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0から始める“失敗しない”人的資本経営の実践とは (全2記事)

2023.08.22

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「生産性の高い組織」の特徴から、自社の“弱点”を洗い出す 人的資本経営を実現するための“最初の1歩”とは

提供:株式会社スタディスト

昨今、ビジネスシーンで耳にする機会が増えた「人的資本経営」というワード。経済産業省からも人的資本可視化指針が公表されていますが、何を情報開示していくべきか・どう実践すべきか、試行錯誤している企業も少なくありません。人的資本経営でよくある悩みや、失敗しないためのポイントについて、株式会社スタディスト コンサルティング部の渡部数満氏が紹介します。後編となる本記事では、人的資本経営の基盤となる「組織状態の可視化」が重要な理由や、生産性向上の施策を「やりっぱなし」にしないための対策法を語ります。

人的資本経営で重要な「5つの要素」

渡部数満氏(以下、渡部):次のページが(人的資本経営で重要な)「5つの要素」と言われているものです。さらっといきますが、最適な人材配置が重要です。それによって組織のパフォーマンスが上がりますので、個人のパフォーマンスも上がります。

あとは「経験の多様性と受容」。生産性に寄与しますので、こちらも非常に重要だと言われています。それから「リスキル、学び直し」。とかくリスキル(リスキリング)って、今はバズワード的に言われているものかと思うんですけど、個人的にはちょっと疑ってかかっています。

例えば、20年選手、30年選手が「明日から違う仕事をしろ、そのためのスキルを身につけなさい」と言われて、そう簡単にできることじゃないと思います。

大企業の場合、新卒一括採用でずっと同じ仕事をすることも多かったりします。そうすると、リスキルは簡単にできることじゃないので、すごく腰を据えてやる必要があるものだと思います。なので「リスキルやろう! エイエイオー」で、できることじゃないというのは、ご認識いただいたほうがいいかなと思います。

4つ目が「エンゲージメント」ですね。個と組織が良い状態にあることをエンゲージメント、従業員のエンゲージメントと言いますが、社会、市場、お客様、あるいは働く人から選ばれるためにとても重要な要素で、 働き方の多様性も重要になります。

8割以上の企業が人的資本経営に課題を抱えている

渡部:ということで、けっこうきれいごとばかり言っているように聞こえます。伊藤レポートも「それ、全部ごもっとも」っていう正論なんですよ。そうは言っても難しいよねというのが、みなさん感じられていることかと思います。

つまり、「まずは開示義務があるよね。重要性はわかるし、今の自分の使命として、実は人的資本経営に関わる仕事をしている」と。

それゆえに用語も理解しようとして、いろいろ勉強もされていて、今日もこういったセミナーに参加されている。ですが、「何から手をつければいいのかな?」「何をすればいいのかな?」と、まだまだわからないところが多いと思います。

ここまでは背景やマクロな環境、考え方、概要、重要性をお話ししてきました。では、もう少し具体的に、この先のお話をしていきたいと思います。

最初に実態として、今、みなさんの抱えている課題については調査でも出ていて、企業の8割が「課題がありますよ」と言っています。

リクルートの調査では、「人的資本経営に関する業務を行う上で課題はありますか?」という質問に対して、82.1パーセントの人たちが課題があると言っています。

中小企業も大企業も、ハードルは経営陣の意識変革

渡部:一体どんな課題なのかというと、「散財している人材データの統合って難しい」。これは本当に難しそうです。あとは「どのように人的資本の開示をしたらいいかわからない」。これはHOWの部分です。

先ほど、中小企業の経営者の話もありましたが、大企業とて「経営陣の意識変革」はけっこう難しく、めちゃくちゃパワーがかかりそうですよね。

「人的資本は『資本』と言っているし、投資って考え方としてはわかるけど、それって本当に回収できるの?」みたいなものもあります。「(従業員を)リスキルする支援で予算が十分ではない」というのも、実態としてはありそうです。

