2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
リンクをコピー
記事をブックマーク
小野裕史氏(以下、小野):皆さん、改めておはようございます。昨日も参加した人がたくさんいるとは思うんですけど、今日(初めて)参加した人も多いので……1発目ですのでボルテージを上げていきたいと思います。
まずは、全員ご起立をお願いいたします。そして、これからすばらしいお話をしていただくお三方に対して大きな拍手、スタンディングオベーションから2日目の1発目をスタートしたいと思います。では、これからのお話と今日の1日を楽しみだなと思う人は、存分に大きな拍手でよろしくお願いいたします。はい! お願いします!
(会場拍手)
小野:よろしくお願いいたします。ありがとうございます。じゃあ、このセッションはこのままで立ったまま進行します……というのは冗談でして(笑)、皆さんお座りください。
早速、2日目の1発目のセッション「起業家という人生」というテーマで、皆さんから見て左側のVASILY金山さん、クラウドワークス吉田さん、そしてnanapiのけんすうさん、その3名のお話を伺っていきたいと思います。が、この中で「起業家になりたい」もしくは「起業家に興味がある」という方はどれくらいいらっしゃいますか?
(会場挙手)
小野:結構多いですね。ありがとうございます。「すでに起業しちゃってるぜ」っていう人いますか?
(会場挙手)
小野:いますねー。後で質疑応答タイムもやりたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。じゃあ、トップバッターの金山さんから、スライドを用意していただいておりますので、会社の説明ですとか自己紹介も兼ねてよろしくお願いいたします。
金山裕樹氏(以下、金山):おはようございます! VASILYの金山です。女性向けファッションアプリのiQON(アイコン)というのをやっている感じです。このアプリですね。今日ここにいる女性の皆さんもぜひ使ってみて、使いにくいところを後で僕にこっそり教えてください。直すので。
僕が起業したのは30歳でして、この業界では早くないです。僕は今36歳なんで実は6年目で、最近は若く起業して若く成長してみたいなのが多いですけど、そういうパターンではないかなと思っています。
最初に、僕が若いときに何をやってたかみたいな今に至るまでの経緯を、スライドも用意してきたので順に説明していきたいなと思います。
金山:あっ、これはiQONの説明ですね。実はiQONは2010年からやってまして、最初の2年くらいは暗黒の時代でしたね。このときはもう、結構死にそうでした。でもアプリを出してぐんぐん伸びて、今はユーザーが200万人いるといった感じです。2010年とかの話もありますし、皆さんくらいの歳の話もありますので、軽く5分くらいお話しさせていただければなと思います。
金山:今日は皆さん学生が多いと聞いていたので、僕が大学3年生のときなんですけども……3年生というか、18歳くらいのときからずっとバンドをやっていて、別に起業家になりたくなかったです。はっきり言うと。僕がなりたかったのはミュージシャンなんです。
僕は関西の立命館大学というところにいってたんですけども、ほとんど週7で学校に行ってましたね。練習しに。
小野:授業ではなく(笑)。
金山:学校のスタジオでずっと練習して、スタジオにこもっていました。それしかやってなかったです。ライブは1年間で、多い年で50本とか。
小野:ほぼ毎週ですよね。
金山:そうですね。ひたすらライブして練習して、しかなかった感じです。で、たまたま3年生のときにフジロックの3番目に大きいステージに、インディーズ時代に出ることができて。
小野:その時代のフジロックって、すさまじい……。
金山:4回目でしたね。だから当時出てたバンドはThe Chemical Brothers、Foo Fighters、Elliott Smith、そこらへんと対バンしました(笑)。なんですけど、なんで僕が今ミュージシャンじゃないかというと、やっぱり売れてないっていう(笑)。音楽自体は24歳くらいまでやっていたんですけど、まあ「これはアカン」と。
でもたまたまよかったのは、(スライドの)一番左が僕なんですけど、バンドの宣伝のためにWebサイトを自分で作ってたんですよ。だからプログラムがちょっとできたと。ホームページも作れたと。なので、そのときのスキルを買ってもらって、ネット系の音楽をやる会社にバンド時代のコネで入社しまして。そこからITのキャリアを歩んでいくという感じです。
ネットと音楽って、当時はiPodとかiTunesとかがすごく出てきて、最高にハッピーな組み合わせだったんですね。「これはもしかして音楽とITを組み合わせたら、また新しい自分の表現ができるんじゃないか」と。そうなったときに、ビジネスという手段をとるとしたら起業家がいいんじゃないのかなと思って。
次に何をしたかというと、僕が皆さんと違ったことは「起業しなかった」ですね。ヤフーに入りました。当時はヤフーの音楽サービスが日本で一番ユニークユーザーを集めていたので、そこで修行しようと。
やっぱり僕はバンドをやっていたので、キャリアのスタートも遅かったですし、1回しっかりとノウハウだったり物の作り方を勉強しようと思って、ヤフーに入ったのが26、27歳くらいですね。
それで練習……と言ったらヤフーの人に失礼ですけど、新規で立ち上げたのが次のYahoo! FASHIONというサービスです。
金山:これは、ゼロから大体1年間で1200万PVくらいいって。ちょっとしたプチヒットで調子こいて「もう1個立ち上げよう」ってなったのが次のサービス。
金山:これは今もまだあるんですけど、X BRANDっていうサービスを立ち上げて。これも1億PVくらいいって、自分でも「これはやれる」と。「いける」と思って、VASILYを立ち上げました。立ち上げたときのオフィスの写真がこんな感じです。
金山:俺はあんまり変わってないですね、これ(笑)。
小野:当時は何名ですか?
