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2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
テーマ「中国産原発」について(全1記事)
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堀潤氏(以下、堀):さぁ、片岡さん。テーマの発表をお願いします。
片岡亮氏(以下、片岡):今回は、中国産原発について。
(テーマ「中国産原発」について)
脊山麻理子氏(以下、脊山):中国政府は27日、国内の原子力発電に関する初の白書を発表しました。政府が国内の原発基の数を公式に明らかにするのは初めてのことです。
堀:国内の原発建設を加速して、2020年までに発電量を現在の2倍以上に増やすほか、原発の海外輸出などを通じて、2030年までに「原発強国」の実現を目指すとしているんですね。
中国国内では1月現在、沿岸部の7省1自治区で計30基の原発が稼働しています。ほか24基が建設中。稼働中の原発基数としてはアメリカ、フランス、ロシアに次ぐ世界4位となるということです。
とくに原発の輸出も強めていますし、あとは第四世代原発と言われる新しい原発の開発にも力を入れている原発大国ですね。
片岡:2013年、約2年ちょっと前です。原発の販売活動がこれから盛り上がるみたいな話を聞いて、中国に行ってきたんですよね。
堀:内陸部のほう。
片岡:そうですね。内陸部のほうに行ってきて。大きな河川があって、そこから引いて、みたいな話だったんですけども。
びっくりするのが、その行ったときに、15基だったんですよ。今回30基でしょ。2年の間に倍になっているわけですよね。まだ何十基も作っているということなので。
この2年、僕はずっと見ていて、本当に毎月原発の前向きなニュースが中国にはあるんですね。
まず、海外に販売を始めた。その次に2013年パキスタンに発注をした。その後、フランスの大手メーカーとつながって。この間イギリス、先進国が初めて中国産を使うとありましたけど、その話があったのが2013年なんです。僕は現地で噂を聞いて、どうやらイギリスとやるらしいと。
2014年になったら、サウジアラビアが始まって。中国産の第1号、確か華龍1号ですね。
昨年になって、イギリス、アルゼンチン、ケニア。フランスは原発大国ですよね。あのフランスのメーカーのアレヴァという会社が経営不振だと。そこに出資すると。すごいですよね。
なんでこんな状況になっているのかと言えば、原因の1つにはエネルギー問題がありますよね。先進国のほとんどの国は、石油に頼っていたところを原発に転換していったと。
費用対効果みたいなところもあって。それが、中国の場合は石炭なんですよね。今、大気汚染、PM2.5になった。それを原子力に変えるという。そこは切羽詰まっているので、急に転換したというのが1つの理由。
もう1つは、やっぱりお金になるんですよね。ビジネスなんですよね。
堀:とくに欧米諸国が新規の原発を作るだけの体力が(なく)、投資家からもなかなかお金が集まりにくいなか、ロシアや中国が国家の予算をどんと投入して、「うち作りますよ」なんて言ったら、そっちにどんどん流れていってますからね。
片岡:そうですね。だいたい中型で3000億円くらいかかるというところが、中国でだいたい半額で買えるというので。それはヨーロッパも飛びつくと思うんですけど。
ただ、みなさん「安全性は?」というところが一番気になると思うんですよ。
実は、この安全性の部分というのが中国でタブーでして。僕が取材したのも、原発自体は取材を受けてくれない。その関係地も全部ダメ。取材をしているのはマスコミだけ。マスコミのなかでも、どちらかというとアウトロー的な弱小媒体。
堀:中国国内?
片岡:中国国内です。比較的政府に対して懐疑的な記事をちょこちょこ出しているというところなんです。そういうところですら、原発はタブー。
日本の大震災前の、「東京電力の悪口は絶対に書けない」みたいな。一般的にマスコミで言われていたりしたんですけど……そういうもののさらにすごいのが(中国の原発)。
なんでかというと、官民一体になっているんですよね。政治と民間の大手企業が一体となってやっているから、これは国家事業だからダメだと。
彼らは、どんなことが報じられないのかと言ったら安全面です。思い出されるのは、昨年8月に、天津で化学工場の爆発がありました。
堀:ありましたね。
片岡:建設関係に関わった業者とか、あとは橋が崩落したり、けっこう原発に関わっている建設業者がありました。そういったところを総点検しようというのを中国が発信したんです。「原発は今回総点検しますから」と。
だけど、その中身というのは、原発自体ではなくて、「救援隊を増やしますよ」とか、「避難所を作りますよ」とか、本質的な問題とぜんぜん違うんですよね。そういうところがまったく報じられていない。
これだけ急増している原発の一番の問題は何かと言うと、技術者がいないんですよね。日本だと、最低5年の訓練が必要で。
堀:いや、そうでしょうねぇ……。
片岡:(日本では)責任者は20年でやっと原発を動かせる責任者になるので、技術さんは優秀なんです。それが向こうだと、半年の訓練でなっているんですよ。
萩原:怖い!
片岡:この人材の部分とか。
あと、内陸部で問題になったのは、今、長江が枯渇していますよね。川が枯渇しているのに、みなさんご存知の通り、福島の原発は冷却水が非常に重要になります。冷却水がないところに建てちゃっているわけですよ。こういう工場が杜撰だという不安定な問題があると。
もしこれで何か事故が起きたときに、日本に影響が出るんですね。なんでかというと、沿岸部にかなり置いているので、これからPM2.5が日本に飛来しましたけど、まさに放射能汚染が、一気に日本に来てしまう。
だけどそれを、現地の中国のメディアが覆い隠しちゃっているので、誰も入れないんですよ。そうなると、中身がブラックボックス状態。
堀:毎年、原子力産業協会という日本の業界団体の総会があるんですけど、一昨年はそこに中国の代表も来て発言をしていましたけども。そういうところから徐々に漏れ聞こえる程度しか見えないんですよね。
片岡:先日の化学事故だって、水とくっついたら爆発してしまうというのは野ざらしで大量にあったわけですよ。そのレベルで原発をやられちゃうと……。
堀:中国の動き、ぜひみなさん注目してください。
片岡:ちょっと怖いですよね。
堀:本日のオピニオンCROSSは以上とさせていただきます。
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