2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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平:これ(メタンハイドレート)は、おもにどの辺にあるんですか? 日本海側、太平洋側でいくと日本海側にあるんですか。
青山:おもに日本海側なんですね。私たちが存在を確認した……確認したっていうのはただ見つけただけじゃなくて、皆さんわかると思うんですけど、この柱って「ここ掘れわんわん」ですよね。
平:柱の下のところから吹き出してるわけですね。
青山:ここに、実は巨大な注射器のような「ピストンコアリング」というものを打ち込んで、引き上げて、白いシャーベットのようなメタンハイドレートを2004年から……すいません、政府が何もやらないから私たち、僕の個人借金も含めて自前でやっておりまして。
平:(笑)。
青山:例えば、和歌山県御坊市のエネルギーパークってところで、シャーレ(ガラスのお皿)に乗っけて実際に皆さんに触っていただいたり、そこにライターを近付けただけで「ボッ!」と青い炎を出して燃えますから、そういうのを見ていただいた。でもそこから10年が経過しながら、なかなか動かなかった。
平:なるほど。
青山:それはやっぱり、日本は資源小国だって思い込みがあり……すいません、さっき平さんに「独立総合研究所の代表」と言っていただいたんですけど本当は代表じゃなくて、ウチは株式会社なんで……。
平:ああ、社長ですね。失礼しました。
青山:ただし、あえて言いますが、坂本龍馬さんが初めて作った民間会社「亀山社中」と同じで、会社の利益を追求するんじゃなくて国益を追求する。なぜ株式会社かというと、どなたのお世話にもならない。自民党の世話にも政府の世話にもならない。自分たちで自前の食い扶持を稼いで、自分たちでやるということを掲げているんですが。
このプルームの発見で日本の特許、中国・韓国・ロシア・アメリカ・オーストラリアの特許を全部取り、去年EU全加盟国の特許も取りました。しかし、株式会社ですが特許使用料は1円も、1銭とも取っていません。これからも取らない。もし特許料取るんだったら「青山の野郎が熱心に言ってるのは、結局自分たちの特許料を得るためだ」と誤解を招きますから、これからも一切取らないんです。
もう一度言いますが、世界の仕組みを変えてしまうようなことを誰かに預けるんじゃなくて、お昼に(この放送を)見ていただいてる主権者が、自民党や安倍さん、野党も動かして、あるいは東京大学のような今までのアカデミズムを動かして、みんなでやれることをやっていただきたいというのが、今日ここに来た理由なんです。すいません、勝手にしゃべりまして。
平:とんでもない。本当によくわかりました。経産省の議論は先ほど言ったように、(ブレーンが)東大かどこだか知りませんが、ロジックは「石油やガスは掘ったら出てくるだろう」と。
青山:自噴する。
平:「自噴するだろう」と。「でもメタンハイドレートはそうはいかないんです。だからコストがかかるんです」と説明を受けたわけです。
青山:これ(表層型)は自噴の一種なんです。
平:青山さんの説明を受ければ、氷柱になっていて、出るところもわかっていて、そこにズボッとはめれば出てくる形になっている(とわかる)。掘ることすら(必要)ない。
青山:いや、掘ったほうがもちろん海底100メートルあたりから全部取れますから。でも、今の話で大事なのは、既存の石油工学ではできないんですよ。石油工学はドーッと自噴するものを相手にしてるから、東大だけじゃなくて日本のアカデミズムの石油工学から見たら「こんなの取れないだろう」となるわけです。表層型であってもです。砂層型はもちろん取れないと。
だから、新たに海洋土木の技術を応用するしかなくて、例えばロシアのプーチン大統領は表層型メタンハイドレートに前から注目してて、実はバイカル湖にあるんですよ。そこに技術協力したのは、日本の海洋土木です。
平:そうなんですか。
青山:ところが、日本政府はエネルギーについては石油工学の一辺倒で、海洋土木はやらなかった。それを新たにやることが必要で、そのときに内々で、水面下でやるんじゃなくて、当然オープンなコンペをやって、海洋土木の会社だけじゃなくていろんな会社、石油工学からでも全然構わないわけですね。オープンに国民に見える形で、これを実際に実用化するときの技術を競争してもらって、その中でフェアに発注していくということをやっていただいて。
平:うん。うん。
青山:2020年の東京オリンピックまで、気持ちの良い上り坂を上がっていくわけですよね。「坂の上の雲」が実は新しく湧いてきてるわけです。その東京オリンピックの電源を、初めて自前の資源で灯す。そこが1964年の東京五輪とは違うところだと、できれば安倍政権というか、自民党というか、政界全体で見せていただきたいというのが僕の願いです。
