CLOSE

営業人生「年代別の壁」突破策 〜1万人に聞いてわかった「知っている人だけが得をする」ルール〜(全3記事)

20代、30代で培ったキャリアの「収穫期」を間違うと後悔する 1万人の失敗談からわかったキャリアパスの落とし穴

数々の年代本ベストセラーを刊行してきた大塚寿氏が、営業パーソンの年代別に立ちはだかる「壁」に対処する策を解説する本イベント。営業パーソンとしてブレイクスルーしたい20代・30代から、営業パーソン・マネージャーとしてどのような道を進むべきか悩む40代・50代まで、人生設計のヒントをお伝えします。本記事では、営業のバックグラウンドを持つ大塚氏が年代本を書く理由についてお話ししました。

年代本のベストセラー作家・大塚寿氏が登壇

司会者:本日のテーマ「営業人生『年代別の壁』突破策」ということで、進めさせていただきます。

年代別の壁ということで、開始前にみなさまの年代をお教えいただけますでしょうか? 今画面にアンケートを出させていただきましたので、20代から60代以上の方まで、当てはまる年代にポチポチとご入力いただければと思います。

さっそくありがとうございます。どんどんご入力いただいてますね。共有させていただきますと、このような結果となりました。今回20代の方はいらっしゃらないので、大塚さんには、20代の解説はちょっと軽めにしていただければなと思います(笑)。40代の方がけっこう多い感じですね。それではこの年代分布も参考に、大塚さんにお話しいただこうと思います。

大塚寿氏(以下、大塚):はい、ありがとうございます。ではみなさん、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございました。せっかくみなさんの貴重なお時間をお預かりさせていただきますので、実のある話をしたいと思います。30代、40代、50代、60代、経営者の方もいらっしゃいますんで、お役に立つ話ができればと。ひとつよろしくお願い申し上げます。

司会者:大塚さんはこの度、8月末に書籍を出されたということで。『会社人生「55歳の壁」突破策』が発刊されました。おめでとうございます。

大塚:ありがとうございます。

司会者:今回「55歳の壁」とあるんですけども。大塚さんはこれまでも1万人の方へのインタビューを通して得た知見から、20代から50代まで多数の年代本を執筆されてきているということなんですね。

先ほど申しましたとおり「営業サプリ」は、営業に関わる方々が生き生きと活動、成長していただけることを願ったサービスということで。今日はこれらの書籍から、特に営業パーソン向けにフォーカスした年代別の壁と、その突破策を解説していただこうと思います。では、大塚さん、ここからどうぞよろしくお願いいたします。

かつてはひたすら営業本を書いていた

大塚:よろしくお願いします。軽く自己紹介をさせていただきます。ちょっと後でお話ししますけど、今ご紹介のあった酒井(雅弘)の部下だったとともに、家が近いということがございまして(笑)。出身はリクルートでございます。

その後、ちょっと思うところがあって、アメリカにMBA留学をするんですが。私費留学だったんで、いったん実家に戻って受験勉強しつつ、留学費用を捻出するためにヤマメの養殖を2年ほどやっておりました。お金も貯まって合格もしたので、その足でアメリカに行きました。

専攻はマーケティング・マネジメントと言われるところで、まさに売る仕組み、売らせる仕組み、形のあるものや形のないサービスとかソリューションを、大手企業、中堅企業、あるいは官公庁や政府とかに売る営業のメカニズムを専攻にしておりました。

それでMBAを取得して日本に戻ってまいりまして、その後起業しました。30年ほど営業マネジメント、営業のコンサルと研修、そしていろんなマネジメント研修等々をやってきております。著書はこの3倍、32冊程書いておりまして、何回かベストセラーにもなっているんですが。最初はひたすら営業本を書いてたんですね。

『リクルート流 「最強の営業力」のすべて』という、リクルートの営業のやり方をMBAチックに分析して体系化させて書いた本が非常に売れて。気を良くして、『法人営業バイブル』とか『オーラの営業』という営業小説。これは表紙だけ漫画で中身は小説なんですが。営業本って、どんなに売れても5万部は超えないんですね。

ところがビジネス書の著者ですごいと言われるのは、例えばテレビや日経なんちゃらで紹介されたりするのって、だいたい5万部じゃなくて10万部が1つの基準なんですね。

例えば日経夕刊の書評欄なんかだと、基準は10万部なんですね。なので我々は「10万部を超えよう、超えよう」と思って書くんですが。どうしても、営業本で今まで10万部を超えたのはほぼないぐらいレアなんです。

実は初めて(10万部を)超えたのが『40代を後悔しない50のリスト』という、十数年前に書いた本なんですけども。ご存じの方もいらっしゃるかもしれないんですが、これは28万部売れて、40代の年代本として一番売れた本です。それで「年代本って売れるんだな」と気づいてしまいまして。

執筆のきっかけは、営業時代の経営者との雑談

大塚:「え? なんでバックグラウンドが営業だった大塚が、年代本なの?」と感じる方もいらっしゃるかと思うんですが、実はこれは営業時代の雑談なんですね。

例えばリクルート時代、私は1年目、2年目は新規開拓をしていて、渋谷、品川、目黒、調布、府中のテリトリーを担当してました。いろんな企業さんを訪問して大手企業の部課長、もしくはオーナー企業の社長に会うことが多かったんですね。

だいたい営業で新規で行きますと、「いやー、君よくここに辿り着いたね」みたいな話になって、だいたいもう30分ぐらい雑談やってて。こっちとしてはヨイショじゃないんだけれども、いろんなお客さまが気持ちよく話してくださるような準備をしている。「なんか大塚くん、うちの会社詳しいね」「うちの業界に詳しいんだね」と思わせるような下準備をしっかりして行きました。

