまですね、これで技育祭は終わりにはなりますが、糧にして今後もやっていきたいなと思いますというところで締めたいと思います。本当にひろゆきさん、朝早くからありがとうございました。

ひろゆき:技育祭って学生かと思ったら、中学生もチョコチョコいるじゃないですか(笑)。就職とぜんぜん関係ないですよね(笑)。

司会者:学生全員OKなので(笑)!

ひろゆき:あ、そうなんですね。

司会者:大丈夫です!

ひろゆき:わかりました。

司会者:じゃあ、ひろゆきさんありがとうございました。

ひろゆき:ありがとうございました。お疲れ様です。失礼します。

司会者:ありがとうございました。


※本記事の内容は「技育祭2024【春】」を実施した2024年3月16日〜17日当時のものです。

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