DeNA守安功社長が語る、自動運転とヘルスケア事業の未来とは?

DeNAの今 #1/2

IVS 2015 Spring Miyazaki
に開催

IVS 2015 Springの本セッションを前に行われた特別インタビューに、株式会社ディー・エヌ・エー・守安功氏、株式会社プロノバ・岡島悦子氏が登壇。守安氏は「DeNAの今」をテーマに、これまでの主力事業であるモバイルゲームのさらなる注力に加えて、IoTによる世の中の変化にあわせて、自動運転車とヘルスケア事業への取り組みを語りました。

DeNAが注力する2つのテーマ

岡島悦子氏(以下、岡島):こんにちは、株式会社プロノバの岡島悦子です。経営チームの強化コンサルティングをやっております。IVSは22回目ですかね、今回。18回くらい参加をさせていただいております。今日はIVS特別番組ということで、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)の代表取締役社長兼CEOの守安功さんにインタビューをさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。

守安功氏(以下、守安):よろしくお願いいたします。

岡島:「DeNAの今」というタイトルで今日は進めさせていただくんですが。

守安:相当ざっくりしてますよね(笑)。

岡島:すっごいざっくりしてますよね(笑)。「今」シリーズということらしくて、「~の今」シリーズで今回は切ってるみたいなんですけども。

メディアでも最近DeNAさんはいろんなリリースが出ていて、すごい勢いで領域を拡げているなという気がしていて。今、経営陣としてはどういうことを考えて、次の成長の柱をつくっていらっしゃるのかをお話しいただけますか?

守安:まず、ちょうど1年前、去年から方針を大きく2つ決めていて、1つが、われわれインターネットの会社なんですけども、その主力事業がゲームであると。

そのゲーム事業というのがフィーチャーフォンからスマートフォンに代わって、ブラウザからアプリにシフトしていくという中において、やはり下げトレンドになってきたので。

このゲーム事業というのに再度注力をして、強化して、アプリのマーケットにおいても勝てるようにしないといけないということで、このゲームの再強化というのが大きな柱ですね。

それに加えて、われわれインターネットの会社なので、ゲーム事業だけでなく、ほかにもゲーム事業に匹敵するような柱をつくっていきたいというふうに思っておりまして、われわれもゲーム事業も大きな規模なので、小さなものをつくってもあまりインパクトがない。

それに匹敵するようなものというと、やっぱり生半可なことじゃできないので、領域というのも非常に大きな可能性があるところに入っていくし、1個というよりも、いくつかやっていって、その中で大きなものがぼんっと出てくるようにつくりたいなということで、積極的に新しいものをつくっていく。

新しいものに関して言うと、短期的な収益というよりは、5年、10年というのを見据えて、中長期的に行動的な強みを持った事業をつくっていきたいなということで投資をしている。ということで、ゲーム事業と今後の中長期の柱をつくるという2つのテーマに基づいて経営をしています。

ゲーム事業以外の新たな取り組み

岡島:中長期の柱という意味では、いくつかスローガンを掲げておられて、今おっしゃっていた、いわゆるリアル巨大産業の構造改革というところと、それからこれもちょっと近いのかもしれないですが、「Delight and Impact the World」ということで、グローバルも含めてということで両側あるんだと思うんですけども。まず1つ目のリアルな巨大産業の構造変革、インターネットでこれをやるというところで言うと、少し事例的にお話いただければうれしいです。

守安:背景にあるのが、これだけスマートフォンが普及すると、ほとんどがスマートフォンを持っていて、インターネットにつながるし、インターネットに接する時間がどんどん増えていると思うんですね。

そういう背景と、言葉でいくとIoT(Internet of Things)というんですけども、いろんなデバイスがチップセットを積まれて、通信モジュールもネットにつながるということになってきて、インターネットにつながるデバイスが飛躍的に増えてきた。

インターネットにつながる人、時間、機器も増えてきたということで、これまで人がインターネットで遊んでいたというものから、あらゆる産業にインターネットのパワーというか、影響というのがいろいろ及んできている。

これまではそれこそゲームとか音楽とか、デジタルコンテンツになるものはインターネット化しやすいというところだと思うんですけども。

そこから離れた、今われわれが取り組んでいるヘルスケアとか自動車っていう、これまでインターネットとは関係ないよね、無縁だよねという領域にも、やっぱりインターネットをどう活用していけるのかとか、パワーを無視できない状況になってきてるんだろうな、というふうに思ってまして。

われわれ、そういう大きな産業、構造変わっていくのに時間がかかるんだけども、インターネットの力によって徐々に変わり始めていくんじゃないかというふうに思っていますので、そういうところに取り組んでいこうとしています。

車の自動運転で人為的な事故が減少する

岡島:ヘルスケアにしても自動車産業にしても、非常に大きな産業で、しかもいろいろと守られていることもたくさんあって、特に医療とかそうだと思うんですけども。

そこをインターネットで切り崩すと便利になることはたくさんあるような気がするんですけども、一方抵抗もたくさんあるんじゃないかなと思うんですが、その辺はDeNAさんだからできていることがたくさんあるんじゃないかなという気がするんですが。抵抗要因を超えていく力みたいなものはどうですか?