1つの例として、ここは持ち帰っていただきたい重要なページになるかなと思っています。まずは「開示義務」ですね。これは、内閣府から出ている開示事項の例です。

7つのくくりと、それをもう少しブレイクダウンした19の項目について開示するといいよと言われております。基本、これは全部開示したほうがいいんですけど、しらみつぶしに全部開示するのが目的ではないですし、あくまでプロセスでしかないです。

その先にある企業価値向上、市場・お客さま・従業員から選ばれるためにはこれが重要で、観点は大きく2つあります。

正しく・納得性のある情報開示のポイント

渡部:「伊藤レポートをひもとくと、こういうことが書かれている」というのをまとめて、私なりに解釈して非常に重要だなと思ったポイントです。まず1つ目は「独自性」ですね。先ほど「経営戦略と人事戦略を連動させることが一番重要です」とお伝えしたんですが、まさにそこです。

自社のビジネスモデルや戦略、例えばベンチャーと重厚長大の伝統ある企業で、同じ戦略やビジネスモデルということはあり得ないので、「今、自分たちは何をすべきなのか」にしっかりと取り組んで、指標・目的を開示していくことが重要になります。

ただただ「こんなことをやってるよ」と並べるのではなくて、それが正しく・自分たちがやるべきことなのかを投資家は見ます。ですので、統合的なストーリーとして位置付けているかが一番重要なポイントです。

2つ目も伊藤レポートに書いてあるんですが「比較可能性」です。何をもって可能性があるかとしますと、世の中にはいろんな指標があります。

例えばISO、GRIスタンダード、コーポレートガバナンス・コードがあります。そこに沿って設定していくと、投資家・ステークホルダーが比較しやすいので、「この会社はこういうことをやっていてすごくいいね」というふうに見られます。

自社の利用価値を最大化するための中長期的な重要課題にしっかりと基づいて開示されているか、開示されているものを他社・ステークホルダーが見た時によくわかるか、納得性のあるものになっているかという観点で、何を開示するか・どのように開示するかを決めていただくといいかなと思います。

情報開示は、あくまでもプロセスの1つに過ぎない

渡部:みなさんは今、「何か事例ってないの?」と、感じていると思います。あります。そのお話をしていきます。

「人的資本経営、金融庁、事例」でGoogle検索していただくと、金融庁の「『記述情報の開示の好事例集2022』の公表」というページがあります。

下のほうにダウンロードできる資料がいろいろあって、その中に『社会(人的資本、多様性)』という資料があります。去年(2022年)の好事例として金融庁が「こういうのを参考にしてね」という事例になっています。

例えば、丸井グループさんや双日さんにはどんな課題があって、どんなことに取り組んだのか。こういったアウトプットになったものが40ページくらいになっていて、非常に参考になるかなと思います。

「人的資本経営の取り組みとして多様な文化を作っている」「男性の産休取得率はこうなっている」「何年後にはどういった姿になりたい。なぜならばこういった取り組みを目指して、その一環のプロセスとしてこれをやっているから」という感じで表現いただくと、投資家から「確かに、すごくいい取り組みをされているんだな」と見ていただけます。

「投資家からそう見られるからいいですよ」と言いましたけど、それも最終的にはお客さま・市場から選ばれるためのプロセスの1つだと思ってください。

やらされ感というよりは、本当にフルコミットでやっていただくと良いアウトプットになって、実効性のある施策につながっていくかなと思います。

「人的資本経営のジレンマ」をどう乗り越えるか

渡部:ここまで開示義務や重要性をいろいろお伝えしてきたんですけど、とはいえ最初に何をすればいいかわからないとか、KPIの設定の仕方がわからない、どんな情報を可視化すればいいのか、どう整備すればいいのかわからないところは、まだまだ残っているかと思います。

そこで1つまとめると、こういったいろんなジレンマがあると思います。その(解消の)ためのスタート地点としては、現状を正しく把握して、独自のストーリーを描いていくことが重要なんじゃないかなと思っております。

先ほど伊藤レポートの視点の2つ目に「As is-To beギャップの定量的可視化」とあったと思うんですが、それがまさにスタート地点になると思っていただくと良いです。

