2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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関根健次氏(以下、関根):ここで疑問となるのは、コスタリカは米軍との距離をうまく保ちながら、関係性を保ちながら、いまだに米軍基地がありません。今、今日から日本が米軍基地を「もう要りません、サヨナラ」っていったときに、ほんとに出てってくれるんでしょうか ということと、逆に沖縄をもう一度占領されるようなリスク、こういったことはないんでしょうか
ガルトゥング:日米の同盟関係、軍事同盟ですけれども、軍事同盟の関係をもう少し緩めたものにする。別の言い方をすれば、安保を廃棄するのではなくて安保は安保として引き出しにしまう。それで軍事基地を撤退させてしまうっていうことです。
今日本は集団的自衛権ということで、アメリカにもっと協力する、軍事的に協力することになりましたけれども、そういう意味での日米関係から手を引いて、安保自体は残しておいて集団的自衛権というものはあまり発動しないような関係に持っていく。と同時に基地からお帰りいただくということです。
つまりアメリカとスクラムを組んで戦争に行くというイメージをもって集団的自衛権が謳われたわけですけれども、そういうことはしない。この会場で何人の人がご存知かわかりませんけれども、アメリカっていう国は非常に戦闘的で好戦的な国であって、建国以来数を数えれば、1801年その当時トーマス・ジェファーソンが大統領でしたけれども、彼は立派な仕事もしましたが、彼が大統領の時に第1回目の外国の侵略をしました。
それ以降今日に至るまでに248回外国を軍事的に侵略しているわけです。それからもっと近年のことを言えば、1945年の太平洋戦争が終わって以降、アメリカは世界の37ヶ国で2千万人の人たちを殺害したと言われています。
北朝鮮、中国とアメリカを比べれば、北朝鮮も中国もまったく比較にならないほど外国の人を殺していないわけです。人類史上最大の好戦国っていいましょうか、戦争好きの国と同盟関係を結んで、より平和な日本になると思いますか
ですから、なにも意識して北朝鮮とか中国を敵にまわす必要はないじゃないのか 今ある問題を解決したらどうですか 例えば尖閣諸島にしても、敵対して向き合って殺し合いをするんじゃなくて、例えば安倍首相と習近平主席がどこか秘密の場所で会って、数時間話し合って「もうこんなバカバカしい戦争状態に進むことはやめて、私たちの共同の所有物にしようじゃないか、領有しようじゃないか」という話になるかもしれない。
だからジョイント・オーナーシップをもうけるのです。もちろんそこから利益のでる資源もありますし、海洋資源などいろいろあります。尖閣諸島は台湾も主張しているわけですから、いわゆる2つの中国として台湾と中国、そして日本。それが40パーセント・40パーセントにわけて。その中国の40パーセントのうちの中国が得る利益の一部を台湾に渡すっていう。
環境保全や維持のために20パーセントはとっておいてともに使いましょうと。まあどのくらい建設するようなスペースがあるかわからないけれども、友好のための島にして国際的に問題解決の建物を造って話し合いの場にしようじゃないかと。そういう考えも出てくるかもわからない。
もちろん、こういう外交指針、政策というのは日本から明日出てくるとは思いません。でも明後日か明々後日に、ひょっとして非常に聡明な日本の首相が出てきて、そういう思い付きを実行されるかもわからない。
というわけで、いろいろ具体的にも提案しているわけです。それでこれ今回出版された本を読まれた方は「ガルトゥングが、外国人が、何もわかっていなくて非常に現実離れしたことを言っている」と言われるかもわかりません。でも明日というのも現実だし、明後日というのも実は現実になるわけです。だから、それに向かって提言をするということは、空想的なことではないのです。
(会場笑)
関根:いやぁ、ジョイント・オーナーシップの話など、ほんとアイデアに富んだ提言がいくつもあります。ただ今回年連続の来日の中で、最初のころ特にね、博士が怒ったことがありました。フラストレーションで。なぜかって言いますと、博士がこういう提案をした時に「いや私は40:40:20じゃなくて30:35:35でいいと思う」とか「20パーセントのうちの10パーセントはこういうことに使ったらいいんだ」という提案を出してくる人がほんとんどいなかった、いやゼロでしたね。
