
2025.02.18
「売上をスケールする」AIの使い道とは アルペンが挑む、kintone×生成AIの接客データ活用法
第1部(全1記事)
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中村裕一氏:初めまして。株式会社エウレカの中村です。よろしくおねがいします。
本日はお忙しいなかお集りいただきありがとうございます。今回こういったサミットを、競合5社が集まってスタートしたきっかけを説明させていただいて、開会の挨拶とさせていただければと思います。
始まったきっかけとしては、日本が抱える未婚化、晩婚化という社会問題が根底にあって、各社がオンラインデーティングという“オンラインを通した出会い”ということが課題解決になるよね、というところからスタートしました。
僕たちエウレカの親会社、IACグループのデータでも、アメリカでは3人に1人がオンラインで出会って結婚していて、HuluとかNetflixを見ていると、海外のドラマでは、当たり前のようにオンラインサービスの使用シーンが出てくると。
それに対して、日本でオンラインで出会うというと、やっぱりなんとなくあやしいというか怖いというイメージがまだ残っているなと僕たちも感じています。そういった状況を払拭するためには、僕たちオンラインデーティングを提供している企業が、いがみ合うのではなくて手を取り合って、安心安全な市場を作って世間に伝えていくことが必要と思って始めさせていただきました。
最終的に、日本の社会問題を解決すべく、その上でのサービス作りの一環としてこのサミットを設けていますので、本日よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
司会者:それではさっそく第1部門に移らせていただければと思います。世界ナンバーワンマッチングサービス提供企業である、Match Group InternationalのCOOでありますナビン・ラマチャンドラン氏による講演でございます。
テーマは「世界と日本のデーティングサービスの違い」として設けさせていただいております。それではナビンさんこちらへ。拍手でお迎え下さい。
(会場拍手)
ナビン・ラマチャンドラン氏(以下、ナビン):こんにちは。まずは世界のデーティングそのものについてお話しします。そしてMatchグループとその戦略、そしてアジアとアメリカにおけるデーティングの違い、そして最後に、私たちがエウレカに注目した理由についてお話しします。
まずは、愛がすべてですね。自分にぴったりな相手を見つけるのは、人生でおそらく最も重要なことです。でも難しいことでもあります。伝統的なデーティングのメソッドを見てみると、かなり難しいことがわかります。
大学を卒業して働き出し、歳をとるにつれて、人に会う時間はなくなります。オンラインだとどんな人とでも知り合えます。それはニューヨークと東京といった距離でも可能です。デーティングサービスは人生をオープンにするのです。
Matchグループのミッションは、世界のロマンチックアクティビティを増加させることです。私たちのサービスで結婚した人たちの例を紹介しましょう。いろんな種類のサービスがあるのですが、「Match.com」「FriendScout24」「Tinder」「OkCupid」などです。
デーティングサービスのインパクトは大きく、これらのデータはすべて北アメリカからのものですが、デートして結婚する人の3人に1人は、オンラインで出会っています。かつては5人に1人でした。
過去5年で1,200万人がデーティングサービスを利用し始めています。そして、300万組がデーティングサービスで知り合って結婚しています。北アメリカだけでです。
Matchグループがそれを牽引しています。840万組の交際がデーティングプロダクトで始まっています。300万組の結婚の内、250万組はMatchグループによって北アメリカで実現しました。Matchグループでは毎日7,500万通のメッセージが送信されています。
なぜ私たちがデーティングに注目しているか。すばらしく、極めて重要な市場だからです。2011年、3億6,000万の独身者がオンラインにいました。今日では5億1,100万人です。2019年までには、その数は6億7,200万人にのぼると予想しています。
私たちがグローバルに運営する3つの理由があります。
まず市場がとんでもなく大きい。毎月のアクティブユーザーの数もかなり増えてきています。その理由の1つとして、デーティングがより受容されていることが挙げられます。
10年前の北アメリカでデーティングプロダクト利用者というのは、負け組と思われていました。「Match.comをやっている」などと言う人はおらず、オンラインデーティングに対してシャイでした。しかし今日ではそういったことはなくなりました。オンラインデーティングの汚名などもう存在しません。インドや日本でも変化は起こっています。そういった変化が、市場拡大の理由でもあります。
ほかの理由としては、ユーザーが複数のオンラインデーティングサービスを利用し始めたことです。平均して2~3のオンラインデーティングサービスを同時に利用しています。
そこで「Tinder」がやったことというのは、多くの若者を取り入れたことです。中心的なユーザーは28~30歳ですが、「Tinder」は18歳ぐらいです。5年前、フリーデーティングとペイドデーティングという言葉が出現しました。現在ではもうちょっと混ざってきています。フリーとペイドの境界が広くなってきています。
では、私たちの基本的なストラテジーについて説明します。
1つは、マルチグラウンドアプローチ。それぞれの市場にそれぞれのブランドがあります。「Tinder」「FriendScout24」「Match.com」……。次に、うまくいくM&Aインキュベーションを実践しています。エウレカなどは最近の成功例です。毎年1~2の買収を行っています。
次にグローバルフットプリント。私たち収益化に関する経験を多く持っています。とくに力を入れていることは、学びと知識のシェアです。今日ここにいるのもその一環です。過去5年でのモバイルの変遷はすごいものがあります。スケールも大きいです。そのマネージメントの方法も私たちは持っています。その結果、現在は競合ナンバーワンです。