大企業ですと、だいたいなにかしらの組織調査や組織診断、従業員調査をやっていると思うんですけど、それが1つの方法論になります。

何度も同じ話をしているんですが、情報開示の義務は通過点です。本質的な人・組織のパフォーマンス(≒生産性)を高めて最大化して、市場、従業員、ステークホルダーから選ばれる存在になるために、まずは組織の状態を可視化するところからスタートするのが良いんじゃないですか、というのが1つの提言になります。

一番下に書いてあることを読み上げますと、人的資本経営に関わる業務を開示義務対応だけで終わらせるのではなく、本質的に企業価値を最大化するための機会として捉えていただいて、その結果、組織的なパフォーマンスが向上していく。

ここでまとめますと、組織の生産性が向上していくための施策の実行、あるいはその手前の現状把握、課題設定をしていただくことが重要ということです。

そもそも「生産性」の定義とは

渡部:何回か「生産性」という話が出てきたと思うんですが、生産性って、人によって捉え方や解釈の仕方、定義の仕方が違う場合があるので、いったん定義付けをしたいと思います。

生産性が高まると、当然、企業価値も高まるという連動性があると思うんですが、「生産性とは?」を一言で言うと、リソース量に対して得られた生産物の生産量の比のことだと考えております。

これを式にすると、こんなかたちですね。ヒト、モノ、カネといった、投資する資源。経営資源とも言いますが、いかに少ない資源でいかに大きな価値を生み出すか。この割り算が大きければ大きいほど、生産性が高い状態です。

例えば人時生産性と言うと、投下したヒトの総労働時間に対しての売上、付加価値がどの程度か。この割り算によって人時生産性が測れる。それが高ければ高いほど、生産性が高いと言われています。

一方で「生産性とは」と言った時に、とかく論じられがちなのが分母の話かなと思っています。確かに、投下する資源を低下させるために業務効率化する、属人性を排除する、DXを図っていくことは一定の効果がある。重要な基盤を整えることかなと思います。

一方で仕事の質を高めるとか、良い商品を市場に送り出す、あるいはイノベーションを起こしていく、組織を強くしていくところについては分子に寄与する活動になります。この割り算をしっかりと思い描いて、分母の活動と分子の活動をバランス良くやっていただく必要があると考えています。

人的資本経営の基盤は「組織の状態の可視化」

渡部:組織の生産性を高めていこうという時には「業務効率化」、先ほどで言う分母の部分と、組織と人の力(付加価値)を高めていくことが、いずれも重要になってきます。

これを複合的・複眼的に考えることが、組織全体のパフォーマンスを高めるための可視化の観点としては一番重要だと思っています。

組織の状態の測り方はいろいろあると思いますが、例えば、人事コンサルを入れた組織診断はたぶん多くの会社でやっていると思います。それをやること自体はすごくいいことである一方、人・組織の状態しか明らかにならなかったりします。

実はオペレーションがめちゃくちゃ属人化していることが理由で、組織状態が良くなくなっているのに、左側(業務効率化)の観点が抜けているとなんで起きているのかわからない。あるいは正しい打ち手が打てない。

正しくないがゆえに悪影響が出てしまうこともあるので、業務効率化、付加価値創出、両方の観点でしっかりと俯瞰的に可視化して、「現状ではこうなっているんだな」ということを見ていただくのがいいと思っています。

組織生産性サーベイの有用性

渡部:具体的な打ち手の1つとして、組織生産性サーベイをご紹介させていただいて、本日最後のお話としていきたいと思います。ご紹介にはなってしまいますが、有効な可視化の手段ですので、ここまでの話を実現する方法として「ちょっと話を聞いてみようかな」と思っていただけると大変うれしいです。

組織生産性サーベイとはなんぞや? ということで、組織の生産性向上に向けた課題を独自の調査で可視化する“健康診断”と思ってください。

3つの特徴がありまして、1つ目が、先ほどで言う「分母」と「分子」を両面で可視化することができる。4象限をお見せしましたが、全部を可視化できる調査って他にはないんですね。(組織生産性サーベイでは)そういった観点で可視化することができますので、正しく可視化ができます。