平:もうおっしゃるとおりで、アベノミクスの抑制要因はエネルギー制約のところがかなり大きな問題になっていて、今エネルギー基本計画を作ってますが、そこのポートフォリオは示してないわけですね。正直言って。そういった中でこのメタンハイドレートの可能性をオープンイノベーションで、どんどんいろんな人に入ってもらって、いろんな技術、いろんな資金に入ってもらって、世界に先駆けてやっていくと。期限はどこかといえば、東京オリンピックのときまでに実用化、できれば商業化まで行けるというところですね。
青山:おっしゃるとおりです。
平:私も今は役所を離れてますが、自民党として……青山さんは安倍総理と非常に親しい関係にあるので、安倍総理は理解をされていると思いますので、その応援団を作りたいと思います。
青山:安倍さんは何年も前からメタンハイドレートの理解者でいてくださって、まあ冗談皮肉もよく言われました。「最近、青山ちゃんの顔を見たらメタンハイ男だよね」みたいなね(笑)。
平:そうですか(笑)。
青山:オープンな講演会でそう言われたりもしたんですが、安倍さんの気持ちはわかるけどこれは冗談ごとじゃなくて、世界の仕組み、今までの既得権益を……すいません、言いにくいこと言いますがアメリカごと叩き壊すようなところがあるので。だから、安倍政権になって実はいろんな工夫はしてもらってます。例えば、これも言いにくいことをはっきり言いますが、経済産業省の人事異動にも……。
平:えっ。これはディープな話ですよそれは(笑)。
青山:メタンハイドレートをフェアに扱いましょうとなって。政府がなかなか動かないので、僕たちは兵庫県・京都府・新潟県で……。
平:地方自治体。
青山:ええ。兵庫の井戸知事、新潟の泉田知事、あるいは京都の全国知事会長の山田知事などと話して。最初、兵庫の井戸知事に話を持っていったときに「えっ! 兵庫県に資源があるんですか!」って言われたんです。この言葉や良し。まさか、兵庫県に自前の資源があるとは思わない。日本に、まさか自前の資源があるとは思わないから。それを見事に現した言葉です。
でもその後、井戸さんや山田さんや泉田さんは、不肖の僕が提案したことをまともに受け取ってくださって、日本海連合(海洋エネルギー資源開発促進日本海連合)というのを作ったんですよ。
平:日本海連合。はい。
青山:発足してなかなか活動できなかったんですが、去年の秋にようやく、作ってから1年くらいかかって第1回の会合を(開きました)。ちょっと名前は伏せときますが、経済産業省資源エネルギー庁の今の幹部の方がおいでになって、いち民間人の僕もフェアに壇上に上げてくださって。
で、知事さんたちの前で現在のエネ庁の幹部が何ておっしゃったかというと……「実は、日本海にある表層型のメタンハイドレートの開発をいよいよ日本が始める、という雰囲気を察しただけで、ロシアのプーチン大統領が天然ガスの売値を下げてきました」と。
平:それを言ったんですか、経産省幹部が。ほおー。
青山:この事実もたいしたことだし、ちゃんと言えるようになったのもすごいと思ってる。ところが、そのオープンな会場に僕の古巣の共同通信も含めて全メディアがいたのに、一行も、一言一句これを報じなかったんです。だから、日本の中では政党も既得権益に浸かってる。自民党もまだまだ腐った部分がたくさんある。
平:(頭を下げる)はい。
青山:しかし、中でもメディアの問題が実は深刻で。あの意味がわからないはずはないのに、記事を送った記者もいると思いますが、それが全部ボツられた。ということは、別にお世辞を言うんじゃなくて、こういうダイレクトなネットを使った配信というのは大事だと思いますね。
平:本当にそういうことだと思います。私も、自民党議員ですが派閥にも入ってませんし、政治資金パーティーをやってないんですよ。
青山:(平氏の肩を叩いて握手を求める)偉いじゃないですか。
平:ありがとうございます(笑)。
青山:今初めて聞きました。
平:それで何が起きたかっていうと、例えば経産部会長とか大臣政務官とかやってると、やっぱり電力関係なんか結構プレッシャーが強いわけですよ。でも私は政治資金パーティーをやってないんで、1万円のパーティー券もすべての業界に買ってもらってないんですよ。そもそもやってないから。
青山:すばらしい。
平:なので「良いことは良い、悪いことは悪い」って言えるんですよね。そういう政治家が、自民党でもこれから増えてくると思いますので。やっぱり国益本位で、あとはエネルギーがないんですからすべての可能性を探るのが大事で。
青山:そうです。
平:青山さん、今の技術はどこにメタンハイドレート、表層型とか柱(プルーム)があるかがわかるという、見つけるところまでできているということですね?