雑談に花を咲かせていたところ、経営者の方とか部課長までなられる方って、ヨイショとか自慢話とかプラスのポジティブな話ばっかりだとバランスを取りたがるんですよね。そこで今までの話とバランスを取るために「今でこそこうだけど、かつてこんな失敗しちゃってさ」とか、「実はこんなことを後悔してんだよね」みたいなマイナスの話(が始まるんです)。

「あの時こうすりゃよかったな」みたいな話をずっと聞いていて。それを1冊にまとめただけの本なんですけど、これが28万部売れて、世の中そうなんだなと。私は1年に1,000人ぐらいずつどんどん会った人が増えていくので、今までの蓄積している人間関係がありまして。

大きな(企業の)経営者だとか、かつてまったくの無名だったんだけど今は誰でも知っている会社のオーナー社長みたいな人がけっこういてですね。そういう方と今でも人間関係があるんで、それが広がって、いろんなところからいろいろ聞いてきて、それをまとめていく1つの流れになってまして。

今度は『できる40代は、「これ」しかやらない』とか『50歳からは、「これ」しかやらない』という、「これ」しかなんとかシリーズも当たってしまいました。それで、今回の50代本になったということでございます。

日本の売れない営業パーソンを救うために

大塚:こちらの『〈営業サプリ式〉大塚寿の「売れる営業力」養成講座』。これは営業サプリ式ってついていますが。先ほど下野(かばた)から紹介がありましたけど、この「営業サプリ」って何?」って話で、いわゆる「スタディサプリ」の営業版でございます。

先ほど紹介のあった酒井がリクルートの取締役だったんですけど。先のリクルートの上場により、いわゆるキャピタルゲインがどんと入ってきておりまして。そのお金を(使って)日本中の売れない営業パーソンとか、今営業で悩んでいる営業パーソンを救いたいと。それで「お前がなんとかしろ」と、家が近くて営業本をたくさん書いてる私に白羽の矢が立ちました。

7年ほど前、折しも私の息子が受験の時にスタディサプリで学習していまして。例えばかつての、20何人の営業研修やマーケティングの戦略研修で、講師がしゃべったことを座学で聞いて板書するような時代ではなくて。

YouTubeではないですが、塾でも受講者がパソコンのディスプレイや下手をするとスマホ越しに勉強する時代なんです。もう受講者が「動画でいいんだな」と気づいているので、「オンラインで学ぶ営業研修を作ろうか」ということで、酒井から命令がありました。「さしずめ、『営業サプリ』ですかね?」と申し上げたところ、さっそく商標を取って今日の営業サプリになっていったということでございます。

自己紹介はそんなところで、さっそく中身に入ってまいりたいと思います。今回、20代の方はいらっしゃらなかったんですが、みなさんの部下や後輩の最近の20代はゆとりからさとりに代わって。

さとりから今度はまったく違う性質を持った「Z世代」という、日本経済にはかなり有望なイケイケドンドンの世代が登場しております。そういう彼ら彼女らの育て方の話をしていきたいと思います。

「ビジネスパーソン双六」で見る各年代の壁

大塚:まずは、みなさんを総合的に捉える、ビジネスパーソン双六(すごろく)をお話ししておきたいと思います。これは先ほどご紹介申し上げました『40代を後悔しない50のリスト』以来、ずっと掲げている双六です。

まず20代で種をまき、各世代の営業パーソンが生き生きと組織で活躍するには、という「ジェネレーション的な特性を知っておきましょう」というのが趣旨でございます。

20代はもうとにかく種をまくということで、いろいろやってみましょうと。良いこと悪いこと、成功も失敗もどんどんしていただき、いろんなところに種をまくわけですね。育つ種、育たない種があるかと思うんですが、とにかくいろんなところにチャレンジして、種をまきましょうと。その中で取捨選択をして、自分の特性を知っていきましょう。

30代で育ってきた芽に水をやって育てる。その育成する期間が30代です。そして40代で収穫でございます。いいですか? みなさん。だいたいここは諸先輩が10年間違っていたので、後進に残しておきたいお話として(お伝えします)。

だいたいみんな、収穫期を50代として人生設計をしてしまうんです。そういう方は、リタイアした1万人の方々の中では100パーセント後悔されています。30代で芽を育てて、実をつけて、40代で収穫するんです。

目指すは「60代でハッピーリタイア」

大塚:「じゃあ50代はどうするの?」という話なんですけども。50代は収穫したもので過ごし、60代でハッピーリタイア。

実は今、70歳までは50パーセントの方が働くんですよね。それ以降働いている方も半分いらっしゃいますからね。やはり人生100年時代ということの表れだと思うんですが。56、57歳で役職定年という企業さんもありますけど、大手さんはやはり55歳役職定年が一番多いですね。

60歳で定年した後も実は65歳までは雇用延長なんだけれども、別に50代の年収で雇用延長になっているわけじゃないですからね。60歳でいったん定年になって、いわゆる嘱託とか、どちらかというと非正規雇用的な扱いになって、年収もぐっと下げられる。

例えば、役職定年で3割年収が下がって、そこから今度は60歳で半額になってしまう企業さんが多くて。下手をすると「これって新入社員並みじゃないの?」と。そもそも「1,200円の時給です」「1,250円の時給です」という再雇用の契約になっている企業さんも多かったりします。これはちょっと後で話をすることにしましょう。

60代でハッピーリタイアというのは、65歳から70歳未満みたいなところでございます。これがざっと、各年代で見た時のビジネスパーソン双六になります。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • NTTドコモの社員でありながら6社で副業する山田崇氏 企業人材が紡ぐ地方創生と次世代キャリア形成の可能性

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!