2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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吉田浩一郎氏(以下、吉田):おはようございます! 上場までの中で、学生時代にどうやってきたのか。あんまりお出ししてないような写真もちょこちょこあるんですけど、出せればと。
一応お約束なんですけど。経済産業省「第1回 日本ベンチャー大賞」というのが今年の初めにあったんですけど、審査委員会特別賞「ワークスタイル革新賞」というのをいただいてます。
私の父は神戸製鋼で、終身雇用の普通のサラリーマンの家で新興住宅地に育って、特にコネもなくて家の筋がいいというわけでもないんで、中学高校も200人中で下から10番目という、圧倒的な成績の悪さで。
本当に「エリートの道はもうないんだ」みたいに思っていました。それが今このような賞をいただくなんて驚いています。これがベンチャーの醍醐味っていうか、自分自身で生きる道を作るみたいなのはあると思いますね。
私は神戸に生まれて、六甲中学・高校という地元では比較的進学校に通いました。先ほど申し上げたとおり、6年間、200人中下から10番を超えたことがなかったので、本当に暗黒時代というか「俺の人生これからどうなるんだろう」みたいな感じでした。
勉強ではもう勝てないということで、演劇をやりたかったので東京学芸大学に進みました。国立大なんですけど、SFCの煽りで新設学部を創るのが流行っており、3教科受験と小論文の試験で入学しました。
それで、大学時代に演劇をやってました。この写真とか、ほとんど見せたことがないんですけど(笑)。
小野裕史氏(以下、小野):これ、左側は誰が……。
吉田:左側は、手前の真ん中の髪が長い人。
小野:一番ガン飛ばしてる(笑)。右側も吉田さんですか?
吉田:左は野田秀樹か何かの演劇で、右は2人の無言劇で1トンくらいゴミを劇場に積んで、半年くらい準備してやったというやつなんですけど。バスター・キートンとかチャップリンとかにあこがれてて、無言でやったときですね。
吉田:とにかく力が有り余ってたので、小野さんにはぜんぜん及ばないんですけど、山岳マラソンをやってました。
小野:マジですか。
吉田:これは富士登山競走の山頂の写真。
小野:富士登山競走といって、富士山のふもとから山頂まで4時間半以内で走る、頭の悪い大会があって。僕も何度か出ましたけど。
吉田:一番右は、この写真しかなかったんですけど、北丹沢の12時間耐久マラソンっていうのを8時間半くらいで完走したときの写真です。
小野:8時間半、山道を走り続けて。
吉田:そうそう(笑)。自分で食料と水を積んで一日中走ってるっていう、気が狂ったようなアレなんですけど。
本とかにも書いてありますけど、演劇の契約書の行き違いでトラブルになって、半年準備してた公演がダメになって借金を背負ったと。それをきっかけに普通の営業マンになりました。
とにかく勉強してなくて、日経新聞も読んでないですし社会のことも何も知らないので、「面接だけで受かる会社」というのをひたすら探した結果、パイオニアに受かりまして。SPIがあると必ず落ちるっていう(笑)。
小野:(パイオニアは)SPIはなかったんですね?
吉田:ここはSPIすらなかったんですよ(笑)。すごくレアな会社で。余談なんですけどリクルートは新卒で落ちて、あきらめきれなくて中途の27歳くらいでもう1回受けて落ちてですね。でも、会社を創るとリクルートには出資してもらえるっていう(笑)。リクルートとはなんとしても付き合うっていう、それもまたベンチャーのおもしろさなのかな(笑)。
吉田:やりたいことをやめてまで会社に入ったんで、死ぬ気で働いて。1年目で関東1位とかの営業成績を取ったので、その成績で外資系のリードエグジビションジャパンって会社に入りました。リードジャパンっていうのは展示会をやる会社で、ベストジュエリードレッサー賞とかを朝のニュースでやってますけど、ああいう賞のコーディネートとかですね。
演劇で1000人くらいしか集められなかったので、50000人集める理屈がわからない。その理屈を知りたいなと思って(入った)。展示会を立ち上げさせてもらって、いち営業マンから事業を立ち上げて。
吉田:社会の仕組みはわかったので、演劇のリベンジということで会社をもう1回やりたいなと思って、でもやり方がわからなかったので、アタッカーズビジネススクールという大前研一先生の学校に通いました。
そこでホリエモンとか、孫泰蔵さんとか、ケンコーコムの後藤さんとかに初めてお会いして。今日のこんな感じですよね。「起業家ってこんな感じなんだ」っていうのをイメージして、それだったら俺にもできるんじゃないかと。
吉田:「まずは仲間に入れてください」ということで、そのときに出会ったドリコムっていうベンチャーの役員としてチャレンジして。でもドリコムはしっちゃかめっちゃかで、つらい思い出しかなくてほとんど写真がないんですけど(笑)。これが上場直後の貴重な写真。
小野:これは、吉田さんが受付に立ってるわけじゃないですよね?(笑)
吉田:もう、これくらいしかなくて(笑)。これ見るとちょっと痛いんですけど、この後の上場後、役員を降ろされたんですよね。なので、つらいときの思い出なんですけど。
吉田:当時は自分自身が営業力があって、「自分の力でやったんだ」と。ちょっと自信過剰というか「自分でもできるはずだ」ということで、2007年末に起業しました。
吉田:これも見せたことない写真なんですけど、2席だけの窓のないオフィスで2年くらいやってたんですね。窓がないとなんというか鬱屈して、本当に嫌気がさすんですけど。
吉田:紆余曲折あって、ベトナムでアパレルショップを始めて。「なんでやねん」って感じなんですけど。この文脈にどこにもアパレルがないんですけど(笑)。
Kana mode Feeling Tokyoってあるんですけど、バーニーズニューヨークってあるじゃないですか。あれって冷静に考えると、「ニューヨークにいるバーニーさんはみんなオシャレだ」と思ってる。だから、アジアに行って「ヨシダトーキョー」っていうのも変わんないじゃないかと思って(笑)。
小野:大胆ですね!(笑)
吉田:それで「ヨシダ」というのはあんまり評判がよくないということで、一緒にやってたカナちゃんというのがベトナムでウケたので「Kana Tokyo」というブランドでやってました。
吉田:そしたら結構売れてですね(笑)。
小野:すごく売れてますよ、これ!(笑) 本当に吉田さんのところの商品を買いにきてるんですか?
