2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
テーマ「若者の車離れ」について(全1記事)
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堀潤氏(以下、堀):さぁ、このコーナは専門分野に長けた論客の皆様に独自の視点で今、知るべきニュースを角度持って思う存分お話いただきます。
脊山麻理子氏(以下、脊山):改めてゲストをご紹介します。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんです。お願いします。
原田曜平氏(以下、原田):お願いします。
堀:さぁ、さっそく原田さん、テーマの発表をお願いします。
原田:はい、よく言われることですけど「若者の車離れ」と。
(テーマ「若者の車離れ」について)
脊山:今年の1〜6月に売れた新車販売ランキングで、トップテンのうち7つの車種が軽自動車だったとうことなんです。
堀:今、ご覧いただいていますように、「アクア(トヨタ)ハイブリッド」が1位だったんですが。軽自動車、やはり多いですよね。非常に燃費もいい、維持費が安い、購入費用も乗用車に比べると比較的安い。若い世代にとってもありがたい存在ですし。あと、お年寄りも、これに乗り換えが進み始めてますね。
ただ、この軽自動車に関しては、非常に今後TPPの議論なども含めて、なかなか日本独自の有り様っていうのが、「これが既得権なんじゃないのか」とかね。そういう批判の対象にもなっていたりとかしてね。アメリカ側からしてみたら。なかなか難しいところでもありますが。
堀:原田さん、どうご覧になりますか?
原田:まず、軽自動車っていうのは、日本にまだ車が普及していない時に、「庶民にも車を普及させよう」ということでできた日本の大衆車な訳ですよね。
ところが、だんだん性能も良くなり、値段も上がり、日本人の所得も上がり、乗用車も買えるようになりっていうふうな状況になってきて。この10年20年で経済的に日本が疲弊する中で、シェアが特に伸びていったと。今、4割を超えるとか、いったりきたりしてると。新車販売台数の4割が軽自動車になって、人気ランキングでも10社のうちの7社が入っているっていう状況になってるんですよね。
堀:各社がね、スポーツカーを販売したんですよね、最近。今年4月にホンダが「S660」。5月にはマツダも「ロードスター」をフルモデルチェンジ。ただ、かつてスポーツカーに心を踊らせた40〜60歳代への販売が好調な一方で、車離れが目立つ若年層への販売は低調なままです。
ちなみに、ホンダの軽自動車「S660」こちらですね。「軽自動車ながら」と言ったらあれかもしれませんが、非常に洗練されたデザインを持ってきたと。
原田:そうですね。だから、スズキの「ハスラー」だったりとか、最近、軽自動車でもデザイン性っていうのでね、若い人をつかもうって試みがすごく増えてきているんですけど。
いずれにしても、若い人は、これ大都市部だけなんですけど、やはり、車離れというのは進んでいて。もちろん、間違っちゃいけないのは、日本は車大国ですから、今でも世界で3番目に新車が売れてる国ですから、車がとても必要なエリアであることは間違いない。
ただ、大都市部では、交通網も発達したし、それから、若い人の雇用がすごく不安定になったりとか、収入が下がったりして、車を持ちたくても、持てない。あるいは、そういう状況を繰り返しているうちに、興味がすごく下がっていってしまったと。大都市部で車離れが起こっているということは言えると思うんですよね。
原田:今日は、若い子たちに、実際に「若者と車」っていうテーマでね、意見を聞きたいと思って。うちの研究所のメンバーを呼んでみたんですけど。
堀:さぁ、ということで。おふたりは、車は持っているか、持っていないか?
学生1:私は、母と一緒に乗っている車があります。
堀:なるほど。今は、実家で?
学生1:実家に住んでます。
原田:実家の車を借りてると。ただし、車種はわからないという(笑)。
堀:あぁ〜、なるほど! 完全に乗り物としての認知ですね。
学生2:車はもとより、免許もまだ持ってないんですよ。
堀:「欲しいな」って思ったりはしなかったですか?
学生2:憧れはするんですけど。
堀:憧れ?
