PR2025.09.12
広まるAI検索に“見込み客”を奪われるリスク 「配配メール」のラクスに学ぶ、“自前の顧客接点”の作り方
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豊間根青地氏(以下、豊間根):(読書記録をまとめた)Excelで星5になっていた、私のおすすめの本があります。たぶんほとんど僕がサントリー時代に読んだ本なんですが、こうやって見返すとコンサル系の本が多い。
岩本紘佳氏(以下、ヒロカ):そうですね。『問題解決』とか。
豊間根:コンサル・起業系がけっこう多いんですが、僕がサントリー時代に読んですごく響いた本がこのへんなので、ざっと紹介したいなと思います。
ヒロカ:お願いします。
豊間根:まず、高田(貴久)さんの『問題解決』という本があります。これはその名のとおり読んで字のごとく、問題解決の本なんですよ。
ヒロカ:(笑)。
豊間根:サントリー時代の恩師とも言うべき元上司のバイブルでもあり、僕のバイブルでもある。
この本に出てくる言葉で一番印象的だったのは、「How思考の落とし穴」。要は、問題解決って打ち手になるんだ。「シリョサクを伸ばしたい。SNSやろうぜ」といっても、なんでSNSをやるねんと。そもそも何を問題だととらえていて、その問題の真因は何で、そこに対する打ち手として本当にSNSを選んだんかい? どうなんかい? みたいなところが弱くなる。
我々は打ち手思考になるんです。それが、How思考の落とし穴。HowっていうのはWhy、What、HowのHowなんだけど、要するに「How思考の落とし穴に陥るな」という本です。これは非常に良い本ですね。
ヒロカ:すごい、ちゃんと言語化できてる(笑)。じゃあ、次はこちら。
豊間根:続いてはこちら、『FACTFULNESS』ですね。これは一時期すごくはやったので、知ってる人は多いと思います。
要するに「ふわっとした印象で物事を判断するなよ」という本です。FACTっていうのは、まさに「事実」だよね。なんとなく「アフリカって貧乏だよな」「日本って先進国だよな」みたいな、ふわっとした印象だけで物事を語るなよ、ちゃんとファクトで語れよ、そういうことをちゃんと知ると世界の見方が変わるで、という本ですね。すごく良い本です。
次が『ビジョナリー・カンパニー』ですね。これもベタベタのベタなんですよ(笑)。ちなみに1個言いたいことを言うと、ビジネス書を買う時はベタからいったほうがいいです。
ヒロカ:そうなんだ。なんでですか?
豊間根:あんまり売れてない本は、売れてないだけの理由があるんですよ(笑)。売れてる本はやはりおもしろい。売れてる本や名著と言われる本からいったほうがいいです。あんまりマニアックどころから攻めないほうがいい……って、ビジネス的な本を出してる僕が言うのもあれなんですが。
ヒロカ:(笑)。
豊間根:俺の本、ぼちぼち売れてるからね。
岩本:マニアックではないかもしれない。
豊間根:パワポ界では比較的。パワポの時点でマニアックなんだけど、それはいいとして。これはベタベタのベタなんだけど、要するにビジョナリー・カンパニーというのはビジョンを持った会社のことですよね。
アメリカの経済学者の方が書いた世界的に有名な本です。何百年、何十年と続くようなすごい会社というのは、その会社独自のビジョンを持って、そこに向かっていく明確な仕組みがあるもんやで、みたいな本です。
ヒロカ:へえー。ちょっと読んでみたい。
豊間根:それが会社によってどういう仕組みになっていて、そのためにどういう方法論があるのかを整理している本です。俺はたぶんサントリーの3年目くらいに読んで、なんでその時にそんなに刺さったのかわからないけど、けっこう難しい本なんですよ。
難しいっていうか、「時を告げるのではなく鐘を鳴らす仕組みを教えろ」みたいな話がありましたが、覚えておりません! 忘れました(笑)。でも、良い本です。
ヒロカ:(笑)。まあまあ、読んでみましょう。
豊間根:あとは『生産性』ね。これは良い本なんですよ。伊賀泰代さんという、元マッキンゼーの女性の強いコンサルの方です。ちきりんさんという方がいて、その方と同一人物なのではないかと噂されている方なんです。要するに「生産性を上げようぜ」っていう本ですね。
ただ、この本の1個の重要な主張は、生産性とはどう定義されるかというと、「かけたリソース」と「そこから得られたリターンの比率」によって定義されるんですね。
日本ってずっと製造業的な思考だから、リソースをいかに減らすか。要は「改善しようぜ」というか。例えばここに材料を3つ置く時に、その間が5センチじゃなく4センチにすると5秒削れる、みたいな世界観で、改善思考、改善思考。トヨタの「カイゼン」って言われるやつね。
