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PayPayが切り拓く新たな世界(全2記事)

PayPay副社長が語る「100億円あげちゃうキャンペーン」の意図とその効果 決済アプリからライフスタイルサービスへの道のり

2019年7月18日〜19日、ザ・プリンス パークタワー東京にて、ソフトバンクグループ最大規模の法人向けイベント「SoftBank World 2019」が開催されました。今年で8回目を迎えるSoftBank Worldは「テクノロジーコラボレーションで、世界を変えていこう。」をテーマに、IoTやAI、ロボットなどのテクノロジー領域に関する、さまざまな展示や講演を実施。本記事では19日に行われた講演より、「PayPayが切り拓く新たな世界」後半の模様をお送りします。

PayPayでの決済は仕事を邪魔しない

馬場一氏:個人事業主さんや、3〜4店舗といった小さなチェーンの会社さんでも、PayPayをすごく便利に使っていただいております。

たこ焼き屋さんなどでは、今まではお客さんが来たら、たこ焼きを焼きながら決済することはできなかったんですね。1回手を止めて、お金を頂戴して、おつりを出すみたいな。ところが、PayPayならたこ焼き屋さんでも焼きながら決済ができるので、すごく便利です。

僕が毎日……毎日は行ってないな(笑)。週に何回か行くマッサージ屋さんも、僕が来るとPayPayで支払うことがわかってますから、ほかのお客さんをマッサージしながら決済できちゃうと。「一切仕事の邪魔をしない決済ですね」というのが個人事業主の方の感想でした。

それから東京都の個人タクシーなんかでも、だいぶ使えるようになってきてるんですけれども。タクシーのドライバーってわりと高齢の方が多いですから、クレジットカードの金額を入力するですとか、端末を使うのがなかなか面倒くさいと聞いていました。

ところがPayPayですと、お客様のほうが入力してくれるので、画面を見て金額を確かめるというだけですから、あまり機械に慣れていない方でもわりと簡単に決済ができますねというような感想を頂戴しています。

ただ、「PayPayの画面はちっちゃいから見にくいんですよね」っていうタクシードライバーさんの声があったので、プラスボタンというのを付けて、画面を大きくして決済の金額がわかりやすくするというようなことも今やっております。

できるだけ加盟店さんの声、ユーザーさんの声を聴きながら、中身のサービスですとか使い勝手というのは日々改善していきたいなと思っております。

認知拡大に寄与した「100億円あげちゃうキャンペーン」

いろいろなキャンペーンもしてきました。ユーザー認知についても、ほかのQRコードの決済、ほかのスマホの決済よりも断然トップになってきています。「PayPayという名前を知ってますか?」という質問でも認知は1位です。

「PayPayってQRコードで決済するのよね」「PayPayってスマホで決済するのよね」というようなサービス理解についても、認知は今トップを走っております。それから「使ってみたいQRコードの決済、使ってみたいスマホの決済は何ですか?」と言うと「PayPayですよ」というのが、これも第1位になってきております。

とにかくキャッシュレスの決済普及のために、加盟店さんやユーザーさん、すべての方々にサービスの改善をし、いろんな施策をやっていきたいなと思っております。その施策で有名なのが100億円キャンペーンです。

去年の12月に行なった「100億円あげちゃうキャンペーン」、そして今年の2月からやった「第2弾100億円キャンペーン」。100億円ずつキャンペーンを行なっていきました。

一番最初の12月のキャンペーンは、スマホ決済としては後発のPayPayでしたので、とにかく名乗りを上げましょうと。名前を覚えてもらいましょうということで100億円のキャンペーンを実施し、だいぶ名前も覚えていただいた。QRコードの決済の仕方というのもだいたいわかっていただいた。

これを日常使いにしていかないといけませんねということで、第2弾も行いました。日常使いのコンビニエンスストアですとかドラッグストアさん、居酒屋さんで使っていただけるようなキャンペーンを行いました。

このキャンペーンの効果なんですけれども、やっぱり1回目のキャンペーンでドカーンと決済回数が上がり、その後キャンペーンやめましたので一気にバーンと落ちたんですが。名前はしっかり売れたので、これはこれで成功かなと思っております。

そして第2弾では、日常使いということで毎日毎日使っていただいて、毎日毎日キャンペーンに参加していただくお客さんが増えていただいて、毎日毎日決済回数が増えていったというところです。