2つ目として、その先の打ち手まで標準のパッケージで示すことができます。報告書を出して終わりではなくて、報告書をお出ししたあとに「こういった打ち手が考えられます。だからこうしましょう」というコンサルティング・ご提言までが全部セットになっています。

さらに、そのあとの提供ソリューションが豊富であることです。

オペレーション調査だけでは組織の実態はわからない

渡部:1つずつ見ていきますと、「新しい調査ですよ」とお伝えしていますし、お客さまからもそういったお声をいただいております。2軸の4象限になっており、こちらがまさに効果測定、測定項目の考え方になっています。

左側が分母の部分、右側が分子の部分。それをどのくらいの活動ができているのか、組織の活動、現場の活動というふうに2軸4象限に分けていくと、それぞれの企業課題と「何をやればいいのか」が見えてきます。

先ほどちらっとお伝えしましたが、人事コンサルがやっているサーベイ・組織調査は、基本的に右側の領域になります。組織の状態を測って、人をどう育てていけばいいか、エンゲージメントが高まるかを調査する。それ自体はすごく価値があると思いますし、付加価値を創出していく活動としてはとても重要かと思います。

一方で現場のオペレーションや、組織のオペレーションの状態を調査する業務改善の調査はいっぱいあると思うんですけど、それも非常に重要かなと思います。

ただ、そういったオペレーションの調査ばかりしていても組織開発の状態や人材の開発の状態はわからないので、これを俯瞰的に見ていくと、一番正しい打ち手、今の“一番の痛み”が見えてきます。

イノベーションが起きやすい企業の特徴

渡部:「2軸4象限で見ると、非常に新しい発見がある」とか「今の自社の正しい状態がめちゃくちゃよくわかりました」というお客さまの声をいただいています。

どうやって開発したのかをご説明するといつも納得いただけるので、ちょっとまどろっこしいですがこの話もお伝えします。

組織のパフォーマンス向上、個人のパフォーマンス向上といった、生産性に関する研究成果は世の中にたくさんあります。そちらをひもとき、お客さまの実際の企業活動にご協力いただいて実証実験することで、「生産性の高い組織はこういうことをやっているんだな」ということが見えてきました。

例えば、マニュアルが整備されていて業務標準化されているとか、適切な仕事・役割が割り当てられている。そういったマネジメントが図られていたり、定常業務が自動化、アウトソーシングされていると、コア業務に向き合う時間が最大化する。そうすると生産性が高まりますよね。

文化的なところで言うと、チャレンジングな失敗が許容されたり、むしろ賞賛されるような文化があるとイノベーションが起きやすい。あるいは中長期的な重要な課題を後回しにせず意図的に取り組んでいる企業は、非常にイノベーションが生み出されやすいです。

手戻りを減らすためにも優先順位が重要

渡部:オペレーションの面で言うと、業務のオペレーションが定量的に可視化されていると業務効率化が図られやすい。これも組織運営ですが、心理的安全性の高い組織運営をしていると、一人ひとりのパフォーマンスが高まって組織のパフォーマンスも高まる。イコール、組織生産性が高まると考えております。

これはすべて「正解」なんですよね。一方で、とっちらかった状態で置いておいても、自社課題がどこにあるのか、あるいは何をやろうか決められないかなと思うんです。

思いつきで「えいや」でやることになったり、本当に優先順位が高いのかわからないままやると手戻りが発生したり、悪影響が出たりする可能性もあります。ですので、しっかりと可視化していきましょう。

先ほど洗い出した「生産性の高い組織がやっている活動」が、どこかしらにプロットされていますので、この2軸4象限で見ることは、非常に正解に近いんじゃないかなと私どもは思っています。

顧客に寄り添った打ち手の提案

渡部:生産性向上で一番イメージされやすいのが、左下の「現場の業務効率化の企業活動」。例えば業務標準化されているとか、ネガティブな業務が削減されている、DXが図られているということですね。