だから、これは博士のアイデアを信じろではなくて、こういう考え方、クリエイティブでフューチャリスティックで、前向きな提案を、今回の講演や本を受け取って一人ひとりが考えられるかどうかということは、これからの日本人にとってのチャレンジだと思うんですね。どんどんクリエイティブになっていかないといけない、そして前向きに。
そこはねぇ、僕はもうプライベート授業を3年間受けてる気分なんですけど笑。
(会場笑)
僕は寡黙なほうじゃないですが、一応寡黙かな。でも今日はチャレンジしようと思ってここに座りました。関根なりの提案をこれからドンドンしていきたいと思いますが、関根からの質問はこれが最後です。みなさんにあとは出していただきたいと思います。どうしても聞きたいのは「積極的平和の考え方からして、博士は憲法9条をどうしようと思いますか どうなったら憲法9条は積極的平和の憲法になりますか」
ガルトゥング:そもそも憲法9条というのは、平和主義の憲法じゃないと私は思います。謳われているのは、そうじゃなくて、日本を罰する、けしからん日本を懲罰にかける。そのための9条だと私は思います。日本に対する最大の罰、懲罰というのは日本に交戦権を許さないということです。国家には交戦権というのがあります。戦争をする権利があるということが、国際法で謳われているわけです。それを日本に拒否する、与えない。それは最大の罰である、刑であると私は思います。
ですから、かなり前からいわゆる日本の右派系統の方たちは、この憲法はけしからんとちゃんとわかっているわけです。これは日本を懲罰するためのものだと。だから、そうじゃなくて、戦争のできる国、そういう新しい9条に変えるべきだということを主張されている。そして軍隊も国防軍にすべきだと言ってこられたわけです。
それから、これは一概に言えませんけれど、いわゆる俗に左派と言われる方たちはこの憲法をいいと思っている。つまり日本は悪いことをしたんだから罰せられて当たり前だということを主張しています。同じことが南京事件やいわゆる慰安婦問題についても言えると思います。私は外から見ている外国人として、日本人ではない目でみますと、これは右派も左派も正しい点もありますし、右派も左派も間違っている点がある。それぞれの言い分に両者に正しい点と間違っている点がある。
右派としてはアメリカから独立して普通の国を目指している。それは理解できますけど、しかし、核武装をした日本を主張する方がその中にいるわけですけど、それには賛成できない。その理由はいろいろありますが、一番大切な理由は核兵器はその被害が大きすぎるため自分の国の防衛に自分の国内で使うことはできないわけです。
つまり、他国に対してのみ敵に対してのみ使えるのが核兵器である。核兵器だけじゃなくて他の大量殺りく兵器、それらもすべて同じと言えます。自国の防衛に使えず、敵国の破壊、殺戮に限って使う、そういう兵器です。
そして左派はある意味で私が正しいと思うのは、文字通り通常の解釈をして日本を反戦主義者な国、反戦的な国にする。いわゆる平和主義の国ではなくて、反戦的な国、戦争反対の国。その点では理解できます。つまり戦争のない国というのは反戦というスタンスですから、消極的平和であって積極的平和ではないわけです。つまり、戦争に反対するということは、反戦であって、それは積極的平和ではなくて消極的平和です。
というわけで、安倍首相が憲法9条に3項を入れると言われましたけ。私も3項を入れることには賛成です。でも中身が安倍首相とは違います。私が入れたいのは、国是として積極的平和を謳う文言です。つまり、近隣諸国やその他の国とより友好的な具体的な対外政策をとるということです。困っているところは助けるとか、救いの手を差し伸べるとか。
日本だけが唯我独尊的に積極的平和を謳うわけではなくて、他の国もそういうふうなスタンスがとれるように協力するということです。極端な言い方なので左派とか右派とか好きではないですが、一応わかりやすいように使わせていただくと、左派について私からみて間違っているのは、日本に対するネガティブな評判、日本人が悪人で、最悪な、極悪的なことをやったということ、それを受け入れすぎているということです。
例えば南京事件ひとつをとっても、そんな単純なことではないということです。非常に複雑な側面があるということです。例えば、単なる数字的なことを考えても、当時南京にいた住民の数よりも多くの人たちを殺害したとあります。そんなこと考えられるでしょうか そんなのナンセンスです。
それから慰安婦問題にしても、いわゆる議論されているような単純なことではなくて、もっと複雑な側面があるということです。例えば、慰安婦の中に韓国、朝鮮半島出身の女性の方がいたことは紛れもない事実であったとしても、そのうちの何パーセントが強制的に連行されたとか、それは別問題です。