終わると利用者がガクンと落ちるのかないいますと、そこそこの方々に残っていただいて、日常使いをしていただいて。またこの6月7月と新しいキャンペーンを入れましたので、少し大きく伸びてきているという状態です。圧倒的にお客さんの数、それから決済回数というのが増えてきているというところです。

キャンペーンばかりが目立ってますので、基本的なサービスがまだあまり認知されてませんけれども、キャンペーンをやっていないときでも3パーセントが戻ってくる仕掛けになってます。

そして20回に1回の確率で1000円が当たると。500円使ったときには500円しか当たらないんですけれども、1000円以上使うと1000円が当たるということで。それを楽しみに決済をしていただいている方もすごく多いと思います。

キャンペーンの変遷

導入事例をもう1つ見てもらいたいと思います。

スーパーマーケットです。6月には、ドラッグストアで20パーセント戻ってくるというキャンペーンを行いました。7月は11時から14時の間のランチタイムに、飲食店またはスーパーとかでお買い物していただくと、10パーセント〜20パーセントが戻ってくるキャンペーンというのも今行なっています。

このキャンペーンは8月も続けます。そして8月にはコンビニエンスストアさんがそこに参加されてきます。飲食店、コンビニエンスストア、スーパー、こういうところでお昼の時間11時から14時までお買い物すると、10パーセント〜20パーセントが戻ってくるというものをやらせていただきたいなと思っております。

我々にとっての効果なんですが、「PayPayは日常使ってるんだけどコンビニだけです」みたいな方もいっぱいいました。それがこのキャンペーンを始めることで、じゃあドラッグストアにも行ってみるかということで、コンビニだけのお客さんがコンビニとドラッグストアを使う、というかたちがここで作り上げられたと思います。

ここで、約6割の人が初めてドラッグストアでPayPayを使いましたということになってます。それとこれはドラッグストア様にもすごく効果がありまして、PayPayを使うお客様が100億円のキャンペーンのときと、このドラッグストアだけのキャンペーンのときを比べると売上が約2.5倍になりましたと。お客様がガッと動いたということは確かなので、ドラッグストアの経営者の方も大変喜んでいただいているというところです。

おそらくコンビニで買ってたものをドラッグストアで買ってたりとか、スーパーで買ってたものをドラッグストアで買ってたりとか、そういうことでお客さんが動いたんじゃないかなと思ってます。

それから今はランチのキャンペーンをしておりますけれども。これはスーパーの実績です。グレーのラインがキャンペーン前のレジでのPayPayでの決済回数です。これまではスーパーの決済数というのは、夜ご飯のお買い物のため、だいたい夕方に山がありました。お昼には山がなかったんですけれども。

11時から14時のキャンペーンをすることで、夕方の山が落ちることなく、お昼間のランチの時間のお客さんがガッと上がっていったと。これも多くのお客さんをスーパーマーケットにお昼の時間に誘導したという結果かなと思っています。

こういう施策をこれからもいろいろ続けていきますので、ぜひ加盟店のみなさんにはこれをうまく使っていただいて、売上のアップですとか、単価のアップですとか、そういうことを狙っていただきたいなと思っております。

コンビニエンスストアなんかでは、いつもは缶ビールを2本買う人が3本買ってみたり、600円のワインを買うような人が900円のワインを買ったりとか。少し単価の向上というのもあったと聞いておりますので、ぜひこれからも加盟店のみなさまにはこういうキャンペーンをどんどん利用していただきたいなと思っています。

今6、7、8月のキャンペーンを申し上げましたけれども、9月のキャンペーンは食品スーパーを対象にキャンペーンをやっていきたいなと思っております。コンビニ、ドラッグストア、そしてスーパーということで、本当に日常使いの王様ですから、食品スーパーで大キャンペーンをまた9月にはやっていきたいかなと思っております。

キャンペーンの中身については今一生懸命考えておりますので、後日きちんと発表させてもらいたいなと思っております。

決済サービスだから、24時間365日いつでもどこでもサポート

全国津々浦々加盟店数が増えてきていますけれども、きちんと全国の営業拠点20ヶ所でサポートさせていただいております。そして決済のサポートですので、24時間365日、いつでも不安なことがあれば連絡をしていただいてご相談に乗る、ご質問にお答えするということもしっかりやっていきたいなと思っております。