それに加えて右側ですね。いかに企業の付加価値創出力を高めるか。組織を強くしていくためにエンゲージメントを図ったり、付加価値創出の風土を醸成していく。

あるいは、人材育成で人を強くすることによって付加価値創出力を高めていく。けっこう中長期的な取り組みが必要になりますよね。ここにしっかりと取り組んでいって、フルコミットでやっていきましょうという考え方です。

実は中身のアンケートを見るとそんなに目新しくないんですけど、見方、分け方、課題の捉え方がけっこう特殊だったり、新しかったりすると思っています。

報告書をペラっとお渡ししただけでお客さま側で読み解けるかというと、読み解きづらい部分もあるのかなと思っています。

報告書だけじゃなくて、そのあとの打ち手までしっかりとご提案して、「こう読み取れます。なので、こういった課題についてこういう取り組み・施策を打っていただくとよいですよ」と、仮説を提案するところまで全部セットになっています。

施策を「やりっぱなし」で終わらせないために

渡部:やりっぱなしになりづらいことに加えて、サーベイ実施後に部門長の方々に集まっていただいて、読み解きワークショップをセットで行っています。

部門ごとの報告書をお渡しして、それを見ながら自部署の課題を書き出していって、「組織のメンバーとこんなギャップがあるから、こんなアクションプランをいつまでにやろう」と、決めていただく場になっています。

これをやることによってアクションプランが決まって、非常に実効性の高い施策になり、やりっぱなしにならない、実効性の高い施策につながると思っていただけるといいかなと思っております。

組織調査で往々にしてありがちなのが、「年に1回、回答しました。結局あれってどうなったんだっけ?」と、従業員もよくわからず毎年ただただ答える。

「1回答えてるからあんまり変わらないよね」となると、だんだん回答もいい加減になったり、むしろ不信感が増えたりします。そのあと、施策としてしっかりと落とし込んでいくことがめちゃくちゃ重要です。なので、そこもセットにさせていただくのが私どもの考え方です。

お客さまからはよく、「打ち手のご提言までしていただけるのはすごくありがたいし、非常に的を得たことを言っていただけるのでうれしい」と言っていただいています。

また、「この先は自分たちでできる気がしないんだけど、なにか打ち手やソリューションの提供がほしい」という場合も、もちろん対応が可能です。

例えば現場のオペレーションのところ、業務標準化やDXが一番大きな課題だということが見えてきたら、弊社のクラウドサービスを使って解決していくのが一番道筋としては近いし、良い打ち手になります。

あるいは組織開発や人材開発が重要な課題であることがわかれば、実は弊社側でもワークショップや個人のスキルアップの研修をご提供することが可能です。

ワークショップやスキルアップ研修も用意

渡部:一連の連動したかたち、あるいはスコアの状態に合わせたワークショップを設計してご提供するので、一言で言うと次のスコアが上がりやすいものを提供します。

スコアが出たあとにご提言をして、やりっぱなしで「さようなら」じゃなくて、その先もご一緒できます。ただし、このワークショップやコミュニケーションの設計、ツールのご提供は有償になりますので、そこはご理解ください。

ミッション、ビジョン、バリューの理解浸透をテーマにワークショップを実施したり、そのほかにもいろんなことをご提供することが可能です。人材開発のリスキリングの研修も実施可能ですし、ほかのテーマでも可能です。

実際に組織生産性サーベイの結果報告会の中で、「こういったことをしたほうがいいですよ」とご提言して、「具体的にはこういった施策にしたほうがいいんじゃないですか? 弊社だったらこういうことができますよ」ということをお伝えできます。

アンケートで打ち手の優先順位を整理

渡部:最後に、どうやって進めていくのかをまとめます。こんなフローでご提供していて、サーベイ設計とは書いてありますが、一言で言うとアンケートに答えていただきます。アンケートの設計自体は全社共通なので、どんな部署単位・どんな属性でこの報告書を見たいかを整理します。

その上でサーベイをクラウド上で回答いただいて、集計して、報告書をお出しします。あとは報告会を実施して、ワークショップを実施して完了というかたちで進んでいきます。

これは報告書の例で、今は見方が変わってきているんですけど、全体のスコアと各属性項目ごとのスコア、測定項目ごとの重要度を示しています。従業員がその活動について「とても大切だ」と回答している割合になります。

