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プレゼン3(全1記事)

結婚、出産、子育て…生活スタイルが変わるたびにジョブチェンジ 転職しても今の経験を活かせる場面は必ずある

エンジニアやマネージャーとして働いている、もしくはこれから目指そうと考えている方が、ロールモデルやキャリアモデルについて考えたり、勇気が湧いたりするような体験をお届けする「Women's Career Talk ~Web / IT 企業に勤める女性のキャリア戦略~」。ここで呉氏が、自身の転職の経験を紹介します。

登壇者の自己紹介

呉敏禎氏(以下、呉):呉敏禎と言います。今日は、IT業界で働く仲間の話を聞いてみたいという方に参加いただいているかと思います。私のライフステージとキャリアを、どのような変化があって、その時に私が何を考えて、どんな行動を起こしていたかをお話しします。少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

私は今、東京都北区に住んでいて、趣味はドラマ鑑賞とネットショッピングが好きです。好きな言葉は、「明日できることは、今日やるな」です。

日本のモバイル技術を思い出して受託開発の企業に就職

私は、1978年に釜山で生まれて、1979年に大学に入学をしました。大学3年の時にちょっと休学をして、チャンスがあったので日本にワーキングホリデーで来ました。

当時、韓国では携帯にはショートメールしかなくて、(それと比べると)日本の携帯電話は、メールアドレスがついていて、しかも「iモード」でインターネットが使えて、日本のモバイル技術はすごいと衝撃を受けたのを鮮明に覚えています。

この1年のワーキングホリデーを終えて大学を卒業して、専攻が貿易だったので貿易事務に1度就業したんですが、どうも事務作業におもしろさを感じられず、なにか技術を身につけたいなと思うようになりました。

そして2004年に、日本のiモードを思い出して、「日本でモバイルと関連した技術職に就いてみたいな」と思うようになりまして。2004年に「日本に行こう」って思い立って、日本電子専門学校のウェブプログラムコースに入学をしました。

卒業後は、受託でモバイルのコンテンツとかを開発する会社に就職して、PHPとかJavaとかを使って開発をしていました。

入社2年目には、その当時を知っている方ならガラケーの月額会員とか覚えているかもしれませんが、そのポイントロジックの実装を任せてもらいました。これでバグを山のように、雪のように製造した、ちょっと痛い思い出があって、その当時はとてもつらかったです。

それでも、周りの助けを得ながらなんとか成長して。その次に任せてもらったプロジェクトで、ちょっと違うポイント課金周りを任せてもらった時は、テストコード書いたりとかして、その中で自分が「ああ、成長したな」と感じるようになりました。

今振り返って思うと、受託開発はいろいろなお客さま、いろいろな業界のお客さまと、たくさんのいろいろな案件を開発してきたので、それは今思うと大変貴重な経験だったなと思います。

ユーザーの声が届き、プロダクトに最初から関われる企業に転職

その会社で、いろいろな案件を経験していくうちに、社内のシステムで、企画から運用まで関わることになりました。受託開発だと、どうしても決められたものを作ってお客さまに納品して終わりになるので、ユーザーの生の声を聞きながら、プロダクトに最初から関わってみたいという思いがあり、その時から転職先を調べ始めました。

そして2012年に、思い立ってすぐに調べたところ、多くの自社サービスのローンチを目標と掲げていた会社があったので、そこに転職をしました。

私の希望どおり、サービスの企画からサービスリリース後の運用とか。あと、キャンペーンをどう打って、新しいユーザーさんを獲得するかとか、エンジニアではあるんですがそういうことまで参加できて。意見も言えたりして、企画の難しさとか、実際サービスを利用しているユーザーさんの生の声とかを聞きながらサービスを改善していくような経験ができました。

それから受託開発では経験できなかったこととして、システムの監視が経験できました。実際にユーザーのトラフィックを見たり、ちゃんと「システム落ちてないよね」とか、そういった監視にも触れることになりました。