これまでPayPayがやってきたこと、9月までのお話を今させていただきました。これからどういうことをやっていこうかなということなんですけれども。加盟店がお客さんとの接点を常に持っておきたいということを、これまで営業の中で幾度と聞いてきました。そのシステムを我々で作りましょうということを今考えています。

中小のチェーンさんですと、システムを作る、CRM、お客様とのつながりを常に持っておくためのシステムを作るということは、大変金額的にも大きいですし、不正アクセスをカバーするためのシステムというのもなかなか難しいところもあります。

個人情報の管理が大変ということで、あまりこういうものを作られてないと思います。せいぜいポイントカードを紙で作ったりとか、プリペイドカードを作ったりというようなことはやられていると思いますけれども、販促ツールというのはなかなかご自分でお持ちになれないというのが現実だと思います。

ここをPayPayがしっかりサポートしていこうと考えています。加盟店さんがPayPayを販促のツールとして使えると。常にお客さんはスマホを持ってますので、そのスマホに向かって加盟店さんの販促を行える。直接行えるということをこれからやっていきたいなと思っています。

例えばどんなことかと言いますと、ヤフーのどこかのページにそのお店のクーポンを貼り付けて、そのクーポンを持ってお店に来てもらいPayPayで決済すると、自動的にクーポンの、例えば500円引きとか10パーセント引きというのが処理されるというようなものも作っていきたいなと思っています。

それとPayPayのアプリの中にお店のページを作っていただくことができるようになります。例えばハンバーガー屋さんですとハンバーガー屋のメニューですとか、イベントなんかをここに載せていただいてお客様に自分のお店をしっかりアピールするというものを作っていきたいと思っています。

ロイヤルカスタマーに感謝の気持ちを表せるように

そしてこういうものも作りたいと思ってます。例えばハンバーガー屋さんでいきますと、先週2回ランチに来てくれて、PayPayを使ったお客さんが今週は1回も来てくれてないぞと。そういう集合体に向けて「今日はポテト無料ですよ〜」っていうクーポンを、PayPayを通じて発行する。すると、先週はよく来てくれたけど今週は来てくれてなかったお客さんを再び呼び込めるですとか。

先週ランチに毎日来てくれたハンバーガー屋さんは、そのお客さんに向かって「どうもありがとうございました」と。先週毎日来てくれましたね。じゃあ今週はポテトプレゼントしますよみたいなことを行える。ロイヤルカスタマーに新しい販促とか感謝の気持ちを表せるようなツール、こういうものを作っていきたいと思っています。

それから、1回しか来ていないお客さんにまた来てくれませんかっていうようなメッセージを流せるようなツール。こういうものも作って、いろいろな集合体に向けて自分のお客さんにアピールできる。メッセージを送れる。そういうものを作っていきたいと思っています。これもできるだけ早く作りたいなと思っております。

そしてさまざまなサービスとこれからどんどん連携していきたいと思っています。

例えばDiDi。これもスマホアプリでDiDiを呼んで、乗車前にPayPayで決済をしてしまうということもできるようになりました。将来はPayPayのアプリの中でDiDiを呼んで決済してしまうというようなことも考えております。

それからヤフオクの代金をPayPayにチャージできるですとか、ヤフオクの落札した金額をPayPayで払う。こういうこともどんどん進めていきたいと思っています。

それからYahoo!ショッピング、こういうものもヤフーの中のサービスで決済をするときにはPayPayをどんどん使っていただいて、またPayPayのポイント1パーセントを貯めていただく。こういうこともどんどんしていきたいなと思ってます。

それからTポイントをPayPayのアプリの中で表示して、ファミマさんですとかウェルシアさんですとか、PayPayとTポイントの両方を使えるようなところは、1つのアプリの中で2つのバーコードが出せるというようなことをやってます。

Tポイントじゃなくても、さまざまなこういうバーコードを使ったポイント制も導入していって、PayPayのアプリの中でさまざまなバーコードが出せるというようなこともして利便性を高めていきたいなと思っています。

それと送金。先ほど動画の中でもありましたけれども、居酒屋さんでの割り勘ですとか、子供へのPayPayの残高の送金ですとか、そういうものも拡充し、より便利に使えるようにしていきたいと思ってます。

PayPayはとにかく決済からさまざまなサービス、決済だけじゃなくて生活におけるさまざまなサービスと常に連携していく。こういうものをしっかりとPayPayは作りあげていきたいと思っておりますので、ぜひこれからも応援をよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

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