ですから、それが解決策に直結しなくても、少なくとも消極的平和の一歩として、南京事件や慰安婦問題の事実検証・確認の作業が、国際的専門家の協力を得て進められる必要があるのではないかと思います。
合意するかしないかは二の次です。まずはじっくり調べる共同作業からということです。その後にもう少し積極的平和の方に向かって何ができるかっていうことを考える。過去の振り返りも必要だけれど、それだけでは真の平和は訪れない。未来にむかって何か建設的なことを共同で取り組むということが不可欠なのです。
関根:ありがとうございました。ここであんまり時間がなくなってきましたが、会場の方から質問を受けたいなと思います。はい、そちらの男性からお願いします。
質問者1本日はどうもありがとうございます。以前コスタリカで平和活動を勉強して、今アフリカで平和構築の仕事をしています。質問なんですけど、今現在としてポジティブピースに近い国とはどういう国を想定されていますか 平和構築をしている観点でどういう国が該当するか聞きたいと思います。
ガルトゥング:国家というシステムがあって、それぞれ国家というものは軍隊を持っているわけで、例外がいくつかあるわけです。軍隊がある以上、軍隊というものは仮想敵国を想定している。今のご質問で、どこかそんな国はあるか その積極的平和を行っているような国家があるのか という質問をちょっと変えまして、そういう地域があるかという質問に変えてお答えします。
地域としてまず初めに言えるのは、ASEAN東南アジア諸国連合です。ASEANリージョンは、国家としてではなくリージョン地域として積極的平和を実践している。同様にASEANをみならって日本が主導して中心になって、他の国と協力して例えば東アジアのそういう組織をつくることもできると思います。
それから2番目にアフリカ連合もいい例です。ASEANの次に例を挙げるとしたら、今仕事をしいるアフリカ連合です。もちろん、まだ未熟なところもあり間違いもおかしますが、アフリカ連合は前向きな積極的平和をいろいろ模索しています。
3番目にはラテンアメリカ・カリブ諸国共同体もあげられます。ところが不思議なことに、コスタリカはそういう国際機関の場であまり役割を果たさないんですね。自国の中ではいいことをしているのに。映画でも指摘されていたように、ハイチとパナマではコスタリカの例が良い刺激を与えたと。でもキューバやベネズエラでは問題視されている、問題児のように扱われているのです。キューバやベネズエラの方がより大きな影響を与えたんです。
そして今の状況では、ローマ法王がラテンアメリカのアルゼンチンの出身です。その方がおられるということは非常に大きな意味を持つと思うんです。これは象徴的なことですけれども、法王はトランプ大統領とつい先日会われましたけれども、トランプ大統領がバチカンを訪問したとき、法王は英語をちゃんと話せますが、意識して英語を使わないでスペイン語を使われたと聞いています。
私はもし願わくば、1匹のハエであって何が話されたか聞きたかったです。
(会場笑)
関根:はい、次いかがでしょうか はい、どうぞ。
質問者2どのように自分をモチベートするか 平和というのはなかなか達成可能ではないので、どのように平和に向かってがんばり続けるか そのエナジー源を聞きたいです。
ガルトゥング:あなたのご成功を祈ります。1951年、学生の頃に私は平和学を勉強したいと思いどこで勉強できるか探しました。ところが、どこにもそんなものはなかった。戦争学、軍事学は昔から、安全保障論、安全保障学は主として第二次世界大戦後、多くの商業教育機関でも学べることが出来るが、平和研究、平和学は皆無でした。
平和学というのはなかった。それで自分はその道に入りました。でも非常に険しい道で難しかった。しかし今では、大小さまざまですが100ヶ国ぐらいの国で平和研究がなされ、大学の講座・センターなどでそういうものがあります。
かつては考えられなかったことです。今では、平和学とか平和問題を専攻している学生たちがいい職業を得ることができる。そこまで変わってきたわけです。その平和学を勉強した人たちを、国連や国際機関が求めてますし、例えばASEANのような地域レベルの国際機関も求めてる。それから国によっては政府が求めている。そういう人たちを求める時代に入ったのです。ですから前途は非常にいいのですから、がんばってください。
関根:1人の人間がです。決意を固めたガルトゥング博士が半世紀以上も前に平和学を立ち上げ、今では100ヶ国ぐらいの国で平和学が学ばれるまでになったと。1人の人間ができるこことは本当にすごいなと思います。ぜひ期待しています。
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