マーケティングカンファレンス「B2B Marketing Breakthrough」より、株式会社GiftX Co-Founderの飯髙悠太氏、株式会社ベイジ 代表取締役 / CEOの枌谷力氏のセッションをお届けします。ビジネスインフルエンサーである両氏が、SNSマーケティングにありがちな誤解や、クチコミマーケティングのメリットを紹介します。
SNSのDMで仕事の依頼が来るか?
細沼章弥氏(以下、細沼):今だとお2人もSNSのDMで、直接お仕事の相談が来ることもぜんぜんあるんですよね。
飯髙悠太氏(以下、飯髙):うん。あるんじゃないですかね。
枌谷力氏(以下、枌谷):うちの場合は意外とDMで来なくて、問い合わせフォームで来ますね。「何でこれを知ったの?」って選択肢に「SNSで知った」というのがあるので。
どちらかと言えば、すでにリアルで会って、人間関係のある人からはDMで来ます。「この人が相談したがっているんだけど、紹介していい?」みたいなものとか。
飯髙:それはそうかも。
枌谷:先ほどの話じゃないですけど、接点がない人にとっては、ちょっと怖いのかも。フォロワー10万人近くの人にDMを送って、「『いや、俺に送るなよ』って言われたらどうしよう」とか(笑)。だからフォームのほうが送りやすいんじゃないかなという。
細沼:そういえば、枌谷さんはなんでフォームからのお問い合わせが増えていったんですか? データでそれを認知されていたからというのもある?
枌谷:なんででしょうね。でも、フォームのほうが面倒くさくないと思うのもあるんじゃないですか。
飯髙:あっちもたぶん公式に問い合わせていますからね。
細沼:そういうことか。
飯髙:「実は枌谷さんを見ていました」っていう会話は出てくるけど、別に言わなくてもだいたいわかっているし、というのはあるかもしれないですね。
細沼:その時の接点としては、FacebookとかXとかじゃなくて、YouTubeのほうが(多いんですか)。
枌谷:いや、うちのYouTubeはまだあまり見られていないので、成果という意味ではまだまだ出てないですね。
SNSは最初の接点でいい
飯髙:でも、それは接点だと思うんですよ。ベイジの社員って他の方もWebでの情報発信をやっているので、枌谷さんを見ていたら、「なんかおもしろそうだからフォローしておこう」みたいな、たぶん一番ライトなきっかけですよ。

何回か情報が当たっていくうちに、「うちのWebサイト、微妙なんだよな」となった時に、あらためてベイジさんを見にいくと、「どうやらすごくちゃんとやっているぞ」みたいになって上長に相談して、公式として問い合わせるので。
そうなると、枌谷さんがきっかけですけど、次はベイジに接続されているので、フォロワーと枌谷さんとの接続が切れているんですよね。
細沼:そうか、確かに。
飯髙:僕も確かに今、枌谷さんの話を聞いていて気づいたのが、DMが来ていたのって、たぶんホットリンク時代なんですよ。
僕はホットリンクでSNS支援をしていたので、ブランドの公式からDMが来るので、あっちからすると連絡しやすいんですよね。自分で起業した後って、「直で来ることってほぼないな」と思いましたね。
枌谷:ちゃんとした会社さんとか人ほど、公式なところからアプローチしようとするところはありますね。怪しい人ほど「DMで」という傾向が……。
飯髙:確かにわかります。「ちょっと相談したいです」みたいな中身がなくて、そっちのほうが怖いですよね。
枌谷:そうそう。
細沼:リアルで接点を持っていたら、DMでも自然だけど。
飯髙:DMが来て、相手のプロフィールを見にいって、「あっ」となったらスルーしちゃう時ってあるじゃないですか。
枌谷:セールスが多いですよね。
飯髙:そうですね。でも、公式から来たら、一定はスルーできないです。そこの点も、「自分の見られ方をちゃんと考えていないな」とか思っちゃいますよね。
細沼:(笑)。そうか、する側もね。
飯髙:DMで来ても、「本当に予算があるのかな? すごいふわっとしている相談だけど、大丈夫かな?」とか、やはり不安になっちゃうし。
SNSの役割は“長期的に覚えてもらう”こと
枌谷:SNSで言うと、顧客獲得とかリード獲得という意味で、みんな顕在層を取る手段をイメージしている気がするんですよ。だから、「広めよう」「インプレッションを高めよう」「露出を増やそう」となるけど、どちらかというと第一想起なんですよね。
飯髙:いや、まさに。
枌谷:特にうちの商材って、例えばWebサイトになると1,000万円を超えたりするから、いくら欲しいと思っても、今は予算がないとか、1年前にリニューアルしたばっかりとかだとできないんですよ。タイミングが必要な商材なんですね。そういうのって、いくら露出をして好印象を持たれても、今買えない人には買われないんですよ。
なのでどちらかというと、記憶されて思い出してもらうことのほうが大事なので、戦略的にやるんだったら第一印象だったり、記憶を長く持ってもらうかを重要視したほうがいいと思いますね。
飯髙:まさに。僕の書籍でもたくさん書きました(笑)。不特定期間、UGC(SNSの投稿など、一般ユーザーによるコンテンツ)で誰かが言及してくれていると記憶に残るんです。
「あの人がクチコミで言ってた」という記憶が残り続けるので、今のベイジさんとかだと、2年後とかに「あ、やっと予算が取れた」みたいな時にも、たぶん、それまで定期的に情報は当たり続けている。
細沼:確かに。