金山:2名です。
小野:本当に(写っている)2名で。
金山:しかもこれ、自分のオフィスじゃないです。オフィスを間借りしてましたね。これが僕で、隣りにいる白いシャツを着てるのが共同創業者のCTO(今村雅幸氏)。彼はヤフーのときにさっきのYahoo! FASHIONとかX BRANDをやったエンジニアで、ずっとプロジェクトを一緒にやりながら「起業しようぜ……起業しようぜ……」って巻き込んだような感じですね(笑)。
これは2009年5月くらいの写真なんですけど、まだリーマンショックの余波があって、ファイナンスとかそういう話ってまったくなかったんですよ。ひたすら受託をやってました。受託をやりながら土日でiQONを開発してっていう日々でしたね。
金山:2009年の末くらいにiQONも立ち上がりはじめて、いよいよ投資の話とかも入ってきたので、そういうお話をVCの方たちとさせていただいて。
小野:VCというのはベンチャーキャピタルですね。ベンチャー企業に資金提供する。
金山:そうですね。ベンチャーキャピタルからの1回目の出資が、たしか1億3000万円。伊藤忠さん(伊藤忠テクノロジーベンチャーズ)とGMOさん(GMO VenturePartners)から。
小野:当時としてはでかい金額ですよね。
金山:そうですね。当時はたぶん僕らのファイナンスの前に、nanapiが3億やってて。3ヶ月前に。それが「やべえ! すげえ!」みたいな感じで、1発目に億単位で入れるっていうのがデフォルトになった時代の走りだという感じもします。
小野:奥に見えるギターは金山さんのですか? ひょっとして。
金山:あ、これはそうです。でもこれは弾いてないギターですね。一時期バカなこと考えてて、ギターって木の板なんでその裏に基盤を貼り付けてサーバーにしようと思ってたんですよ(笑)。
小野:それはぜひやってほしいですね(笑)。
金山:ですけど、すごく高コストなのと管理がダルいっていう。「AWSでいいじゃん」って話になって、弾かなくなっていらなくなったギターが飾ってあるって感じですね。このオフィスで何年かやってたんですけど。
金山:オフィスでみんなで飯食ったりとか。VCさんからさらに調達できて、仲間をやっと増やすことができたってフェーズです。これが2011年か12年くらいの写真ですね。こんな感じです。
金山:2013年くらいになると、ユーザーもすごく増えてきて。僕の中でひとつエポックメイキングだったのはGoogle I/Oという、毎年やってるんですけど「グーグルの技術すげえぜ」みたいな。
小野:開発者向けのイベントですね。
金山:そうです。言ったら、グーグルがやるフジロックみたいな感じですね(笑)。
小野:わかりやすいですね(笑)。
金山:それに出ることができて、海外のユーザー向けにプレゼンテーションできたり、そういった思い出があり。
金山:これはビデオなんですけど、どこにも出してない。
小野:本邦初公開。
金山:iQONがユーザー100万人いったときの瞬間を、僕がビデオで撮っていて。僕らは1円も使わずに100万人いったんですね。プロモーション0円で、ひたすらグロースハックしまくって100万人いったって瞬間を撮ってて。
皆さん、映画で『ソーシャルネットワーク』って見たことありますか? あれで、Facebookのユーザーが100万人に到達するのをカウントダウンするシーンがあるじゃないですか。(注:この映画はFacebookのローンチから100万人到達するまでを描いたもの)
小野:今はもう(Facebookは)何億っていう(笑)。
金山:あのシーンが頭にあったので「俺たちもやろう」と思って、めっちゃしょぼくなった動画があります。なので皆さんも今後起業して、ユーザーを獲得していって、例えば1万とか10万とか100万とかそういう単位になったときは、何かしら騒ぐといいんじゃないかなと思います。
金山:これはリアルで999,999人だったんですね。
小野:これは社内にディスプレイで。
金山:そうですね。ディスプレイで「バン!」と。
完全にみんな酔っぱらってますね。
小野:夜でよかったですね。朝だったら大変ですね。
金山:大変ですね(笑)。
(100万人達成、映像内大盛り上がり)
小野:いいですね。感動的ですね。
吉田浩一郎氏(以下、吉田):これは良いわ。
小野:これ、撮ってるのは金山さんですね?