例えば、76パーセントの人がこの項目については「とても重要だ」と言っているので、めちゃくちゃ重要な項目ですよね。

重要度と実際のスコアを照らし合わせて、設問の回答も見ながら、どのあたりに従業員の重要性とのギャップがあって、課題の打ち手の優先度が高そうなのかを深掘りしていって、解像度の高い打ち手のご提案をしていきます。

現状と「ありたい姿」のギャップを元にストーリーを描く

渡部:というわけで、今日は人的資本経営のお話をしました。その中で一番重要なのは、本当に正しい打ち手を打つこと。

「As is-To be」と書いてましたけど、そのためには、現状とありたい姿のギャップをしっかりと把握すること。「今はどうなっているんだっけ?」というところを、組織生産性サーベイという組織調査を使うことによって明らかにして見ることができます。

ただ、これは別にみなさんでもできることですし、現状の組織診断も活用することができるので、なんら押し売りするものではないです。持って帰っていただきたいこととしては、前半の人的資本経営のところの話で「経営戦略」と「人事戦略」をしっかりと連動させること。

(人的資本の)開示義務はありますが、開示する項目や内容については、自社の独自性のあるストーリーでしっかりと展開・表現していく。

「なんとなくやっているだけだな」というのは比較すればわかっちゃうので、実態としてやっていかないと、投資家からはそう見られます。そういったところをぜひ取り組んでいただきたいというお話でした。ありがとうございました。

本来の目的を見失う“NG行為”をしないための心得

司会者:ご清聴ありがとうございました。これよりアンケート回答と質疑応答の時間です。いただいている質問を読み上げさせていただきます。

「組織の生産性状態が高いか・低いかを可視化するもの、という認識でよろしいでしょうか。このサーベイ結果と実際の生産性は相関しているものでしょうか」という質問をいただきました。ご回答お願いいたします。

渡部:半分正解というか……半分はそうですが、半分はちょっと違う面もあります。

なぜかと言いますと、組織の生産性の状態が高いか・低いかを可視化するものというよりは、生産性の状態を見て、今は自社がどこに取り組むべき課題があるのかという、課題設定をするための素材を得るものと認識していただくといいかなと思います。

ですので、サーベイ結果はあくまでも、その後のワークショップによってアクションプラン策定をするための「素材」と捉えていただくと良いと考えています。なので、お客様には「研修サービスです」とも伝えています。

スコアが高いか・低いかを可視化することに目的を置きすぎると、良くないことが起きがちだと考えています。

例えば、本来の目的ではないのにスコアの状態で一喜一憂したり。あるいは他社と比較した時に、「なんか低いなぁ」とちょっと落ち込むとか。

まずはしっかりとした課題設定から始める

渡部:慌てて何かをいろいろやり始めるのではなくて、何度も申し上げているように、課題設定がとても重要かと思います。課題設定するためのサーベイの報告の内容が、活動ベースのものになっているんですね。

こういった活動がなされていない可能性がある、もしくは従業員が「本当はこういった活動や施策を展開してほしい」と思っているんだけど、されていない可能性があります。なので、しっかりと課題設定して取り組んでみてはどうでしょうか。

去年との差分や部署ごとの、相対的な高い・低いは見ていくんですけど、他社と比較して「御社の生産性の状態は高いですね、低いですね」とは、あまり言わないです。

実際の生産性と相関しているかは、例えば御社の人時生産性と照らし合わせて去年との差分を見ていくと1つのKPIの管理はできるかと思います。ただ、このサーベイの中ではものすごくど真ん中で扱えるわけではないです。

あくまでも「組織生産性を阻害している要因を客観的に探り、見つけ、その素材をもとにアクションプラン策定し、実行に移す」というのが、お客様に取り組んでいただきたいことになりますし、弊社が提供したいことです。という回答になりますが、回答になっていますでしょうか?

司会者:時間の関係上、今の質問を最後とさせていただきます。ありがとうございました。

渡部:ありがとうございました。

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