2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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夏野剛氏(以下、夏野):いやー、年代別経営哲学論に、まさかモデレーターで呼ばれるとは思わなかったですね。真田(哲弥)とはね、30年近くずっといろいろやってるんですけど、俺たち、おっさんなったねー!
(会場笑)
一番年寄りだよ。
真田哲弥氏(以下、真田):昔、学生起業家や若手経営者と呼ばれていたんですけど、すっかり(笑)。
夏野:ビジネスはうまくいってたんだけど、金の投資にねー?
真田:余計なこと言わなくていいんだよ(笑)。
夏野:あ、言わなくていいの。はいはい、すいませんね(笑)。今日は20代、30代、40代、50代。なんか20代、一番貫禄あるね。
鶴岡裕太氏(以下、鶴岡):(笑)。
夏野:あまり、この「年代別」のキーワードに意味があると思えない課題設定だけど、「IVSが課題設定しているから仕方なく来ました」ということで。
僕は、まあ、学校で教えているんで、一番若いのは最近だと8歳ですね。僕はU-22プログラミング・コンテストの審査員をやっているんです。U-22で、9歳が経産大臣賞取りましたね。
さらに言うと、今、アプリが出てきて、インターネットビジネスやベンチャーの垣根が、年齢とは関係なくなっている。今こそ、年代別系低哲学ということでやりますが、本当はここに小学生や60代、70代、80代もも入れたかったけれど、IVSのネットワークには、そういう人はいませんでした。
ということで、今日はみなさんにいろんなことをお伺いしていきたいと思います。まずは4つくらい質問を僕の方で用意しているので、それを1回4周して、お互いに「おかしいぞ」「昔、そんなことを言っていなかったぞ」と話してもらって。それが終わってから、会場のみなさんからご質問あれば受け付けたいと思います。
では、1つ目「経営者に世代を感じる時、あるいは、自分に世代を感じる時はいつですか?」を、みなさんに投げかけます。
僕の場合は、自分の世代を感じることが最近多くてですね。それはなにかというと、合コンで年齢の話を言えなくなっている(笑)。(真田氏に向かって)ね、最近そうじゃない? ……合コンしてないか(笑)。
真田:最近、合コンしていないからね。
夏野:あー、わかったわかった。余計なことを聞いたよ。
真田:あの……、違います。合コンに呼ばれなくなったとき、これが世代を感じるときですかね(笑)。
夏野:そういうことね(笑)。はい、すいません。
ということで、まず20代として鶴岡さんからいきましょうか。経営ね、合コンじゃなくて。経営に世代を感じるときはありますか。
鶴岡:どうなんですかね。僕の場合は、学生から起業して今4年間なんで、他の世代の方々の「経営を知っている」みたいなわけではぜんぜんないので、なんとも言えないところではあるのかなと思っているんですけど。
でも、昨晩も田中さんや真田さんと一緒にご飯を食べていて。今、インターネットにもいろんな問題があるじゃないですか。しかし、これがどのレベルの問題か、あまりわからない。過去にいろんな問題がインターネット上で起こったと思うんですが、今起こっていることはインターネットの歴史上でみるとどのレベルなのかを教えてくださったりして。そこで、もちろんですが、やはり明らかに経験値が違うんだろうなと思うことはあったりします。
経営論みたいなところで言うと、まだぜんぜん……。もちろん僕がペーペーなんで、なんとも言えないところだという気はしています。
夏野:つまり、20代は謙虚だというところですね(笑)。
(会場笑)
そういう気持ちは大事かもしれませんねー。うん。
鶴岡:本当ですか。
夏野:ちなみに、今日ですね、このパネルに出るにあたって「いやー、世の中を騒がせていることは、なるべく触れないでください」と言われてたのに、いきなり触れてましたね(笑)。
鶴岡:あ、本当ですか(笑)。
夏野:はい、じゃあ、30代代表、田中さん。
田中良和氏(以下、田中):世代を感じる瞬間という意味では、今、20代の経営者の方と一番感じるのは、インターネットビジネスに対する認識というか。
やはり、インターネットがなかったころの人たちは、インターネットが現れて、「これはすごい!」と思う感動の中でビジネスしている感じがあります。でも、こっち(20代)から先の人たちは、「インターネットがあるのは当たり前ですよね」から入っっているので、インターネットそのものの楽しさを語っても、若干、話が噛み合わないところがあるんです。そこはまさに、世代だなと思っていますね。
あと、もはやガラケーを知らなくて、アプリしか知らない人がいる。そうなると、また話が噛み合わない。そういうところが、一番世代を感じますね。
夏野:(鶴岡氏に対して)インターネットがなかったときには、まだ記憶がない? 記憶があるときには、もうインターネットはあった?
鶴岡:そうですね。僕が小学校1年生くらいのときから、もうインターネットあったんで。それより前は、パソコンに触れることはあまり……、そんなに記憶もいっぱいあるわけじゃないんで。
夏野:小学校1年生なのね。
鶴岡:物心ついたころからネットはありました。僕、大分出身なんですけど、インターネットで大分トリニータというサッカーチームの移籍情報をチェックして、「すげーな」など、そういう記憶はありますね。
夏野:それは、ある意味、本当のデジタルネイティブ世代ということですかね。川邊さん、Yahoo! JAPANは20年前にできたんですよね。
川邊健太郎氏(以下、川邊):はい。
夏野:1996年なんですよ。私も実は同じタイミングに会社を作って、翌年に倒産しました。
川邊:ハイパーネット!
夏野:うるさい!(笑)
(会場笑)
川邊:伝説の。
真田:なつかしいねー!
