2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
LayerXの紹介(全1記事)
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榎本悠介 氏(以下、榎本): CTOの榎本です。ハンドルネームはmosaです。本日は遅い時間にお集まりいただきありがとうございます。よろしくお願いします。
LayerXはミッションとして「すべての経済活動を、デジタル化する。」というところでやらせてもらっています。ブロックチェーンの企業としてけっこう認知されていると思うんですが、最近かなりデジタル化という方向にシフトしまして。
ブロックチェーンはけっこう便利な技術です。DXの認知が高くなっている中で、極めてフィットしている技術だなと、僕ら自身もいろいろなクライアントさんと案件をやっていく中でわかってきました。そんな中、会社のミッションはなんだろうねというのを、定義を含めて全体議論して、こういったかたちで再度制定しています。
ブロックチェーンには、「パブリックチェーン」や「コンソーシアムチェーン」「プライベートチェーン」など、いろいろなレイヤーがあって、それぞれ適用領域があります。
「コンソーシアムチェーン」は、裁量化した企業間の取引を、透明性をもってデータを共有して、商取引をデジタルベースで再構築するのに、極めて便利な技術だと思っていて、いろいろな案件の中で、僕らとしてもかなり確信をもって入れています。そこでデジタル化するパーツとして、ブロックチェーンを入れていくことを進めています。
代表の福島は、もともとGunosyを創業した者ですが、今は完全に(LayerXに)移ってMBOもして、福島がオーナーシップをもって経営しています。最近調達をしまして、資本金および資本準備金で31億円に達しています。従業員は今で35人ぐらいですね。けっこういろいろなチーム・事業があって、35人いますけど引き続き募集中です。
オフィスの画像がありますが、これはもう解約通知を出していて、次の働き方をどうするかなとなっています。なので基本フルリモートで……。ただオフィスは、それはそれで便利な役割があったよねというのを再発見というか、オフィスに必要なエッセンスを抽出して、次の働き方を模索している状態です。(注:LayerXはオフィス解約通知の後に解約の取り消しを行っており、今はオフィスで業務を行っています)
事業としましては、2つの両輪を回している状態です。事業を作っていくという、証券会社さんと銀行とか商社さん、保険会社とかいろいろなドメインの事業会社さんと組んで事業を回していくところと、それに入れていくような新しい技術を使ったソフトウェアを作っていく最先端のR&Dをするチームの両輪です。
生のペインを吸い上げて、それからこうやってソフトウェアを作って、それをまた入れて新しいペインを解決していく、というサイクルを回すチームです。
けっこうオールドな大きめの企業さんと複数取引しています。左上のマイクロソフトさんだけはパートナーシップを結んでいる関係なんですが、それ以外に関しては取引先ですね。いくつか紹介しようと思います。
領域は多岐に渡るんですが、主に金融でいうと、証券、銀行、保険、そしてサプライチェーンファイナンスです。非金融でいうと、物流とかサプライチェーン、そしてコーポレート業務の効率化とかDXとか。それからKPI経営のまわりを進めています。あれですね。まだフワフワしていますね。
(一同笑)
こういう会社は何の会社かわからないですね。
(一同笑)
ちょっとフワフワしていない話をします。1個目の大きな例としまして、三井物産さんとアセットマネジメントの事業をジョイントベンチャーというかたちで進めているのが今年発表したものです。「アセットマネジメントとは何だ?」という感じなんですけど、ファンドの運営ですね。三井物産さんは不動産とか船とかですね。
いろいろなアセットをもっていて、それを証券化、小口化していろいろな人に売るよみたいな。その小口化した金融商品を入れるファンドみたいなものを、どうやって効率的に運営するか。ファンド運営という極めてアナログでトラディショナルな世界なんですね。すごいいろいろな会社が絡みます。
ビルのオーナーが絡みます。証券化するにあたっては、信託銀行というファンクションが必要ですが、ほかにもアセットマネジメントでファンド運用する人、証券会社と投資家、お金を貸す人、レンダーとかいろいろな会社がいて、その会社だけでもすごいExcelのやり取り、紙のやり取り、電話のやり取りをして、なんとか商品や証券を売っているんですけど、それが今結局投資家に跳ね返ってきちゃったわけですよね。この世の中で利回りがぜんぜん出ないと。
そして、証券化するコストがめちゃくちゃ高いので、何百億円以上しか証券化できません、というように、必然的に証券化できるアセットが限られる。何十億円かのアセットを証券化して、早くそれを売り払って次のところに投資したいというニーズにぜんぜん応えられていないところを効率化して、最強なアセットマネジメント会社を作ろうぜというのが、こちらのジョイントベンチャーです。