その会社ではアプリケーションの実装だけではなく、インフラの設計や構築、OSやミドルウェアの構築まで自分で積極的に手を挙げてやってみたり、その時はまだ独身だったので、時間を好きなだけかけながら勉強することもやっておりました。

その会社は2駅ルールというのがあり、会社から2駅圏内に住んでいる人には家賃補助も出てたので、夜10時、11時でもオフィスで仕事してる社員が多くて。別に遅くまで働いてもぜんぜん怖くない会社、環境でした。

今、振り返ると、当時おそらくエンジニアだけ2,000人超えぐらいの人がいて、そのエンジニアの社員の70、80パーセントが20代で、とにかく若い方が多くて。あとは新しいことをドンドンチャレンジさせてくれる環境だったので、エンジニアとして成長するには、非常に刺激的でいい環境だったんじゃないかなと思います。

時短勤務で給料が6割になるも、楽しかった仕事

その会社にいた頃、2013年に結婚して、2015年には出産と育児を経て、2016年には時短勤務、9時から17時で時短勤務っていうかたちで職場に復帰しました。フルタイムで働いてる時と比べると、給与がちょっと生々しいんですが、6割ぐらいになりました(笑)。

復帰前の面談で、違うことにチャレンジしたいと希望を出して、以前とは違う部署に配属をしました。配属された新しい部署では、また新しい言語をいっぱい習得する必要があり、Golangとか、PythonとかReact。この時に「フロントもちょっとやりましょうか」という話になって、ReactとかReductというプログラミング言語を使って、広告管理システムを実装していました。

あとは「引き続きインフラ系もやりたいです」っていう話をして、DockerやAmazonのECS、それからGoogleのKubernetesのエンジンもちょっと触って、インフラを設計する、構築するようなこともやっていました。

Dockerとか、触ったことなかったプログラミング言語もあるし、今までやったことのなかったことが復帰のタイミングでいっぱいあって。とにかくキャッチアップしなきゃいけないことが多く、しかもわりと新しい技術が多くて、日本語のドキュメント情報量が少なく、英文を読むことが多くなりました。

でも、その時にお腹の深いところから、なんか燃えたんですね。「あっ、これはやるしかない。楽しい」みたいな感じで、「やるか!」みたいな気持ちになりました。久しぶりにコードを書いたり。DockerとかKubernetesの技術も非常に新しかったので、とにかく仕事が楽しくて。

あとは同僚です。女子のエンジニアもけっこういる職場だったので。同年代は少なかったんですけど(笑)。女子たちとランチの時間でおしゃべりするも、その当時すごい楽しかったなあと思います。

一方で、保育園に息子を通わせていたんですが、月に数回、週にだいたい1回、2週間には1、2回のペースで風邪とか熱が出たとか急性皮膚炎で、「ちょっと病院に連れていってもらえますか」とかでコールされて。仕事を突発で休むことが多々ある状況でした。夫と交代ではやっていましたが、それでも非常に突発の休みが多くて、ちょっと周りに気を使うことがありました。

あと、17時ピッタリに会社を出ないと子どもの迎えが間に合わないので、「あと30分、キリのいいところまでやりたいんだけどな」という時もあったんですが、そういったところで時間管理に葛藤がありました。

会社で新しいことをキャッチアップするには、どうにもこうにも時間が足りないので、週末や子どもを寝かせてから夜中とか、プログラミング言語やクラウドサービスとかを触ったりとかを、夫のサポートを得ながら毎日奮闘していた記憶があります。

働きやすさと成長を求めてジョブチェンジ

半年ぐらいこれをやっていて、もう体力的にきつ過ぎてつらくなってきたので。通勤時間は往復で2時間ぐらいかかったんですが、週1回ぐらい家で仕事をして、ちょっと有効に使いたいなって思って。マネージャーに承認ももらいましたが、当日朝にメールで「在宅勤務をします」とお話ししたら「いや、急に在宅勤務する連絡があるとちょっと困る」みたいな返信が来て。それで結局在宅勤務は諦めてしまいました。

