
2025.02.18
「売上をスケールする」AIの使い道とは アルペンが挑む、kintone×生成AIの接客データ活用法
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久保彩氏(以下、久保):今は、どういう「ニード」を感じて本を書いているんですか。
越川慎司氏(以下、越川):そうですね。そもそも自分が力を入れられるのには3つ要件があって、「心が疲れないこと」と「求められていること」と「やっていて快適なこと」なんですよ。この3つの要素で欠かせないのが、「相手に頼られている」なんですね。
だから本も、うれしいながら今は出版社の編集者さんから出版企画が送られてくるので、「そういったことを作家として頼られているんだな。だったら返したい」という気持ちが強いです。
あとは、「読者からこういう要望が来ているので出版しませんか?」という話を出版社さんからもらうので、私がこの思いを読者に伝えたいというよりかは、ニードドリブンでアウトプットしているのが僕の価値観なので、僕はニードドリブンですね。
久保:なるほど。今の話をお聞きしていると、自分がどういうパターンなのかと考える時には、やはり「自分の心が動きやすい時って、過去はどういう時だったかな?」「エネルギーを持てた仕事はどういう時だったのかな?」ということを考えるんですかね?
越川:そうなんです。だから、共感・共創なんですよ。
久保:ん? どういう意味ですか?
越川:僕、人の判断は99パーセント感情で決めていると思うんですよ。論理というのは後で都合良く合わせているだけで、全部を感情で決めると思っているんです。感情で「こういったところにしっくりくるな」「これは自分は違うな」みたいなことを言い合える関係性を作っていかないと、グループワークはうまくいかないです。
あとは残念ながら、参加したメンバーが本当に同じ価値観で同じ方向なわけがないんですよ。みんなバラバラなので、ある程度の方向感を合わせて、「こっちにちょっと興味があるから、そっちへ行ってみよう」みたいな。
サードプレイスならではの、利害関係がないかたちでグルーピングをしていきたいと思いますので、ちょっと突拍子もないことを言っても許されるとか、共感・共創できる関係性をDay1でしっかり作りたいと思います。
久保:大切なことですね。
久保:先ほどの3つのパターンのニードドリブン、キャパシティを上げたい、という価値観で言うと、私は「キャパシティを上げたい」は、けっこうあります。
越川:そうですか。
久保:複合型ですが。
越川:本当ですか? 意外。
久保:(笑)。もともとベースはキャパシティ、成長意欲だったんですよ。ですが、経験を積んでいくと、だんだんその変化量が少なくなってくるじゃないですか。なので、ニードに気づいていく感覚です。
「自分軸って何だろう?」と思っている時に、他の方は自分を理解されていてすごいなと思ったりして、共有することになかなか躊躇するところだと思うんです。ただ、共感・共創の場であれば、安心して自分のドライブするエネルギーを共有して気づけますね。
越川:そうですね。「自分軸のキャリア」と言うとちょっと深い感じになっちゃいますが、要はやりたいことを増やしたい人が3番目のパターンなんですね。これは、決まっていなくても僕はぜんぜんいいと思っています。
久保さんのタイプとかだと、逆にケイパビリティやキャパシティを追求していくと、やりたいことが出てくる方もけっこう多かったりもするので。そのへんのパターンをいくつか見ながら、「今回はこれ」と、みなさんに1つずつテーマを選んでいただこうと考えています。
あとはキャリアの磨き方は、グループワークを通じて恐らくいろんなメンバーから刺激を受けると思うので、僕からも刺激を受けてくれたらすごくうれしいですし、自分軸のキャリアを築く上ではすごく重要です。このflier book campは最高の極上のサードプレイスだと思っているので、そこで刺激を受けて、「4ヶ月終わったらやりたいことが出てきた」みたいな感じもあっていいかなと思います。
久保:そうですね。やはりこれって、けっこうエネルギーが要ることですものね。
久保:仮に自分のことを理解をしていて、「こういうことにはエネルギーが持てるんだな」とわかっても、そこに火を灯し続けるって、それこそ習慣でインプットもアウトプットもするのはすごくエネルギーが要ることだから、相互に励まし合うのは大事な要素ですよね。
越川:ありがとうございます。「してあげたい」という気持ちは、1、2、3のどれでしょうかというと、相手がしたいと思っているんだったらニードですね。相手が欲しいという意味であればしてあげたい。もし相手がしてもらいたいかどうかわからないんだったら、「自分がやりたい」のほうなので、最後の3番目のパターンですね。
このように事象ごとにDay1である程度整理した上で、なんとかみなさんで刺激し合いながら乗り越えていく、逆境と挫折を乗り越えていく4ヶ月にできればなと思いまして。この時期は僕、最高だなと思ったんですよ。
久保:そうですか。1月ということですか?
