良質なユーザー投稿が増えると、指名検索も増える
飯髙:となると、もう金額とかじゃなく、「まず1回、知っている会社に相談してみよう」となって、予見が合わなければ「次を探そう」はぜんぜんあると思うんですけど、それができる唯一のプラットフォームがSNSだと思っています。やはり第一想起を取り続けられるんですよね。
ホットリンクも、「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」と掲げている会社なんですけども、僕がいた当時って、もちろん他のプラットフォームもカバーしつつ、一点突破で「Twitterが強いという会社」として見せ続けていたんですよ。
これって、今で言う「Xを支援してほしいんだったら、まずホットリンク」という状態を作りにいっていたんです。というのは、位置を取ることを戦略的にやって、第一想起が取れて、「実はここって広くやっているんだ」となれば、また次の領域を取りにいけるので。
さっきの枌谷さんのカテゴリーエントリーポイントじゃないですけど、1個1個取っていくというのは、まさにそのやり方ですね。
枌谷:ホットリンクさんの調査で、確かUGC数と指名検索数は相関するみたいなのも明らかにされているので、そういうことだろうなと思いますね。
飯髙:そうなんですよ。でもこれ、「良質な」というところがあります。
細沼:良質なUGC。
飯髙:無作為なUGCだと意味がないので、良質だと本当にきれいに相関します。新たにブランド名での指名検索を増やすことって、他ではできないんですよ。要は、そもそもSNSって検索をしないプラットフォームだから新規(の認知)が生まれる。
となると、それに相関してサイトのトラフィックが増えていって、指名検索だと、広告のクエリで言うコンバージョンレートで10倍ぐらいの開きがあるんです。これがブランド名で取れていると考えれば、問い合わせの上積みになっているという考えですね。
細沼:上積みになっているんだ。
飯髙:だから、そこをちゃんとやっている会社は、たぶんあまり言わずにちゃんとやっていますよ。
Xの本格運用で毎年約9万の指名検索が発生
枌谷:僕がTwitterを本格的にやる前までは、ベイジの指名検索が1.8万とか2万とかだったんですけど、僕がやり始めてからはずっと上がってきて、毎年コンスタントに9万くらいあるんですよ。
飯髙:すばらしい。
枌谷:それはやはり、フォロワー数と連動している。
細沼:している(笑)。確かに、10万ぐらいと言っていましたものね。
枌谷:その指名検索数って、「Web制作会社」というワードとほぼ一緒なんですよ。
飯髙:超ビッグワードですね。
枌谷:1個のカテゴリーワードと同じくらい、社名のワードが取れているので、採用にも効くんですよね。
飯髙:そこはまさにそうだな。
枌谷:これが理想的な、SNSによる事業効果の出し方な気はしますよね。
BtoBこそ人軸のSNSが効く
細沼:勝手にですけど、(SNSで事業上の効果を出そうとする時に)「BtoCだったら確かにできるよね。でも、BtoBだったら」と思っていたんですよ。今でもうっすら思うんですけど。でも、本腰を入れてやったほうがいいなと。反面、「やろうと思ってやることじゃないな」とも思っているので、今日のコンテンツとして結論づけるのは、正直難しいなと思っています。
飯髙:そうですね。
枌谷:たぶんBtoBのほうが、人によるブランディングは効く気がしています。
飯髙:効きますね。
枌谷:だって、「Salesforceの○○さん」とか、「あ、あんな人がいるんだ。そんな会社だったら、すごい会社かも」と期待が上がるので。
飯髙:まさにそうですね。
枌谷:何だろうな、よくわからないけど、どこかのカフェの店員さんがめちゃくちゃ魅力的だったりしても、絶対にそのカフェに行くかというと。toCの接点だと、人より製品とかプロダクトのほうが強いですよね。プラス、コミュニケーションはありますけども。
飯髙:まさにそうだな。人軸だったら、toBのほうがやはり強いですよね。「この人に相談してみよう」っていうのもあるし、採用だったら、「この人が行ったのなら気になる」とか。
今、それこそ勢いよく伸びている会社さんって、いろんな方が入るから、求職者にとってめっちゃ気になるんですよ。「この会社、何をやっているんだろう?」が、別に後でもいい、みたいなことはあるので、toBのほうが人軸でかなり動いちゃう。
細沼:「toBだから、逆に人」ということですね。
枌谷:そうそう。という気がします。
飯髙:そうだと思います。だから、それこそ僕もホットリンクの時は、別にすごく人数が増えているわけじゃないですけど、何人か、名前が世の中に
出ている子たちが入ってくると、「最近ホットリンクさん、ガツガツ入っていますね」に変わっているんですよ。
そこでパッと名前が出るのがたぶん数名しかいないのに、勝手に飛躍して、「採用にすごく力を入れていますね」みたいな見え方になっている。