2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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夏野剛氏(以下、夏野):みなさんにぜひお聞きしたいのは、人を見るとき、人と付き合うとき、「この人は何歳くらいだよな」を、どれくらい意識しますか? 「これ、同じ世代だよな」「ちょっと違う世代だよな」というところから入るかどうかですね。
もちろん、そういう付き合い方はしないにせよ、どれくらい意識するかを聞きたいです。では、鶴岡さんから。
鶴岡裕太氏(以下、鶴岡):僕は世代というか、会社では今若いほうなんです。30〜40代というよりは、「僕よりも上かな下かな」はけっこうありますね。別に、それによって仕事でどう接するかが変わることはないですけど、そこは絶対に気にしちゃう。
夏野:やはり気にする。上というのは、先輩風を吹かしている隣の人もいるし。
鶴岡:自社の、うちの社員で見てもそうですけどね。
夏野:社員で見てもそういうのは意識する。田中さんは?
田中良和氏(以下、田中):やはり10歳くらい違うと、「なんか違うコミュニティを生きてるな」という気がしますね。本当に仲間と仕事しているというよりは、先輩と後輩がどこかしら出てくると思うんで。そういう点では、それくらい違うイメージです。
夏野:これもね、けっこう……。シリコンバレーももちろん20代の経営者はたくさん出てくるんですけど、同世代でつるんだりはしないんですよね、世界的に。
日本は、同世代のなんか……、マスコミもそういうふうに煽りますよね。なんとか世代とか言うんだけど。実際に、西麻布の会合など、けっこうあるじゃないですか。でも、ああいうのは、実はシリコンバレーに一切関係ない。
もちろん「なんとなくこれくらいかな」はわかるんだけど……日本ではつるんだりすることがけっこう多いのは、なんでですかね? 50代はみんなで集まったりなど、たぶんないでしょ?
真田哲弥氏(以下、真田):いや、ありますあります。
夏野:ある? それ、なんでだろうね。一番心地いいんですか?
真田:なんでですかねえ。……うーん。
川邊健太郎氏(以下、川邊):やはり保守的なんじゃないですか? 全般的に、日本人って。そうすると、違和感のないメンバーで集まりたくなりますよね。
夏野:とはいえ、動物園みたいな感じですけどねえ。同じ年代とはいえ、ライオンと、ヒョウと、トラと……。
真田:日本はね、年上の人に対して「敬語を使わないといけない」とか、「立てないといけない」みたいな文化がありますよね。だから、年上の人がいると面倒くさい感があるんじゃないですかね。同世代だと、そういうことしなくていいから。
川邊:それはありますね。
夏野:え、ある? 30代はどうですか。
川邊:ありますよ。
夏野:え? 40代はないでしょう。
川邊:夏野さんといるときなんて、気を遣いまくりですよ(笑)。
夏野:気を遣われたことなんてないよ、そんなの(笑)。まったく関係ないよ。では、30代や20代はある? 「おっさん入ってくると面倒くさい!」みたいな。
田中:僕はないけど、「そういうことを思われるんだろうな」と思って、あの、心配していますね。
夏野:あ、逆に心配するほうになってる?
田中:そうそう。
夏野:鶴岡さん、どう?
鶴岡:僕らの世代は、あまりつるんでるみたいなものはない気がしますね。
夏野:逆にないんだ。
鶴岡:逆に、はい。僕ら世代に比べると、田中さんの世代の方たちは、すごく仲良くていいなと思っていますね。
夏野:多いんだ?