越川:campが2、3、4、5月ですよね。だって、1年で一番忙しい時ですよ。だからいいんですよ。
久保:だからいい(笑)。なぜですか?
越川:忙しさに打ち勝って、周りから刺激と勇気と励ましをもらいながら行動実験ができる仕組みを2月、3月、4月、5月にできれば、当たり前のように6月以降も仕組み化できます。だって、そっちのほうがハードルは低いですから。
久保:確かに。ここで1個の成功体験を作っておけば、あとは乗り越えられる。それが定常運用になる。
越川:そう、この時期に仕組み化しちゃう。標準化させるすごくいいタイミングだなと思います。
久保:なるほど、ありがとうございます。
久保:campの良さとか妄想とか、ドライブする自分の理解を聞いていったんですが、たぶんもう1個大きい問いがあるんですよ。自分のドライブするものは何かを理解した後に、「アウトプットって何? どこから何をする?」みたいな、もうちょっとスタートラインの入り口を知りたいところがあるんです。
越川:いいですね、ありがとうございます。先ほどの3つのパターンの中で、具体的にどういうアウトプットに落とし込むかだと思うんですが、ゼロから話し合うと4ヶ月では時間がないので、そこもある程度パターンを作ろうかなと思っています。
例えば「本の学びを同僚にしっかりと伝わるようにしたい」「社内で企画が通りやすいようにする」「家族で共感・共創し合えるようなコミュニケーションをできるようにしたい」とか。
3つのパターンをもとに、具体的な起こしたい変化やアウトプットのかたちをいくつかパターンを作って、それをみなさんに選んでいただく。最終的にDay4、4ヶ月目にプレゼンするというかたちを取りたいなと思います。
久保:なるほど。今のは自分のToBe像というか、「本当はこうありたいんだけどな」というものを描くことで、「これをしたい、あれをしたい」といきなりToDoを洗い出すんじゃなくて、「こうあれば幸せなのにな」を表現する。そんなことになりますか?
越川:おっしゃるとおりです。どうしてもBeingの前にToDoを考えてしまうから、インプットがアウトプットにつながらないことがあると思うんですね。先にしっかりとBeingの解像度を高めてグループも決める。そうすると山の頂上が見えてくるので、山の登り方として何が正しいか、アウトプットのパターンを正しく選べるようになってくると思うんですよ。
例えば、東から登ったパターンと西から登ったパターンでどっちが良かったか、アウトプットを繰り返す中で、自分のクリエイティビティをもとにオリジナルものが出てくると思いますので、そんな山の登り方のプレゼンを最終日にやっていただく予定です。
久保:一方で、自分の目標設計ってちょっと躊躇するみたいなニュアンスがありません? 会社に言われて目標設計するのはいいんですが、年始に(決めた)「今年はどうなるぞ」みたいなものが続いた試しがないのもそうですし、なんかちょっと小っ恥ずかしさがある。
越川:小っ恥ずかしい。
久保:躊躇する感じもあると思いますが、コツというか、コッシーさんはお考えありますか?