デーティングは極めて個人化しています。これがマルチグラウンドストラテジー実践の理由なのですが、すべての人にうまくはたらくものなどありません。人によっては、同年代とだけ、シングルペアレントだけと付き合いたい人もいます。デーティングプロダクトにはそれぞれのニーズがあるのです。
2009年、MatchとChemistryというグループがあったのですが、現在では45ブランドと38言語、190の国があります。M&Aにも成功しており、例えばAffinity Brandsは50代と交際したい人向けのサイトです。「OkCupid」は最初の買収でした。「meetic」はヨーロッパ、「twoo」はベルギーで、Facebookのような感じです。「Plenty Of Fish」はOkCupidみたいな会社です。
買収だけをやっているわけではなく、育成もしています。その例が「Ourtime」で、50代以上を対象としたデーティングサイトです。
こちらがフットプリントです。表の青の部分は認知度を表していて、北アメリカでの認知度は89パーセントです。2つポイントがあります。1つ、私たちにはグローバルリーダーシップがあります。そして、さらに成長の余地があります。表のグレーの部分ですね。
アジアで働いていて気づいたことなのですが、例えば私たちのパートナーでもある中国の会社の場合、カジュアルデーティングはまだ寛容されておらず、マッチメイキングは西ヨーロッパや北アメリカで一般的です。また、負のイメージというのもありまして、例えば日本もそうですが、人々がまだ受け入れきれていません。インドではテクノロジーも低かったり、市場の違いにも多くの原因があります。
しかしそれと同時に、同じ製品が市場で効果的に機能する場合もあります。「Tinder」はアメリカで流行り、世界中に広がりました。変化のない製品は各地で流行るのです。恋に落ちるということを考えれば、違いもあれば類似もあります。
そして最後に、なぜエウレカを選んだか。まず第1にチーム。次にチーム文化。「Pairs」とエウレカはMatchグループのなかで最高のチーム文化があります。雇用文化などもすばらしい。そしてすばらしい製品とテクノロジーもある。そんなところでしょうか。
それでは質問にいきますか。
司会者:ナビンに拍手をお願いします。
(会場拍手)
5~10分ほどありますので日本語でご質問いただければ通訳させていただきます。挙手いただいてもよろしいでしょうか。
質問者1:○○と申します。この1月に起業しまして、ゲ―ミングユーザー特化型のオンラインデーティングをしております。今後のオンラインデーティングのスタートアップの成長に対してどんなアドバイスがありますか?
ナビン:オープンな市場は多いと思います。中東、アフリカ、東南アジア、タイ、インドネシア、インド、パキスタンなどね。それと、ゲーミングとデーティングを統合することに関してはチャンスがあります。「happn」などといった会社は、例えばコーヒーショップで素敵なバリスタがいたとして、そういう人を繋げるといったことを行っているのですが、そういうことは可能です。
司会者:ほかにご質問がおありの方。
質問者2:日本でデーティングって、トラブルイメージっぽいのがつくと思うんですけども、どういう対処をされているのかなと。
ナビン:日本ではテレビコマーシャルができません。私たちはテレビコマーシャルを多くするのですが、そうやってテレビを使って、「オンラインデーティングっていいんだ」というふうにしています。
そのなかでもインパクトがあったキャンペーンは、「It's OK to look」(見てもいい)というものでした。また別のキャンペーンでは、博士、教師といった人たちに注目しました。変な人たちではないんですよというふうに。
Tinderが有名になった時、オリンピックアスリートや映画スターもTinderを利用し、人気が出ました。
質問者2:未成年者がトラブルに巻きこまれるといったことに対してなにかありますでしょうか?
ナビン:アメリカの「Skout」というサイトで起こったことがありますが、そういうのは非常に稀です。私たちは年齢認証をしませんが、ユーザーは18歳以上である必要があります。
司会者:ではあと1つか2つくらい。
質問者3:お話ありがとうございます。○○と申します。私の会社でやっているのが、デーティングアプリで出会ってから結婚までのアドバイザリーをするという事業です。このような市場は北米であるのかというのが1点。もしあるとして、日本と北米で恋愛がうまくいく共通点というのはあるのかどうか、ご意見聞かせていただければと思います。
ナビン:デーティングに関してのアドバイスは必要ですね。最初のデートで着るもの、聞くことなど。Matchグループが北米で提供しているものには、リレーションシップのエキスパートがおり、その人の話を聞き、質問できるようにしています。そして毎週違ったトピックがあります。確かに必要なサービスです。
質問者3:ありがとうございます。もう1点、日本と北米のデーティングアプリ市場に関してはかなり近いものがあると先ほどおっしゃったのですが、アドバイスについても近いものがあるとお考えでしょうか?
ナビン:はい、確実にそう思います。
質問者3:ありがとうございます。
司会者:次で最後の質問にさせていただければと思います。
質問者4:「Bumble」「happn」「Coffee Meets Bagel」みたいに、ウーマンフレンドリーなサービスはこれからもっと伸びるのか、日本ではどうなのかというお考えを聞かせていただいてもよろしいでしょうか?
ナビン:まだ完璧ではないですが、社会によっては、女性からのアプローチが大丈夫な場合もありますが、多くの文化では男性からアプローチすることが求められています。私の理解する限り、日本の文化もそうだと思います。そういったことを「Bumble」などのサイトは克服しなければいけませんね。
ありがとうございます。
司会者:ナビンにもう一度大きな拍手をお願いします。
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