守安:当然法規制もありますけど、社会的なコンセンサスみたいなところは重要かなと思ってまして。

やっぱりこういうことができるようになるとどれだけ便利になるのかとか、どれだけ生活が豊かになるのか、楽しくなるのかというようなことを理解いただいて、「そうだよね」と思ってくれる人が増えてくれば、それが力になって、じゃあそういう規制なんかも変えていこうとか、そういうふうにつながってくると思うんですよね。

岡島:具体的には、今おっしゃっていたみたいに、ユーザーにとってデーターが溜まっていくと便利になるよねとか、そういう方向でネットが寄与するということなんですかね?

守安:そうですね。データが溜まってくるのもそうですし、あるいは何でしょうね。車なんかとってみても、これまでインターネットにつながらなかったものがつながるというと、データもそうですけど、われわれがやってるカーナビとかも含めて、どんどん変わってくると思うんですよね。

岡島:あるいは自動運転、みたいな話ですよね。

守安:そうですね。

岡島:守安さん、あんまり運転好きじゃないって(笑)。

守安:運転ね……寝ちゃうんですよね。

岡島:え、なんで? 仕事では寝ないんですか?

守安:そうなんですよ。興味があるものには寝ないんですけど、確実に寝ちゃうのが2つあって、車の運転と髪切ってるときなんですよ(笑)。

岡島:なるほど(笑)。

守安:一度追突事故を起こしたことがあって、本当に危ないんですよ。

岡島:なるほどなるほど。そうなるとますます自動運転みたいなものはすごく利便性を感じる。

守安:本当に感じていて、それこそ交通事故で亡くなられている方、全世界でどれくらいいらっしゃると思います?

岡島:全然わからないです。

守安:1年間に100万人超えてるんですよ。

岡島:え、本当ですか?

守安:それだけの人がなくなっていて。

岡島:しかもね、交通遺児みたいなのも出てきますしね。親御さんが亡くなられたりすると。

守安:そうなんですよ。亡くなられている方で100万人以上、普通の怪我まで含めると、優に数倍だと思いますので、それが僕は圧倒的に、人が運転するからこそ起きるものが多いと思うので、これが自動運転になってくると、かなりそこが変わってくるんじゃないかと思いますね。

岡島:人為の事故みたいなものが減ってくるということですよね。

守安:はい。

データに基づいたヘルスケアサービス

岡島:ヘルスケアのほうは、遺伝子解析から入っていかれる感じですかね。これは、どんなイメージで。

守安:遺伝子解析の「MYCODE(マイコード)」というものと、住友商事さんとのジョイントベンチャーで「KenCoM(ケンコム)」というサービスを開始して、この2つが今主力なんですけども。

遺伝子解析は個人の遺伝子の情報を読み取って、それだけから「この病気になるよ」とかそこまではわからないんですけども。

例えば岡島さんの遺伝子を読み取ると、日本人の平均の方と比べて、「胃がんになる可能性が4倍高いです」とか、「乳がんになる可能性は2分の1です」とか、統計的にわかるんですよね。それがわかってくると、「自分はこういう病気になりやすいんだな」と。

岡島:アンジェリーナ・ジョリーみたいな話ですよね。(注:家族性の乳癌原因遺伝子は生活習慣の改善による予防が困難なため、DeNAのMYCODEでは検査の対象としていません)。

守安:そうですよね。そうすると、生活習慣を変えようとか、検査に関してはもっと頻繁に受けるようにしようとか、そういうふうに生活が変わってくると思うので。

岡島:予防、未病みたいなことに。

守安:はい、自分の事実の情報を知ることによって、健康に監視が向くということも含めて、自分の遺伝子の情報をちゃんと理解をして、行動してもらいたいなというのが1個ですね。

もう1個のKenCoMというサービスは、健康保険組合(健保)にサービスを提供するんですけども、これによって企業検診のデータがインターネットから閲覧ができることになるんですね。

あとは、レセプト情報とかそういうものも集まってきますので、自分の健診データ、レセプトデータがネットに集まってくる。そうすると、自分の健康状況に合わせたサービスだとか情報だとかアプリだとか、そういったものをわれわれが提案できるようになってくる。

岡島:なるほど。健保だっていうことは、B2Cではなくて、B2B2Eみたいな。

守安:そうですね、B2B2Eですね。

岡島:従業員さんへのベネフィットっていう。そうするとますますデータが溜まりやすいですよね。個人がお金を払うよりも集まっていく、傾向値がより出てくるって感じかな。

守安:そういう意味で、その遺伝子の情報と健診情報みたいなものが、個人が自分で閲覧ができて、その状況に合わせて、どのように生活を変えていけばいいのかとか、われわれからレコメンドできるようになってくるというのが、目指している世界ですね。

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