越川:たぶん、それが普通だと思います。
久保:おお、やはりそうなんだ。
越川:「恥ずかしい」という思い。もっと言うと、今は管理職になりたくない方が74パーセントいるというデータも出ているじゃないですか。1人だけ出世したり、自分だけ評価されると、相手から蹴落とされちゃうみたいな。
1人だけ尖っちゃうと潰されちゃうムラ意識って、いまだに日本の中にはあると思うんですよね。そうすると、やはり腹を割って話すことが恥ずかしかったり、橋桁を外されないようにひっそり行きたいというのもあると思うんです。
でも、自分の仕事術なり自分のキャリアを構築するためには、ゴールを明確にしない限りは正しい手段は出てこないと思うんですよ。だから、上司・部下の関係じゃないflierのサードプレイスのほうが、腹を割って話しやすいと思います。
僕、なりたいものがなくてもいいと思っているんです。ただ、そういうことを口にしてくれる方もいると思います。例えばとうかんさんや北川さんとか、いろんな方が出してくれたら、それに刺激を受けるでいいと思うんですよ。
キャリアは8割が偶然の出会いなので、そういったことを言い合える関係性や、温泉のようなゆっくりした感覚を作ることと、周りから言ってくれることで刺激を受ける。
この4日間は自分に向き合う時間だと思うんですよ。ふだんの仕事の中ではできないと思うので、ぜひbook campの中で自分と向き合う時間をあらためて確保していただきたいなと思います。
久保:自分から何か出なくてもいいんですね。でも、そう考えるとちょっと勇気が出ますね。肩を回して、ちょっと立派な自分を表現しなきゃいけないのはけっこう小っ恥ずかしい。ちょっと疲れるところはあるけど、みなさんからの言葉で刺激になるところがありますものね。
越川:今、チャットがすごいですね。これも、いろんな方から疑問が出ているのがすごくいいと思うんです。これは会社じゃたぶん無理だと思うんですよね。だから、それがまさに「極上のサードプレイス」と言ったゆえんですね。
久保:本当ですね。
久保:ちなみに最後にコッシーさん。例えばこのcampを経た後、先ほどご説明いただいたアウトプットを先に決めて、インプットの見直しをして、どんどん実践をしていく。総括としては、最後に自分のインプット・アウトプット術を型にする回なわけなんですが、例えばどういうふうに変わると思いますか? みなさんの妄想次第だとは思うんですが。
越川:みなさんに獲得してほしい変化が3つあるんですよ。まず1つ目は、今は「そんなの無理だ」と言っているコメントであふれているみなさんの自己否定を、自己効力感に変えることですね。
『世界の一流は「休日」』にも入れていますけど、自己効力感を仕事の中で育むことはできないので、自己効力感を得て自信を持ってくださいというのが1つ。だから、僕は「大丈夫」って言い続けているんですね。
2つ目は「ムダなインプットをやめませんか?」です。ChatGPTとか、2025年はAGI(人工汎用知能)も出てくるので、たぶん情報で溢れかえると思うんですが、「本当に必要?」って考えることはすごく重要だと思います。自分のアウトプットに必要なければ、そういったものに流されないという意味では、インプットの時間を重要なものに絞る。
3つ目が一番大きなゴールなんですが、アウトプット量です。この4ヶ月で「アウトプット量が増えた」という人を1人でも多くしたいです。例えば、今コメントに「1年前はやりたいことがありませんでした」と入れてくれた方は、Voicyの中で一番コメントをしている方ですからね。
自分でキャリアコンサルの資格を取って、それで今はコーチングも個人で副業として始めている。もともと「絶対に自分なんて無理だった」という方がVoicyを聴いて変わった。僕はVoicyでは顔を出さないんですが、flier book campはおじさんの顔を出しながらやりますので。
久保:(笑)。
越川:そういった意味では、熱量高く共感・共創して、とうかんさんみたいな人を1人でも多くする。行動量を爆増させるというのが起こしたい変化の3つ目です。
久保:ありがとうございます。
久保:チャットにいただいた質問ですが、私もこれを聞きたかったんです。先ほど言われた「ムダなインプットをやめよう」に関連しますが、「どうやって取捨選択するんでしょう?」ということですね。一言では言えないような気はします。