出産前みたいに好きなだけオフィスで働くっていうことができなくって。時短勤務でも自宅でキャッチアップするために自分が費やしている時間が、どこまで評価されていくのかが見えない中で、ちょっと自分の中では、私が望む働き方ができる環境で、のびのびと働きたいっていうように思うようになりました。

ただそういう働き方だけでなく、技術的にも成長ができないと、たぶんまたそこでなにか思うようになるんだろうというのがあったので、ちょっと欲張りなんですが、両方ができそうな転職先を調べ始めました。

調べ始めたところ、クラウドサービスの技術サポートのオープンハウスがあったので、説明会だけなら別になんともないなって思って参加したんですが。

その会社は24時間365日、東京とダブリンとシアトルっていう3拠点で運用しているので、基本的に残業がいらないですよというのと、あとオラクルの開発者がいたり、データセンターのエンジニアがいたり、本当にいろいろなバックグラウンドを持つエンジニアがいるという話を聞いて。技術的にも自分の成長にも非常につながりそうだな刺激的な環境で、成長できそうだなと思っていました。

でも、「今までインフラエンジニアやってきました」と言えるほど、インフラ面の自信がなく、自分にとってかなりチャレンジングだったので、ちょっとどうしようかなとも思ったんですが、ダメもとで入社試験を受けたところ、技術試験をパスできたので、2017年にサポートエンジニアにジョブチェンジしました。

転職して変わった働き方と業務の工夫

入社して3ヶ月ぐらいは研修期間があって在宅勤務できませんでしたが、その研修期間終わってからは、在宅勤務、事前に申請もいらなくて、回数の制限もなかったので、週に2、3回ぐらい在宅勤務をしながらやってきました。

勤務時間がなくなった分、時間のゆとりができて、その時間を勉強に使ったり、あと体が疲れている時は、休む、長く寝るっていうことをやりました(笑)。なので、体調を崩しにくくなりました。ほぼ定時に仕事を終わらせて、家事をしたり家族と時間を過ごしたりしています。

一方で、業務では、サポートの業務は別にコードを書くわけではないので、検証したり手を動かさなくてもお客さまの課題を解決できる場合もあり、ちょっと意識しないと1日中文章を書いて終わりましたっていう日もあります。

そのため、できるだけ自分で手を動かして検証したり、実際調べる必要のある内容と関係する内容をもうちょっと調べるとかを意識してやっています。

あとは2回以上出会った問題や検証内容は、まったく自分の記憶力に自信がないので、自分のナレッジとしてまとめておいて。何度も同じことを調べるのは、本当に時間を使うことになるので、できるだけその時間を使わないように、未来の自分の時間の節約のために記録を残しています。

ジョブチェンジして苦労した点としては、トレーニングを経てひとり立ちしたばかりの時に、文章で自分の思い、意図を伝えきれなくて、お客さまから低い評価をいただくことがありました。

2、3行の文章からお客さまの状況とか「本当はこれを聞いてるけど、これ本当はなにを聞きたいんだろう?」というものがあって、苦労しましたが、だんだんコツがつかめてきたら、お客さまとのコミュニケーションも楽しめるようになりました。

転職しても今の経験を活かせる場面は必ずある

今後のキャリアについてですが、今後もしばらくサポートエンジニアを続けたいと考えていて、続けています。お客さまから「助かりました、ありがとう」と言われた時に、人の役に立つ仕事をしている感じがして、人の役に立ちながら自分のキャリアを成長させることができるので、しばらくはサポートエンジニアを続けたいと考えています。

将来、キャリアに悩んでいる方へのコメントですが、転職やジョブチェンジをしても、今の経験を活かせる場面が必ずあると思います。経験したことのない仕事で失敗はあるかもしれませんが、いっぱい失敗の経験を積んで成功体験につなげられるといいと思います。

私からは以上です。ご清聴ありがとうございました。

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