学生2:「車乗ってみたいな」っていうのはあるんですけど、やっぱり免許取るのに、30万とか……。高いなぁと……。
堀:昔は、僕なんかも、ローンを組んで、自動車免許取りに行って。お金を貯めたり、ローンを組んだりして、車買って「あぁ、なんか、これで自分の居場所手に入れたな。これで、かっこいいな。どこでも行けるな」夢がそこにいろいろあったんですよね。
そういったものは、優先されるべき存在ではなくなった、ということなんでしょうか。
学生2:憧れはあるんですけど、それよりも、友だちと普通に遊びに行ったり、飲みに行ったりするほうが優先されるかなと。
堀:何にお金使うんですか?
学生2:一番多いのは、友だちとご飯に行ったり。ちょこちょこ行ったりしていると、すごく減っていくので。
堀:自分が最大限の力を発揮して稼げる年収って、どれくらいのものをイメージしてますか?
学生2:最大限ですか。がんばって、800万円くらいかなぁ……。
堀:がんばって800万円。なるほど。いかがですか?
学生1:がんばって600万円とかかなって思ってます。
堀:現実問題、ラインとしてこれくらいかな、っていうのは、どれくらいですか?
学生1:400万あればいいかなって思ってます。
学生2:600万円くらいあれば、何とかがんばれるんじゃないかなと。
堀:よく車離れの話って、先ほどの経済格差と絡めて言われる部分があると思うんですけれども。その世代としては、そういう実感はあるものなんでしょうか。バブルの頃を知っている人から見たら、「なんだ、若者たち! もっと、強欲にいけよ」と。「稼げ、稼げ! がんばれ!」「車持たないなんて、夢ないぞ!」とか。言ってしまいがちなんですけど。よく、「比較されても、それはあなたの世代のことなので……」っていうことで。よく言われますけど。どうですか?
学生2:それで言うと、車を持たないのが今はすごくスタンダードなので、あんまり格差っていうのは感じないですね。
堀:逆に、上の世代から「『大変だなぁ』って、言われても……」っていうこと。
学生2:そうですね。実感はないですね。
原田:失われた20年しか知らないですからね。
堀:同じくですか?
学生1:自分たちが、それほど困ってもいないし、普通だと思っているので、それ以上っていうのは、あんまり想像できないですね。
堀:逆に、今、大事にされている価値観っていうのは、どういうところに一番重きを置かれているのでしょうか。先ほど、友だちとのコミュニケーションっていうのもありましたけども。いかがですか。
学生1:車使う時も、友だちを乗せていくとかいう場面が多いので、そういう面では、友だちとの時間が一番かなっていうふうに思います。
学生2:僕も、一緒ですね。友だちがいなかったら、すごい、心さみしく思っちゃうタイプなので。一番、友だちとの仲は大切にしたいなと思います。
堀:そっかぁ……。
原田:ソーシャルメディアの普及で、人と人がつながりやすくなってるので、お友だちの数は、全体的にものすごく増えてるんですよ。だから、友だちと一緒にちょこちょこ男同士でもカフェ行くみたいな感じで。人間関係にとにかくコストを割いているので。
車っていうのも、1人で無心で運転するというよりかは、お友だちとか、あるいは、親とも仲よくなっているので、そういう形態に変わっていく必要がすごくあると思うんですよね。
堀:なるほどね。
堀:さて、皆さんにお伺いしていました。「次に車を買うとしたら、どんな車種が欲しいですか?」ということで。聞いてみましょう。せーの、どん!
おー! 圧倒的に582票、ありがとうございます。次いで、やっぱり、軽自動車なんですね。スポーツカーもね、二極化してるのかな。「スポーツカー欲しい!」「軽自動車必要ない」こう分かれてますけども。
原田:東南アジアは、すでに9割弱が日本車なんですよ。シェアを持っているんですよ。だから、盤石で、これから伸びていくしかない市場で。あと、世界的に見ると、SUVブームなんですよ。先進国は。日本だけちょっと特殊な状況にはなってる。
原田:前回もご紹介しましたけど、ニューヨークなんかで「ジップカー」っていう、カーシェアリングが普及してるんでね。
堀:ちょっと待ってください。あの番組の話じゃないですか?
(スタジオ笑)
原田:普及してるんで、だんだん大都会はそうなってくるんじゃないですかね。
堀:ありがとうございました。
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