コストを切り詰めて、分母と分子で言うと分母を切り詰めることによって効率を高めようという時に、生産性って言葉がけっこう使われる。それも大事なんだけど、それよりはこっち(成果)を大きくしたほうがいいんちゃう? というのが、この本の1個の重要な主張なんですよ。
さらに言うと、普通に会社勤めをしてると、そもそも生産性という概念がわからなくなるんですよね。特にコンサルや代理店みたいな無形商材というか、自ら見えない価値を作らなきゃいけない仕事の人。
自分のやっている仕事が、どういう価値を生み出しているかという感覚がどんどんなくなっていって、毎日同じ時間に出勤して同じ時間に退勤すると、月末に口座にお金が入るという感覚になっていくんですよ。
実態としては、なんらかの価値を提供する対価としてお金をもらってるんだけど、その感覚がなくなるのは危ねえよ、ということも書いてある良い本です。
ヒロカ:良さそう。
ヒロカ:(次の本を指して)これはもう有名な。
豊間根:『超・箇条書き』ですね。僕はこれをいろんな方におすすめしてるんですが、これは箇条書きの本です! はい、じゃあ次いこうか。
ヒロカ:さくっと(笑)?
豊間根:嘘です(笑)。箇条書きって難しいんですよ。僕は「すべての仕事は箇条書きから始まる」ということを提唱してるんですが、箇条書きは本当に言語化の極地ですよね。
頭の中の見えない世界の概念を、目に見えるかたちに落とし込む際の、言語化のためのすごく重要な武器。その箇条書きの書き方を「構造化」「物語化」「メッセージ化」という、まさに階層箇条書きによって、うまく作るための方法論を述べている本です。
箇条書きに関してこんなに突き詰めて書いてる本はめずらしいんだけど、これはマジで良い本。本当に箇条書きができない人が多いので、みなさんがいかに自分の箇条書きがなってないかを、この本で学んでほしいなと思っております。
ヒロカ:私もこれを読ませていただいたんですが、おすすめです。
豊間根:資料って本質的には箇条書きなので、資料を学ぶためにも重要です。これもすごく良い本ですね。ちなみにこっちが『会社を変える会議の力』という本で、実は著者の方が一緒なんですよ。杉野(幹人)さん。勝手に僕は杉野さんファンなんですよ。
ヒロカ:杉野さんファン(笑)。
豊間根:確かサントリー時代に「なんかうちの会議イケてねえな」と思って、会議の勉強しようと思ってこの本を買ったんですよ。
ヒロカ:すごい。一社員の時に「イケてないな」と思って、本を読んだんですね。
豊間根:会議をちゃんと回せるようにしたいなと思ってこの本を買いました。これ、めっちゃ良い本なんですよ。
世の中の会議をちゃんと再定義して、会議とはそもそも何を含んでいるべきで、どう運営されるべきなのかを、ここに書いてある「目的」「議題」「資料」「メンバー」という4つの観点から体系的に整理している本。これを読んで「めっちゃいいじゃん」と思って、確かこっち(『超・箇条書き』)を買った。
ヒロカ:なるほど、そっちが先だったんですね。
豊間根:確か。これはビジネス書あるあるで、ビジネス書を読んでいて「これ、めっちゃおもろい」って思ったら、その著者の人の本を行脚するのはけっこうおすすめムーブ。
ヒロカ:いいかもしれない。
豊間根:だから、さっきの伊賀さんの『採用基準』という本もあって、それも読んでるのと、ちきりんさんの本はだいたい読んだよね。あと、『ビジョナリー・カンパニー』は『ビジョナリー・カンパニーZERO』という最近新版が出たんだけど、それも読んだり。
ヒロカ:数珠つなぎみたいな感じで読んでるんですね。
豊間根:そうそう。それはけっこう良い読み方です。そうすると、著者の人の思考にだんだん入り込めるんだよね。
ヒロカ:確かに。それはそうかもしれない。
豊間根:これがすごく良いです。
豊間根:あと、この『明日のプランニング』。これは佐藤尚之さん、(通称)さとなおさん。ファンベースという、要は一方通行でプロモーションしまくって売りまくるという概念じゃなくて、ファンの人を大切にしたコミュニティ化というか。
好きな100人じゃなくて、めっちゃ好きな1人や2人に注目するという考え方のマーケティング手法を体系化している、さとなおさんという方のプランニングの考え方の本ですね。
要するに今の時代は情報がありすぎて、あなたの会社の発信する情報なんてクソですよと……クソは言いすぎか。そんなものは砂漠に水をまくようなものでぜんぜん意味がないから、少しでも好きでいてくれる人に集中して、その人と対話をしたほうが成果出ますよという本ですね。
それから、『具体と抽象』。これはもう名著!