夏野:あの社長は本当に最低だったけどね。俺は副社長だったから合格という。
川邊:(笑)。
夏野:そんなことはいいんですけど、川邊さん、お願いします。
川邊:2つあります。1つは今、田中さんが少し話しましたが、今、若い経営者やエンジニアと話すと、Webをやったことないですね。アプリしかやったことない、という人が多い。
我々で言うと、基本的なプロトコルはHTTPですし、サービスを考えるときも、パスで考えるじゃないですか。それがないというのが、1つ衝撃的でしたね。
もう1つはですね、言語が通じない。この間、我々くらいの世代の経営者と、20代のしかも前半の経営者で議論するクローズドな会があったんです。ちょうど私と同じくらいの世代で、ECをやっている経営者さんが、若手に対してAIの活用方法を説明したんですね。
彼的には「AIはAI単体であるんじゃなくて、人間と補完的に使われていくもんだよ」を伝えたかったんですけど。それを例え話として「ガンダムだってさ、モビルスーツの中に人が入ってるじゃん」と説明したんですけど、ポカンとされたんですよ。「え、モビルスーツってわかんないの?」と言ったら、みんな「いや、なんすか、それ?」みたいな感じで、「あ、言葉が通じない」と。ちなみに、その後、ラジコンなどいろんな言葉を出したんですけど、ぜんぜん通じない。
20年前、つまり私が働き始めたころに生まれたような経営者と話すと、言葉すら通じないんだとびっくりしましたね。
夏野:あ、そういうのがあるんですかねえ。『ガンダム』は、僕は個人的に大嫌いなんで。『ガンダム』と『エヴァ』が大嫌いなんですよ。科学技術の発展を無視したストーリー展開をするから。
川邊:子供向けだから(笑)。
夏野:でも、なんかいっぱい……。知っているでしょ?
鶴岡:モビルスーツは知っていますけど、でも『ガンダム』は……、ぜんぜん見たがことないですね。
川邊:でしょ? だから、かろうじて一般常識にくわしいからモビルスーツを知っているけど。
夏野:モビルスーツは知ってる。
鶴岡:ガンダムのことですよね? ……あ、違います?
川邊:いや、そうです。これくらいの感じ。だから、通じないんです、言葉が。
夏野:では、さらにおっさんの真田さん。
真田:はい。一番はね、IVSの小野(裕史)さんから「シニア経営者代表で登壇してください」というメールが来たときですね(笑)。
(会場笑)
あと、「IVS DOJOに出てください」「師範をお願いします」とか、もう本当に(笑)。それは置いといてですね、2つありまして。1つは、僕、大学生のときに最初の起業をしました。そのとき、自分と同世代向け……大学生向けのビジネスで起業しているんですね。
当時、自分と同世代の人たち向けのビジネスを考えればよかった。そうすると、自分で「あ、俺だったら、これはいいな」「俺だったら、これはやらないな」と、価値基準が自分の好き・嫌いでよかったんですね。
ところが今、自分より若い世代向けのビジネスをやることが多くなってきた。そうすると、価値基準が自分じゃダメなんですね。「自分はこれは見ないけど、若い人たちは見るのかな」と、その都度、その世代の人に確認しながら進めるやり方になってきた。ここが、まず大きく変わったことです。
もう1つは、従業員との関わり方。20代で会社をやり出したころは、ほとんどの社員は自分と同世代だから、仕事でモチベーションを上げようと思ったら、「よし、一緒に飲みに行くぞ!」と言って、朝まで飲んで、「がんばろうぜ!」と言って団結を深める。なんていうか、それでよかったんですね。
プログラマーなど20代が多い中で、こちら側が50代になってくると、飲みに誘って一緒に団結するとはいえ、向こうから見ると「このおっさん、なに言うてんねん」としか、見られてないわけです。
飲んでモチベーションを上げる手段が使えなくなってきた。そこで社員との距離を少し感じるようになってきて、別のテクニックなど、考えないといけなくなってきた。これがやはり、世代を感じることですかね。
夏野:ちなみに、この話の長さは20代から変わっていません。
(会場笑)
今のラウンドで、お互いにツッコミたいところありますか? 「ちょっと、20代に聞きたい」、50代に「ちょっとそれは違う」と言いたいなど。(川邊氏に)なんかありそうな顔ですね。
川邊:いや、どちらかというと、やはり真田さんの感覚に近いですよね。
とくに先ほどの1つ目ですよね。自分の感覚でものを語ると、非常に見間違えるというか。その世代の人に聞かないと自信を持てないことは、やはり生じていますね。
夏野:ただ一方で、今のWebの世界。とくに、先ほどのアプリとWebの話がチラッと出ていたんですけど。Webの世界でWebを使っているユーザーは、みなさんと一緒に高齢化しているという話もあります。
だから、あまりそこ気にしなくてもいいんじゃない? とくにYahoo! JAPANは。
川邊:それはおっしゃる通りで。Yahoo! JAPANも、最初に出たてのころは、若い人たちが使うメディアだったんです。それが順調に高齢化していきました。
ただ、今はスマートデバイスの時代。どちらの寿命が短いかというと、Webの人たちですから。
夏野:でも、だいぶまだ先だよ。
川邊:(笑)。
夏野:僕なんか、けっこうNewsPicksでおじさんたちに絡まれるんだよね。Twitterで絡まれるのは、もう少し若い層なんだけど。だから、炎上の種類がだいぶ違うんです。あ、NewsPicksとか、あまり言っちゃいけない?
川邊:いや、大丈夫ですよ。
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