ここもLayerXがリスクを取って36パーセント出資して、ここで出たレベニューは当然利益になっていきます。
こちらも金融系の事業です。赤い銀行のMUFGさんと一緒に。(先の【例1】と)似てはいるんですが、こちらは証券のプラットフォーム寄りです。証券の原簿、誰がいくつ証券をもっているかを記録する、そういうプラットフォームを作ることを進めています。
証券取引は、けっこうまだ改良の余地があるといいましょうか。「ほふり」という証券保管振替機関が管轄しているものに関しては、けっこうデジタルっぽくやられているんですけど、そこがカバーできていないような金融商品は大量にあって、信託受益権とか受益証券とか不動産もそうですね。あとは動産とか。メジャーではない金融商品って、ぜんぜんデジタル化されていないんですよね。
そこを全部デジタルにできる新しい基盤を作りましょう、みたいな。そういったかたちでデジタル証券みたいなのがあったら、本当に金融商品をプログラムみたいに扱えるんじゃないの?というので、Progmatというプロジェクト名になっています。
Progmatでは、例えば株の貸し借りもスマートコントラクト、プログラムとして表現できるかもしれないとか、あるいはFund of Funds、ファンドを束ねたファンドみたいなものをプログラムでバスケットに表現できるかもしれない。
けっこう夢が広がるなぁというので、ブロックチェーンを使った新しい証券デジタル機能を作るプロジェクトを、ビジネスパートナーとしてやっています。ベンダーというよりは、そういうアイデアのところを含めて、一緒に進めていくパートナーとしてやっています。
これも最近立ち上がった3本目の柱みたいなものなんですけど、ニトリさんの物流系プロジェクトを進めています。物流とかロジスティクスは重い産業における1個のテーマでして、簡単にいうと全体最適化問題をどう解くかみたいな。
古くからトヨタの看板形式で「ムダ・ムラ・ムリを取り除く」。無駄な生産をしない、無駄な層がない、無駄なトラックを走らせない。それでどうやっていくかみたいな、そういう全体最適化問題をどう解いていくかを最新技術を掛け合わせていくプロジェクトです。
最初は運行管理とかから始めていくんですけど、それも徐々に領域を広げていくと、大量の配送会社がいて、そこと1個1個契約をするだけでも、もうやっていられないみたいな。紙の契約書が交わされて、それもひとつひとつ10人ぐらいのトラックの運転手がいるような会社と大量の契約を回していて、どう考えても効率化できるでしょうといったところから始めていくかたちですね。
ゆくゆくはすべての物流のデータを取って、全体最適化問題を解いていくという構想でやっています。というので、けっこういろいろな大きい領域でデジタル化を進めています。
これはどちらかというと特定の領域というよりは、一般論的に進めている、どの会社でもあり得る話だと思います。「コーポレート業務ってもっと効率化できるよね」というのをいろいろな会社さんと話しているうちけっこうわかって、各社ERPを入れたりとか、SaaSを入れて2、3やっていると見せかけて、実は全体の整合性が取れていないみたいな。
クラウドサインをやるけど、それをまたExcelに打ち込んで管理していますとか、結局そのコーポレートと現場との間は紙の請求書でやり取りしていますとか、結局原本は紙で保管していますとか、けっこうチグハグになっていて、一部でも紙の領域があると、そこに引きずられて全体が効率化されないとか、細分化が起きているなというのが、いろいろな会社さんのコーポレート業務を見てわかってきました。
というのを一気通貫でできないかなというのを掘り進めています。具体的にはすべての起点となる契約部分をクラウドサインさん、契約を基に請求書データを送って、売掛け、買掛けと会計データになるところをマネーフォワードさん、それを銀行APIでGMOあおぞらさんとか、いろいろなかたちでファンクションをもつサービスと連携することで、一気通貫のサービスデジタルコーポレート業務で作れると構想しています。
それは1社のコーポレートだけでもうれしいですし、さらに推し進めると複数社が絡んだワークフローのワンストップのデジタル化は作れないかも含めて検討しています。
やっているメンバーとしては、事業会社出身、メガベンチャー出身のエンジニアが多くて、僕自身も新卒がDeNAでしたし、サイバーエージェントやGREE、ミクシィ、エウレカなど、そういったメガベンチャー系のメンバーもいます。
あるいはもうちょっとディフェンシブな話もできるというか相手の気持ちに寄り添う、とくにセキュリティも大事ですので、NRIセキュア出身のガチ目のセキュリティエンジニアに入社いただいていたりとか。BizDevだと、コンサル系とか総務省とかSBIホールディングスとかそういった、相手の話もできるようなメンバーを揃えています。なので、攻めと守りのバランスを意識しています。
以上です。ご清聴ありがとうございました。
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