青山:そうです。先ほどの特許もそれです。
平:特許も検索というか、見つける技術ですね。その後、それを取り出す技術をオープンイノベーションで、いろんな資金とか技術を集めてやるっていうことですね。
青山:はい。ただし、国産技術でやりましょう。すぐに共同開発って話が出てくるんです。韓国も中国もそれを狙ってるし、僕らが特許を取ったのはそういう中韓の動きを抑えるためでもある。アメリカの特許も実はそうです。特にアメリカは日本海側のメタンハイドレートに、ロシアと同じように極めて注目しているので。
だから、アメリカ・ロシア・中国・韓国の特許を真っ先に押さえていったんです。手が出せないように。日本がまず独自でやって、その後で実際に世界に広めるときに連携はありえます。日本だけじゃなくて、地球上が全部地震で苦しんできたんですからね。その負の遺産がようやくプラスに転じる機会ですから。
平:うん。
青山:あと、平さんがさっきおっしゃったことに関連して申しますと、原子力災害のおかげで、原子力ムラの存在がわかってしまったじゃないですか。つまり癒着の構造ですね。チェックする側とチェックされる側が同じ。
先ほどMH21のかつての問題点をあえて言おうとしたのが、同じ大学の同じ研究室の先輩後輩で、MH21の中の予算の使い方や、どこのメタンハイドレートを探るかっていうことを……チェックする側とされる側が、「親分子分」っていうのは言い方がよくないけど、要するに先生と弟子なんです。
平:なるほど。
青山:原子力ムラの構造が、メタンハイドレートのような次世代資源のところまで浸透してしまっている。そのあり方を変えなきゃいけないんです。だから、平さんが政治資金パーティーをやらない。それは別に肩肘張ってるんじゃなくて、特定の業界との結び付きを強めないということだと理解しましたが、今それを初めて知って。
平:そうですそうです。独立性を高めるためにそういう仕組みを取り入れてます。
青山:じゃあ独立総合研究所と同じじゃないですか(笑)。
平:ああ、同じですね!(笑) だからフィロソフィーは一緒なんですよ。
青山:議員辞めてウチに来ませんか?(笑) 議員のままではウチは受け入れないんで。
平:もうしばらく議員をやらせてください(笑)。
でも独立というのはまさに、言いたいことを言うということと、つまらないことで腹を探られたりするのも嫌な話でね、「あいつは何で言ってるんだ? 裏にあれがいるじゃねえか」って言われるのも嫌なので、だからやらないんですよ私は。独立してて何がいいかというと、時代に合わせて言うべきことを言えるんですよ。そうすると、それはバリューになる……と、政治家として私は思ってるので。
青山:そのとおりですね。
平:派閥にも何にも入らないで生き残る術としては独立なんですよ、やっぱり。
青山:あくまで本当は国会議員が必要で、独研は受けれませんが、でも私たち(国民)の代理人は国会議員ですから。
平:そうですね。まさに今、シェールガスとかロシアの天然ガスとかありますけど、柱としてメタンハイドレートを据えないと、なかなか国家戦略に入ってこないので。よく勉強して、青山さんのアドバイスを受けながら……。
青山:アドバイスなんて僭越なことはできませんが……平さんがポートフォリオってことを何回かおっしゃいましたが、そのとおりで、僕らも「メタンハイドレートだけでやれ」っていうつもりはまったくないんです。安全を確認した原子力も含めて、正しい比率で、いかなる危機が訪れても日本がエネルギーで自立できるように。それが目的ですから。
平:本当におっしゃるとおりですね。そこで自前のエネルギーが入ってくると強いですね。
青山:全然発言力が変わります。
平:全然違いますね。違う日本が生まれますね。
青山:そのとおりです。それを、アベノミクスの成長戦略の柱にしてください。でもそれをしようと思ったら、世界の既得権益、秩序を叩き壊すからインパクトが強すぎて、安倍さんひとり、自民党ひとりではできないと言ってるわけです。それを突き抜けると、株価だってもっと反応します。
アベノミクスをやろうとしても、第1の矢、第2の矢までだったら株価も1万4000円~1万5000円なんで。2万円を超えるためには、東京オリンピックへの長い坂を上るためには、成長分野で……すいません、もう時間がないですけど、農業を輸出産業にしたり、できないはずの資源産業を起こしたり。すると日本海側が勃興して、過疎に悩む村や街に雇用が生まれますから。底上げになって、太平洋側も潤いますから。
平:ぜひ、今度は農業の再生についても話を伺いたいと思いますし、本当にお忙しいと思いますけども、カフェスタはたぶん月曜日にずっとやってると思いますので、またご出演いただければと思います。
青山:ありがとうございます。
平:本当に今日はお忙しい中、この後はテレビ出演ということで12時半ぴったりにはここを出なければいけないということでございますので、青山さんをお見送りしてから番組の告知を後でしたいと思いますので。ということで、本当に今日は青山さん、ありがとうございました! 引き続きどうぞよろしくお願いします。
青山:皆さん、ありがとうございました。失礼します。
平:ということで、12時半ぴったりに青山さんを送り出せましたので、これで少し緊張の……肩の荷が下りました。青山さんとは昨年一緒に2~3人で飲んでいて、「カフェスタ出てくれませんか」って言ったら「喜んで出ます、いつでも出ます」と言っていただいて、今日出ていただいたわけであります。ということで、また青山さんには今後も来ていただこうと思っております。
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