「もっと効率的に仕事をこなしたい」「仕事もプライベートもバランスよく過ごしたい」という人に向けて開催された本イベント。目標実現の専門家の大平信孝氏と、コクヨ株式会社ワークスタイルコンサルタントの下地寛也氏、資格ソムリエ(R)の林雄次氏をゲストに迎え、「整理術」「行動術」「メモ術」を組み合わせた実践的な手法について語られました。本記事では、締め切り直前で焦らなくなる、先延ばしをなくすヒントをお伝えします。
「整理術×行動術×メモ術」で仕事も人生も自在にデザイン
大村信夫氏(以下、大村):こんばんは。今日は著者3人がお送りする出版記念セミナーということで、お集まりいただきましてありがとうございます。なんとこれ、見てわかるように、同じ場所にいるんですね。
大平信孝氏(以下、大平):そうですね。
大村:こういうオンラインのやつって、各自宅とかスタジオから、それぞれやるパターンがけっこう多いんですけど、なんと今日は一堂に会しているんですよね。
なんで一緒にいるかっていうと、私、片付けパパの大村と申しますが、私の出版記念イベントが神保町の書泉グランデさんでございまして。そちらに対談ゲストとして来ていただいたという。それが終わったあと、そのまま皆さん私の行きつけのバーに移動して配信しています、本当にありがとうございます。
大平:めっちゃ楽しかったですよ。
下地寛也氏(以下、下地):楽しかった。
大村:めっちゃ楽しかったですね。著者の方3人プラス僕で、4人で対談なんですけど、おじさん4人が書泉グランデさんでのイベントをやったの、初めてらしいです(笑)。そういう感じで今日はお送りしたいと思います。
ということで今日は、まさに「整理術×行動術×メモ術で、仕事も人生も自在にデザイン!」という、もうなんかいろいろ要素を詰め込んで、「『しやすい』環境で『できる人』になる」ということで、お送りしていきたいと思います。今日は本当に事前打ち合わせなしで来てしまって、いろいろなご質問もいただければ、併せてやっていこうかなと思います。
コクヨ働き方コンサルタント・下地寛也氏と目標実現の専門家・大平信孝氏が登壇
大村:初めましての方もいると思うので、簡単にお一人ずつ自己紹介をお願いします。じゃあ、下地さんから。
下地:コクヨという会社で働き方のコンサルティングをしています。あと、副業でこれまで11冊くらいの本を書いております、下地と言います。よろしくお願いします。
大村:じゃあ、次は大平さん、お願いします。
大平:大平信孝と申します。最近出したのが、『感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ』ですね。「どうやったら行動力が上がるのか」というところをずっと追究をしている人間でございます。今日はよろしくお願いいたします。
大村:よろしくお願いします。最後、僕は「片付けパパ」というのをやっておりまして、「部屋から人間関係、人生(キャリア)まで整える」をコンセプトに活動しております。
整理収納アドバイザー1級という片付けの資格と、キャリアコンサルタントっていうキャリアのコンサルを、お部屋から人間関係、キャリアまでやっておりまして。一応僕は3冊書かせていただいております。ここから、こんな3人で今日はお届けしていきたいなと思っております。
下地:よろしくお願いします。
大村:せっかくなのでアイスブレイクも兼ねて、みなさんにちょっと質問してみようかなと思うんですけども。
大平:いいですね。
大村:こういう時になんか盛り上がるアイスブレイクって何かありますか?
大平:年末までに、どうしてもこれだけはやっておきたいことはありますか?
大村:はい。あと2週間ありますので、年末にこれだけは成し遂げておきたい、やっておきたいことをみなさん書いてください。
大平:私はずっと先延ばししていたんですけど、そろそろYouTubeを始めようかなと思います。1回、ちょっとだけやりかけたんですけど、すぐやめちゃったので。本当にちゃんとコンセプトをもう1回組み直して。
下地:僕、2年前にがんばったんですけど。今ちょっと休んでいて、Udemyのほうが伸びるんですよ。
先延ばしにしがちな洋服の整理やスマホのデータ削除
大村:いまコメントを書いていただきましたね。「コート掛けの中を整理する」。お洋服の整理ですね。
下地:片付けが多いですね。
大村:あと、「PCやスマホのデータの削除」。
下地:スマホのデータの削除。確かにやっておいたほうがいいですね。
大村:「部屋の片付け」「2025年会う人のリストアップ」。
大平:「2025年会う人のリストアップ」。
大平:やはりすっきりした状態で新年を迎えたいですよね。
大村:そうですよね。私もちょうど『仕事の「整理ができる人」と「できない人」の習慣』という本を出したんですよ。ちょっと手前味噌なんですけど、私もちょっとお伝えすると、やはりお掃除を1人でするのもいいと思うんですけど、ご家族とか、お仲間と一緒にオフィスの片付けをするのもいいかもしれませんし。
ご家庭の片付けも一緒にやりたい場合は、ぜひこの『感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ』を読みながら一緒にやると良いと思います。
大平:やはり基準がないと片付けられないですもんね。
下地:ちなみに、こんな感じで進む感じですか?
大村:そうなんですよ(笑)。普通こういうのって事前打ち合わせとか何度かするんですが、事前にやっちゃうと、予定調和になっちゃうので、そういうのなしで即興でいきたいと思っています。今日のテーマは整理とか、しやすさとか、行動ですよね。
下地:(大平氏が)行動で、(大村氏が)整理担当で、(下地氏が)メモ担当です。
大村:まさに整理というと、やはりお片付けなんですけれども、片付けって気乗りしないじゃないですか?