吉田:めちゃ売れて(笑)。すごく殺到して、2日間で2000枚くらい手売りして「こりゃいけるな」みたいな感じで、もうお店まで出しちゃって。お店やった経験ないんですけど(笑)。
吉田:ベトナム語でeコマースも始めて。日本でeコマースやったことなかったんですけど(笑)。
小野:これは何年の話でしたっけ。
吉田:2008年、2009年くらい。結構最近ですね。
小野:相当早いですね。
吉田:ぜんぜんアパレルのノウハウがないので、在庫だけたまるっていう。日本で稼いだお金を1億円くらい損をしました。
吉田:しかし、さらに日本では男性向けスカート専門eコマースを始めました。もうぜんぜん理解できないと思いますけど(笑)。ベンチャーあるあるで、何かを掛け算していくとオンリーワンになるっていう思い込みがあるじゃないですか。「メンズスカート」で検索しても、いまだにこのサイトが1位ですからね(笑)。いかに誰もやらないかっていう。
吉田:これを通して、「不得意なことやっちゃダメ」とか「市場がちっちゃいことをやっちゃダメ」というのを嫌というほどわかって。人の言うことを聞いて、教えてもらったクラウドソーシングというビジネスでもう1回起業と。
ぜんぜん関係ないんですけど、真ん中にいるのはアントニオ(神谷アントニオ氏)で、富士山マガジンサービスでこの前上場した彼なんです。初期はウチのアドバイザーをやってて、これがそのときのオフィスです。
吉田:2014年12月に設立から3年くらいで……。
小野:すごいタイトルですね(笑)。
吉田:「赤字企業がマザーズ上場」(笑)。まあ、赤字上場というのはサイバーエージェント以来14年ぶりという形になってます。時間がないので割愛しますけど、初期に小澤(隆生)さんとか、山木(学)というのはイトクロという会社をやってて昨日上場承認を受けたんですけど、彼とか、メルカリの山田進太郎さんとか、そうそうたる方々に入っていただいた。
吉田:これが去年12月の上場のときの写真ですね。29名で上場してます。それが今100名くらいになってて、急速に拡大してます。
吉田:今は13年新卒で25歳の成田を副社長に抜擢しまして、若手を積極登用してます。来年は新卒30名採用ということで、いよいよ本格的な新卒採用の第1期生。ウチの会社の未来をつくる仲間を募集してますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
小野:最後は宣伝で締めましたね(笑)。ありがとうございました。
吉田:あ、今日はブース出してますので寄ってください(笑)。
小野:ありがとうございます。
(会場拍手)
小野:吉田さんは掘り下げるとまだまだたくさんネタが出てくると思うんですけど、後ほど時間が許すかぎり聞いてみたいなと思います。しかし、2社目から大前さんのアタッカーズビジネススクールで起業家をめざすということで、結構飛躍があると思ったんですけど。なぜ2社目の段階で突然「起業」というキーワードが出てきたんですかね?
吉田:会社の2社目ですか?
小野:外資の営業の……。
吉田:もともとは自分でやってた劇団で失敗したんで、「いつかリベンジする」ということで丁稚奉公で。まずはいち営業マンからやって、チームを任せてもらって、事業を立ち上げさせてもらったんで、次は会社づくりをやりたいと。展示会のときに事業の立ち上げをやらせてもらったんですね。だから「次は会社だろう」っていう。
小野:そういった文脈があるわけですね。ありがとうございます。
こんな感じで成長をしていき、100万人達成から1年も経っていないんですが、ユーザー数が200万人になっていき、また3度目のオフィス移転をして、今だいたい従業員が50名くらいでやっているという感じです。
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