越川:自分が実現したいことに関係ないものをやめる。仕事で言うと、成果につながらないものをやめる勇気です。例えば僕は、PowerPointもExcelもイチから作らないです。
久保:(Microsoftで)責任者だったのに。
越川:だって、他のことに時間を費やしたほうが売上・利益は上がるからです。例えばExcelを作らないのは、RPAやAIがやってくれるから。こうやってやめることを決めていかないと、本来はこれをやると自分の能力が発揮するのに発揮できていないのは、時間を費やしてないから。
だから、先ほどの「資料の目的は」で1ページ目に入れたのは、残念ながら成果って自分が決めるんじゃなくて他人が決める。お客さんや上司が決めるんですよね。
そこのアウトプットを意識しないと信頼を獲得できない。結果としてムダなインプットが増えてしまうので、そのへんを意識することが重要かなと思います。
久保:なるほど。じゃあ、具体的な選定基準はきっと手を動かさないとわからないんですね。結局、自分がなりたい状態に必要なものを洗い出さないとわからないということですものね。
久保:加えて、もう1つだけチャットから質問をしたいと思います。「問いを作ることが大切だとよく言われますが、問いを作る上で情報活用法はどのように大切でしょうか?」。
越川:ありがとうございます。問いを立てる時に「これが必要だろう」と考えるじゃないですか。
久保:先ほど「仮説」って言われていましたね。
越川:そうですね。「重要そうな資料」の「そうな」が付くものって、2年間で実際に使われる確率は72パーセントぐらいしかないんですよ。「そうな」が付くと使われないので、「そうな」を取るのが問いの作り方ですね。
例えば、「重要そうな」じゃなくて「重要」にするためには、しっかりと調査することや、相手の属性を理解することであったり、過去の成功パターンを探ることである。仮説を作るというのが問いを作るということですね。
仮説の作り方は、しっかりと相手を観察して妄想すること。そして、実現したいToBe像を明確にすることです。結果的に情報を収集する上でも、活用する上でもムダがなくなっていく。「そうな」を取るのが私の答えです。
久保:「問いを立てる」というのは、例えば私は組織をリードしているんですが、「この組織が1年間向き合わなきゃいけない問いは何だろう?」ということは常に考えているんですね。それをみんなと共有したいと思うんですが、それ自体を考えるのにけっこう情報収集をするんです。
「大事そうな」みたいな、ふわっとした状態でいきなり手を動かすのではなく、「ここが大事」という仮説をしっかり持つということですね。よりイメージできるかなと思います。
越川:そうですね。ちょっと僕の説明の仕方がうまくなかったんですが、ふわっとしていいんですよ。
久保:ふわっとしていい?
越川:仮説を作ると、「途中で変えちゃいけない」と思う方がいるんですが、仮説ってどんどん変えていっていいんですよ。
仮の姿やなりたい姿、組織のあるべき姿なんて、「1年後はこう思っていたけど、やはり3ヶ月後に変わった」と、別に変えたってぜんぜんいいんですよ。だからふわっとして、まずは動き出して、途中で修正していくことがすごく重要になってくると思います。
久保:なるほど。仮説=アウトプットだと思いますが、インプットしていくことによってそれが確かになってくるから、どんどん仮説はアップデートされるんですね。
越川:そのとおりです。どんどんアップデートしていくことを「プロトタイピング」と言うので、それを実際にみなさんに体感していただく講座です。
久保:なるほど、ありがとうございます。最終的には、一番忙しいかもしれない、でも期初の自分がこういう型を持っておくと、1年後には年始に決めたありたい姿を実現する。今度こそくじけないといいますか(笑)、最後は「自分はこうなんです」ということを共有し合って、続けられる状態になって4月になっていくということですかね。
越川:そのとおりです。
久保:ありがとうございます。
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