大平:確かに。やりたいとは思うんだけども……。
大村:やりたいと思うけど、なかなかその一歩が出せない。どうやったら行動できるんですかと。
(一同笑)
先延ばしをなくす3つのヒント
大平:大村さんの片付けの話かなと思ったら、私に来た(笑)。「先延ばししていることは何ですか?」と問いかけると、意外とそのトップ3に入ってくるのが、実はやはり片付けなんですよね。
引っ越してきてから半年くらい、段ボールがそのままですとか。それってやはり、毎日目にするので意外とインパクトがあるわけですよね。
だから逆に言うと、片付けに着手できるとけっこうすっきりするというか。だから特に年末年始は、やはりすっきりして年を越したいと思って、ぜひやっていただきたいと思うんですけど。「じゃあ、どうすればいいか?」というところで2つございます。
1つ目は、よくお伝えする「10秒アクション」ということで、まず片付けをちゃんとやろうとしてしまうと、だいたい先延ばししちゃうんですね。ちゃんと時間ができてからとか、いろいろ準備が整ってからってなっちゃうので、もう四の五の言わずにまず、棚の1ヶ所だけを整理してみるとか、ゴミを捨ててみるとか。まず1アクションですね。
ストップウォッチ、キッチンタイマーなどを用意して、「今から5分だけ」とか、「3分だけ」とか決めて片付けてみるのがお勧め。これが1つ目。2つ目は、やはりゴールイメージというか。「もし片付いたとしたらどんないいことが待っているか」をイメージしていただくと、やはりちょっと動きやすくなるかなと。だから、結局「片付けなきゃ」だとやらないんです。
下地:片付けたら良いことあるっていっても、ビール飲むくらいしか思いつかないんですけど、どう考えたらいいですか?
大平:例えばリビングが片付いて良い状態になったとしたら、「年末に友だちを呼んで、ワイワイ楽しくできるな」とかですね。
下地:先に呼んじゃうとかね。
大村:先に呼んで、もう片付けを一緒にしちゃうとかね。
大平:確かに、そうですよね。とてもいいアイデア。だから、人を呼ぶ約束をしてしまうっていうのが3つ目ですね。強制的に締め切りを作ると、きれいな状態でお迎えしたいってなるから、片付けをしますよね。
どんなに安いものでも、一度手に入れると手放しにくい
大村:でも、やはり身近にあるものを捨てるのって躊躇しちゃうんですよ。どんなに安いものでもやはり1度手にしてしまうと、やはり愛着が湧いて捨てにくくなる。自分の過去の判断が間違いだったって認めたくないじゃないですか。
大平:確かに。
大村:保有効果と言って、どんなに安いものとか、大したことないものでも、1度手に入れちゃうと手放しにくくなってくる。だから日本人がこんなに片付けで悩むようになったのは、ファストファッションや100円ショップがガーッと伸びてからなんです。
下地:「ユニクロのヒートテックが毎年ちょっとずつ色褪せてくるけど、どこで捨てていいかわからない」と、うちの嫁さんが言っていて。
(一同笑)
下地:うちは娘が4人いて、上3人は成人しているんですが。要は四女以外の、全部黒のヒートテックが山のようにあって、だんだん黄ばんでいく。これはもう共有しているんですよ。でもそれが、どこで(捨てるかの)線を引くかが問題ですよね。
大村:確かに。そこも、基準を決めていただくしかない。あとやりやすいのは、冷蔵庫の中。賞味期限とかで比較的判断しやすいので、そこから手をつけてみるのもいいかもしれないですね。
あと、「捨てる」という言葉が、ちょっとネガティブなイメージがありますから、「手放す」に言い換える。それこそ執着を手放すとか。なんか良い表現じゃないですか。
大平:手放す。確かに。
「いつから着手するか」をあらかじめ決めておく
下地:行動、いきましょうか?
大平:そうですね(笑)。
下地:締め切りのギリギリになると、デッドライン効果でちょっとやる気になるんだけど。でもやはり王道っていう意味では、いつから着手するのかを決めておくこと。自分に対してのアポを入れる感じです。みなさんだいたい締め切りは決めますけど、スタートラインも決めてほしいんです。
大村:着手するタイミングも、もう決めちゃうっていう。
大平:そうですね。特にロングターム(長期的)の企画物やプロジェクト物を「いつもギリギリにやっているな」ということがあれば、スタートラインも決めてメモしておくのはすごくお勧めです。
大村:本を書くのとかすごく時間がかかりますからね。(大平氏は)たくさん書かれていてすごいなと思うんですけど、めちゃ大変じゃないですか。
大平:めちゃ大変ですよ。
下地:だいたいどれくらい時間かかるんですか?
大平:もう、これ(『感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ』)なんか、3年かかっていますから。ちょっとテーマが難しかったっていうのもあるんですけど、34個を捻り出すのに3年かかっちゃった。
下地:(大村氏は)どれくらいかかったんです?
大村:僕は半年くらいでした。
下地:すごい。
大村:要素を出すのに3ヵ月、そして実際に書いたのは3ヵ月だったんですけど、それこそ土日なく朝7時から23時まで。もう死ぬかと思いました。
大平:お休みを返上して。すごいですね。
大村:よく「印税でウハウハでしょう?」って言われるんですけど、僕はそんなにないんですよ。書いた時間と印税の見込みを計算したら、最低時給を明らかに下回っていました。
大平:だからやはり、本ってもう本当に社会貢献みたいなところがありますよね。