鶴岡:はい、イメージはあります。
田中:なんかそういうの、みんな好きなんじゃないんですか? 「仲間で集まろう」みたいなの。
鶴岡:時代的に。
川邊:話が元に戻ったやん! なんで好きなんだろう、って話してるんだよ。
(会場笑)
夏野:ただ、けっこう大きな問題があるなと思っているのは、「そっちのコミュニティにいたいがゆえに社長を続ける」みたいな人も多くなってきていることです。
僕は……なんかすいません、インターネット業界の生き字引みたいになってきていて、とくに2000年代前半に上場した会社の社長さんたちをサンプルとしていっぱい見ているんですね。その8割くらいが、上場時の時価総額ピークで、そこから下がっている人も多いんですけど。普通なら、それでもう引退ですよね。
ですが「心地いいコミュニティにいたい」で、ずっと続けている人がけっこういます。先ほど真田さんが言っていた「なんのために会社経営しているの?」からズレている人もいるんですよ。上場企業の中にも(笑)。
世代ごとに固まることは、それほど良くないんじゃないかという仮説を、僕は持っています。打ち破っていただける人は、この中にいますでしょうか。
真田:まあ……(笑)。
夏野:まあ、どうでもいいか。
真田:同じ世代で集まっているというよりも、「インターネットで同時期に創業した人たちで集まってる」という見方もありますよね。
夏野:それはいいね。
真田:でも、最近はわりと……昨日も飲んでいましたが。同じ業種・業界で考えていることが近い人と飲むと、僕は最年長者になっていることが多いです。だから、30〜40代の人と飲むことが多いですね。
若いころは、いろいろ教えてもらいたかった。だから、自分より年上の経営者の方々と、積極的に「飲みに連れて行ってください」と言って、教えてもらうような機会を持ってました。ですが、最近は飲む機会は少ない(笑)。
夏野:まあ、一次会で終わっちゃうことも多いですしね。
(会場笑)
真田:うん(笑)。始まりも早いんですよ。「じゃあ、ええと、18時にどこそこで」「えー、18時ですか? まだ会議中です」みたいな(笑)。
夏野:いや本当にね、年齢を経ると、夜が早いんだよねー。そして、解放するのも早い。21時とかに解放されちゃったら、「俺、これから帰んのか?」みたいになることもあるよね。
真田:(笑)。
夏野:まあまあ、やめましょう。さあ、最後の質問です。年代はやはり意識するとして、「今現在、今日この日、自分の年代以外の人とより付き合いたい」ということで、特定の世代をあえて1つ選び、その理由を述べてください。では、鶴岡さんから。
鶴岡:難しいところですけど、僕はやはり、僕の世代以外という話ではあると思うんですけど、なるべく近くて、若いほうのが話しやすいなと……(笑)。なんか、あれですけど、過去のその……、立場的にあれですけど……(笑)。
田中:言葉を選ばずに(笑)。
夏野:今ここにいる人たちと付き合いたいかどうかは、聞いていないからね。年代、ジェネラルに聞いているからね。
鶴岡:そうですよね。僕は、過去の経験からいいサービスを作れる時代ではなくなってきたと思っていて。
夏野:あー、厳しいねえ!
鶴岡:そういった意味では、なるべく若い世代がいいなと……。先ほどの、9歳で優勝した人みたいなのが最高だという気がしています。
夏野:酒は飲めませんが。
鶴岡:はい(笑)。それで言うと「10代がいい」というイメージがありますね。
夏野:では、次は田中さん。
田中:僕は先輩として認めてもらうというコンセプトに準じて、20代の人たちがいいですね。
夏野:鶴岡さんと田中さん、相思相愛が成立しましたね。
田中:先ほども話したように、新しいインターネットのサービスを作っていく意味では、やはり若い人たちが作っているところが絶対にあると思っています。
そういった意味では、自分ももう30代なので、20代の人たちからいろいろ吸収したいですし。40代に近くなると、人生も折り返し地点なので、自分より年上の人たちから学ぶより、年下の人たちから学ぶと切り替えたほうが、人生がおもしろいかなと思っていますね。
夏野:では、川邊さん。
川邊:実際にやっている行動は、先ほどから申し上げている通り、若い経営者と会って話を聞いたりしていることが多いですね。
ただ、改めて夏野さんに問われると、年上の経営者に話を聞いてみるのもいいんじゃないかなと思ったりしました。
タイムマシン経営というか、「自分が40代のときになにをしていましたか?」「自分がもし40代に戻れるんだったら、なにしますか?」と、後悔を聞けるんですよ。あるいは、知恵を聞ける。
そう思うと、最近はそういった話を聞きに行っていなかったなと思うので、改めてそういう活動もしてみたい気がしました。
夏野:では、シニア経営者の真田さん。
真田:(笑)。僕は20代ですね。40代くらいの人の感覚は、そんなに僕と変わらないから、想像がつくし、イメージができます。でも、20代くらいの人の感覚をやはり知っとかないと、サービス開発はなかなかできない。20代の方とできるだけお話をしておかないとな、と思います。
夏野:モテモテですね、20代!
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