金山:僕が撮ってます。
小野:金山さんのところには来てないんですね、みんな(笑)。
金山:本当ですね! 俺のところに来いよっていう(笑)。
小野:ちょっと不思議に思ったんですけど。社長のところではなく(笑)。
金山:エンジニアがやっぱり一番喜んでる。
小野:すばらしいですね。
金山:これはオチがあって、この後すぐに警察が来ましたね。
小野:騒ぎすぎて。
金山:はい(笑)。このときオフィスが恵比寿の住宅地の1階にあって、「何ごとか」と警察の皆さんがいらっしゃって。
小野:突然雄叫びを上げて(笑)。でも思い出深いシーンですね。
金山:そうですね。
こんな感じで成長をしていき、100万人達成から1年も経っていないんですが、ユーザー数が200万人になっていき、また3度目のオフィス移転をして、今だいたい従業員が50名くらいでやっているという感じです。
小野:ありがとうございます。後ほどもう一度学生の頃を振り返っていただいたり、根掘り葉掘り聞かせていただきたいと思うんですが。すばらしい青春の話、ありがとうございました。拍手をお願いします。
(会場拍手)
小野:後ほどもくわしく聞きますが、起業しようと思ったタイミングで具体的なiQONのイメージはあったんですか?
金山:いや、なかったですね。
小野:とりあえず起業からスタートした。
金山:そうですね。何かしら、表現の延長線上としてのビジネスというのがおもしろい。ビジネスを効率的にやるのであれば、自分で会社を持ったほうがいい。そういう形だったので、まったくイメージがなくて。一番最初に「これいける!」と思ったアイデアがクソすぎて、今でも覚えてるんですけど……。
小野:ぜひ聞かせてください(笑)。
金山:PC向けの音楽プレイヤーでオープンソースのものがあったんで、それをカスタマイズして有料で販売しようっていう。今だったら死んでますね(笑)。
小野:危うかったですね。僕だったらVCとして一銭も出さないですね(笑)。
金山:間違いないです(笑)。(そのときの)僕としては「完全にいけるわ」みたいな。「iTunesは重いしダサいし、もっと軽くてクールなもの作ったら1億くらい売れるんじゃないかな」と思ってましたけど、絶対に無理ですね(笑)。
小野:二回りくらいして、今はちょうどAWAだとかSpotifyだとかいろいろきてますけど、当時はちょっと早かったかもしれないですね。
金山:プレイヤーでしたからね、ただの(笑)。
小野:おもしろいですね。吉田さん、大丈夫でしょうか。そこでやりますか?
吉田:ここでいいですか? 掛け合いができるかわからないですけど。
小野:聞かせていただきます。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.11
気づいたら借金、倒産して身ぐるみを剥がされる経営者 起業に「立派な動機」を求められる恐ろしさ
2024.11.11
「退職代行」を使われた管理職の本音と葛藤 メディアで話題、利用者が右肩上がり…企業が置かれている現状とは
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.12
先週まで元気だったのに、突然辞める「びっくり退職」 退職代行サービスの影響も?上司と部下の“すれ違い”が起きる原因
2024.11.14
よってたかってハイリスクのビジネスモデルに仕立て上げるステークホルダー 「社会的理由」が求められる時代の起業戦略