ヒロカ:これも豊間根さんがよくおすすめされてる。
豊間根:細谷(功)さんの本は名著中の名著なのでね。本当は『具体と抽象』という本が一番有名なんだけど、誰かが借りていっちゃっていて……(笑)。今はなかったので、『「具体⇄抽象」トレーニング』を持ってきました。
これは、要するに「抽象と具体の世界を行き来できるようになろうぜ」という本ですね。この本、人によってはちょっと難しいかもしれないんですよ。そもそも具体と抽象の行き来をしようぜと言ってるぐらいで、この本はけっこう抽象的な話が多いので、人によってはわかりづらいかもしれないんです。
ただ、具体と抽象の行き来という思想は持っておくと世界の見方が変わるので、超おすすめです。この本は全人類が読むべき。
ヒロカ:全人類(笑)。じゃあ、これはみなさん買いですね。
豊間根:最後は若干趣向が違うのと、表紙がちょっと汚れてるんですが、『スマホ脳』。これはけっこう新しい本ですね。要するに「スマホやめろ。スマホは害悪だ。お前らマジ、スマホやめろよ。人間性が終わるぞ」っていう本です。
ヒロカ:これは最近発売された本なんですかね。
豊間根:2020年発行だから、けっこう新しい本なんですよ。本当に俺はこの本を読んで、いかに自分からスマホを離すかをふだん考えてるんだけど、なかなか難しい。
本当にみんな、スマホを捨てたほうがいい。叩き割ったほうがいい。スマホってマジで百害あって一利なしだから。スマホって大人のおしゃぶりなんで、本当にスマホは良くないんで捨てましょう。
ヒロカ:「捨てましょう」は違うけど(笑)。
豊間根:ということで、今日は「スマホを捨てましょう」というテーマでお話ししてきたんですけれども……。
ヒロカ:いやいや(笑)。みなさん、ぜひここにある本を買っていただきたい。
豊間根:そうですね。
豊間根:ということで長くなっちゃいましたが、あらためて本は先人の知恵を爆速でインプットできる最強の道具なので、あんまり重くとらえずにとりあえず買ってみる。
ちなみに豊間根は完全に紙派です。僕は1回Kindle Paperwhiteを買って、2冊ぐらい読んで「無理だ」と思って捨てました。いや、捨ててないかも。埃をかぶってるな。僕は紙で持つ派です。
紙か電子かは(どちらでも)いいですが、とにかくいっぱい買って、つまみ食いして戻ってきて記録して、ぜひ概念をインプットしてみてください。そういうお話でしたが、ヒロカさん、いかがだったでしょうか。
ヒロカ:私もふだん技術書を読む時はKindleで読んでるんですが、こういう本ってKindleでは読みづらいじゃないですか。パラっと戻りたいことがある時は、けっこう紙派なんです。
でも、やはり社会人になって一気に本を読まなくなってしまったので、ちょっと反省しました。ここにある本を読みたいと思います(笑)。
豊間根:そうね。かく言う私も、まあまあ最近は読めてないんですけどね。
ヒロカ:でも、最初の「買う」というプロセスもしてなかったので、とりあえず買います。買うところから始めたいので、みなさんも一緒に私と本を買いましょう。
豊間根:ということで、みなさんもぜひビジネス書を読みまくってみてください。
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